日の丸君が代(その7) 2004.12.12
過去なんども日の丸君が代について書いたが、本日もまた駄文を重ねる。
日の丸君が代反対を叫ぶ人は多い。実際には日の丸君が代賛成派や国旗国歌を空気や水と同じく意識していない私のような人がより多数を占めているのだが、ひのきみ反対論者はアクティブ(活動的)でありノイジー(うるさい)であるので一般国民にものすごく大勢いるような誤解を与えている。
彼らは国旗国家法ができてからだいぶ経つのにいまだにひのきみ反対を街頭でネットで叫び続けている。
さすがに最近は「消費税反対」ということを聞かなくなった。消費税法は昭和63年(1988)成立だからから既に17年経っている。すると国旗及び国歌に関する法律は平成11年(1999)なので反対運動が沈静化するにはあと11年かかるのだろうか?
    さて、日の丸君が代論争をみていると
  1. 日本人であることがいやでいやでたまらない人
  2. 日本人ではあるが国旗国歌を称えることが嫌いな人
    の2種あるらしい。
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移住するためにサッカーする?
日本人がいやでいやでたまらないならば、無理に日本人でいる必要はありません。外国人になることをお奨めします。といいますのは現状では日本国籍を捨てて、日本人であることをやめることはできないのです。日本の法律では外国の市民権を得たときにはじめて日本国籍を失うそうです。
外国人になる方法ですか?
正攻法であるのは移民を受け入れている国に受け入れてもらうことでしょう。あるいはなにがしかの方法でその国に住み、次に永住権、最終的には市民権(国籍)を得ることでしょうか?
でももし学問でも芸術でもスポーツでも天才的な才能があれば向こうからお誘いがきますよ。日本人になることも難しいのですが、関取りとかサッカー選手ならば間違いありません。
知っている方だけでもクロードチアリ、ラモス、高見山、コニシキ、三都主、呂比須、朝青龍など

日本人であることには抵抗はないけれど、日の丸を見たり君が代を聞くとジンマシンが出るという人、それはお困りですね。花粉症も困りものですが、ひのきみジンマシンもたいへん厄介な病気です。日本には祝祭日が14日もあります。そのほかに会社の創立記念日、学校の入学式、卒業式、スポーツ大会などで日の丸を見かけることが多いでしょうから同情を禁じ得ません。特に今年のオリンピックではたくさんのメダルを取りましたので病床に就いていたのではないかとご心配いたします。
この病気の原因は日教組による学校教育とか市民団体の悪影響とも言われていますが、まあそれは置いといて・・・
ひのきみジンマシンの方々の願いは国旗国歌のない国家なのでしょうか?

ある掲示板で次のような投稿を見かけた。
国旗・国歌を忠誠を推し量る踏み絵とすることに抵抗を感じる。政府は国旗国歌法の制定時には義務化しないと言っていた。
国旗の前で起立し、国歌を歌う者が立派であると評価され、自分に正直に日の丸に敬意を表さず君が代を歌わない者が批判されるのはおかしい。
自分の良心に従って国歌斉唱を拒否した教職員が処分されるのも理解できない。
・・・なそうである。
このお方は冒頭の分類からするとどちらなのだろうか?
文章を良く読むと、自分が国旗国歌をどう考えているかを明確にしていない。単に権力による国旗国歌の強制に抵抗するという、まさに正義の味方的八方美人であり、冒頭にあげたふたつの反ひのきみ論のどちらでもない。
責任を負わないように、自分の主張をおもてに出さないように、相手にそれとなく思わせる表現方法・・・市民団体的言い回しと言えばよいのだろうか?
そして、この論では良心に従って国旗国歌を拒否することができるらしい。
昔、良心的兵役拒否なんて言葉があったが、良心的国旗国歌拒否というあたらしい基本的人権が現れたようだ 
ナチスの旗を破ったサウンドオブミュージックのトラップ大佐のつもりですか
でも彼はナチスには抵抗したけれど、祖国オーストリアには忠誠を誓っていたし、亡命後はアメリカに帰化申請をして忠誠を誓ったのだが?
科学の世界ではどんなことを考えても良い。ありえないような仮説を立てて検討することはまちがいではなく推奨さえされる。結果として成り立たないこともあるし、成り立つこともある。
それでよい。
しかし、現実社会では法規制とか常識とか慣習というものに規制されるのは当然である。
ワシは右側通行が良いと思うから右側の車線を走るなんてことはできないのである。あるいは17歳だけど選挙したいと思ってもそんなことはできない。日本はそういう約束事(やくそくごと)になっているのだ。
国際社会には国際社会の約束事がある。日本は軍備を持ちません戦争はしませんと言っても、外国もそれに付き合って軍備を捨てることもないし、日本を敵国と見なさないということもない。

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中国は原子力潜水艦を6隻から7隻保有していると言われている。
先だっては日本の領海に侵入してきましたね
中国を仮想敵国とすることに大騒ぎする政治家や市民団体がいるのだが、そういった人々は中国が日本に核ミサイルを100基単位で照準を合わせていることをどう認識されているのだろうか?
中国の原潜が領海侵犯することを彼らはどう考えているのか?
日本固有の領土である沖ノ鳥島を乗っ取ろうとしているのを知っているのか?
彼らの頭の中をぜひ知りたいものである。

さて考えて見ましょう。
あなたが海外旅行に行くにはパスポートを持っていかなくてはなりません。
「私は地球市民だ!」といったところで、世界中どこの国に行っても相手にされないのです。それともあなたが地球市民という組織をつくり、独自のパスポートを発行するのでしょうか?不可能とは言い切れませんが、限りなく不可能に近いと思います。
国家というのは自分が独立宣言しただけではダメです。諸外国から国家として認知してもらわないと国家として一人前ではないのです。
日本は北朝鮮を承認していませんし、台湾もそうです。もちろんかの国の発行するパスポートはそれなりに認知されていますが・・・
朝日新聞では台湾は中国の一部分と考えていますが、それもまた事実誤認のようです。
でもちょっと待てよ、 国家を超越しているのだから、「地球市民というパスポート」を発行することはそもそも矛盾ですよね 
じゃあ、いったいどうしたらいいのでしょうか? 私にはわかりません。

あなたがお持ちのパスポートにはなんて書いてありますか?
パスポートってほとんど印刷された文字がありません。中身は出入国のスタンプを押すページだけです。わずかに表紙裏に顔写真と氏名生年月日そしてその次のページに、
passport.gif 「日本国民である本旅券の所持人を通路支障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」と書いてあります。
非常にわずかな文字数ですが、これがパスポートというものを正確に言い表しています。あなたはパスポートを持っているからこそ日本人として扱われ、外国に入国出国でき、かつ居住することができるのです。早い話、あなたはパスポートを失って日本人でなくなった瞬間に人間として扱われなくなるということです。
こう書くと突込みが入ることでしょうね。
正しくはパスポートそのものをなくすことではなく、その効力・後ろ盾をなくすことですよ。

映画「ターミナル」は国家の保護を受けられなくなった人の物語です。
現実には映画の中だけでなくそれと同じケースというか立場に置かれた人はたくさんいます。
かってたくさんの人が共産化されたベトナムからボートピープルとなって脱出・亡命しました。彼らは自国の保護を受けられなくなったので、難民を受け入れる国にのみ入国することができました。
日本は彼らを受け入れたのでしょうか?

あるいは今でも全体主義国家からの脱出者後を立ちません。北朝鮮からの脱出者については、韓国が北朝鮮と韓国はひとつの国家であるという認識にたっているので韓国に入国ができますが、その他の国家からの亡命者はどこでも厄介者扱いです。
現在の国家というのは張子の虎でもありませんしバーチャルなものでもありません。
「核兵器は張子の虎」と語ったのは誰かご存じ? 毛沢東です。

国家というのは人間の最大の発明なのか必要悪なのかわかりませんが、過去40世紀くらいは存在していたし今後も存在するでしょう。
地球市民がなんと言おうとそれは否定できません。そして地球市民というものは過去存在しませんでした。自分が地球市民と称しても外国がそう認めない限り地球市民ではないのです。
私が「若い」とか「女性だ」といってもアホな奴と思われるだけです。それと同じことです。

この世界は誰がなんと言おうと、国家を単位として構築され動いているのです。
我々人間一人一人が何をしようとしても、国際社会においては国家の後ろ添えがないとだめです。中東や中国の利権も国家の力早く言えば軍事力によって経済活動も支えられているのです。
武器輸出というのは外貨を稼ぐだけでなく、経済活動そのものも支えているのです。

言い方を変えると
我々は国家という単位で団体競技をしているのです。おれは国家と無関係に個人競技をしていると考えているのは勘違いなのです。
団体競技である以上、チーム方針に反したりチームのシンボルである国旗国歌を尊重しないことはちと困るのです。困るどころか、そういったチームの方針に反するメンバーがいると競技に負けてしまうのです。
とにかく現代社会は総力戦ですから、ひとつにまとまっているチームと、ばらばらなチームの対戦では戦う前から勝負は決まってしまいます。

なんや、それじゃ全体主義国家じゃないか? 民主主義とは大きく違うぞ!
なんておっしゃるあなた、
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国民全部で国家の方向を決めるのは民主主義ですけど、多数が決めた方向に従うのも民主主義ではありませんか。
それともあなたはあなたが好む方向に国家方針が決まったときは従うけれど、好まない方向のときは納得せず協力しないのでしょうか?
それって民主主義とも異なるような気がいたしますが・・・


本日の拙文は映画ターミナルを観たからじゃないか? なんて突っ込んだあなたはエライ
ひと月ほど前、海外に行ったときに飛行機の中で日本公開よりはるかに早く観たんですよね。
でもね、それだけじゃありませんよ、国家とは何か?と考えたら、当たり前のことなのですが・・・・


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