人生とは死ぬことと見たり 2002.08.08
以前、時間の濃さという拙文を書きました。
そこでは、原始人、平安、江戸時代と時代が下るにつれ人の寿命が延び、それにつれて人生の密度が薄くなったのではないかという疑問を提示しました。

今朝、電車でつり革につかまり、週刊誌の中つり広告を見ていて『ハッ』と思ったことがあります。
今、この世に生を受けた人間、特に日本人は自分が不慮の事故で死ぬなんて考えていないだろうということです。

もちろん私も日本人の平均寿命を全うすると思っているのです。

私の高校の同級生は40数人いますが、今までに死亡したのはわずか3人、
 一人は二十歳前後のときに放浪の海外旅行に出かけ中東で消息を絶ちました。
 一人は20代中ごろ冬飲みすぎて路上で凍死、
 一人は事業に失敗して自殺、
それ以外の者は天命を全うしそうです。
人間はこの世に生まれていったいどのくらい生きるものでしょうか?
人間という種が存続するには再生産すなわち夫婦2人から二人の子供が成人し、生殖できなければ途絶えてしまいます。
今は子供が生まれればほぼ100%成人しその意思があれば結婚して子供を作るでしょう。

最近は結婚しない、子供を作らない人が増えていますがその是非は置いときます。

今のように長生きできるのは異常なのです でも、それは当たり前のことではありません。
ちょっと前、ほんの50年前は生まれた子供のうち、健やかに成長し成人するのは100%よりかなり少なかったのです。
それどころか、この世に生を受けて最初の誕生日を迎えるのはかなり幸運だったといえば大げさでしょうか?
私は戸籍上は6人兄弟ですが、二人は誕生日を迎える前に死亡してます。
誕生日を迎えればあとは大丈夫かって? 人生甘くはありません。

若い人たちが恐れていたのは何だったでしょう?
 徴兵? そんなもんじゃありません。
結核です。
二十歳前後に多くの若い人たちが結核でバタバタと亡くなりました。
子供が、そして若い人が死ぬのは日本ばかりではありません。
赤毛のアンは私の愛読書ですが、小学校で色白の子が結核になります。
そしてまたアンも自分の子供をバタバタと亡くします。
昔は子供は死ぬものと決まっていたのです。

時代は飛びますが、吉宗の子供は数十人と言われますが、大人になったものは半数です。
江戸時代、江戸の人口には一才未満の幼児は含まなかったといいます。
一才になってやっと人と認められたということでしょう。
人間にとって死は常にそばにあるものだったのです。
みな自分はいつか死ぬ、明日かもしれないと感じたからこそ一生懸命に生きたのではないのか? というのが電車のつり革に捕まって感じたことです。(考えたのではなく感じました)

いつ死ぬかもしれないからこそ、一生懸命に生きたのです。
一生懸命とは勉強ばかりではありません。
生きること、大人になること、社会に貢献しようとしたのではないでしょうか?

新撰組の隊員はみな二十歳前後、でも日本のため(そして自分の将来の召抱え)を考えて必死に生きたのです。そして死にました。
海援隊も同じです。
皆若く、一生懸命生きたのです。
人生において長い安全な命を保証された時 人間はどう感じるでしょうか?
明日もあるならば今日を一生懸命生きる人は少ないのではないでしょうか?
今の日本がまさにそうです。
生まれて20歳前に死ぬ人はほとんどいません。
成人すれば50歳までは更に死亡率は低い時期となります。
自分の趣味に生きる人も、社会に寄生する人もいます。決して悪いこととは言いません。
しかし、それはみな人生が70年80年続くという前提、先入観、思い込みの上に成り立っているのではないでしょうか?

60年安保というのは結核から開放された若者が人生をもてあましたガス抜きだったのかもしれません。
よど号ハイジャック犯が本当に食うや食わずだったらあんな事件を起こす余裕はありません。
赤軍派には貧しい労働者はいませんでした。

みんな人生に退屈し、暇があり、そしてそれをもてあましていたのでしょう。
私は、ハイジャック犯や赤軍派と同年代です。
しかし、彼らと違い大学に行く余裕はなく働いていました。
働いて親を養い、自分が食べていたのです。そういった境遇の人たちは決して赤軍派には入らず、テロなどする暇はありませんでした。
人生とはそういうものです。
いいじゃないの、幸せなら♪・・・なんて歌の文句のような理屈がとおるでしょうか?
今、地球環境は確実に悪化しています。
車を乗り回しているあなた、石油があと何年持つと思っているんですか?
電気自動車! 笑わせないでください。その電気は何から作るのですか?
太陽エネルギー? 風力? 地熱? 私が言うまでもなく、事実が教えてくれるでしょう。

石油が不足し、高騰すれば価値観も変わりますし、人々の思想も変わります。
寄生するものがなくなれば自分が働くか、死ぬしかありません。
働かざるもの食うべからずというイエス様の教えは真理だったのです。
30年前通信教育のスクーリングで先生が『人で不足社会において組織論は崩壊した』といってましたが、それは間違いでした。
働かざるもの食うべからずとは豊かな社会では時代錯誤と思われた時もありました。
でも真理は変えられません。
同様に、日本が安全で豊かであれば、日本を真剣に考えることはあまりないのでしょう。
もちろんそれが好ましいことは間違いありません。

日本の安全が脅かされ、同胞の身に危害が及ぶ時、日本人は国家意識を持ち、日本人たるを得ないでしょう。
現時点、日本に及ぶ脅威を感じ発言する人は少ないですが、現実の脅威となった時はほとんど全部の国民が国家を意識し、愛国者になるでしょう。
これは否定できません。
さもなくば自分の命が危なくなるでしょう。

以前このようなことをある板に書いたら、『おかしいんとちゃうか?』と断ぜられました。
いつまでもそう言われることを望みます。


『人生とは死ぬことと見たり』というべきなのかもしれません。
死ぬことを知らず、思わずして生きることはありえないでしょう。
申し上げたように、わざわざ人生とは死ぬものだと改めて認識する必要はありません。
地球環境の変化が浮かれている日本人に厳しく教えてくれるでしょう。
死と向かい合って毎日を一生懸命に生きれば、物理的な寿命は短くとも、その意義は飽食で馬齢を重ねた人生よりはすばらしいものであるでしょう。



ここで本日のひとこと、、


地球環境の悪化で寿命が短くなる時代がまもなく来るでしょう。
そうなれば、
誰もがより密度の高い人生を生きるでしょう。

それが良いことかそうでないかは疑問ですが・・
すばらしい条件を使いこなせない愚かな人間にとっては良いことなのかも知れません。




閑話休題 様よりお便りをいただきました。(2002.08.09)

人生とは死ぬこととみつけたり・・・で思い出したこと
昔々、アイヌの人たちは子供が生まれても名前をつけませんでした。
生まれてしばらくの間は「べちょべちょ濡れたもの」と呼び、座れるようになると「ウンコまみれのもの」と呼んだそうです。そして5歳くらいになってやっと名前がつけられたそうです。
一生懸命に育てても子供は沢山死ぬのが当たり前だったからこのようなならわしがあったのでしょう。
まがりなりにも医療設備の充実している昨今、ほんの一人か二人の子供を育てるのが負担だとか、保育所が足りないなどとわがままを言いつのる若いご婦人どもはそろそろ正気に戻るべきです。
次世代に生命をリレーしてゆくのが動物である人間の最も大事な任務でしょうが。

お便りありがとうございます。
今の子供は死ぬということを知らないのではないか?と心配します。
昔は老人は家庭で死にました。病院ではありません。
葬式も家でするのが普通でした。
また親が年寄りを見るのが普通でしたからどこの家庭にも老人がいました。
老いと死は子供にとって身近にありました。

今は老人は若夫婦と一緒に住むことは少ないです。
病になるとみな病院に入ります。
家で死ぬ人は少ない、

死を知らないということは死を恐れず、生きることを知らないのではないかと私は心底心配しています。
とはいえ、どうしようもないのですが、、




マジカイヤ パート2 2002.08.13
私は仕事でいろいろ環境関係の論文などを読みます。
まあ、おばQの知能指数程度ですのであまり難解なのは苦手です。
しかしながら、中には読んでいて言葉を失うようなものもあります。
本日はその一例を示しましょう。
 私はそれを読んでマジカイヤと叫びました。

もちろんカイヤさんのマジカイヤとは関係ありません。

それを書いたのは某国立大学の教授で有名な方です。
長い論文の中でただの一言に私の気が触れたわけです!
マジカイヤ

それは
「中国の砂漠化が危険な水域にあり、・・・・中略・・・
 日本は軍事費を削減してグローバルな環境公共事業を実施すべきである。」
というのです。

この論に驚く私は異常でしょうか?
それともこの大学教授(繰り返します、超有名な方です)が異常でしょうか?
どうも私は自分が異常だとは思えないのです。

これだけでは訳が分からないでしょうね、
状況をご説明いたしましょう。

偏見なしに判断資料を列記しましょう。
  1. 中国の砂漠はかなりひどい。砂漠は年3.4kmで北京に接近しつつあり、30年で北京は砂漠化すると予測する。(レスターブラウン)
    この砂漠化により日本にも黄砂が飛来しており、遠くが見えないようになっていると報告されている。
    日本でも洗濯物が汚れるとか、喘息が増えるなんてことは時間の問題でしょう。
  2. 中国に対するODAは年間約2千億円である。
    日本の防衛予算は(平成13年度 電子政府より引用)
      人件・糧食費(22,269億円)
      歳出化経費 (17,689億円)
      一般物件費 ( 9,431億円)
    海上自衛隊を維持するのと同等金額を中国に援助している。
  3. 平成13年度「防衛白書」より
    中国の国防費は13年連続で10%以上伸び、今年度は、ここ6年で最高の17%増と、同国が陸海空3軍の近代化を急テンポで進めている。
    中国の大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)について約20基で、日本を射程に収める中距離弾道ミサイルの保有数は約100基とし、新型ミサイルへの転換も進みつつある。
    海上戦力については、ロシアから大型駆逐艦を導入するなど装備の近代化を進めていて、「沿岸海域を防衛する海軍から、沿岸地域より遠方の近海を防衛する海軍への移行を図っていると考えられる」としている。
  4. 米国務省報道(1997年の統計値)
    • 常備軍の総兵力では、
      @中国260万人A米国153万人Bロシア130万人Cインド126万人D北朝鮮110万人・・・・日本は26万人である。
    • 軍事費では、
      @米国2763億ドルA中国749億ドルBロシア417億ドルCフランス413億ドルD日本407億ドル
    • 軍事費の対GNP比では、
      米国3.3%、中国2.2%、日本1.0%
    • 国家予算に占める割合は
      中国は17.6%、米国は16.3%、日本は6.6%
簡単に言えば
  • 中国は日本の倍ほどの軍事予算を使い、軍備増強に努めている。
    日本はGNP世界2位の経済大国ながら軍事小国であるのに対し、GNP3か4位の中国こそ、総兵力世界1、軍事費世界2位のまぎれもない軍事大国である。
  • 中国の環境保護は日本のODAに頼っている。
    中国は世界第2位の軍事大国、世界第4位の経済大国であるにも関わらず、日本からのODAを期待している。
    そして、自国の開発はODAで行い、自国の資金は軍備増強に回し、仮想敵国米国・日本を打ち砕こうというだ!
  • そして、現在の援助が真に環境保護に使われていると言う保証はない。
    というか、財布は同じなのだから軍事費をもらったのと同じことである。
    援助を増やせば増やすほど中国の軍備は増強されるだろう。
ここまで読んだ皆さんは、私と同じくマジカイヤと叫ばないでしょうか?

マジカイヤ
ちなみに、今中国は「神舟」とかいう有人宇宙船を開発中だそうです。
なぜ、宇宙船や核開発とか、軍備増強にお金を使わず、森林保護、砂漠化阻止、そして農業生産向上に力を注がないのでしょうか
なんで日本のお金で核爆弾を開発してるの?

みなさん、日本は中国に環境保護援助をするべきでしょうか?
兵器開発費用を負担すべきでしょうか?


いったい、日本の防衛費を中国の環境問題改善のために投じようというこの大学教授はどのような頭の構造になっているのでしょうか?

仮にODAを増やしたら、環境保護ではなく日本を狙うミサイルが増えるということに気がつかないのでしょうか


日本の防衛予算を減らして中国に援助しようと言う前に
中国に軍事予算を減らして、環境保護をしなさいとなぜ言明しないのですか?
マジカイヤ


中国の砂漠化が問題だ、と日本人に言う前に
中国の方、もう少し自国を大事にしないと日本が困るのですよ!となぜ言わないのですか?

マジカイヤマジカイヤ

この大学教授の頭は日本は中国の奴隷だと洗脳されているのでしょうか?
中国は正しく、日本は常に悪いのでしょうか?
中国の困りごとはしもべである日本がお尻を拭いてやらなくてはならないのでしょうか?



本日は「環境」「ODA」「防衛」という三題話でありましたが、聞いたあとでゾッとするような怪談話でしたね、




憂国のk伍長様からお便りをいただきました。(2002.08.12)

ものの見事に小生も「マジカイヤ!」と絶叫してしまいました。
一体この教授は何人のつもりなのでしょうか?そこまで貢いで何をするのか全く解せません。
因みに日本の防衛費の内訳で一番多いのが「人件費」。
削られたら小生の給料も・・・・
伍長殿、いつもお世話になっております。
まったくこんなお人が国から給料をもらって研究(?)しているということは日本はいったいどうなるんでしょうか?

昔、東芝機械が8軸制御NC機械をソ連に輸出して、そのおかげで潜水艦のスクリューが低騒音化して海上自衛隊、アメリカ海軍の対潜作戦が困難になったということがありましたよね、
今日本が中国にしていることは、日本のお金で中国軍を整備し、台湾、東南アジア、そして対日侵攻能力を高めていると言うまさに口にするのもバカバカしい、東芝機械以上の反日的行為ではないですか?

中国ODA推進者の方々、はやいところ日本から中国に移住してください。
国内世論の統一化、中国ODA削減、あなたたち自身がフラストレーションを解消できて円満解決じゃありませんか?

お断りしておきますが、
私はODA反対じゃありません。
中国へのODAに反対なんです。
中国は日本から頂いた貴重なお金を更に北朝鮮などに援助しています。
おい中国、ちょっときたないんじゃない




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