ISO第3世代 21.認証準備開始

22.10.03

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。

ISO 3Gとは

月が替わり9月になった。磯原が出社すると、既に佐久間は昨日ユミちゃんが用意した席でパソコンを叩いている。パソコン作業
工場の施設管理部門は真面目というかブラックに染まっている。いつなんどき呼び出しがあるか分からない仕事だからだろう。なにごともなくても、毎朝、工場が動く前に種々点検をしなければならず、始業2時間くらい前には出勤しているのが当たり前だった。
磯原が本社転勤になってから、妻も子も磯原が夜や週末は家にいるのがうれしそうだ。
磯原も転勤した当初はその癖が抜けず、大川常務と一番を競ったが、半年経った今は始業前20分くらいに出社するようになった。それでも本社では早いほうだ。


磯原 「佐久間さん、おはようございます。まことにもってお早いですね」

佐久間 「乗り換えとか混み具合とか、どんな塩梅か見当がつきませんので、初日は安全を見て早めにきました。ところで、今朝、この事務室に入るとき大川常務と一緒でした。びっくりです」

磯原 「私が最初に出社したときも常務と一緒になりました。佐久間さんも驚いたでしょう?」

佐久間 「ハハハ、役員と会話したのは入社40年目にして初めてのことです」

磯原 「私は15年目にして初めてでした。本社は偉い人が身近にいますからね。佐久間さんの上長になる山内参与も元研究所長です。でも私の知る限りみな気さくな方ばかりです。
工場では工場長だとか部長だといばりくさっている人がいますが、本社ではそんな人はいませんよ。
もうお仕事されているようですが、なにをされているのですか?」

佐久間 「例のカルタ取りです。先日、磯原さんから規格要求事項と本社の文書・記録の対応表をいただきましたが、もっと詳細に確認しよう再度過不足を見ております」

磯原は応援に頼んだのが佐久間さんでよかったと思うと同時に、この人もワークホリックだなとしみじみ思う。


*****

始業後、山内参与から声がかかり、鈴木課長と磯原、佐久間に集合の声がかかった。しかし鈴木課長は手の平を顔の前で左右に振って出席を拒んだ。山内参与は表情を変えずにうなずいただけ。
磯原は鈴木課長が何を考えているのか分からない。

山内参与 「佐久間さん、応援に来ていただきありがとうございます。このチームのテーマはひとつ、今年末の更新審査を無事に2015年版にバージョンアップすることです。
磯原君から聞いているだろうが、これを機会にバーチャルISOをやめて実態のままで審査を受けるようにする。問題の起きないようにしてほしい」

佐久間 「了解しました。4か月ありますから大丈夫でしょう」

山内参与 「心強い言葉だ」

磯原 「今までも佐久間さんと打ち合わせて計画を練っておりますが、まとまった時点でご説明したいと考えています」

山内参与 「いや、私は結果責任を負うだけでなく、日々状況を把握して指揮をとりたい。今ここで現状を説明できるならしてほしい。
それから週一ではインターバルが長すぎるから、これからは毎週、月曜日と水曜日に朝一か午後一で短時間でも打ち合わせを持ちたい」

磯原 「確認したいのですが、佐久間さんは山内さん直属ということでよろしいのですね?」

山内参与 「お二人に上下をつけるつもりはない。とはいえ二人が完全に仕事を分担して私が管理するのも負担が大きい。だから二人は常に情報共有を図ってほしい。どちらも二人分の状況報告ができるように。
もちろん常に二人の意見を一致させろという意味ではない。二人の意見が異なるなら、それも含めて情報を共有してほしい。二人同格ではまとまらないというほど子供ではあるまい」

磯原 「了解しました。それでは私がこれからなすべきことと、その達成までの計画表を基に状況報告します。佐久間さんは過不足あればその都度意見を出してください」

磯原は、A3サイズの紙を3枚つなぎ合わせた大きさの計画表を机の上に広げた。昔ながらのガントチャートだ。

磯原 「まず今しているのは、従来からの業務方法と文書と記録で、規格要求事項を完全に満たしているかどうかの詳細確認をしています。もちろん不十分あれば最小限で満たすことを考えます。

次の課題はこの方法で、品質環境センターが納得するように説明することです。これも並行して説明方法をまとめて早めに説明に行くつもりです。もちろん向こうが了承しないおそれもありますが、その方法でなければ改善効果は期待できませんから、説得するしかありません。

内部的には、従来の方法をまったく変えること、新たに何をするのか、何を止めるかを部門ごとに説明する予定です。それと審査を受けるスタンスを徹底します。
やることはそれだけです」

山内参与 「ええと、これを見ると環境側面も環境目標も実施計画も見当たらないが、それはどうするんだ?」

磯原 「環境側面については新設備や新物質導入時の審査を充てるつもりです。建屋などの建設とか撤去・改造などは建築会社との打ち合わせ結果を使います。廃棄物とかエネルギーは法規制を受けますので、その導入時や法改正などの対応を当てるつもりです」

山内参与 「それで今まで著しい環境側面だったものはすべて対象になるのか?」

磯原 「従来は今私が申しあげた結果管理していたものに合わせるため、後付けでスコアリング法をしていたわけですから変わりようがありません。

とはいえ、変化はあります。追加するものとして、本社機能としては工場や関連会社のアドミニストレーションを著しい環境側面とします。本社の電気使用より本社の環境に関する指揮監督機能が重要と考えます。
減るものもあります。それは従来は著しい環境側面がない部門では、大したことないものを祭り上げているものがけっこうありますので、バッサリ該当から外すつもりです。

例として今まで本社と支社の省エネとかごみ削減の計画をまとめていましたが、微々たることに手間をかけることはありません。それは止めるつもりです」

山内参与 「となると、紙・ごみ・電気は止めるつもりか?」

磯原 「真面目に考えれば著しい環境側面ではありません。むしろその把握にかかる手間暇が大変だという苦情があります。各種用紙の古紙配合比を記録・集計するなどナンセンスです。
またオフィスの電気は基本、ビル管理会社や大家の指示に従っており、店子の営業所などが主体となって省エネを行っていたわけではありません。

そもそも紙ごみ電気なんて言いだした人の頭を疑いますよ。もちろんそれを信奉した人もおかしい。
なにごともABC管理は正義ですから、環境負荷が大きなものに手を打つのは当たり前です。それにオフィスビルの空調のように、店子が主体的に対策をとれないものは目標になりえません(注2)

山内参与 「理屈は分かるが、相手しんさいんがどう出るかだな。
わかった、環境目標のほうは?」

磯原 「目標と計画は、基本的に事業本部ではそれぞれの事業計画を見せて説明してもらうつもりです。
もちろん機密もありますから、ひとつは審査員個々人と守秘契約をしてもらうことと、万全を期すなら審査を受ける部門で必要外の部分を覆うなどで対応してもらいたい」

注:私の経験では、審査員個人と守秘義務契約を結んだことはない。認証機関との審査契約書に守秘義務が入っているだけだと思う。

山内参与 「それで環境の審査に対応できるのか? 実態を見せるにせよ、バーチャルにせよ、環境目標とか計画がないとまずいだろう?」

磯原 「まず基本的なことから説明しますと、当社はISO規格とか環境のために、事業をしているわけではありません。当社の仕事は定款に定めてあり、その事業を推進することが当社の本務であり、各部門はそのために存在しているわけです。
事業推進に当たり、種々規制を遵守し社会的な要求などを考慮しているわけでして、そこに環境法規制や市場の環境対応要求などが関わるわけです。

例えば新設備を導入するときには、まずは投資対効果があり、海外生産と国内生産の比較検討もし、安全・衛生とか省エネとか公害とか化学物質など種々の切り口で検討します。
現実にはもっと複雑ですが、そういう現実を踏まえると、まず環境目標があり、それを実現する計画があるというのは現実離れしています。この関係を理解していないとおかしなことになります。
一段落しましたが、欧州の化学物質規制とか含有物質の把握なども、初めに欧州の法規制があってのことです」

佐久間 「磯原さん、環境じゃないですけどメセナとか利益を求めないどころか支出だけの事業もあるんじゃないですか?」

磯原 「企業は利益を追求しないと存在できません。定款に社会貢献とある会社が存在するかどうか知りませんが、社会貢献を継続するには利益を出さないと不可能です。もし外部から寄付とか利子を得て事業をしているなら一般的な営利企業ではありません(注1)

山内参与 「うーん、すごい論理だな。まず環境目的があると考えるのは、そもそも現実離れの嘘っぱちかオママゴトかと……
だが事業本部なら常に事業計画を持っているから良いだろうけど、総務などはどうする?」

磯原 「事業本部以外の部門でも年度計画を持ちますから、その中で環境に関することを説明してもらいましょう。
例えば総務で勤怠管理の情報システムを見直しがあるなら、それによる省エネとか省時間は環境負荷低減といって良いでしょうし、システム構築にあたっては最大限旧設備を転用するとか、環境配慮していることがあると思います。
ビル管理のさまざまな改善工夫も環境負荷削減になるでしょう。

山内参与 「発想は分かるが審査員のレベルが高くないと出だしからコケるな、ハハハ」

磯原 「審査員のレベル……それは認証機関に期待するしかありません。事前の打ち合わせで、それは話をしたいと思います」

佐久間 「磯原さんの発想は今初めてお聞きしましたが、賛成です。
ジキルにしても、今の磯原さんのお話にあったように会社の存在目的という本当の基本的なところから考えるスタンスには至ってないと思いますね」

山内参与 「さて理屈は分かったが、審査を受ける側がそのスタンスでは、審査員はどのよう審査すれば良いのだろう?」

磯原 「一言で言えば、現実を見て判断してもらうしかありません。具体的には、新設備導入の計画を見て、その中で環境配慮がされているのか、遵法をしっかり確認しているのかを見るしかありません。もちろんそれができない審査員はお断りするしかありません。それは事前に認証機関に要求しておきます。

従来のというかどの会社でもしているように、会社でしている様々な活動計画から、環境部分だけ切り出して、環境視点の目標とか計画書を作らねばならないなら、無駄以外のなにものでもありません。それは業務を阻害するだけで、当社と働く人たちにとってメリットはありません。

過去よりそのための無用な仕事をしていたのを集計しますと、本社と支社で年間を通して数名分の負荷になっていた計算になります」

山内参与 「年間通して数人分だと? ISO認証とは、それほど手間がかかるのか?」

佐久間 「山内さん、驚いているようですが、どこの工場でもISO事務局と称して専任者を置いてます。1,500人の工場でひとりなら、5,000人くらいになる本社と支社では数名かかっていると見積もるのは妥当でしょう」

山内参与 「それほど人がかかっているとは初めて聞いた。そうすると当社の総人件費の千分の1はISO認証のためということか?
しかし、それっておかしくないか? いや計算がではなく、ISO認証とはそれほど人手をかけお金をかける意味のあることなのだろうか?」

磯原 「山内さん、それだけではありません。年に一度ですが審査対応に多くの人手をとられます。従来方式なら審査前に審査員のための資料つくりもありますし……まあ、専任者の倍の時間はかかっているでしょう」

山内参与 「確かに、それに審査員のアテンドとかもあるし……審査費用の何倍もかかっているということになる」

佐久間 「工場の審査費用は150から200万でしょうけど、認証維持の人件費はその10倍は行きますよ。つまり山内さんがおっしゃった0.1%ではなく総人件費の1%くらいですね」

山内は頭の後ろで手を組んで斜め上をながめる。磯原と佐久間は話すのを止めてしまった。
しばし経って山内が口を開く。

山内参与 「ええと、その磯原方式にした場合、社内の工数はいかほど削減できるのかな?」

磯原 「真に実際の業務と従来からある文書と記録で済んだと仮定します。それでもアテンドとか審査対応の工数はかかりますから、まあ佐久間さんどうですかね?」

佐久間 「先ほど申した専任者、数名分は削減されると思います。
本社では磯原さんの前任者のときは、1名専任でいたので、ISO担当の専任者1名分は削減されます。
支社ではISO用にデータ集計とまとめるためにコンマ2人かかっていると聞いてます。支社が8つと営業所が15でしたか、23かける0.2で4.6人工。5人として本社を合わせて6人分、これはなくなるでしょう。
とはいえ、不要となった0.2人がカットできるかとなると、これまたむずかしそうです。オフィスの仕事は、標準時間(注3)は決められていませんし」

山内参与 「なるほどなあ〜、とはいえ無駄と分かっていることをすることもない。しなくても良い仕事なら、なにもしないほうがハッピーかもしれんな」

磯原 「あるいは無駄な資料を作る代わりに、本当の省エネとかゴミ減らしを考えるというのもありますね」

山内参与 「確かに、それが前向きというものだ」


*****

打ち合わせを終わって佐久間と磯原は先ほどの続きを語る。

佐久間『組織は適合することの責任を持つ(ISO17021-1)』というのは分かります。そりゃ、認証機関が指導したらコンサルになってしまいますからね。
でも『認証機関は、認証の決定の根拠となる、十分な客観的証拠を評価する責任をもつ(同)』と言われて、ハイやりますと言える審査員がいるものでしょうか?」

磯原 「だってジキルなんて1996年版のときから環境マニュアルは要らないと言ってたんだよ。千葉工場はジキルだから提出しなかったでしょう」

佐久間 「ああ、そうか……でも法規制一覧表と環境側面一覧表は出してましたね」

磯原 「いくら何でも事前に審査するところの環境負荷を知らないと、審査員として誰を派遣すべきかも決定できないか?」

佐久間 「磯原さん、あなたが始めていく会社で、法規制一覧表と環境側面一覧表がなくて監査できますか?」

磯原 「実は……山内さんからこれからの計画をいろいろ聞かされているのだけど……今は監査部の業務監査の中で環境とか品質とか輸出管理や人権とかを見ている。
だけど先だって見つかった投資計画の流用問題などから、監査部が関係部門の協力を求めて試行した結果、現在のすべてまとめての業務監査では遵法と汚染の予防、まあ遵法と事故抑止までは手に負えないという結論になったそうだ」

佐久間 「フーン、それで?」

磯原 「それで監査部からは山内さんに、監査部から依頼された形で別個に環境監査をやれないかという提案があったそうです」

佐久間 「理屈はわかるけど、監査員の力量の問題だけでなく負荷の問題もありますね。それって工場だけでなく関連会社もでしょう。何社ありますかね?」

磯原 「関連会社といってもいろいろなカテゴリーがあります。100%子会社もありますし、過半の株式を持っているところ、地場資本とかが入っていてわずかな株しか持っていないところ。
監査をするとなると当社が影響力を持っている会社に限定される。1割しか株を持っていないなら、問題が起きてもうちの責任じゃないというしかない。
そしてまた冠称会社がある。冠称会社の場合は、違反や事故を起こした時は当社のブランドイメージが落ちるから、株の保有割合に関わらず監査は必須だろう」

佐久間 「それで何社になりますか?」

磯原 「佐久間さんはグイグイ押してきて厳しいなあ〜、一応数えました。冠称会社と当社の影響下にあるとみなせるものは約170社ですかね」

佐久間 「すごい数ですね。仮に磯原さんとか私がそこに監査に行くとして、事前の情報がなくてISO規格要求などどうでもいいのですが、真の遵法と汚染の予防の点検ができますか?」

磯原 「関連会社の製造業は約4割で、6割はサービス業と販社だ。そして販社のほとんどは建設業の許可を受けているから、関係する法規制は少なくはない。
佐久間さんが心配しているのは、誰が監査をするのか、必要な力量はあるのかだろうけど」

大工 注:建設業といっても建築だけでなく、土木工事、電気工事、舗装、板金、内装、機械設置、電気通信、清掃など29種類もの業種が含まれる。建築以外では500万以下の工事なら許可不要である。
販売会社がオフィスのエアコンを受注して設置まで請け負えば、作業を下請けに出しても販社は建設業の許可が必要となる。

佐久間 「私が監査に行けと言われたら辞退しますね。私は元々ボイラーマンでした。1980年頃公害防止管理者を持っていた先輩が辞めて、 煙突から出る煙 私が公害防止管理者を取って名前を届けるようになり、そのうち施設管理の係長になって排水水質とかも見るようになり、1990年代末にISO14001認証が流行するとISO認証も担当しました。でもすべて上っ面だけしか分かりません。
現場を見ても、そこでいかなる問題が予想されるかなんて私の経験と知識ではできません」

磯原 「うーん、私も同じですね。元々福島工場では電検二種を持っている人がいなくて、電力会社を退職された方を嘱託で雇っていたのですが、資格をとれと言われて資格をとりました。だんだん使用電力が増えて第二種エネルギー管理指定工場になり、将来を見てエネルギー管理士を取れと言われて資格を取りました。でも廃棄物も公害も分かりませんよ」

佐久間 「ええと、それから負荷工数でしたね。毎年でなく2年おきとしても毎年56社ですか。1人じゃ無理ですね、最低専任者2人は必要でしょう。実行可能なのかな?」

柳田ユミ 「磯原さんも佐久間さんも弱気なのね。覇気がないわよ!

突然向かい側から柳田が声をかけてきたので、二人はギョッとして柳田を見た。

柳田ユミ 「私は一般事務の仕事をしているだけじゃ面白くない、それでいろいろチャレンジしてるの。笑われるかもしれないけど秘書検定準1級とかマイクロソフト検定エキスパートとか持ってるのよ。
今は電話英会話というのかな、ときどき外国から電話がかかってくるからそれに対応できるように、英会話教室でそういうコースを受けているの。アメリアは私には英語で電話してくるの。40の手習いだわ」

磯原 「そう言われると合わせる顔がありません。我々も頑張るしかありませんね」

柳田ユミ 「脇から口をはさんでごめんなさいね。でも悲壮になってはだめよ、何事も前向きに楽しまなくちゃ」

佐久間 「柳田さんの言う通りですね。私も勉強しなくちゃならない。私の場合は60の手習いですがね」


うそ800 本日の昔話

私は環境のお仕事など無縁だった。若い時、危険物乙種を取りたいと思い、総務に実務経験の証明(注4)を書いてほしいとお願いしたら、牢名主のようなジジイにお前なんて受験する必要ないと断られた。なんとかなだめすかして証明を書いてもらい合格した。

すると数年後、甲種を持っている人が定年退職して、そのジジイが私に甲種を受験してくれ、受験料も会社が出すなんて言ってきました。それも合格すると次は作業環境測定士も受験してと頼られ、いろいろ資格を持つようになった。

40歳になるとき大チョンボして閑職に飛ばされ、暇なら自己啓発と公害防止管理者水質1種をとりました。時を同じくしてISO9001の認証に関わりました。
ガッツポーズ そのふたつがあったせいかISO14001に関わり、いつしか環境関係の仕事にどっぷりはまりました。
筋肉はうそをつかないではありませんが、努力はウソをつきません。


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注1
定款に書いてない事業をすることは即法違反ではない。但し許認可を必要とする事業を行うには、定款の事業目的にそれが記載されていなければならない。
NPO法人では当然それが行う社会貢献などを定款を定めるが、一般の営利企業で社会貢献を定款に書いているのがあるのかどうか私は知らない。
判例を見ると、現代では定款に書いてなくても、事業上必要だとみなされる社会貢献事業を行うことは妥当と裁判所は判断しているようだ。
 「法人の社会貢献活動と定款所定の目的」鈴木正彦、修道法学、2017

注2
ISO14001:2015
6.1.2環境側面
「組織が管理できる環境側面及び組織が影響を及ぼすことができる環境側面」が対象である。

非製造業においてオフィスビルのエネルギーは著しい環境側面のトップであるのが通例であるが、賃貸ビルの店子がいかほどその環境側面に影響を及ぼすことができるのか考えたことがあるのだろうか?
できるのはせいぜい自社内の時間外管理などだろう。

注3
JISZ8141【標準時間】
その仕事に適正をもち、習熟した作業者が、所定の作業条件のもとで、必要な余裕をもち、正常な作業スペースによって仕事を遂行するために必要とされる時間。

注4
1988年以前は乙種の受験をするには実務経験が必要だった。




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