憲法投稿その32002.01.17
本日、ななし様(このホームページでは匿名の方をこう呼びます)から投稿その2に関してご意見をいただきました。ありがとうございます。
このななし様は先日の「憲法投稿その1」のご投稿をいただいた方と推察いたします。 毎度のお頼りありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
なおこれ以降、ご投稿を黒字、私の意見を緑で表示します。


加害者の人権か?
こんばんは。
この間の投稿に対する反論をしたいところですが、ちょっと手元に資料もないので後日改めさせていただきます。
今回も前回同様何の資料もないままに記述できるところからのちょっと重箱の隅を引っ張るような指摘です。
どこに書いてあったか忘れましたが、日本では被害者の人権が加害者の人権より優先するというニュアンスの記述がありました。近年マスコミもこのような表現をします。これは、加害者には弁護士がついて(場合によっては国費で)黙秘権だとか無罪の推定だとか法律にのっとって裁判が進められる一方で、被害者には事件の経過も十分に伝えられない、遺族への補償が不十分であるといった具合で被害者の権利がないがしろにされていることにあるでしょう。
しかし、ちょっと一歩立ち止まって考えてください。これは加害者の人権が優先されているということではないのです。
刑事裁判とは、犯人として逮捕されたその人がほんとに犯人・加害者であるのかを決めるものなのです。加害者であれば処罰を受けなければならなりません。ですからその人が加害者であるのかは慎重に判断しなければなりません。その過程においては一個人と行政権ではあまりに力の差があります。国家権力を背景にした警察・検察と一個人を対等に立たせるために黙秘権があり、弁護人がついて無罪の推定の元に適正な手続きに従って裁判が行われます。ほんとに加害者であれば法に従ってその人は処罰されます。
けれども、万が一その人が加害者でなかったらどうなるでしょう?過去の冤罪事件を見てもその悲劇は明らかです。そういった歴史を踏まえて加害者であることの見極めに誤りがないように現在の刑事司法は運用されているのです。
よって、これは決して加害者の人権が優先されていることではないのです。
私の結論
加害者の人権が手厚く保護されているのではなく、被害者とその家族の人権保護があまりにないがしろにされてきたのである。被害者を保護を厚くすることが国及び社会の責任である。


私の文章は下記のとおりです。
皮肉ですが、日本では犯罪者の人権が被害者の人権より大事にされていることを見ても不断の努力はいらないようですね。
私の論点は『憲法が定めることとは違い、国民は不断の努力なしに権利を持ちえる』ということであり、その傍証として『犯罪者の人権は被害者の人権以上に守られている(ようだ)』と述べています。
ここで犯罪者を法を遵守しなかった人の具体例として取り上げております。
私は被疑者、加害者の人権は守らなくてよいとは書いておりません。
まずその事実をご確認願いたいと思います。

従いましてお便りいただきました反論は論点がずれていると考えます。
『犯罪者の人権は被害者の人権以上に守られている(ようだ)』ということは『犯罪者の人権は守らなくて良い』という論理とはまったく異なります。
私はあなたが「加害者も人権があり守らねばならない」とおっしゃることに同意します。
但し、”昨今のメディアが被害者の人権より加害者の人権が守られていると言っている”とおっしゃっている事実を寡聞にして知りません。いえ、オリジナリティを主張しているのではなく、メディアの意見を引用したのではなく文責は私にあると宣言します。

よって、私の立論への反論は
(1)憲法で定めるとおり国民は権利を守るために不断の努力が必要である。
あるいは
(2)犯罪者の人権は被害者に比べて守られていない。
ととなるはずです。

また立論に対してディベート用語でいうところの反対尋問をするのであれば
(1)国民は権利を守るために不断の努力が必要でない証拠を挙げよ。
 これについては既にあげております。
(2)犯罪者は法を遵守してない具体例としては不適である。
(3)加害者の人権は被害者の人権以上に守られている証拠を挙げよ。
 これについてはあなたが報道にそのような事実があると述べられています。
などととなるかと考えます。
ご了解いただけましたでしょうか?

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