安定な社会は正常なのか? 2005.06.05
以前、わが師KABU先生が天国に住めといわれたらご辞退する書いていた。
その理由は、天国に住んだなら、事件が起きるはずがなく、退屈でそれこそ死んでしまうという趣旨であった。
ところで天国で死ぬとどうなるかはさすがのKABU先生も言及していない 
私もまったく同感で、天国になどに住みたくはない。
たぶん、天国に住むということは、メリハリのない繰り返しが永遠に続くねずみ色に塗りつぶされた社会であり、そこでの生活は生きがいがなさそうな気がする。
フランシス・フクヤマが「歴史の終焉」という本を書いたが、天国はまさに「人生の終焉」なのだろう。
アッツ、死後の世界なのだから当然かな!?

しかし、と考えるのだが、世の中の正常な姿はエントロピ増大であり、混乱であり、その状態がまさしく最も安定状態なのである。
この自然界の普遍の原理であるエントロピ増大の法則が天国においても通用しないはずはないから、天国が平穏であるということは、ものすごい規制がある社会、いいかえれば管理社会、警察国家ではないかと思う。
増大するエントロピを抑えること、あるいは系外にエントロピを捨てることはものすごい労力を要するはずだし、それを実現する現実的な手段は、管理社会あるいは密告社会でもないと実現できないだろう。

とすると、現在の北朝鮮や中国、あるいは以前の共産主義国家は天国だったのだろうか?
quest.gif その命題はあながち否定はできない。生まれてきた人に歩むべき人生を示し、悩みを持たせない社会、迷うことをさせない親切、思想や信教の選択で悩むことを排除してくれる社会はある意味で天国ではなかろうか?
進学か就職か?、どの職業に就くべきか?、どの会社に就職すべきか?、どこに住もうか?、誰と結婚しようか? などなど人生において悩むことは国家が指導してくれる
さらには飢饉になると、国民が思い煩ったり不安を感じることがないようにすみやかに成仏させてくれるらしい。

争いのない社会、みながまるく納まっている社会というのは教育とかしつけだけでなく、官憲による規制が厳しい社会に違いない。
中国では暴動や大病がはやると、報道管制が敷かれ該当地域への立ち入り規制が行われるから、はためには大きな事件が起きたことがわからないようになっているらしい。
だからこそ、国民は安心して政府のいうことを聞き暮らしていけるのだ。

私が偏見で語っていると疑われるかもしれない。
ハクビシンのときも、SARSのときも、反日暴動でも政府がすべて管理しているようで、政府のひとことで収まることもあるという不思議な社会である。
そして、口蹄(こうてい)疫が流行ったとか、家畜何万頭が死んだとか、炭鉱事故で多数が死んだなどという報道は・・・されない。
これらの事例は大新聞では報道されていないが、ネットの世界ではしっかりと伝えられている。
人間衛星の打ち上げのときも失敗に備えて放送は時間差があったことを思い出してほしい。そして、それ以前にあった打ち上げ失敗による犠牲者については報道はされなかったようだ。

man3.gif 反日デモで「日本は謝罪と賠償を」と暴徒が叫んでいたが、日本人一人当たり数十万円に上る中国への支援は中国国内ではタブーとなっているようだ。
私たちは多額の支援をしていることを中国人に知らしめなければならない。
あなたの私の年金となってもよかった貴重なお金が中国のどぶに投じられているのだ。
そして中国人はその事実を知らず、感謝の念もない。

中国の指導者とは恥知らずな奴らである。

ひるがえって、日本の社会とはいったいどのようなものなのだろうか?
私は過保護社会だと考えている。前回も自己責任2で書いたが、自由を裏打ちするのは自己責任であり、責任を伴わない自由は真の自由ではなく後見人の保護下にある子供である。
私たちは職業選択の自由の裏に失業する責任、お金を自由に使う裏に破産のリスク、言論の自由の裏に・・・とすべて責任を負っていることを忘れてはならない。

報道の自由を主張し、その誤報についての責任をとらない報道機関・新聞社があるが、これなどはまさしく成人していない子供というべきだろう。
新聞社ではなく子供新聞なのかもしれない。

そんなことを考えるとだんだん腹立ちがエスカレートしてくる。
大昔の哲学者を引き合いに出すまでもなく、私たちは自分の命財産を守るために武装する権利があるはずだ。今の社会はその権利を国家に預けて国家が治安を維持し、防衛を代行しているに過ぎない。
woman4.gif では、現在の日本はその国民との約束を守っているのだろうか?
北朝鮮の危険、韓国の国民の命権利の侵害、中国の日本国民に対する権利の侵害、それは物的なものだけでなく思想信教に及んでいるという重大な危機にある。
日本が日本国民との契約をまっとうできないなら、いつでも国民は国家との契約を破棄し、命財産を守る権利、武装する権利を行使する。

そういえば、少し前の選挙で民主党候補者が同じ主張をしていました。主義が異なっても同じ論理とは心強いことです。 

安全な社会はおせっかい社会、私たちを一人前に認めていない社会
本当の自由は私たちに厳しく、リスクを自分が負う社会
外国の侵害を防げない国家は国民との約束を守らない国家
国民は自分の命と財産を守る権利を回復する権利を持つ

uncle.gif
アメリカ憲法 修正第二条
規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。


本日の宿題

次のテーマで2000字のレポートを提出のこと。
安定な社会は正常なのか? 安全な社会は自由なのか?



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