大熊克二の場合


02: やって来た彼女

発注してからひと月が経とうとしてましたがまだ店から連絡はありません。
電話してみると交換する部品待ちとのこと。そろそろ今乗ってるソアラの車検が・・と思ってたら切れてしまいました。
やれやれ・・

それからさらに半月後やっと納車です。
取りに行くとクルマは磨かれてピカピカでした。これからよろしくね。
キーを受け取り、右のドアを開けると・・「あっ、左ハンドルだった」
エンジンを掛け、ウインカーを出そうとすると・・「あっ、ワイパーだった」
う〜む・・事故らなきゃいいけど??

この前ちょっと乗った時には気付きませんでしたが、随分ソアラとは違いますね。当た
り前ですが・・

重い車体を大きなエンジンで力強く引っぱるのではなく、軽くてヤワな(?)車体を小さな排気量目一杯使って走るスタイルは「一生懸命仕事してます!」って気がします。でも急かされる・・ってことじゃないんですよね。
発進時の「フィーン・・」って音も、ハイドロポンプの「シュコーッ」って音もナニやらアナログ的な(?)メカっぽくてヨイです。

帰り道、黄昏時の世田ヶ谷通りを流れに乗って走ります。
「待った甲斐があった・・かな?」
FMから流れてきた『小野リサ』の歌声も手伝ってか、とてもラテンな気分でした。

納車からひと月ぐらい経ったある日、(!)と(STOP)マークが付いたり消えたりしているのに気付きました。「ナンだろ?」店に問い合わせると「LHM漏れていませんか?」とのこと。下を覗き込みましたがそんな様子はありません・・が、停める時に切り返したトコロにナニやら点々と・・?

早速、店に連絡すると「レッカーを手配するのでしばらく乗らないで下さい!」とのお達しが・・待つ事数日、やっとレッカーが来てBXを運んで行きました。
そしてまたクルマのない日々が・・友人の言葉が頭の中を駆け巡ります。
「だからBXだけはやめとけってゆーたやろ・・」

ああ・・いったいこれから何回、いや何十回こんな思いをするんだろ?
不安をかくせない夏の日が過ぎようとしていました・・。


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(c)大熊克二
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