*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。
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★尊王攘夷じゃ ↓ 大臣になるぞ ↓ 元老になりたい |
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1925年ももう暮だ。内務省の決めた品質保証認証制度が始まって8カ月が経過した。審査会社の商売は盛況である。なにしろ官公庁の入札に参加するには、認証していなければならない。内務省も一挙に展開するのは無理とみて、第一段階は調達品目や役務の対象を限定して更に一定金額以上と足切りを導入した。 しかし対象となった企業だけでも、認証開始を待ち構えていたためにものすごい仕事量だ。さすが年の暮れになると初期の繁忙期は一段落したが、まだ巨額な取引にとどまっており、一般の器具備品の調達までは広まっていない。 それでも今年だけで認証件数は1万を超えた。審査会社もスタート時は5社だったが、年末には10数社に増えた。このまま行けば数年後には認証件数20万、審査会社は二百や三百になるのではないかと言われている。 ![]() ちょっと考えれば、認証件数が20万にもなるはずはない。扶桑国の法人数は100万といわれる。官公庁に納めているのは街の印刷会社とか文具店まで含めても、その1割もないだろう。だから認証件数は10万が上限だろう。 しかしここでその限界を超える理屈が唱えられた。 認証を受けている会社は周りから優れていると認識されるという説、そして認証を受ければ会社が良くなるという説である。故に官公庁と取引していない会社も認証するべきだと煽る人たちが現れた。ほとんどは認証機関の宣伝というかポジショントークだったけど。 半蔵品質認証(株)の事務所で宇佐美はニヤニヤしている。今年8カ月の売り上げは当初の計画よりも5割も多い。
お客さんが増えるのはうれしいが、審査サービスを提供しようにも審査員の不足が一番の問題で、毎週審査員研修を行っているが自社ばかりでなく他の審査会社からの受講者も多くさばききれない。審査員の養成が課題だ。宇佐美が見ても質はイマイチだが今はそこには目をつぶり、ゆくゆく考えていこう。 現時点、東京府と大宮、横浜、千葉の3都市に営業所を置いて活動しているが、来年には札幌や仙台など地方裁判所がある都市に支社を設けようかと考えている。それも人材育成しだいだ。 その他、認証事業より少し前に営業を開始した計測器校正業がこれまたものすごい成長で、計測器校正と審査の二つの事業を育てたら、この子会社の社長はもちろん、ゆくゆくは本体の半蔵時計店の社長も夢ではないと考えている。 ドロシーの夫が千葉に建てた工場も、このところ成長著しい飛行機や自動車のエンジンのコネクティングロッドなど
子供も既に2歳半、かわいい盛りであまり離れたくないので、ドロシーは審査員研修の講師と東京府内の審査をしている。もっともまだ審査のお仕事の9割は東京府が占めており地方は少ない。 おっと、もちろん夫の会社、山梨工業は最初の頃に内務省の品質保証の認証を受けている。 ドロシー夫妻の前途は洋々に見える。 ●
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年の暮れに内務省の海老沢が伊丹を訪ねてきた。この男はいつも辛気臭い顔をしているが、今日はまた特別に陰気な顔をしている。 ![]() | |||||||
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「やあ、海老沢さん、お久しぶりです。今年は大変でしたね。でも認証制度が動き出してホッと一息でしょう」
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「いやあ〜、伊丹さん、そうでもないのです。悩み事がいろいろあって伊丹さんに教えていただきたく伺ったわけです」
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「なんでしょう?」
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「実はこの制度について、内部・外部から多数の疑義が呈されているのです」
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「どんなことでしょうか?」
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「内部つまり調達する側からの問題提起は、認証制度前も実施後も品質が変わっていないことです。つまり目的を達成していないのではないかということ」
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「なるほど、外部とは?」
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「企業側の苦情は認証費用です。今まで官公庁と取引してきた企業は、認証が追加になった分、それにかかる費用を負担しろというのです」
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「海老沢さん、今になってそれを問題というのですか? そりゃ海老沢さんの事前検討が不十分でしょう」
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「えっ、伊丹さんはどう考えていたんですか?」
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「まず認証費用で売値が何パーセント上がるか考えると大きくはないでしょう。認証費用は審査する組織の規模によって決まります。100人で5両から6両(60万〜70万円)、1000人で12両から14両(140〜170万円)。それを売上で割るわけです。審査費用は直線ではないから小規模な会社の方が負担割合は大きくなりますか」
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「ということは小規模会社には認証費用を払うということですか?」
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「まあまあ、100人規模の工場なら生産高は数千万から1億両(7〜12億円)、認証費用を5両(60万円)とすれば、認証による費用増加は売り上げの0.1%、微々たるものです | ||||||
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「なるほど、しかし今までなかったものが追加になるわけで、負担する方は不満ですよね」
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「でも品質保証によって品質問題が減り、供給者の品質コストは下がるはず」
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「すみません、品質コストとはなんですか?」
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「品質に関わる費用のことです。法律とか会計の費目で決まっているものではありません。普通「失敗コスト」「予防コスト」の二つに分けますが、三つに分けるなら「評価コスト」を追加でしょうか。 認証は会社の仕組みの審査評価ですから予防コストあるいは評価コストとなるでしょうね。もちろん認証にかかった予防コストより、失敗コストの減少が大きくないと意味がありません」 | ||||||
![]() 海老沢は頭を斜めにひねってしばし沈黙する。 やがて口を開いた。 ![]() | |||||||
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「なるほど、品質保証とはそういうことなのですか」
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「オヤオヤ、海老沢さんはどんな風に考えていたのですか?」
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「どんな風にというか、しっかり検査するようなイメージでした | ||||||
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「同じことですよ。しっかり検査するため以前より手間をかければ費用が増します。その費用増加より後工程で不良が減ったことによる費用減が大きくないとやる甲斐がありません」 | ||||||
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「ええと品質保証は品質コストを下げるためだというのは分かりました。そして有効に機能すれば売り手も買い手も良いはずです。 でも現実に品質が良くなっていないのとコストがかさんでいることは、第三者認証の効果がでていないといことになります。 品質保証の実施による改善効果は本当に回収できるものですか? 今の表現なら、品質コストは下がるのでしょうか?」 | ||||||
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「我々が頑張ってそうしなければならない。そうでなければ2年もかけてここまで進めてきたことの責任を問われます」
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「しかし現時点それが達成されていないわけで、調達先の人から品質保証の認証費用を要求されとき、どう言えばいいんでしょう?」
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「品質保証活動によって品質コストを下げなさいと言うしかないでしょう。そしてその会社の品質コストが競合他社より高いなら、お宅の品質保証活動はまだ未熟だと言うしかないです」
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「同じことかもしれませんが、各省の調達部門から認証を受けても品質が上がらないと言ってきます。これはどう考えればいいのでしょう?」
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「品質保証は、管理を良くするという考えです。解熱剤とか痛み止めと違って、漢方薬のようなものです。すぐには効果は表れません。 設備を更新するとか、材料を変えるようなドラスティックな変化は望めません」 | ||||||
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「えっ、うーん、そうですよねえ〜・・・・ すぐに変化がないとして、どうしたら改善効果が見えるのでしょう?」 | ||||||
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「長い目で見てもらえれば間違いなく品質は上がるでしょう」
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「具体的にどういう効果が表れるわけですか?」
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「不良だけでなく不具合が起きたとき、従来より早く解決できるでしょうし、その対策はその場限りでなく継続して効果があるはずで、そうすればだんだんと問題が起きなくなる」
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「ああ、管理方式を改善していくと仰ってましたね。確かに不良発生の原因を取り除けば同じ失敗は二度と起きないはずだ。となると新しい問題が起こらない限りいずれ問題は起きなくなる」
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「もちろん人間だから完璧にはいかないでしょうけど、だんだんと不具合は減っていくはずです」
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「ええとそうしますと、今までと同じで製品の不良率とか、あるいは仕事の不具合の発生を指標としてよいということですか? それは今までと変わりませんね」
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「品質保証の効果は今までと同じく、製品不良とか廃棄費用などで測られます。ただ発注ミスとか運搬中の問題なども加えても良いでしょうね。 もちろん不良率は品質保証だけの結果ではなく、品質管理とかその他の要素もあります」 | ||||||
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「なるほど、とりあえず現状の苦情への対応をどうするかとなりますが・・」
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「今申しましたような品質指標、つまり不良率とか修理費用とか廃棄費用とかを継続して取っていって、その変化を見るしかないのではないですかね」
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「え、それって品質管理ですよね」
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「品質保証とは単独で存在するとか品質管理とは別物というわけではありません。元々前工程から後工程に引き渡すとき、不良を渡さないよう検査をします。やがて検査で悪いものをはじくだけでは能がありませんから、不良が出たら同じことが起きないように手を打つようになります。 すると不良は減りますが、品質を維持するためにはそれだけでなく、生産工程を全体的に管理してバラつかないようにするようになります。それを品質保証というだけのことですよ」 | ||||||
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「え、え?」
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「品質保証は単独では存在しないと申したでしょう。品質保証は品質管理と連続しているのです。勘違いしないでください。品質保証は品質管理より高尚だとか難しいというわけじゃありません。品質管理をしっかりやって、更に品質を上げていくには品質保証をしなければならないということです。 もちろん先ほど言ったように、検査を行わずに品質管理を行うことはできない」 | ||||||
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「でも検査は以前からしていましたよね」
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「検査をやっても限界がある。検査データを前工程に戻し原因対策をするようになる。それで更に改善するけれどやがて限界が来る。次は工程を管理するということになりますね。それを品質保証と呼ぶというだけでしょう」
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「ええと、ちょっと待ってください。品質を良くしようという活動は品質管理、悪いものが出ない体制を作るのが品質保証、分かりました。 ええと品質保証の第三者認証というのはその先になるということですか?」 | ||||||
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「以前も申したと思いますが、品質保証には二つの観点があります」
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「ああ、外部品質保証と内部品質保証でしたね」
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「そうそう。自分の会社がしっかりと管理しようという発想を内部品質保証と言い、お客さんからしっかり管理しろと要求されたのを外部品質保証といいます。 品質保証体制を確認するのは自分自身が品質監査をしても良いし、お客さんが品質監査をすると言われたら商売をするには受け入れるしかありません。 そしてもうひとつは自分でもなくお客さんでもない人、つまり第三者に品質監査を頼むのもありということです。それぞれ第一者監査、第二者監査、第三者監査といいます。第三者監査を審査とも言います」 | ||||||
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「ああ、そうか。今まで疑問に思っていたことが腑に落ちましたよ。ええとそうすると、我々は客です。売り手に品質保証を要求している。そして彼らが第一者監査をしても信用できない。しかし自分たちが行くのは大変だ。だから利害関係のない、かつ専門家である第三者に確認してもらってその保証書を出せと言っているわけですね」
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「まさしくそれです」
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「そして今現在、買い手側はまだ信頼できないでいると・・・」
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「信頼を勝ち得るには、品質が継続的に上がっていくことでしょう。今時点、品質保証の仕組みが動き出して半年ならそれまでと変わらなくても妥当と思います。来年、再来年と品質を良くする仕組みが回っていくのを期待したい」
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「今日、伊丹さんに教えてほしかった二点は分かりました。本当に品質保証の仕組みが回っていくのかということが気がかりです」
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「そうです。第三者認証の場合、第一者とも第二者とも違う点があります」
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「そりゃなんでしょう?」
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「第一者の場合、万が一見逃したら自分の会社の損益に関わるという真剣さがあります。より重大な問題なら会社存亡に関わるかもしれない。 第二者の場合、OKして取引したものの実際は悪かったら、自分の会社がつぶれるかもしれない。だから真剣になるでしょう。 しかし第三者監査の場合、見逃したときいかなる責任を負うのでしょう?」 | ||||||
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「はあ、どうなんでしょうねえ〜」
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「実を言って審査員も認証会社も全く責任を負いません。せいぜい審査会社の評判が落ちるくらいでしょう。それだって、審査のとき会社が嘘をついたとか、証拠を隠していた言い訳できる。 第三者認証は第一者や第二者と違い、責任を負わないのです」 | ||||||
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「そうか、その違いはこの制度自体が内蔵する問題なのですね」
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「それから別な問題がもう一つあります。現在は官公庁の入札のためという目的があります。ですから認証すれば応札する資格が得られます。 しかし噂では官公庁と取引しない会社も品質保証の認証を得ようと動き始めたと聞いています」 | ||||||
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「そうなんですよ。いったい何のためでしょうかね? 予防コストを回収する当てがあるのでしょうか?」
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「彼ら、つまり官公庁と取引をしないけど認証を受けようとする会社は何をメリットと考えるかですね」
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「あれっ、品質保証は予防コストはかかるけど、失敗コストを減らし、総合的にはコスト削減が狙いですよね。それならおかしくないじゃないですか」
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「官公庁と取引するには第三者認証が必要だ。そうでないと商売できない。このときは品質コストという考え方ではなく、契約上の制約となります。 しかし自分の会社の品質保証を確認するには認証しなければならないことはなく、第一者監査で必要十分だ。ならば社外流出費用は丸損になる。それは絶対に回収できない」 | ||||||
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「あるとすれば第一者よりも第三者の監査員の方が能力ある場合ですね」
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「そうですが、どちらも同じ審査員研修を受けているとなるとどうでしょう?」
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「審査会社の勤めている審査員は数多くの企業を見ているから鍛えられ目が肥えているという見かたはどうですか?」
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「理屈はわかりますが、現実はどうですかね。 第三者認証が要らないというもうひとつの理由があります。官公庁と取引のためなら、内務省の規格に適合していないと商売できないから仕方ありません。 しかし内部品質保証のときは、要求事項というか品質保証の仕組みは内務省の策定した規格でなく、その会社に見合ったものの方が良いのは当たり前です」 | ||||||
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「伊丹さんのおっしゃることがだんだん分かってきました。官公庁と取引しない会社は、認証ではなく自分に合った内部品質保証をした方がコストもかからず成果も出るということですね」
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「そうです。しかしドロシーさんも宇佐美さんも、審査という商売を盛り立てようとしていて、必要ない会社にも第三者認証をさせようとしていますね。そりゃ審査会社の売り上げが大きくなるし、審査員研修の売り上げも伸びる。 しかしそれは社会が負担する品質コストを増加させると懸念するのです」 |
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注2 |
おばQさま いつも興味深い内容を有難うございます。 >「失敗コスト」「予防コスト」の二つに分けますが、三つに分けるなら「評価コスト」論理やお書きになっている事は、全くその通りなのです。 しかし現実問題として、このようにしっかりと開発費用や製造費用の管理をしている会社は、どのくらいいたのでしょうか? なぜそんな疑問をもつかと言えば、2010年くらいからの私の体験からです。 当時 PCや家電などの日本の製造業の衰退がはじまった頃のお話しです。 色々と差支えがあるかもしれませんので、某異世界の話だと思って下さい。 私は異世界では、開発支援会社の営業をしていて、企業から評価業務を請け負っておりました。 瑞穂国は家電やPC分野で世界市場の半分までもっていましたが、2005年くらいからは開発委託や製造委託をしていたアジア諸国が発展し、自国ブランドを出したり、コスト競争。 この為に、更に外部に開発や製造委託をしてコストダウンの対応。 これが更に技術流出を生むという衰退スパイラルに入っておりました。 そんな中で、製品試験をしておりました私は、お客さんである開発元から「社内で大量に失業者がいるから評価や検査は社内でやる事にする」と言われておりました。 社内失業者と言っても、大会社の場合には、お仕事が無いがお給料が貰える結構な身分です。 流石に遊ばせる訳に行かないので、製品の試験や検査をやらせました。 中には立派に試験が出来る人もいますが、皆がそういう訳でもなくて、品質にどれくらい寄与できたのでしょうかね。 原価管理で言えば、大量の素人 評価試験工数をかけたのですから、開発コストや原価はアップしたはずなのです。 これを余剰工数だと考えて、タダだと言えば、工数の有効活用なのですが、どこかで固定費としてのっかったはずなのです。 結局 こんな事をやっているから、品質も落ちて、あとはご存じの通り 家電とPCのモノづくりは国内からほぼ消えてしまいました。 後知恵ならだれでも名人になれますが、「社内失業者」はタダだと思った時点で間違っていたのでしょうね。 経営者ならば、他の事業に向けるなり、厳しいがリストラをするべきだったのだと思います。 どこぞの異世界の話で済みません。 |
外資社員様 毎度ありがとうございます。 まず品質コスト勘定ですが、正直言いまして私は失敗コストの計上は厳しく管理されていましたが、予防コストなんて放置状態でしたね。ちょっと違いますが、設備投資のとき、改善効果というのは願望とか鉛筆をなめるというもので、書いた本人も信頼できないものです。それと同じく予防コストなんて概念は分かっても意味のあるものではなかったですね。 次に内作・外作のことですが、1990年までは終身雇用は確実に存在し、リストラとか解雇というのはないという前提だったと思います。それが良いのか悪いのか、まあそういうものだったのはご存じの通り。 この物語の中にも書いておりますが、業界系の認証機関とは摩訶不思議な経営になっています。出向者は賃金の5割ないし7割が出向元で負担します。ですから認証機関が人件費の安い若い人とか雇うことは逆に認証機関の負担が増えることになりますし、またそもそもの目的である業界傘下企業の遊休人員の吸収という役に立ちません。 外資社員様のおっしゃることが業界全体でやっていたということです。それは認証機関だけでなく、類似の業界団体とか、半官半民の機関においても常態と化していました。 そういうことの「善悪」は判断できませんが、永続できるか否かは「できない」という結論が出てしまったようです。 私の同僚で経産省管轄下の「(財)○○センター」とか「(財)○○協議会」とかに出向していった人が何人もいますが、21世紀初頭に出向したときはのどかで気楽と言ってましたが、その後はノルマ、コストダウン、泥沼な労働時間と猛烈・ブラック職場になったようです。まだ過労死していなければよろしいですが。 すべてが経営とか人事管理が悪かったというわけではないでしょうけど、時代に追いつけないということなのでしょうね。本来なら時代を切り開いていかないといけないのですが。 大手企業がセクハラで何十億とかの訴訟を起こされたりしているのを見ると、価値観、倫理観、社会の動向というものに乗り遅れていると思います。 いえ、私も1980年頃は業者からヌードカレンダーなんてもらって職場に貼っていたので威張れたものではありません。 |