日本国憲法は必要なのだろうか?(その20) 2002.09.09
日本国憲法がこんなにいいかげんなものであってもほとんどの国民が関心を持たないのははぜか?
えっ、護憲運動をしている方がいるじゃないかって?
彼らは護憲運動をしているんじゃありません。
単に反日運動、中国様事大主義運動をしているのであって、その錦の御旗として護憲と叫んでいるんです。
反日と錦の御旗とは矛盾もはなはだしいですね??
錦の御旗とはご存知のとおり日の丸のこと、反日のやからが錦の御旗をかつぐとはいわんでしょうね?
官軍の錦の御旗は靖国神社でご覧になれます。

何事も必要がなければ求められません。
必要は発明の母、失敗は発明の父(逆でしたっけ?)
日本で憲法は必要じゃないのでしょう。

ひるがえって、どのようなとき、どのような国で憲法が必要なのでしょうか?

アメリカを例に挙げれば、その理由は簡単ですよね、
多種の民族、言語、宗教、価値観のあるところでは国民というものをひとつの規範で治めなければならないからです。
今から200年以上前、崇高な理念で建国しその誇りと意気込みを世界に示したのです。
だから国家としてまとまるべき最低限を合衆国憲法として定め周知し、これだけは守れよとする必要があるのです。

新興国でもオラッチ何を信じたらいいんだ?ということでは混乱は収まりません。だからわが国はなになにを求め、国民は○○する権利と義務がある。と宣言する必要があるのです。

じゃあ、古い歴史がある国では憲法はいらないのでしょうか?
そうです、いらないのです。
イギリスはひとつにまとまった憲法はありません。
過去の歴史の過程で大英帝国(正式国家名称です)は国の基本的な姿勢、理念を明確にしてきたのでいまさら文章にまとめた憲法を必要としないのです。


じゃあ、日本はどうだろうか?
明治政府は『大日本帝国憲法』を制定しました。
これも必要があったからです。諸外国に一人前に国だと認めてもらうためと、国内に対してはもはや藩幕体勢じゃない、これからの日本人は何ができて、何をしなくちゃならないかを国民に教えるために必要だったのです。

憲法って必要なのか?
日本国憲法は?
これは必要だったのです。(過去形です)
アメリカ軍が天皇制を否定し、従来の日本の価値観を否定し、アメリカ崇拝思想を徹底し、そして今後の世界において日本と日本人をアメリカの枠組みに組み入れるために必要な道具だったのです。
その事実を否定される方いますか?
残念ながら、今の日本はその目的が達せられたようです。
もっともアメリカも民主主義というオブラトで包んでしまったために、日本では共産主義と反アメリカ主義が根付いてしまいました。 そして『すべての組織の根本原理は存続することである』という真理に基づいて、彼らはソ連なき現在、反日・反アメリカを旗印に朝鮮、中国とつるんで生きながらえようとしています。
はて、どうなりますことやら?


さて、現在日本ではもはや成文憲法を必要としていないようです。
今日本で憲法を廃止して、法律だけとなったときなにか困ることがあるでしょうか?
法体系としては知りませんが、実運用上として何も支障はないようです。

法律あるいは規則はハイラルキーを形作ります。上記規則は詳細を下位規定にふります。
下位規定は当然「○○に基づき・・・」と始まります。施行令なんてその例ですよね。
では、今の日本の法律で憲法を引用しているのはいったい何件あるのでしょうか?
現在約1800本ある法律で、憲法という言葉を記述しているのは50本あります。(数えました)
では本文中で「憲法○○に基づき・・」とあるのはどうなんでしょう?
  • 憲法に基づきあるいは憲法を展開したことを明示しているのは、わずか2本
    • 国事行為の臨時代行に関する法律
      第一条 日本国憲法第四条第二項の規定に基づく天皇の国事に関する行為の委任による臨時代行については、この法律の定めるところによる。
    • 会計検査院法
      第二十条 会計検査院は、日本国憲法第九十条の規定により・・・

  • 憲法の理念にのっとりというのが6本
    • 国民年金法
      第一条 国民年金制度は、日本国憲法第二十五条第二項に規定する理念に基き・・・
    • 生活保護法
      第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き・・・
    • 人権擁護施策推進法
      第二条 国は、すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり・・・
    • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
      第一条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり・・・
    • 公職選挙法
      第一条 この法律は、日本国憲法の精神に則り・・・
    • 人身保護法
      第一条 この法律は、基本的人権を保障する日本国憲法の精神に従い・・・

  • 憲法で保障する権利を守るべしというのは多数あります。下記は一部です。
    • 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律
      第三条 ・・・日本国憲法の保障する国民の自由と権利を、不当に制限するようなことがあってはならない。
    • 宗教法人法
      第一条 2 憲法で保障された信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。
このように、憲法に基づいて作られた法律ってほとんどありません。
憲法はかっこいい理念で飾り物、実務は法律というのが現在の日本なのです。
ただ、憲法と法律が矛盾しちゃいかんというだけのようです。
あるいは矛盾した場合、現実が優先するのは当然です。
今、憲法が生活や事業活動、あるいは内政、外交、防衛に関して影響力を持つ部分があるのでしょうか?


よく考えてみると、日本国憲法って現実社会にまったく影響を持たない無力な言葉に過ぎないようです。
それならばなおのこと、日本国憲法が世界に誇るすばらしいものだと言う主張が欺瞞でしかないような気がします。

あっ、反論されるなら今の憲法がいかに私たちの生活に密接に結びついているかを具体例を挙げていただけばよろしいです。
私はこの主張をすぐさま外して、謝罪することを誓います。

具体例、そうですね
学校の先生は日本の法律を守ることを誓い、それを遵守してますなんて言われたら平伏します。
  もちろん法律には『国旗及び国歌に関する法律』も入りますよね?
あるいは、
民主的に決められたことは国民の義務として遵守すべきだなんて言われたら反論できません。
そうすると今でも『建国記念の日、はんた〜い、』と叫ぶ人たちはきっと憲法を知らないのでしょう。


憲法がなかったら?
まあ、どのような具体例が来るのか楽しみにしております。



本日の提案



憲法改正といいますと、喧々諤々(けんけんがくがく)まとまりがつきません。
いっそのこと憲法を廃止しましょう。
そして、世界、国内の状況変化に応じて法改正で対応することにしませんか?

あっ、これって現在の日本そのままじゃありませんか!





ある高校生様からお便りをいただきました。(07.12.21)
憲法? そもそも日本国憲法は憲法として機能しているのか
志望校にA判定をもらってちょっといい気になりつつ、気を引き締めなければと思いつつな投稿です。
先日した投稿へのコメントを読んで(一応民法も刑法も平仮名になってます)、自分なりに考えたのですが、変わっても下位法に影響をあまり与えない憲法?こんなの憲法と言えるのでしょうか。
思えば憲法の人権条項や9条などについて読むときも、文章そのままを理解できないため、自分の考える善に当てはまるように解釈して読んでいるのでした。それならば、その運用はどうなるのか。
まさしく、日本国憲法を運用すると言うことは、その時の「善の大勢」に応じて憲法を引きずり出す、と言うことなのでは・・・!つまりは、憲法は憲法として機能していず、機能しているのは社会大衆の常識善と言う名の有象無象なのでは・・・。だからこそ、改正すると言っても論理的整合性など問題にされず、憲法は空気のように存在すればいいわけで、だからこんなにボロボロでも改正せずとも好く、善の象徴として存在すればよいと言う議論になってしまうのです。しかし、これが実態であるならば、我が国の憲法は全く近代的憲法の体裁をなしていません・・・。これでは人の善と徳で政治をする前近代的な世界と何ら変わりありません。
さて・・・これは困ったことになりました。日本国憲法を正常な文章にするには、マスメディアや学校や政治家や大衆や知識人たちに、近代的憲法の機能、近代的憲法とは何であるかについて議論を迫らねばならないようです・・・。
あ・・・それと。
漸進的に前進、のギャグに気付いていただけたでしょうか?w

ある高校生様 勉強のほうもしっかりされているようですね。私のせいで大学を失敗したなんて言わないでくださいね。
日本国憲法は必要か、いや不要ではないかということを私は何度も論じています。ですからあなたが最初に考えたことではありません。ついでにいえば私が最初に考えたのでもありません。
要するに誰でも考え付くレベルのことです。
更に言えば日本だけに限定されているわけでもありません。イギリスなんて憲法なくて1000年も国家が存在しています。
じゃあ違憲訴訟なんて可能なんでしょうか?
私の商売、監査では監査基準がないと監査できません。監査とは判断基準です。スポーツだってルールがあって試合ができます。試合を開始してからストライク4つまでにしようとか5つでもいいかなんてことになったらそれこそはじまりませんものね。
ところがある高校生様が書かれたように、憲法の読み方とか解釈というのは確固たる判断基準ではなく、時代とか状況とかによって伸びたり縮んだりするようなのです。
これでは困りますよね!
じゃあ憲法はいらないのか?となりますと、憲法がないと困ることがあるのか?と考えればよく、その結果なくてもよいようなのです。
日本人はもともと定理とか原理原則をもとにするより、実用性、臨機応変が得意でしたのでもう頭の構造がそうなっているのでしょうかねえ〜

ところで民法は一部現代語訳(?)されましたが、現時点まだ民法施行法などにカタカナが残っているようです。
漸進的に前進、のギャグ・・・すみません私の知識ではわかりません。



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日本国憲法はなくてもよいのか?(その21) 2002.09.15
先日、「憲法はなくともよい」と書きました。
本当になくてもよいのでしょうか?
話が変わるのは毎度のことですが・・・・
何度も書いておりますように、私は今年引越しをいたしました。
それまでは一戸建てに住んでおりましたので、たくさん家財道具(ガラクタ)がありました。
引っ越す際にほとんどのものを捨てました。
  • 本、マンガの類はもらってくれる方がいたのでよかったです。
    小説などはすべてゴミ
  • 食器、一人が使う茶碗は一個、それ以上は要りません。
  • 衣類、あなた持っている服の何割を着ますか?
    いや〜、Tシャツなんか買ってから着たことのないものもありました。
  • 自転車 壊れた自転車を何で置いといたんでしょうか?
  • 座布団 お客さんなんか来ないのにね?
  • パソコンの周辺機器 う〜ん、今時1Gのハードディスクなんかゴミにしかなりません。
いらんものしかないね!
捨てて困ったこと? ないんですよ。
お金とか通帳なんか元々ありませんから、間違って捨てる心配はありませんでした。
このように私たちの家には無用なものがたっくさんあります。
憲法も本当に無用なんでしょうか?

まえふりが長いって? 一休み一休み、(今度は一休さんと呼ばれそう)
憲法の中で「憲法」という言葉を記述しているのは14か条16箇所(前文、補則を除く)
法律で「憲法」という言葉を記述しているのは、この前書きましたように50本、但し、憲法に基づいて展開している法律は2本、残りは『憲法の理念』を述べているだけです。

憲法の中で『憲法』を引用している14か条について吟味していきましょう。
条項規定内容憲法で定めることが必要か?考えましょう
第4条天皇の国事行為の規定特段憲法である必要はなさそう。法律でも可
第7条天皇の国事行為の内容特段憲法である必要はなさそう。法律でも可
第11条この憲法は国民に基本的人権を保障する。特段憲法である必要はなさそう。法律でも可
第12条この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、保持しなければならない。元々意味不明だよね(??)
第56条両議院の定足数及び多数決を定める。特段憲法である必要はなさそう。法律でも可
第59条法律の成立要件法律の成立要件を法律で定めるのは矛盾かな?
 なんて考えることはありません。
憲法は憲法改正を定めていますので、ありてあるもの、法律で定めても問題ありません。
第73条内閣は憲法及び法律を実施するための政令を制定すること。特段憲法である必要はなさそう。法律でも可
第76条すべて裁判官は、この憲法及び法律にのみ拘束される。憲法がなければ法律にのみ拘束されるのは自明
第81条最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。これはメインデッシュである。
最高法規がないなら、裁判所に限らず法律が国家の規範に沿っているか否かを判断できない。
憲法がないなら国は芯がない軟体動物のごとく理念なく漂うのみとなるのだろうか?
第82条裁判の対審及び判決は、この憲法第三章で保障する国民の権利に関する事件は常にこれを公開する。憲法で定めた個々の権利を展開した法律文がない現在、この条文は意味がなさそう。
法律で定めることで十分でないか?
もちろん憲法がなければこの規定事項そのものが不要です。
第96条憲法の改正要件と手順憲法がなければ条文そのものが不要だわな(笑)
第97条憲法が保障する基本的人権は永久の権利である。寝言だ! 無視
第98条この憲法は、国の最高法規である。憲法がなければ条文そのものが不要だ。
第99条天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、憲法を擁護する義務を負ふ。学校の先生は公務員じゃなかったけ?(ジョーク)
  日の丸反対は違憲だよ!


憲法の条文を見ると、憲法が存在しなければならない理由はただひとつあることが分かった。
裁判所が法律が憲法に適合しているか否かを判断できないのである。

それは国会が無制限の権力を持つことになり、三権分立が一権となることなのか?
もっとも、日本の議会制民主々義は元々一権しかないという論もある。
内閣は国会から選ばれ、内閣が裁判官を選任するのであるから、基本的に三権分立でないことは明白である。

ところで、日本は三権分立って誰が言い出したんだろうか?
日本の憲法、法律、政令、規則で日本は三権分立だよとは一切表現しておりません。
 ご確認ください。
学校で『日本は三権分立です』と教えることが憲法違反とは言いませんが、事実無根を教えてるんじゃないでしょうか?
話を戻そう、
裁判所が違憲判断をするといっても国によって提訴する方法が異なる。
ドイツ、アメリカ、日本を比べただけでも異なります。
すると日本の裁判所が行う違憲判断というものが普遍的でもなさそうだ?

具体的な日本での過去の違憲訴訟はどのようなものだったのだろうか?
インターネットで探すと、違憲訴訟の事例がたっくさ〜んでてくる。
もはや違憲訴訟でなく、意見訴訟じゃないかな(冗談です)
いくつかの具体的事例について憲法との適合を判断できるものなのか考えてみますと、、
  • 自衛隊に関するもの
    判断はさまざまだが、国家の存続という観点からみれば憲法違反かどうか以上に、国家とは・・という議論にならざるを得ず、裁判所が判断できるレベルではない。(と私は確信する)
    地裁レベルでミサイル基地が違憲としても実際の利益云々から上告棄却など実質的に日本の武装が違憲であると明確にした判決はない。
    もし、武装を違憲としたならば、憲法そのものが自然法に反するとするより上位の訴訟がおきても不思議ではない気がする。
  • プライバシー・被疑者の肖像権
    違憲かの議論ではなく、法規制レベルだろう。
  • 尊属殺人
    憲法を持ち出すまでもなく、単に法律を改正すれば済む話。実際の判決では尊属殺人規定自体は違憲ではないとされた。
  • 性差別・表現の自由
    差別の概念や表現の方法が時代とともに急速に変わっている。憲法が遅れてませんか(^^)
    まじめに考えると憲法改正が必要になってくる。
  • 議員定数
    議席数が選挙民数に比例することが正義かについては疑義を持つ。(悪とは言わないが)
    しかし国民が明らかに不均衡と考えたなら、裁判に頼らず選挙で議席数を変えるという政党を選出する権利もあるはずだ。
愚考するに、単に法規制レベルのものを手っ取り早く違憲訴訟という手を使っているのではないかとも思う。
憲法がなくとも、日本が無法地帯にならないことは確実である。




本日のとりあえずの結論


 憲法がなくては困る!
という事情は見当たりませんでした。





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