戦争反対!と叫んでいる方は「平和主義者」なのだそうです。

皆様、勘違いしてはいけません、彼らは「反米主義者」ではありませんし、「フセイン支持者」でもありません。
平和主義者なのです!
数日前、平和主義者と名乗るお方からお便りをいただきました。しかしながらメールアドレスもなく掲載を希望しないそうですので、私としては読み捨てるのみであります。
まあ、その内容とそれに対するコメントはおいといて・・・・
本日は平和主義について考えましょう。
まず、平和主義ってなんでしょうか?
インターネットで検索するとなんと我らが同志、水城先生の私流平和主義がトップではありませんが二番目か三番目くらいに現れます。スゴイ!
ところが水城先生は平和主義とは何かとは語っていません。
平和主義を定義せずに平和主義を論ずることができるのでしょうか?
| もっとも私の仕事に密接な「環境基本法」では環境を定義せずに環境保全を定めているのですから、まあいいのでしょう? | |
「平和主義憲法」というホームページもあります。何を書いているのかと覘いたら、なんと日本国憲法とは平和主義憲法なのだそうです。イヤア、そのようなことを世界に向かって発信しようとする勇気に乾杯!
私なら恥ずかしくて穴に入りたい 
「平和主義」という本まであります。それも大学の先生がお書きになっています。なんか平和主義ってものすごい思想のようです。
その本の値打ちが本の紙代くらい価値があることを祈ります。
「平和主義とはエセ平和主義。それはただの「反米」である。」というウェブサイトもありました。
同感とはいいませんが、あいまいさを拒否する発言と態度には好感が持てます。
平和主義とはなんなのでしょうか?
広辞苑によると
- 平和を理想として一切を律する思想上、行動上の立場
- 狭義には一切の戦争を悪として否定する立場
はあ??
英語ではpacifismが該当するのでしょうか?
ではpacifismとはなんなのか? 複数の英英辞典を参照しました。
- The belief that all wars are wrong and that you should not fight in them.
戦争は悪であり、戦ってはならないという信念
- Opposition to war or violence as a resort in the settlement of disputes.
論争解決の手段としての戦争あるいは暴力への反対
- Refusal to engage in military activity because of one's principles or beliefs.
軍事行動に従事することを拒否する思想や信念
- Nonresistance
抵抗しないこと
ええと、なんだかふに落ちないんですが・・・
少し戻って、
「主義」ってなんですか?
再度広辞苑をひもときますと
principleの福地源一郎による訳語
- 思想学説などにおける明確なひとつの立場。一定の主張。イズム
- 特定の制度、体制、または態度
例として資本主義、経験主義などがあげてあります。
さあ、次に進みます。
資本主義とか共産主義というものは確固たる思想であり、体系でありましょう。相対するものが存在しなくとも成り立つ考えであります。
共産主義が崩壊しても資本主義は存在しています。
キリスト教は仏教がなくとも教義は成り立ちますし、仏教も同じです。
もっとも厳密に言えばキリスト教は旧約聖書がなければ成立しません。『ありてあるもの』ではなさそうです。
『ありてあるもの』とはキリスト教の神のことです。
キリスト教のサタンは神がなければ存在できません。
うちのトイレに紙がなければ困ります。(スミマセン)
さて、平和主義というものは確固たる思想あるいは体系なんでしょうか?
なんて問うまでもありません。

平和主義とはそれがひとつの思想体系であるはずがありません。
戦争がなければ平和主義は存在できないのです。
ベトナムに平和を市民連合というのがありました。60年代のことです。彼らはアメリカのベトナム介入(侵攻ではありません。合法的に存在したベトナム政府との条約があったのですから)に反対しました。彼らの末裔が今イラク侵攻に反対しています。まあ、この2件は整合するとしましょう。
整合とは全く等しいことではありません。矛盾しないことです。
彼らはバルト三国へのソ連侵攻に反対はしなかったようです。
中国のベトナム侵攻、ベトナムのカンボジア侵攻に反対運動をした記憶はありません。
最近では中国の天安門事件とか気功弾圧にたいしても反対運動をしていません。
彼らは「平和主義ではなかったのでしょう」
平和主義とは国家間の争いに限定されません。
英英辞典の定義にあったでしょう! 論争解決の手段としての戦争あるいは暴力への反対ってね、
要するに行き当たりばったりなのです。
そんなものが「主義」であるはずがありません。
まとめに入りましょう。
平和主義というのが存在するのでしょうか?
私は存在し得ないような気がするのです。
ちまたで「○○主義」と呼ばれているものはたっくさんあります。
- 一点豪華主義・・・我が家のそれは夫婦の愛情です。(マジですよ)
- 独身主義・・・・・・・控除の特典をなぜ活用しないのでしょうか?
- 三現主義・・・・・・・品質管理の鉄則です。
- しなやか主義・田中流というのもありました。剣法かお茶の流派なのでしょうか?
- 恋愛主義・・・・・・・見合い主義というのもありそうです。
- マスオ主義・・・・・単に奥様の実家に住むことをいいます。
- ゴクミ主義・・・・・・分からなくても恥ではありません。
- 巨人主義・・・・・・・私の相方はこの病気に侵されています。きっと虚人主義の間違いでしょう。
「平和主義」とはそういったレベルなのでしょうか?
反戦運動を平和主義と呼ぶのは語義的に、
論理的に間違っているのではないでしょうか?
それは主義ではなく、doctrine(教義)なのではないでしょうか?

年配の方はご存知ですよね? 戦後世界の構造を変えようとしたニクソンドクトリン

福田ドクトリンというのもあります。

そして今、ブッシュドクトリンが進行中です。
ドクトリンって主義や思想ではありません。早い話が施策・政策です。
「平和主義」って主義といえるようなものじゃありません。
イエイエ、ドクトリンでさえないのかもしれません。戦争反対と唱えるだけで、戦争のトリガとなった原因を考え除去しようとしないなら体系だった施策でさえあるはずがない。
『イラク侵攻反対!』と叫ぶ人たちはイラク侵攻の原因である大量破壊兵器の査察問題、もっとさかのぼったイラクの覇権主義をどうお考えなんでありましょう?
劣化ウラン弾の害悪を声高に叫ぶ人やテレビ局があります。
私は正直って劣化ウラン弾の危険性に関する知識はありません。
しかし、イラクが核兵器開発をしていたのは事実ですし、それよりもなによりも化学兵器をクルド人弾圧に使用したのは現実です。
なぜ、そういった人たちは『劣化ウラン!』と唱えるだけでなく、『化学兵器は悪だ!』と叫ばないんでしょうか?
品質管理の世界では『なぜを5回繰り返せ!』といわれています。
平和主義者の方々には品質改善やTQCは無理のようですね。
反戦運動をしている人すべてが、反米とか親フセインとはいいません。
心から問題解決に武力を行使することに反対だと信じておられる方もいる思います。
でも、その問題解決に武力行使以外のどんな方法をご提案されているのでしょうか?
メディアで報道されているのを見聞きする限り、なんらご提案はなさそうです。
それとも私の目と耳が壊れているのでしょうか?
簡単に「平和主義」なんて使われちゃ困ります。
主義と政策をまぜこぜにしないでください。
平和運動というのはあると思います。反戦運動というのもあるでしょう。
でも語義的に平和主義とか反戦主義というのはありません。
平和主義を自称する人々はいったい何を考えておるのでしょうか?
私には怪しい感じがいたします。
いえ、おおいに怪しいと疑っております。
鉄血勤皇隊様よりお便りをいただきました。(2003.03.30)
武力行使以外の解決方法
佐為様 出張、御苦労様でした。
独り言で「平和主義」のところに「武力行使以外の解決策」がありましたが、武力行使以外の解決方法を、私なりに考えてみました。
国連査察団に、国連軍やアメリカ軍などを同行させて、査察に妨害したら武力をもって、イラクの妨害を阻止する。
これはスグに無理があると気づきました、イラクが抵抗すれば、即 戦闘が始まってしまうので危なくてしょうがない(笑)。
それに、そもそも私の考えでは、今回の武力行使は、査察行動の延長だと考えていますのでね。
たとえ話をします
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私の少年時代の話ですが、友達と街で遊んでいて、警察官に職務質問されました、その警察官は顔見知りの人で「また、お前達か? モメゴト起こすなよ!!」と忠告されました、どうせ問題を起こす悪ガキ集団の私達ですが、「まだ何にもしてねーよ!!」と反抗しました、
すると警官は「まだ? という事は、これからするんだな!!」と怒鳴り、「ポケットの中身を見せろ!!」と言いました
そんな恐ろしい事はできません、
何故なら「バタフライナイフやタバコ」が私のポケットに入っていたからです(笑)
そこで私は「身体検査したいなら、裁判所の令状をもって来い!!」と身の程知らずの反抗をしました、悪ガキの身の程知らず反抗の悲しい結末は、殴られて無理矢理、ポケットを探られて 全てバレてしまい警察署に連れていかれました、警察署で私の身柄を引き取りに来た両親に私は「警官に暴力を振られた!! 人権の侵害だ!!」と生意気にも告げ口をしました、すると父親は「普段から法律を破っている悪ガキのくせに、都合のいい時ばかり、人権侵害を持ち出すなんて 卑怯な男だ!!」と言って、私に拳骨の嵐をくれました、
怒り狂った「父親」を止めてくれたのは、皮肉にもさっきの、警察官でした(笑)。
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この私の少年時代の話からも解かるように、普段から悪い事をしている「悪ガキ(フセイン)」が身体検査(国連査察)に素直に応じる訳がないので、身体検査(国連査察)に応じさせるには警官の暴力(アメリカの武力行使)は仕方がないと、私は思います。
しかも「悪ガキのフセイン君」には、私の父親のように「説教と拳骨」をくれる、道理や常識のわかる、助言者がいないのです。
今回の戦争を、私ごときの「少年時代」に置き換えて考えて説明するなんて、「スケールが小さすぎて」、いささか恥ずかしい気持ちがしますが、私の投稿は「小学生でもわかる表現」という事を最優先に考えていますので(私の作文能力や知的レベルが小学生なみという噂もあります)、その辺りを御理解いただければ幸いです、
長くなりましたが、私の結論は「武力行使以外の解決方法は絶対にない!!」と言いたいのです。
いつもお便りありがとうございます。
国家間の抗争を犯罪とか個人間のトラブルと同じく扱える場合と、たとえることが無理なことがあると思います。
いえ、もちろん鉄血勤皇隊様のあげられた例はそのまま扱えると思います。
いわゆる911テロのとき、ある小学校の先生が
『こどものけんかはやり返しを止めないといつまでも続く。
アメリカの報復攻撃に意味はなく繰り返しを止めるべきだ。』
と語っておりました。
こういったたとえ話は論理的にハチャメチャでございましょう。
お互いにこのようなボケをかまさないように注意したいものです。
平和主義とは何か? パート2 2003.04.11