ISO14001:2004 2004.11.23
私の飯のたね、ISO14001規格がこのたび改訂された。
ISO14001規格公布は11月15日、これを翻訳した国内規格JISQ14001は今年12月24日だそうです。
ISO規格の版(バージョン)はコロンの後ろに発行年をつけて表します。
ISO14001:1996からISO14001:2004と進歩(出世?)したわけです。
もっとも改定されても基本的な考え方は変っておらず、改訂のポイントはISO9000シリーズとの整合性向上と要求事項の明確化であって新たな要求事項の追加ではないという説明がされています。
旧版と改訂版を見比べると、確かに従来に比べて定義も追加され、英語も日本語も本文の表現(いいまわし)もあいまいを排して理解しやすく誤解しにくくなった。
とはいえISO9001との整合は実現したのか、前進したのか私には分からない。
大体、ISO9001は元々が品質保証規格であり、品質マネジメントシステムを僭称したところで品質改善や品質管理が抜けているのに対して、片方は包括的な環境マネジメント規格であって環境管理、環境改善、環境保証を網羅しているのだから、はじめから整合を図ることができるはずがない・・・と私は思うのだが・・・
整合を図るためにはISO9001が本当の品質マネジメントシステム規格に成長するか、ISO14001の三分の一とISO9001がペアになるしかないのではなかろうか?
しかし96年版と改定された04年版との最大の違いはなんといっても遵法の重要性の強調であり、また監査員を始め従事者に対する力量の要求が厳しくなったこと、そして経営への貢献要求ではないかと思う。これは要求事項の変化だと認識しなければなるまい。
私が今までさんざん審査機関や審査員をからかってきたことがISOの委員に認識されたのであろう 
でも、勘違いしないでください。
私は審査機関、審査員、現実の審査のありさまを揶揄して(からかって)きたが、ISO規格を揶揄したことはなく、その価値を疑ったことはない。私は第三者認証制度について大いなる疑義を持っているが、ISO規格の精神は至上のものと認めているのである。
私はISO原理主義者なのだ 
世の審査登録機関は私のテロを恐れよ!
私だけでなく、世界中で現実の審査の問題を認識し(困りはて)ISO規格の精神は良いが、もっとわかりやすく誤解されないように表現すべきだと考える人がいたのだと思う。
「この規格の採用そのものが最適な環境上の成果を保証するわけではない」(ISO14001序文)と断り書きをしているが、この規格を採用した人や組織は「環境上の成果を向上させることが目的」であるのは間違いない。

14001.gif いつも言っているが、ISO規格に適合してたとしても、法規制に違反したり品質が悪くなっては経営に貢献しているはずがなく、それらを実現できないならISO規格や第三者認証の意味はないのだ。
ISO規格に適合した組織はISO規格に基づいたシステムを作ることによってパフォーマンスが向上してもらわないと困る、
ISO規格に適合したシステムを作っても費用対効果がないのなら採用する意味がない。

人はタフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく甲斐がない
ISO規格は効果がなければ価値はなく、運用困難では見捨てられてしまう。


さて、ちまたでは「規格は改定されたが規格要求事項は変っていない」とか「私どもは従来から改訂版と同じ考えで審査していた」なんていっている審査機関もちらほら見受けるが、本当かね?
とてもそうは思えないが。

環境側面評価を点数計算して「一定点数以上だと有意だ」なんてままごと遊びをしていた人たちはこれからどうするのだろう?
この改定で、机上の空論でシステムを構築してたり、環境施設の運転も環境法規制も知らない事務局は本当の環境マネジメントシステムを理解してもらいたい。
そして環境法規制を知らないような審査員はばっさりと切り捨てて欲しい。それが受審企業だけでなく、日本のそして世界の環境と人類に貢献すると思う。

私は田舎の工場に永らく勤めておりました。もともとが現場出身ですし学もありません。品質システムとか環境マネジメントシステムあるいは監査というものについて誰にも本格的に習ったことなどありません。
私が品質マネジメントシステムと言わず、品質システムというところに歴史を感じて欲しい 
しかし長年現場にいて品質とは何か?不良をなくすにはどうすればよいのか?教育訓練はどうあるべきかなどを考え続けてきました。そして稚拙ではありますが工夫を重ねてきました。
そして品質保証担当となってからは、品質保証とは何か?いかにすれば業務の生産性向上、質向上が図れるかということを考えつづけてきました。
私の環境マネジメント論は、独学どころか過去の自分の監督者、管理者としての体験と頭の中で考えて自分で築き上げてきたものきたものです。私の主張には理論的根拠もなければ、先生について学んだものではありません。間違いも多々あるでしょう。
ただ、いかなるシステムも目的でもなく目標でもない、会社に寄与するためのツールである、ツールであるならば役に立たないものは意味がないという原理原則にたってすべてを判断しています。
だからこそ、システム規格をバーチャルなものと考えたり、環境法規制も知らずに環境側面なんて語っている(騙ってかな?)者どもをみると虫唾が走るのです。
現在、ISO9000の負のスパイラルが騒がれ、ISO14001でも遵法が重要だと認められてきた歴史を見ると、私の妄想(?)も誤っていなかったというか時代に先行していたと思います。



では本日のひとこと、


バーチャルなシステム構築者諸君、
ざまあみろ


ちょっと品がなかったでしょうか? 原陽子元議員の真似でございました。 


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