異世界審査員170.新春戦略会議

19.05.06

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。民明書房からの引用はありません。

異世界審査員物語とは

1931年1月3日

石原とさくらは、中野からお正月3日に帰ってこいと言われ、例の通路を通じて東京の中野邸に来た。さくらは扶桑国に戻ったのは8カ月ぶりだ。もっともデート用の着物を取りに来たことはあるが。
そこにはなんと皇帝を始めとして、犬養首相、高橋蔵相、岩屋、中野、そして伊丹夫婦がいた。
お姿お名前職務
皇帝皇帝陛下皇帝そのもの
犬養首相犬養首相この世界では515事件は起きず暗殺されない。
中野部長中野皇帝の従兄弟で皇帝顧問
高橋是清高橋是清大蔵大臣。226事件は起きず暗殺されない。
岩屋岩屋皇帝のお庭番、秘密機関のボス
伊丹伊丹異世界日本から来た技術者
実は主人公なのだが…もう誰も覚えていない
幸子幸子伊丹の妻
さくらさくら異世界から来たおてんば娘
今は中野の養子

皇帝
「石原君にはボランティアで我国のためにいろいろと活動していただいており感謝している。さくらにもアメリカからイギリスと、いろいろ仕事をしてもらっており感謝している。
今日は、今までを振り返り、そしてこれからどうしていくか考えたいと思う。まあ屠蘇を飲みながらで気楽に行こう。
中野は今日の話のまとめと方向付けをして、そうだなひと月くらい経ったらまたこのメンバーで集まって話をしたい」
さくら
「陛下、僭越ながら、今欧州は戦争中です。ひと月と言わず、明日にでも、あるいは今日この場でこれからの道筋を決め、私の任務を明らかにしていただきたい」
岩屋
「さくらが言う通りです。満州ではソ連がいつ進撃を開始するかという状況ですし、欧州ではフランスとイギリスが追い落とされるのかの状態です。我々の活動でも目的を示していただきたいと考えます」
皇帝
「わかった。まあとりあえず新年を祝して乾杯してからにしようや」

しばし経って挨拶・近況報告が終わった頃、中野が声を発した。

中野
「まずさくらから、欧州の状況の概要と喫緊の課題、そして今後の見通しを示してほしい」
さくら
「かしこまりました。前回の欧州大戦後は英仏米の歴代首脳の太陽政策で、ドイツは軍備を拡大し、昨年ベネルクスからフランスに侵攻しました。ここ最近のドイツ軍の動きをみてベルギーにイギリス軍、フランス軍が駐留していましたが、あっという間に撃破されベネルックス三国は降伏、フランスも既に国境から100キロくらいの範囲が占領され、今はいつパリが陥落するかという状況です。
ドイツ戦車 フランス軍、イギリス軍は北東の海岸沿いに追い詰められて、イギリスに撤退できるかそれが叶わず降伏かという状況です。
今決断すべきこととしてフランスは手遅れですが、我国が大至急支援をしてイギリス進攻を止めるか、あるいは傍観するかということです。
不確定なのはソ連の動きです。ソ連がドイツに付くか、イギリスに付くかですが、イギリスが侵攻されればドイツに付くのは明白というか、ソ連にとって選択肢はありません。まさかソ連だけがドイツと敵対して戦うことはありえない。
もちろん我国の目指す世界秩序がいかなるものかによって我国の選択は決まります」
石原莞爾
「発言をお許しください。さくらの語ることに同意です。
アメリカは昨年12月にドイツに宣戦布告しました。とはいえ今まで戦時体制でありませんから、これから戦車を生産し飛行機を生産し兵隊を集めてという状況です。それと2年前から満州でソ連と睨みあっていました。昨年も小競り合いがあり、我国はアメリカについてソ連と戦いました。ソ連は今まで西側ではドイツと睨みあっていたわけですが、ドイツが西側へ侵攻したことにより、西からの圧力がなくなり、東側の満州に全力を投入できることになりました。となるとソ連は満州だけでなく、中国そして我国まで侵攻する余裕が出てきた。
ソ連は地上軍100個師団とも150師団とも言われています。連中はこちらに押し寄せてくるでしょう。まさに20世紀の元寇です。なにもしなければ我国がソ連に侵略されるのは時間の問題です。さくらはそれに言及していません。
今決断すべきことは、アメリカが欧州の戦いで満州防衛に手を抜くなら、扶桑国が満州を支える必要があります。但し、それによって我が国が中国という泥沼に足を取られないように注意しなければなりません。満州がソ連支配になるのを許してこの本土だけ守るということは地政学上ありえません。我国がソ連と国境を接すれば、共産主義の浸透で我が国は滅びます」
中野
「初めから本題に入ってしまったね。皆さんどうですか、忌憚ない発言をしてほしい」
高橋是清
「石原君の言うことは分かるが、満州に戦力を投入すれば、国内の馬鹿どもは我国も満州に進出しようとか中国を取れと言い出す。それは自ら火中に飛び込むようなもので困る。
そうならないためには大兵力を投入しないこと、絶対に大きな損害を出さないことだ」
石原莞爾
「高橋閣下に同意です。我国はあくまでも海洋国家として進むべきで、混乱の極みの大陸に関わるべきではありません」
岩屋
「まずさくらが言ったように、我国の未来まあ50年後の世界が、どうあってほしいのかというのがあるでしょう。私のイメージは、我国が列強の地位にあり安定した国際秩序が維持される世界だと思います。そしてアジアやアフリカの植民地の独立、帝国主義の衰退が必要です。
イギリス・フランスが勝ったとしても時と共に植民地は独立するでしょう。それは妥当な世界かと思います。
他方、ドイツが勝てば、そのときはソ連も中国を取り、それからの世界は、ドイツ対ソ連、あるいはドイツ対アメリカ、あるいはソ連対アメリカという対立の世界が続き、一人だけ勝ち残るまで世界大戦が起きると思います。
そしてまた石原君が言ったように、なにもしなければ間違いなくソ連は扶桑に侵略してくるでしょう。現状では我が国はソ連との真っ向勝負では勝てません。
結論はイギリス・アメリカ・フランスそして我国を中核とした列強が支配する世界を維持するしかないと思います。そして我が国が恒久的にそのメンバーとなることです」
犬養首相
「おやおや、もう結論が出てしまったのか。しかし我が国は他の国に比べると植民地もなく地下資源もない。どうやって列強となることができるのだ?」
中野
「確かにイギリスはイギリス連邦、フランスはフランス共同体、アメリカは国土も大きいしフィリピンもあり中南米への影響力もある。我国は台湾と南太平洋の一部だけだ」
幸子
「今はそうかもしれません。でも50年後には海底から資源採掘の技術が発達し、海は陸と同じ価値になります。そこからは石油、ガス、金属が採れるでしょう、悲観することはありません。それまでは輸入とブルネイの石油を活用するのです」
中野
「さくら、欧州ではイギリス・フランス軍が追い落とされそうだと言うが、どうしたらいいのか。それは今日明日に手を打たないと手遅れなのか?」
さくら
「既に手遅れでしょう。しかし私はイギリスはフランスで敗れて一旦本国に引きこもるべきと考えています」
犬養首相
「それはまたすごい考えだね、ぜひその訳を聞かせてほしいのう」
さくら
「イギリスが一旦撤退してもアメリカの支援を受けて最終的にドイツを撃破すれば、18世紀以前からの西欧の世界支配という形は変わりません。
もしドイツがイギリスに侵入しイギリスが降伏すれば、ドイツ支配の世界ができるでしょう。それは数世紀続くかもしれません。いずれにしてもそれらは芳しくありません。
私が期待するのはイギリスがもう少し追い詰められてから、我国の支援を受けてドイツを撃退するシナリオですね。そのときイギリスのみならず世界中に我国が先進強国と認識されるでしょう」
中野
「そのためには?」
さくら
「そのためには、フランス西岸に追い詰められたイギリス軍とフランス軍が命からがらイギリス本土に逃げ帰り、そこをドイツ軍が攻撃する。絶体絶命となったイギリスを、我国が白馬に乗って現れてイギリスを救うのです」
石原莞爾
「ソ連はどうなるのか?」
さくら
「ソ連も同じです。ひと月前、アメリカは満州から我が国が売却した水上爆撃機100機を、欧州戦線に移動してベネルックス三国とフランスに侵入したドイツ軍を爆撃しています。あの飛行機は高空を飛ぶのが取り柄ですから。現時点ではあそこまで届く高射砲も戦闘機もありません。それでフランス戦線はなんとか持っているのが実情です。それでもジリジリと追い詰められているわけですが、
しかしそのおかげで満州のアメリカ戦力は激減です。もちろん爆撃機を移動したことを知ったソ連は真冬にもかかわらず、兵力を結集して既に満州国境を超えて侵入しました」
犬養首相
「この寒い中、大変だろうなあ〜」
さくら
「ソ連が国境を超えて進攻したことは政治的には意味がありますが、戦術的にはアメリカも中国も被害も影響もなく、雪解け待ちですね。しかしそのときは欧州から爆撃機を戻せばまた元に戻るでしょう」
石原莞爾
「つまりさくらは満州にはなにもせずに、欧州の方をウォッチしてイギリスが負けそうになったら助けるということか? 俺は今すぐに満州の兵力を増強しなければと考えていたが…」
さくら
「我国の価値を見せつけられる時期と状況を考えなければなりません。満州に雪解けが来る頃、我国が航空支援をするのです。我国が開発中と聞いている戦闘機を100機も送りこめばいいでしょう。
大規模な陸軍を送らないなら、国内では満州進出に関する世論も起きない。アメリカに対しては危機を救ったことへの報酬として輸出に関して恩恵を得る。
欧州と中国の双方での活動によって、アメリカ、イギリス、フランスの感謝を得ることができ、ソ連とドイツを抑え込める」
中野
「そううまくいくものかね」
岩屋
「さくらよ、そのとき我国の提供するものはいかほどになるか?」
さくら
「まず欧州戦線ですが、ダンケルク撤退はイギリスが必死に頑張るでしょう。これは来月初めかと考えています。これは成功してほしいし、失敗しそうなら航空支援が必要となります」
岩屋
「今から航空支援が必要と言われても、戦闘機を送る日数もないぞ(注1)
さくら
「航空支援といっても必ずしも戦闘機でなくても良いのです。我国の爆撃機はほぼ攻撃されませんから、数十機あれば十分でしょう。それに爆撃機なら自分で飛んでいけますからね。3〜4日あれば十分でしょう。
そうそう、なぜ扶桑国は大西洋航路の対潜水艦戦に参加してないのでしょうか? アメリカ参戦の理由はアメリカの貨客船がUボートで撃沈されたからです。
仮に我が国が対潜水艦戦隊を派遣していて被害がなければアメリカ参戦がなかったわけで、それはまた困ったことですが
アメリカが参戦したなら速やかに対潜水艦戦隊の派遣をすべきです」
中野
「待て、そんなことを考えていたなら、なぜさくらはもっと早く欧州戦線支援を提案してこなかったのか?」
さくら
「おとうさま、私はイギリスとフランスが、もう少し頑張ってくれると思っていたのです。だって向こうの世界のことを考えてみればですよ、向こうはベネルクス三国が1週間、フランスが20日で降伏しています。
こちらは我国の偵察機がドイツ軍侵攻を事前に報じていたのに、全然真面目に対策していません。私の世界よりは持ちこたえたものの、3ヶ月耐えただけで結局はダンケルクに追い詰められてしまったとは……呆れてしまいます」
伊丹
「まあ、過去15年間復讐心に燃えて再軍備してきたドイツと、もう二度と戦争は嫌だと軍備を減らしてきたフランスやイギリスとの違いは現実として認めなければならない。
ともかくさくらはイギリス・フランスがなんとかするだろうと見ていて、なんとかならなかったということだ」
さくら
「ただイギリス軍が撤退すればドイツがイギリス本土進攻する流れで、その前にイギリス空軍を壊滅させるために大航空戦が起きるのは必然です。
そのため戦闘機の支援とそのために輸送船を仕立てて出港できませんか?
もちろんパイロットと整備士込みでね」
岩屋
「ダンケルク撤退ではなく、その後で良いなら日程的には余裕はあるな。それにしても輸送船なら35日から40日はかかるだろう。バトルオブブリテンはいつ頃と考えているのだ?」
中野
「先ほど満州にも戦闘機を派遣するという。全体で何機くらい必要になり、それに見合った数の戦闘機はあるのか?」
伊丹
「既に陸軍の97戦や海軍の96戦は世界的に時代遅れになりました。
一式戦 既にそれに備えて、向こうの世界から入手した4式戦と5式戦の図面を参考に、我々は1式戦と呼んでいますが、その生産を始めました。まだ量産始めて間もないのですが…満州が雪解け以降に100機、欧州が4月以降150機くらいなら何とかなるかと思います」
中野
「欧州、満州それぞれそんな数で間に合うのか?」
さくら
「そりゃ多多ますます弁ずですけど、欧州の第一線戦闘機の保有状況はドイツが1,000機、イギリスが400機というところでしょう。そこに150機追加なら十分ですよ。
イギリスは生産能力の増強を図っていますが、パイロット養成が追い付かないようです。それがパイロット込みの理由です。
忘れてはならないことですが、我国は傭兵と違います。はるか遠い極東から同盟国を救うために助太刀するにすぎません。基本、戦うのはその国の人であるのは当然です」
皇帝
「さくらも向こうに行ってもう8カ月か、度胸が付いたというかものに動じなくなったな」
さくら
「そう言っていただけると光栄ですわ、
話を戻しますと、満州にアメリカのP35が250機、我国の97戦が100機あるのは変わっていません。でもソ連が新鋭機を投入して来れば、それらは完全に時代遅れになります。
そうなると早期警戒管制機があっても、ぜんぜんダメですね。
本来ならアメリカが満州の航空戦力を増強しなければならないわけですが、欧州の戦いに参戦すればそれどころではないでしょう」
中野
「新しい戦闘機は扶桑国から満州まで飛べるのか?」
伊丹
「航続距離が3000キロ近くありますから十分です」
中野
「ということは満州でなく、本土に配備しておけばいつでも支援に向かえるということか…
伊丹さん、その新型の1式戦はドイツのメッサーシュミットと戦ってどうですかね?」
伊丹
「実際に戦ったことはありませんが、速度や翼面荷重をみれば後れを取ることはないでしょう。なにしろ異世界からの技術移管というイカサマをしてますから。もちろん偵察機ほど高度な技術は使っていません。
それから現在我国の飛行機も戦術もすべて早期警戒管制機の支援を受けることを前提としています。パイロットは航法とか索敵など、この時代では当たり前の訓練を受けていません。無線電信も使えません。双方向性無線電話を使ったら、モールス通信に戻れるわけがありません」
中野
「ええとさくら、まとめると、まずイギリス向け支援として速やかに対潜水艦戦隊を送ること、それからバトルオブブリテンの前に戦闘機150機を送ること、これでいいのか?」
さくら
「対潜水艦戦隊ですが、我国を守るために太平洋にも必要です。それは大丈夫なのですね?」
中野
「ソ連が太平洋に不凍港を持っているとは考えていない。まして太平洋岸に造船所はないと思う」
岩屋
潜水艦 「中野様、昨年春から我が国とアメリカはソ連と戦争状態です。当然アメリカからの太平洋航路攻撃のため、黒海かバルト海から潜水艦隊をソ連太平洋岸のどこかに潜水艦隊を持ってきていると考えるべきでしょう。いないという思い込みはいけません」
さくら
「南洋諸島の哨戒は今も行っているのでしょう?」
岩屋
「もちろん。現時点不審な潜水艦は見ていない。但しアメリカからの航路はそれよりも北になる。そこまでは常時監視はしていない」
犬養首相
「なるほど、哨戒の強化を海軍大臣に命じておきましょう。我国の統治領である南洋諸島だけでなく、オホーツク海、東シナ海、南シナ海、フィリピン海も含めて哨戒活動が必要ですな」
中野
「よろしく頼みます。
さくら、満州だが、当面は偵察活動を継続し、国内に満州派遣飛行隊を待機ということでよいか?」
さくら
「よろしいと考えます。
ええと、全く別のお願いがあります」
中野
「なんだ?」
さくら
「私に政略結婚を見繕ってくれませんか?」
皇帝
「なんだ、そりゃ?」
さくら
「我国とイギリスの同盟強化のために、イギリスの王族と政略結婚をするのは悪くないと思うのです。それに今イギリスは国家存亡の危機です。東洋の強国で科学技術の進んだ扶桑国と縁を結べば支援が期待できる。向こうにとってはものすごいメリット
陛下にしても、たまたま偶然手に入った小娘で列強に恩を売れる、戦争が終わった後に我国が悪い扱いをされることはありませぬ。
ということでイギリスの王族で私に見合う良い人がいませんか?」
中野
「例のジェイコブ・ジョンソンはダメか?」
皇帝
「何者だ、それは」
さくら
「イギリスの公爵嫡男です。私にまとわりついているのですが、好意をもてませんし、あまり賢くないのですよ。それに国家間の政略結婚としては公爵とは言え一貴族と皇帝の従姪ではちょっと釣り合わないでしょう」
皇帝
「分かった。当たろう。しかし私も中野も、さくらを手駒として使うつもりはない。さくらは自分の幸せを第一に考えて欲しいのだが」
さくら
「私がこんな身分になれたのも偶然とは思いません。兵士が国のため命を賭けて戦うなら、私もこの身を武器として国のために戦うのも私の人生かなと思いました」
中野
「相手が好きでなければ結婚することはないぞ」
さくら
「ありがとうございます」


2月22日

対潜水艦戦隊が横須賀港を出港した。
元々新たな戦争に備えて対潜水艦戦隊3編成が行われていたのだが、そのひとつを大西洋航路の防衛に派遣することになったのだ。
形としては同盟を結んでいるイギリスからの要請ということになっている。実際はアメリカからの要請だ。なにしろ既に民間人ばかり2,000人近くがUボート攻撃で亡くなっているのだ。
偶々、横須賀の海軍工廠に仕事で来ていた伊丹は埠頭で出向を見守っていた。先の欧州大戦でやはり対潜水艦戦隊を見送って14年になる。
時が経つの早いものだと伊丹は思う。伊丹も58歳から72歳になった。72歳といえばこの世界ではもう年寄りだ。だが向こうの世界から来た伊丹は、還暦前に見える。だからか、皇帝からも中野からも頼りにされ仕事を任されている。
そういや、さくらと初めて会ったのは彼女が高校生だった。彼女は大人になっただけでなくお姫様になってしまった。この先どうなることやら…ヤレヤレ


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注1
日本から欧州までの船旅の日数は明治も大正も昭和もあまり変わりはない。ほぼ30日から40日である。


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