靖国を解体しよう! 2003.10.31
数日前、某政党の候補者が「靖国を解体しょう!」と演説したそうです。
元気があっていいですね、私ホレボレしてしまいました。 
ネットで検索したが、その件についてのコメントはあるが元ねたは見つからず、発言の詳細は分からなかった。

でもそれって可能なんでしょうか?

では、本日は靖国神社解体について考えましょう。
「靖国神社解体」とはいったいどのようなことを意味するのでしょうか?
東京九段にある建物を解体するのでしょうか?
yasu1.jpg 私有財産を保障(憲法29条1項)している日本国憲法を否定しないと、他人(法人)のもつ財産をみだりに収用したり破壊することはできません。建物を解体するとするならば、私有財産の保護とコンフリクトが生じるのではないだろうか?

宗教法人の私有財産を無視する人は、成田の誘導路の土地を持つ人の私有財産についてはいかようなお考えなのだろうか?
ぜひお聞きしたい。

もちろん(29条3項)で正当な保障のもとで公共のために用いることができるとありますから、災害が起きたなら靖国を解体して焼け出された人たちの仮住まいを作るなどは適法かもしれません。そんな場合でしたら英霊もきっと喜んでくれるでしょう。
もっともそこに住めといわれても私などは恐れ多くてご辞退いたします。
そういった緊急時でなければこの第3項を持ち出せないようです。

そういえば有事法制で敵が攻めてきたときでも国民の財産を保障することを明確に!と語っていた政党がありました。
靖国解体!と叫んだ政党とこの国民の財産保護を叫ぶ政党は異なるのでしょうね?


さて、次は組織としての靖国解体は可能かということを考えて見ましょう。
靖国神社とは
1869(明治2)年、戊辰(ぼしん)戦争の戦死者慰霊のため東京招魂社として創設、79年に靖国神社に改称した。陸・海軍省直轄で、第二次世界大戦の戦没者ら「国事殉難者」を祭る神社として軍国主義の精神的支柱となったが、戦後は連合国軍総司令部(GHQ)の政教分離指令(神道指令)で独立の宗教法人に改組された。
靖国神社は国家機関ではなく宗教法人である。すると法律を変えて国立機関を「独立行政法人国立美術館」なんて改変するようなことはできません。
国会がいかなる法律を作れば靖国を解体できるのでしょうか?
宗教法人の認可を取り消すというのだろうか?
これもオウム真理教のような犯罪行為をしていないと現行法では困難だろう。

いずれ現憲法では思想信教の自由(第19条)を認めているので、特定の宗教を廃止あるいは禁止することはできない。
憲法を改正するならば靖国神社を廃止することはできるのだろうか?
これもまた困難である。現憲法の改正の範囲としては国民主権と基本的人権については改正できないと解されている。宗教と良心の自由を犯してはならないというのはサヨクばかりでなく日本国民すべてに保障されているはずである。
いえ、日本に居住する外国人にも保障されている。(過大に保障されているという声もあるが・・・・)

ではクーデターを起こして現憲法を廃止すれば靖国を解体することができるのでしょうか?
これも実質的に困難でしょう。
いえクーデターだけなら中国様のお力をお借りすれば可能かも知れません。
でもね、そんなことをしたら世界中から笑いものになってしまうでしょう。
バチカンに宗教弾圧をする国家を認めるな!とか直訴すれば、あなたまさか宗教が異なるといえどバチカン・すなわち全世界のカソリック教徒は新生(?)日本政府を認証しないでしょう。


さあ、これは困りました。
靖国解体!と叫んだ国会議員候補者は憲法や法律関係をどこまで考えていたのでしょうか?
woman6.gif分からん?man7.gif

私の理解が間違っていて、靖国解体とはもっと異なる意味があるのでしょうか?
それとも現憲法においてももっとうまい方法があって組織としての靖国を解体できるのでしょうか?
靖国解体を叫んだ候補者の方、ご教示願います。

ちなみに中国も韓国も首相の靖国参拝を非難しているのであって、靖国の存在自体を非難したら・・・・これは重大な宗教弾圧であるとおもいますね、
もっとも中国では気功なんていう宗教弾圧を平気でしているので、属国日本に対しても行うかもしれませんが・・・・




独り言の目次にもどる