人口減少 2005.09.24
毎度ばかばかしいお話を・・・本日は人口問題についてのお話を一席
だいぶ、旧聞になるが民主党の政治家が日本の人口対策として中国人を1000万人受け入れようという政策を唱えた。03年のことだから2年も前になる。
民主党という政党は、自分が唱えたマニフェストなどちぎっては捨て破っては投げ、選挙で破れると影の内閣さえリセットする政党であります。党首からして、解散前は郵政民営化反対でしたが選挙中に郵政民営化を唱えたり主張の継続性がありません。
ですからそのような2年も昔の、まして一部の議員が提案したことなどはとっくに忘れてしまったかもしれない。
最近、ちょっと興味を持ったのでその原文を探して読んでみた。
再読してみると、中身は他愛のない話で、具体性がないだけでなく、夢もビジョンもない。要するに国民をアットと驚かそうという程度の話であった。
1000万と聞けば誰だって驚く。南京虐殺の犠牲者がとうとう1000万人に成長したのかと思ってしまう。 

Pyramids.gif なんでも人口問題は日本の根幹に関わるらしい。

私が人口減少は重大問題ではないと考えているわけではない。
ただ、私はマスコミや政党は人口が減るということをネガティブな面でしか見ていないように感じている。


日本では2005年に人口がピークだったそうだ。これから先は減る一方!
50年経つと9000万、100年経つと3000万になるらしい。だから年金問題だ、国債をどうするという問題になるらしい。
私が30年後に生きているはずがない、死んだあとのことなど心配するな!なんておっしゃってはいけない。
虎は死んで皮を残し、人は死んで思想を残すのである。
もちろん本当は <名を残す> ですよ
ところで冒頭に上げた民主党議員の外国人1000万受け入れ論では、中国から高度技術者のみを選抜して日本に受け入れようということである。
考えても見てくれ、中国に限らずどの国でも最優秀な人を1000万人も外国に出すと思いますか?
常識的に考えれば、最低レベルの中国人が来るような気がする。
オット、核より危険なそんな社会実験をすることは硬く禁じる。 

アイザック・アジモフの有名な小説に「銀河帝国の興亡」というのがある。これは非常に長編の物語で全巻では10冊くらいになる。しかもアジモフの本は1冊1冊が長編でとても厚いのである。

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アジモフは大好きな作家の一人、
私は言い回しや考え方を彼から学んだ
アジモフは既に亡くなっているが、今でも多くの人により「銀河帝国の興亡」の続編やアジモフが作り上げた設定の上でのお話が書かれている。
あらすじは遠い未来、人類が銀河系に広がった時代のこと。百花繚乱の文化を誇る時代にいて、やがてこの広い銀河系に存在する多数の国家間の戦争や人間の知的好奇心の枯渇により文化が退廃してしまうと考えた学者がいた。
彼は政治家を動かして、とある辺鄙な星に人類再興のためのファウンデーション(基礎)を作る。そこに科学技術の粋を集め、偽りのプロジェクトをたてて最高の技術者や科学者を集めたのである。
そして時が経ち彼の予想は現実となり、人々の活力は薄れ、科学文化は衰え、星間航行もとだえ、人類は文明を失ってしまう。しかし、このファウンデーションは最高の科学技術と文化を維持し続けた。そして、1000年後に、ここから再び銀河系に広がった科学技術により人類文化は再興する。
というまあ、荒唐無稽な話である。 
もしかすると、これは想像の物語ではなく、現実のことで地球はまだ文明再興していないのかもしれない。
ところで、これを実現するにはとほうもない能力が必要であることがわかる。
ひとつは千年後を想像すること
ふたつは遠い時代の人間の欲望や希望をコントロールすること
というふたつができなくてはならないのだ。
双方にイエスと答えることができる人がいるだろうか?
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もちろん未来についての情報がなければできるはずがない。1000年前といえば源氏物語が書かれた時代である。紫式部が現在の日本の政治、外交、年金問題、人間の価値観を考えることができたかと想像すれば、そんなことができたはずがない。
しかしできないからしないのではいけない。できないならできないなりに想像力を働かして、あるべき姿を模索し、それに向けての施策を考えるべきである。
月ロケットを見たことがなくても、かぐや姫は考えられたのであるから・・
我々は1000年後の日本という国についてイメージを持っているのだろうか?
そしてそれを実現するために、何をすればよいのだろうか?
年金問題を憂い、中国の経済発展を脅威に感じ、韓国による竹島の不要占拠を怒っている人々、おっと、日本の右傾化を憂い、在日外国人に参政権を与えようと活動し、北朝鮮の金将軍政権を支援する人々も含めて、1000年後の日本についてどのようなお考えを持っているのだ?
ッツ! そんなこと考えたことがないって?
困りますよ、年金問題を憂いるならば、あなたの年金だけでなく子々孫々の年金のことまで考えてください。
エネルギー危機を心配するなら、2010年の京都議定書をどうしたら実現できるかなんてけちなことを言わずに、1000年後の日本のエネルギー政策を考えましょうよ

さて2005年から日本の人口は減りはじめた。これは現実である。
人間の人生を考えれば、赤ちゃんからはじまり、子供時代、青年、壮年とうつり、やがて老年になり、やがては死を迎える。国家だって同じく変化はあるだろう。
もちろん国家の死が必然であるかは分からない。しかしながら、歴史的事実として死を迎えなかった国家はないらしい・・・

国家も川の流れと同じく、同じところにとどまることはできない。過去を美化したとしても、50年代の日本、60年代の日本を再現することは不可能である。歴史上のある時期をずっと継続しようというのは無理なのである。エントロピ増大は自然現象だけでなく、人間社会においても必然だろう。
対外状況が時々刻々変わり、内部のエントロピ増大をどのように処理するのかということを想定すれば、憲法を60年も変えないということがとんでもない間違いというか怠慢であることがよく分かる。
ISO規格では、構築、実施、維持というのがワンセットとなっている。
なにごとも、形を作ることと、そのとおり実行することと、状況に合わせて改善していくことは同じくらいに重要であり、かつ負担がかかるものであると認識しているわけだ。
多くの政党が日本の人口減少が大変だ!大問題だ!と叫んでいる。そのためにいろいろな問題があり、対処しなくちゃならないという。
税が減る、過疎がふえる、国債が償還できない、公共サービスが低下する、1000年後には日本人が消滅してしまう、などなど心配事は多いようだ。
しかし、消費税をあげる・あげないというのはほんの一瞬の論議である。年金制度を見直そういうのも同じく短期的な問題である。
ちょっと前・・・50年位かもしれない・・・日本は人口が多すぎると心配した国民、政治家が多かったようだ。
そして、日本から南米や中南米に移民していった方は何十万人にもなる。

いったい日本の人口は今の1億2千万人が適正な規模のか?
現在の人口が適正だというのなら、何を根拠にそう語るのだろうか?

まず人口というのはどのような条件によって決まるのだろうか?
国土の広さ、国土の生産性、気候、食料、資源などなどの要件があるはずだ
この地球上には200もの国があるが、国土面積と人口の分布はどうなっているのだろうか? 日本と同じくらいの面積の国の人口っていったいどのくらいなのだろうか?
もちろん単なる人口密度では分からない。面積が小さければモナコとかバチカンとか異常なほど高い国もある。だから国の大きさ、面積が日本と同程度でないと比較にならない。

国名面積
km2
人口
百万人
日本37.8127.0
イラク43.823.0
ウズベキスタン44.725.0
オマーン31.02.4
ベトナム33.377.6
マレーシア33.023.0
コンゴ共和国34.23.0
コートジボワール32.216.4
ジンバブエ39.112.6
スウェーデン45.08.8
ドイツ35.782.0
ノルウェー32.44.5
フィンランド33.85.2
ポーランド32.338.6
パラグアイ40.75.5
パプアニューギニア46.34.8

日本の面積は37.8万km2である。
面積が近い35万〜40万km2くらいの国をみてみると・・・

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グラフを見ると、一目瞭然!、今の日本は面積に比べて人口が多すぎるのだ。
これを見ると日本の人口が半分になってもまだまだ多い。3分の一くらいになっても多い。4分の1でやっと世界標準くらいになる。
man7.gif あるいは砂漠が多いのか、寒帯なのか、穀物が作れるのか、平均雨量は、平均温度は・・・と関係する条件は多々あるだろう。しかし、日本がこれら世界中の国に比べて人口支持力が際立って大きいということは・・・ないのではないか?
現実に今日本の食料自給率は30%といわれている。
人口が3分の一になればちょうどではないですか? すなわちこれは江戸時代、鎖国(というのはうそというのが最近の定説らしいが)して国外貿易が実質的になかったときの人口と同じである。
今現在、エネルギー自給率はほとんどゼロです。
しかし現在でも水力発電は電力の2割を占める。今後、風力発電や波力発電などを活用すれば3割は大丈夫でしょう。ということは人口が3割になればなんとか自給できるのです。
自給できなくても今の状態よりははるかに強固な国家体制となります。
国家が強固か否かとは自衛隊が強いかどうかということもありますが、現時点中国に東シナ海を押さえられると日本のタンカーは航行できず、まさに干上がってしまいます。インドネシアの海賊の問題は現実です。日本の船が安心して航海するためには自衛隊によるシーレーンの警備も必要なのです。
外国からのエネルギーへの依存率が少なくなれば国家安全保障はより安全サイドになります。
もちろん人口が少ないということ自体、国防上有利になります。
国土のいたるところに人間がいれば防衛上大変です。
万一戦争になった時、疎開しようとしても、疎開する場所がありません。
また、一極集中は敵の目標として最適です。
韓国では人口の3割近くがソウル近辺に住んでいるとのこと、そして朝鮮半島には地震もないのでソウルには非常に脆弱なビルが多い。北朝鮮から砲撃、爆撃を受けるとあっという間に建物が崩壊するといわれています。だから韓国人は北朝鮮に強気に出られないこともあるのです。
もし、韓国の首都がもっと38度線から離れていれば、太陽政策をとらないかもしれません。
しかしながら、日本から独立し、更には朝鮮戦争後もソウルを首都にしているのはなぜでしょうか?
日本統治時代にソウルにインフラが整備されていたからということだそうです。
日本が朝鮮に投資した金は莫大なものであったというのが本当らしい。
今の韓国人も北朝鮮も日本が搾取したので朝鮮半島の発展が遅れたという。
不思議なことである。 
人口が少ないと年金が大変だあ〜
何をカン違いしているのですか?
問題は人口が多いか少ないかではなく人口構成です。そして急激な老齢化と人口減少によって年金問題が起きたのであって、人口が少ないから年金が問題なのではありません。
少ない人口でも釣鐘型の人口構成ならば一定条件を保つことができ年金の心配はありません。
年金問題とは人口が多い少ないとか今後永久的な問題ではなく、一時的、せいぜいが30年間くらいの過渡期の問題なのです。
30年が長いか短いか?
そりゃ日本人は戦後50年間も高度成長期を謳歌してきたのですから、30年くらいはやむを得ません。
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なんで分かりきったことを書いているの?とご質問されますか?
お待ちしておりました。
やっと言いたいことにたどりつきました。
日本の人口減少を補うために、中国から1000万人連れてくるなんて発想はきちがい沙汰であるということです。

日本の人口が今後30年くらいの期間で激変するのは思想信条に関わりない、事実として認識しなければなりません。しかし、それが日本にとって危機なのか? 千載一遇のチャンスなのかは考え方によって変わるのではないでしょうか?
チャンスはピンチといいます。敵に包囲されたということは、敵中に切り込んだということにもなるのかもしれません。

今日本人が考えることは、日本の人口減少をいかに有効に利用するかということです。
環境問題、持続可能社会という実現を考えると人口減少は決して悪いことではありません。

すべてが江戸時代に戻ってしまうのは困りますが、食料自給率やエネルギー自給率を確保できるなら、人口三千万で安定する社会が望ましいのではないでしょうか?

はじめの問題提起に言及しますと、三千万のうち1千万が中国人では、もはや日本ではなく中国の植民地、現在のチベットか西域を思い起こしてしまいます。
そのようなことは決して望ましいものではありません。



本日の提言

1000年後の日本を考えましょう。
そしてそれを実現するために、
何をすべきかを考えませんか!






大国主命様からお便りを頂きました(05.09.25)
どうも管理人さん。大国主命であります。
人口減少を肯定することには、異議を唱えさせていただきます。
当然中国人のような有象無象の人種を1000万も移住させるような戯言も断固反対です!
江戸時代、それは天下泰平の世を謳歌しながらも、ちゃんとGDPを二倍にし、食糧自給・エネルギー自給完全達成、識字率の向上、農工商の均衡発展を達成したバランスよい時代でありました。
ただ、江戸時代の水準で今の日本と比較するのは大きな間違いであります。
危機こそチャンス、これは私のモットーでもあります。農地が昭和60年に600万ヘクタールあったのが平成17年現在470万ヘクタールなのです。食糧自給率を押し下げているのは、無理な宅地開発にあります。しかも、住宅の七分の一が無人のままなのです。
工場については、国内回帰で次第にだぶつきが解消されています。ただ、商業施設が多すぎです。かつてのように商店街で商業活動すればよいのです。これだと、小売業の大手は困るでしょう。それなら、商店街を定期賃貸借し、初期コストを大幅に縮小、無謀な外延的拡大を解消でき、商店街再生+公共投資の回収効果向上が見込めます。
あと、なるべく、住宅は集約し、余った土地は生産緑地(平たく言えば都会の田畑)にするのです。あと、集約した建物の三割は植物工場に、大小便はちゃんと発酵させてガス発電+有機肥料生産、ビル屋上にも生産緑地をつくり(プランターみたいなものが最近多いです。)、ビル風を活用した風力発電を行う(仙台にこの手の会社があります。富山の南砺に太陽発電+風力発電両用の発電機の会社も。富山には空気圧で熱を生み出す装置を売りものにする電力会社が。)。風の流れをうまくつかんで風力発電を推進できますし、最近では水のイオン分解で発電できる装置が随分前から売られています。
人口規模を1億2000万人に維持可能(反日日本人は省く)な要素は大量にあります。それに、日本は食糧輸入の3割もごみにしているじゃあないですか。あと土作りと輪作をうまく組み合わせれば生産性が3,4割向上できることが最近になって判明したのです。さらに品種改良で2割収量アップ可能になりました。加えて、食生活を米中心に戻すのです。(私のうちは米と野菜だけで食事しています。それでもちゃんと体力維持できますよ。)
昭和35年は食糧自給率は80パーセントだったじゃあないですか。できないことはありません。エネルギーや工業生産も超省エネが可能な水準に達しており、採算はもうすぐとれる水準に来ております。
最後に、国防ですが、私的には逃げる場所は腐るほどあると断言します。理由は、日本には2000近い廃絶集落があります。ここに逃げ込む手もあります。一時的であれば非難可能な面積と数を日本は持っています。
しかもすべて山奥なので平地より格段に安全です。高度成長時代に多くの人々が便利な都会に降りていったから、現在の過疎があるだけなのです。現在はどこでも立派な道がありますし、多くの土建屋がいるんですから、道ぐらいすぐにできますよ。
どうでしょう?これでもなお、人口を減らしたい、とお考えでしょうか?まあ、反日日本人を全部排除するのであれば、人口減少是もやむをえないですが。

おお!大国主命様のご命令であれば、反論などいたしようがありません。 と言いたいのですが、私は人口8000万人くらいのときから日本人をしているのですが、やはり現在の人口は多すぎると思います。
昭和35年の食料自給率は80%だったのですか?(知りませんでした)
しかしそのときは人口9000万ですから日本の人口支持力は9000*0.8=7200万が限度ということになるのでしょうか?
 漁獲高をとらえても昭和35年と比べ、平成16年は6割程度
最良値ではなく、最悪値で考えるのが私の行き方です。
といいましても、お互い思考実験にすぎませんから、実行に移すことは不可能ですね 
でも案外、官僚とか政治家も見ているかもしれませんよ
見てないか 



あらま様からお便りを頂きました(06.01.15)
少子化問題
佐為さま あらまです
「出産費を無料にすれば、子供が増える」なんて。
そんなことを言えば、なんでもカネで解決しようとする姿勢が、まず問われてしまいますね。
さて、佐為さまの記事「独り言=人口減少」を再読させていただき、子供が少ないという人口構成が、なぜ問題になるのかを愚考してみました。
そこで、佐為さまがいみじくも「ISO規格では、構築、実施、維持というのがワンセットとなっている。」と、述べられています。
つまり、将来の人口構成を考えない年金制度や国債発行は、ISO規格に外れているとご指摘されていると思います。
結局、年金制度が破綻すれば、得をしてきた世代と損をしている世代とか鮮明になり、混乱が生じるでしょう。
しかしそれ以上に、国家の借金が返せない事態になれば、国際的な信用が失われてしまいます。
かつて、年金制度導入や国債発行の際、こうした人口問題をあげて反対をした人もいたようですが、今となっては戻れませんね。
まずは、内閣、国会がISO認証を修得して、国家百年の計を考える組織に変えるコトから改善しなければ、明日の日本はないですね。

あらま様 毎度ありがとうございます。
少子化とか年金とかが独立した問題であるはずがありません。
国家とはさまざまなものの集合であって、政治が個々の対策で決定実行できるはずがありません。
日本の正しい歴史を教えようという運動があります。もちろん誤った自虐史観はゴミの日に捨てたいのですが、それだけで終わりではないと思います。
正しい歴史を教えるだけでなく、学校では年金とはいったいなんなのか?税金とはなんなのか?文化とは何か?人が生きていくことの意義と義務、そして悲しさ惨めさというものを教える必要があるのではないでしょうか?
自分というものがいかにして存在しているかを知り、また文化を伝承し伝えなければならないということを認識する必要があるのではないでしょうか?
まあ、私の考えは時代に合わないのかもしれません。
吾輩は猫であるの最終章のようにただ消え去るのみか???
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