| ２７１号 |
ダダ 名前のない君にとって 番号は 詩だろうか 番号は恋人の顔 番号は懐かしい両親 本当に 遠い番号は祖先 １号と２号はダダのアダムとイブ それとも 君は只のダダで２７１号 だから 君がいなくなれば 全く同じ２７１号が 同じ型から 生まれてでも くるか 幾つもの顔と 言葉を持ちながら 自分のない君は ダダ この時代が来て 大半の人は 番号と若干の情報に還元されてしまった ただ いまだに名前と おぼつかない感覚の記憶にすがっている我々は 名前のない 幾つもの顔 君の姿に 怯える 人間の持つ 言葉と感情の嵐を前に 吹き飛ばされてしまった 君の苦悩 宇宙にも 故郷にも 帰れなくなった 任務から 開放された君は ２７１号ではない ダダ 松本 賀久子 
「２７１号」・・・ダダ（三面怪人）
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