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ディープスペースナイン エピソードガイド
第103話「ケイコのために」
The Assignment

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・イントロダクション
カウンターのモーンに話しかけるクワーク。バーで朝食をとることほど元気の出ることはない、朝からナメクジのレバー※1を食えるところがほかにあるかと味をみる。続いてロム※2が疲れた様子で座った。クワークが出した食べ物を見て、なにこれと聞く。決まってるだろゴキブリのピューレ※3だというクワーク。頼んでないというロムに、仕事が終わるといつもこれだろうというクワーク。だがロムは今日は食べないと横に置き、目玉焼きにベーコンにコーンビーフハッシュ※4でももらおうかなという。何だそのメニューはというクワーク。それはオブライエンのおすすめだった。クワークは地球人と一緒に働くとこれだから困る、くだらない習慣を覚えやがってとつぶやき、レプリケーターでその料理を出した。次は何だ、オレンジジュース※5かコーヒーかという。悪くないねというロムに、わからないな、俺と一緒にバーで働く方が楽じゃないかというクワーク。ステーションの廃棄物処理をやっているのだ。廃棄物処理システムは重要だ、なければ困るというロムだが、クワークは重要だが割に合わないという。オブライエンは深夜勤務だけやらせて、誰もやらないような仕事を押し付けているという。でも楽しいというロム。一晩中立ちっぱなしの仕事が楽しいか、ゴミの山をかき分けて壊れたフローレギュレーターなんかを修理してというクワーク。このバーで働けば、セミヌードのダボガールだって拝めるのにという。思わず後ろのダボガールたちを振り返るロム。でも誇りのもてるいい仕事だ、それにいつかチーフが認めてくれて責任のある仕事に昇進させてくれるっていう希望があるという。ここと違ってエンジニアの世界は実力さえあればのし上がれるというロム。クワークはよくわかった、悪かったといい離れた。ナイフとフォークを持ち、食べ始めるロム。
部屋の植物を見ているオブライエン。枯れちゃったみたいだねというベシアに、ケイコのいう通り世話したのにという。ベシアは昨日寄った時カラカラに乾いていたから水をやったのに、足りなかったのかなという。オブライエンは驚き、これはイドランのハイブリッド※6で水をやりすぎると根腐れするという。モリー※7がきてママが見たら怒るよという。しかしケイコがたった5日留守にしただけで枯らしてしまうとはと嘆くオブライエン。ケイコもわかってくれる、しょせん植物だろというベシア。オブライエンはただの植物じゃない、これは盆栽※8といって何ヶ月も何年も大事に育ててきたものなんだという。全くどうするんだと怒る。大変ねというモリー。オブライエンはモリーに、一緒に迎えにエアロックに行ってくれないか、ママにお帰りのキスをして、このことを話してという。モリーは首を振り、だめという。僕を見ないでくれというベシア。君の責任だというオブライエンに、僕らの責任だという。ケイコは許してくれる、今日は君の誕生日だろというベシア。祝いたい気分にはなれないというオブライエン。ケイコは5日間離れてたわけだし、ケイコも優しくしてくれる、チョコが好きだろプレゼントを持っていけという。テルリアンミントチョコ※9がなというオブライエン。一緒に来いというがベシアは遠慮し、夫婦の問題だからな、きっと心から謝れば全部許してくれるとオブライエンの肩に手を置く。手術の予定があるからと出て行くベシア。誰のだと聞くと、これから探すといい出ていった。モリーもまた部屋に入ってしまった。
ワームホールが開く様子が見えるところで、ケイコ※10はチョコを食べている。ベシアが良かれと思って水をやりすぎたんだ、悪気はなかったんだというオブライエン。ああいう奴なんだ、本当にごめん、新しいのを買おうと謝る。ケイコはいいのよ、たかが植物でしょという。そうだよなというオブライエン。モリーや赤ちゃんに何かあったわけでもないしというケイコに、ほんとそうだよ、みんな元気でそれが一番だという。それでキラは戻ってきたのと聞くケイコ。キラはまだシャカールとダコール地区を旅行しているというオブライエン。会いに行かなかったのかと聞かれ、暇がなかったというケイコ。それで炎の洞窟※11はと聞くオブライエン。良かったわよ、実は私もあなたに言うことがあるとケイコはいう。私ケイコじゃないのといった。じゃあ誰だいと笑うオブライエン。マイルズ良く聞いて、私はケイコの体を乗っ取った、つまり人質だという。あなたには私の言うことを忠実に実行してもらう、何も余計なことを聞かずという。信じていないオブライエンは、何して欲しいと言いキスしようとする。命令に従わなければケイコを殺すという答え。オブライエンはおでこに手を触れ、大丈夫か、ベイジョーでルデリア脳炎※12に感染したのかもしれないという。ジュリアンに診察してもらおうという。ケイコは信じられないなら証拠を見せてあげましょうという。すると急に声を上げ、ケイコは倒れてしまった。全身を痙攣させている。そして目を見開いたまま声が止まった。首に手を当て、そんなというオブライエン。コミュニケーターを押そうとしたその瞬間、ケイコは起き上がり、誰かに知らせたらケイコの心臓を止めるといった。

※1: slug liver

※2: Rom DS9第97話 "Body Parts" 「クワーク、絶体絶命」以来の登場

※3: puree of beetle

※4: eggs with bacon and corned beef hash

※5: orange juice DS9第93話 "The Muse" 「二人の女神」にも

※6: Idran hybrids イドランはガンマ宇宙域で最初に発見された星系。DS9第1・2話 "Emissary" 「聖なる神殿の謎(前)(後)」など

※7: モリー・オブライエン Molly O'Brien "Body Parts" 以来の登場

※8: 日本から来たスタートレック!(笑)

※9: Tellurian mint truffles テルリアンスパイス (Tellurian spices) は、TNG第70話 "The Most Toys" 「究極のコレクション」で言及

※10: ケイコ・オブライエン Keiko O'Brien DS9第101話 "Looking for Par'Mach in All the Wrong Places" 「クワークの再婚」以来の登場

※11: fire caves DS9第11話 "The Nagus" 「宇宙商人フェレンギ星人」で触れられました

※12: Rudellian brain fever ルデリア熱 (Rudellian plague) は DS9第90話 "Rules of Engagement" 「裁かれるウォーフ」で言及


・本編
妻の体を乗っ取ったというのなら、話させてくれと頼むオブライエン。ケイコの体は鼻血を流しながら、彼女になら聞こえているという。それじゃだめだ、ケイコと話したい、声が聞きたいというオブライエン。立場がわかってないみたいねといい鼻血を拭き取るケイコ。それにしてもあなたたちの体はもろいのかしら、脳の中の毛細血管を1本詰まらせるだけで記憶も情熱も消えてしまうという。チョコレートは一人じゃ食べきれないというケイコ。僕はいらない、何をして欲しいのか言え、こんなこと早くやめたいというオブライエン。同感だわというケイコ。オブライエンは一つ言っておくといい、ステーションやみんなを危険にさらしたら許さないという。それは心配ない、私の言う通りに通信リレーとセンサーリレーを調整してくれればいいというケイコ。ターボリフトに乗る2人。なぜだと聞くオブライエンに、それは言えないという。
だがすぐには無理だ、通信とセンサーリレーはステーション中に張り巡らされているというオブライエン。ケイコはチョコを食べながら、あなたは奥さんをよくわかっている、でもケイコの方が上だという。時間稼ぎをして仲間に知らせる気ね、ジュリアンもダックスもシスコ大佐※13も協力するという。シスコは要求をのみ、行動制御フィールドか何かで私を捉えようとする、違うとはいわせないというケイコ。正直いって優秀だわ、負けるかもしれないけどそうなったらケイコの命はない、覚悟してという。0.1秒あれば脳内大量出血を起こせる、ケイコは死ぬといった。何も言わないオブライエン。思い悩むのはよくわかるが、時間がないというケイコ。オブライエンは何をさせたいんだと聞いた。
DS9の情報をパッドで見るオブライエン。どれくらい時間がかかりそうと聞くケイコ。保安部のチェックに引っかからないように極性を変換するには、レベル5の光電子積分機に接続するのがいいだろうという。お任せするといい、ケイコはオブライエンの顔を見て、聞きたいことがあるんでしょという。眉を寄せるのは疑問を持った時の癖で、妻でなければ知らないという。オブライエンはなぜケイコに、エンジニアの僕の方が手っ取り早いだろという。だがケイコが答える前に、部屋のチャイムが鳴った。ベシアだ。お邪魔じゃなかったかなというベシアに、邪魔だ忙しいというオブライエン。ケイコは失礼じゃないとオブライエンにいう。ベシアからベイジョートゲバジルの鉢植えを受け取り、礼を言うケイコ。お詫びにと思ってと言うベシアに、いいのよ、今晩のパーティには来てくれるんでしょうというケイコ。もちろんけど内緒にしておくんじゃなかったのというベシア。ケイコは私ったら馬鹿ね、誕生日パーティを企画していて、内緒にして驚かそうとしていたとオブライエンに言う。オブライエンは笑い、いいんだ驚くのは嫌いだしという。ベシアは手術台に患者を残してきたままなんだ、それじゃ今夜といって出ていく。ありがとう気をつかってくれてというケイコ。パーティ、本気かと聞くオブライエン。だって誕生日でしょうというケイコに、そんな場合じゃないという。中止したら怪しまれる、予定通り開きましょう、それにパーティはケイコがせっかくあなたのために企画したものだというケイコ。早く仕事を進めてちょうだい、でないとミーティングに遅れるというケイコ。パーティ用の料理を作り始める。オブライエンは立ち上がった。
ロムは息を切らして部屋に入った。そこにはエンジニアたちが集まっている。故障分析修理専門下級技師、ロム参りましたという。君がドゥワルテの代わりか、座りたまえというホワットリー※14。準夜勤になるんですかと聞くロムに、2、3日なという。ドゥワルテはどうかしたのと聞くテコア※15に、風邪で寝込んだというホワットリー。ここがドゥワルテの席ですかと嬉しそうなロム。皆さん何を飲んでいるんですかと聞かれ、ホワットリーはラクタジーノだという。うまそうだな、準夜勤ではラクタジーノを飲むんですかと聞くロム。ホワットリーは何でも好きなのを飲めという。僕もラクタジーノをといい、レプリケーターに近づく。深夜勤とは違うな、僕らはラクタジーノは飲まないというロム。というか何も飲まないという。そりゃすごいとそっけないホワットリー。そこへオブライエンから通信が入り、映像が映し出された。作業予定を変更する、レベル5の光電子積分機を調整をするというオブライエン。ロムは手を挙げた。何だと聞くオブライエンに、お手伝いします、フェイズ転換の調整は得意なんですという。ありがとう、でもそれは私がやるといい、君たちは全員で新しい慣性連結器をやってくれとオブライエンは命じる。今日中に64個全部終わらせる。ホワットリーとテコアにドッキングリングを、アブドンとノーリに貨物室、ロムは上部目標塔を指示する。何か質問はといい、オブライエンは今日は単独作業になるので忙しいという。些末な事柄で邪魔しないでもらいたいといい、通信を終えた。
通路に入り一人で作業を行うオブライエン。コンピュータにケイコの現在位置を聞くと、ケイコ・オブライエンは自宅という答えだ。オブライエンはケイコのスキャンをし身元を確認して、医療記録と不一致があれば知らせるように命令する。だが不一致はなく、間違いなく本人だという。レベル3の行動制御フィールドを使って、意識をなくすにはどれくらいかかるかを聞くオブライエン。全ての認識反応が消えるまでには2.1秒必要だ。知覚麻痺ガスを使った場合には、1.4秒。フェイザーで気絶でも0.9秒だ。くそ、どうしたらいいんだというオブライエン。
オブライエンはパネルを開け、作業に取りかかった。

※13: 相変わらず「司令官」と訳されています…

※14: Jiyar Watley (Patrick Egan) 次の話 DS9第104話 "Trials and Tribble-ations" 「伝説の時空へ」に登場するワトリーの子孫? 声:樫井笙人、VOY ジョナス

※15: Tekoa (Rosie Malek-Yonan) ベイジョー人女性


オブライエンが自室に戻ると、パーティの準備が進められていた。おかえりなさい、主役なのに来ないのかと思ったというジェイク。遅れてすまん、仕事が長引いちゃってねというオブライエン。ケイコはどこだいと聞くと、寝室でモリーの靴選びを手伝っている、なかなか決まらないというベシア。パーティの準備は完璧さ、ケイコはいい奥さんだという。シスコもケイコの料理はプロ並みで素晴らしい、クパロール※16は作るのに時間がかかると誉める。ハッピーバースデーといってモリーが入ってきた。ケイコはケーキをもってくる。みんなは「彼はとてもいい奴」と歌って祝う。誕生日おめでとうとオブライエンにキスをするケイコ。願いをかけてというジェイク。そしてオブライエンはケイコを見ながら、ケーキのろうそくを吹き消した。ケイコは好きなアイリッシュウイスキー※17を用意してあるという。モリーの新しい紫の靴は可愛いでしょ、お料理は全部テーブルの上に出ているというケイコ。お友達と楽しんでといい、飲み物をみんなに配り始める。オブライエンは耳元で話があるとささやくが、今はお客がいるからだめというケイコ。遅れてごめんなさいといってダックスもやってきた。来ないかと思ったというケイコに、クパロールを作ると聞いて来ないはずがないというダックス。ダックスから酒の瓶を受け取るダックス。シスコはオブライエンに浮かない顔をしているなと声をかける。オブライエンはケイコにいい忘れたことがあるので失礼しますという。
パーの亡霊※18を見たとケイコに聞くジェイク。オドーが教えてくれたけど炎の洞窟には亡霊が住み着いているという。本気で信じてるのと聞くケイコに、炎の洞窟に亡霊がいるというベイジョーの伝説は教えましたが信じているとは言ってないというオドー。私が洞窟で見たのは美しくて植物学的にも価値のあるキノコ類だけだったというケイコ。ジェイクはもし今度炎の洞窟に行くことがあったら連れて行って、パーの亡霊に会ってみたいという。会えるといいわねというケイコ。オブライエンはケイコにいわれたことはしたという。ありがとう、後で話しましょうというケイコ。モリーがケーキ食べてもいいとケイコに近づく。その時オブライエンは、持っていたグラスを握り締め割ってしまった。手は切れなかったというケイコ。ベシアが手を見せてみろというが、いいんだ何でもないと断るオブライエン。みんな静まり返った。悪かった、失礼しますといって寝室にオブライエンは入った。ケイコが後を追う。
しっかりしてちょうだいといい、オブライエンの手を治療するケイコ。君のいわれたことは全部した、妻を返してくれとオブライエンは頼む。よくやってくれたわね、でも光電子積分機の調整はただのテストだったの、信用できるかを試したというケイコ。本当の仕事は明日から始まる、さあお客様のところに戻りましょうという。あなただって怪しまれたくないでしょうといい、ケイコは出て行った。
ケイコは料理をレプリケーターに片づけている。戻ってきたオブライエンに、モリーはもう寝たと聞く。ああと答えるオブライエン。ケイコはクパロールが大好評で良かったという。テストもゲームもやめだ、何をして欲しいか言ってくれというオブライエン。それは明日の朝言う、今日は休みましょう仕事に備えてというケイコ。今すぐ聞きたいと腕をつかむオブライエンに、ケイコは命令するのはこの私だという。落ち着いて、言う通りにすれば何も問題はないという。ソファーで寝たいというオブライエンに、子供っぽいこと言わないで、もしモリーが恐い夢を見て来たら何ていうのというケイコ。明かりのろうそくを消す。いつものように私と一緒のベッドで寝るのよというケイコに、すぐ行くよというオブライエン。早く来てね、明日は忙しいんだからといい寝室に入るケイコ。オブライエンはケイコが入ったのを確認してから、コンピュータを呼び出し、ベイジョーに伝わるパーの亡霊に関する記録を全て呼び出すように命じる。データバンクにおけるパーの亡霊のエントリーは6,724件あります、特定してくださいというコンピュータ。マイルズとケイコが呼ぶ。
ケイコはベッドのオブライエンの横に入ると、キスをしておやすみなさいという。オブライエンはケイコと逆の方を向いて、目を閉じた。
オブライエンはケイコの腰の辺りに手を置いている。笑って目を覚ますオブライエン。しかし不気味に微笑んだケイコの顔を見て、飛び起きた。肉体をもつ生命体の弱点は、体のふれあいを求めずにはいられないってことねというケイコ。若い頃はそれが普通でありさえするという。モリーに身支度をさせなければというオブライエンに、私がやるから仕事に専念してというケイコ。モリーは今夜からでイビスの家に泊まらせる、これが終わるまではというオブライエン。どうしてそんなことさせるの、小さな女の子には母親が必要よというケイコ。オブライエンは娘に手を出すなという。モリーには手を出さない、あなたがそうさせない限りはとケイコはいった。これがあなたへの指示よ、正確にこの通りやってといい、パッドをオブライエンに渡した。
通路を歩いているオブライエン。コンピューターにシスコの居場所を尋ねると、保安部にいるという。
ターボリフトでプロムナードに来ると、保安室からオドーとシスコが出てくるのが見えた。だがその時、オブライエンは2階にいるケイコに呼び止められた。そしてそのまま飛び降りるケイコ。よせと叫ぶオブライエン。すぐにシスコたちも駆けつける。

※16: q'parol

※17: whiskey 映画ファースト・コンタクトでも、ウイスキーが出てきました

※18: Pah-wraiths


ケイコが落ちた時、周りに誰もいなかったんですかと聞くオドー。いなかった、だけどプロムナードの下を歩いていて背中を向けていたからというオブライエン。シスコがプロムナードで何をしていたと聞く。レベル5の光電子回路の作業をする予定でしょうと聞くオドー。レプリマットに昼を食べに行くところだったというオブライエン。ベシアはケイコは大丈夫だという。落ち方が良くて衝撃を抑えられた、あれだけの高さから落ちたら死んでもおかしくないという。意識はあるのかと聞くオブライエンに、まだショック状態だが大腿骨の骨折と頭頂骨に毛細状のひびが入っているというベシア。あと2時間ぐらいしたら、今は安静にしなきゃという。オブライエンはどうしてもケイコと話がしたいという。ベシアは少し考え、いいでしょう、でも2、3分だけ興奮させないようにといった。
ケイコはベッドの上で静かにしていた。声をかけるオブライエン。目を開け、私のことを言おうとしたでしょというケイコ。何でわかったと聞くオブライエンに、ケイコはあなたのすることくらいお見通しだという。信頼が大事だといったでしょ、なのに裏切るからこんなことになるという。妻を、ケイコを返してくれと懇願するオブライエン。ケイコはそれならいう通りにすることね、この体はいつまでももたないという。いう通りにすると誓いなさいといわれ、オブライエンは誓うと言った。結構、じゃあ指示に従って作業を進めてというケイコ。36時間あれば終わるというオブライエンに、だめよ、13時間で終わらせてという。無理だとオブライエンは言うが、優秀なエンジニアでしょ、それくらいできるとケイコはいう。何て奴だと食い掛かろうとするオブライエン。だがベシアが来て、そろそろ時間だという。モリーにママはすぐ元気になるから安心してって伝えてというケイコ。そしてキスしてというケイコに、オブライエンはベシアをちらりと見て仕方なくキスした。後はお願いねというケイコ。ベシアがケイコはすぐに歩けるようになるという。
医療室を出たオブライエンは、すぐにコンピューターに13時間のカウントダウンを開始させた。通りかかったウォーフが、ケイコの具合はどうだと聞く。ジュリアンは大丈夫だといっているというオブライエン。それは良かった、なにか手伝えることはないかと聞くウォーフ。一つもないのが残念です、では仕事が遅れているのでいいと歩いて行くオブライエン。
作業用の階段を降りてくるオブライエン。残り時間は8時間22分3秒。パネルの表示を確認する。その時いきなりロムが通路から顔を出し、チーフと呼んだ。驚き、こんなところで何をしてるんだというオブライエン。次の任務をもらいに来たんです、上部目標塔の慣性連結器のチェックは3つの塔とも全て済んだというロム。アイソリニアロッドを受け取り、コンピューターに入れて確認するオブライエン。仕事は完璧に終わっていた。何でこんなに早いんだと聞くと、仕事をちゃんとやっただけだという。ほかのみんなはおしゃべりするから遅くなるけど僕は仲間に入らないから、フェレンギは集中力があるんです、誰からも話しかけられないと特にという。そうかというオブライエン。気にしてませんよ、無視されてるのは慣れてるし、ゆっくりやった方が良かったとかというロム。オブライエンはしばらく考えていたが、極秘の任務の頼みがあるといい立ち上がった。からかってるんですかというロムに、真面目に聞いているというオブライエン。もちろんやりますというロム。ステーションのシステムのいくつかを調整し直さなくちゃいけない、このことは絶対誰にも漏らしてもらったら困るとオブライエンは説明し始める。ダックスにもオドーにもシスコ大佐にもウォーフにもだという。内緒なんですかと聞くロムに、何人かはちゃんと知ってるが、知らないふりをしなくちゃいけない、これは宇宙艦隊のトップシークレットだという。罪に問われても口は開きません、ご心配なく、名前も教えませんというロム。君の名前は誰でも知ってるというオブライエン。でも僕は認めません、始めましょうというロム。
2人は別々に作業を行う。オブライエンはコンピューターに残り時間を聞く。6時間41分26秒だ。オブライエンが司令室で作業していると、ダックスが呼んだ。少佐、こんな時間になんですというオブライエン。ダックスは見せたいものがある、眠れなかったからワームホールをスキャンしてみたという。放射分析計に異常でもないかと思ってというダックスに、午前3時にというオブライエン。計器の異常を調べてると心が休まる、職業病ねというダックス。まず広帯域のフィルタープロトコルを使って第1次検査をしてみたら異常があるのを発見したといい、コンピューターを操作する。表示を見て、少し数値がずれてますねというオブライエン。それでヒューズマトリックスインバーターの異常かと思ってレベル3のチェックをしてみたといい、パネルを見るように言うダックス。大佐を起こしましょう、ステーションへの破壊工作よというのだった。何も言えないオブライエン。


状況を説明してくれというシスコ。ダックスは異常診断図をコンピューターに表示させる。ダックスにいわれ、説明を始めるオブライエン。通信のメインリレーといくつかのパワー配分ジャンクションにおいて、943個所わずかですが変動が生じているという。このような変動は外から人が手を加えない限り絶対に生じないものですというダックス。誰かがシステムにアクセスしていじったということか、目的は何だと聞くシスコ。今調べていますが、現時点では破壊工作とは呼べませんというオブライエン。被害は出てないしシステムの数値がずれただけです、今のところは安全を脅かす工作だとは考えられないという。シスコはこれらの変動が巨大な氷山の一角でないとはいいきれないという。誰がどうやってやったかを突き止める方法はないのかといい、オドーはステーションのシステムをよく知っている人物だという。カーデシア時代にステーションに働いていたとかというダックスに、最近ステーションに来た旅行者を調べたがそれらしい人物はいなかったとオドーは言う。長くいる人間の仕業かもしれない、アクセスできる立場にいる、もしかしたら修理班のクルーかもというダックス。シスコに呼ばれ、何ですというオブライエン。何ですとはなんだ、君の部下に不審な人物はいないかというシスコ。そこへオブライエンに通信が入り、お嬢さんから通信だという。出てこいというシスコ。
オブライエンが通信を開くと、ケイコに抱かれたモリーが映った。どうかしたかと聞くオブライエンに、ママがパパに通信してもいいといったというモリー。大事な会議を邪魔しちゃったかしらというケイコに、大丈夫だ、パパは嬉しいよというオブライエン。家で何してると聞く。ママに一緒に遊んでもらいたいんですってというケイコ。モリーは髪を解いてもらってるのを痛いといった。ごめんねというケイコ。大丈夫かモリーというオブライエン。ケイコはパパがいつ帰ってくるか聞くから、あと2時間22分13秒はお仕事しないといけないと答えたという。モリーがどれくらいの時間と聞き、すぐだよというオブライエン。ケイコは早く帰ってきてねといった。通信を終えるオブライエン。
オブライエンはシスコたちのところに戻った。大丈夫かというシスコに、会議中すみませんでしたと謝る。それで技術スタッフの中に不審な者はいるのかと聞くシスコ。オブライエンは心当たりがあるといった。
一人作業を続けているロム。その腕をオドーがつかんだ。何だオドーかといい、後ろにいるオブライエンにも気づくロム。ここで何をしてるんだというオドーに、それは話せないんですという。話してもらうぞ何もかもなといい、連行されるロム。オブライエンはロムに向かってウインクをした。オドーに来ますかと聞かれ、ロムが何をしたかを調べるというオブライエン。エンジニアから道具を受け取り、僕がやろうという。
拘置室に入れられたロム。腕組みをしている。あきらめ、外に出るオドー。シスコに何か白状したかと聞かれ、最初の40分間は名前さえ認めない始末ですというオドー。ロム一人の犯行かと聞かれ、わかりません、何も言わないんでねというオドー。ロムはチーフと話したい、ほかの人間ではだめだといっている。シスコは呼ぶように命じ、歩いて行った。オドーはオブライエンに通信を入れ、至急保安室に来てくださいという。まだロムが何をしたのか調べているというオブライエンに、それは後にして、ただちに来るようにとの大佐の命令ですというオドー。すぐに行くというオブライエン。コンピューターに36分9秒という残り時間を聞き、次にロム修理技師の現在位置はときくオブライエン。保安室の第4拘置室にいますという答えだ。オブライエンは保安オーバーライドを開始するように指示した。監視チャンネルABCDとスクランブルせよ、承認コード、オブライエン712と命令する。監視チャンネルのスクランブル完了。続けてアクセスパネル379の重力子センサーの調整を開始させる。指示通りに、10分で戻るという。
オブライエンが拘置室にやってきた。来たぞロム、何が言いたいんだというオドー。2人だけが話がしたいというロム。オドーは出て行った。どうしたんだと聞くオブライエン。ロムはしゃべらないようにとの仕草をするが、心配ない、盗聴装置なら接続を切って来たというオブライエン。何もしゃべってません、言われた通りにというロム。さすがだな、でもなぜ僕を呼んだと聞くオブライエン。時間がないっていっておいたじゃないかという。シスコ大佐は激怒している、あれがふりだって知らなかったらというロム。大丈夫、いいって言われるまで持ちこたえますという。一つだけ知りたいことがあるという。なぜクロノトンビーム※19でワームホールを狙うんですかとロムは聞いた。ディフレクターグリッドをいじった結果、ステーションは巨大なクロノトンビーム発信機と化してワームホールを狙っている。でもなぜなんですという。なぜワームホールの異星人を殺すんですかといった。

※19: クロノトン (chroniton) は時間的な量子を伝達する亜空間粒子。TNG第124話 "The Next Phase" 「転送事故の謎」など

一体何の話だ、クロノトンビームじゃ人は殺せないというオブライエン。僕らはそうです、でも時間が乱れるからワームホールの異星人にとっては致命的ですというロム。そうだよ、なぜ気づかなかったんだというオブライエン。彼女に脅されて、木を見て森を見てなかったという。彼女ってと聞くロム。説明している暇はない、問題は誰がワームホールの異星人を殺したいかだというオブライエン。誰でも敵はいます、預言者たちだってというロム。その通りだ、ワームホールの異星人は預言者だ、ベイジョーの神話の一部だとオブライエンは言う。炎の洞窟にいるというパーの亡霊もそうだ、さてどう関係あるんだという。ロムはコスモラン※20だといった。ベイジョーの伝説です、存在しているという意味のコスットと、消えたという意味のアモランが合わさった言葉だと説明する。リータがよくベイジョーの言い伝えを話してくれる、僕はいい聞き手だといってと耳を指差し照れるロム。君ならそうだろう、今度はいい話し手になってくれというオブライエン。リータによると、パーの亡霊はワームホールの中の聖なる神殿にいたが偽者の預言者だった。神殿から追放され、ベイジョーの洞窟の水晶の炎のおりに閉じ込められて、神殿に戻ることを禁じられたという。真の預言者の恐ろしい怒りに触れないように。その偽者の預言者が聖なる神殿に戻ろうとすれば、歓迎はされないでしょうねという。ただしワームホールの異星人を殺せば話は別だというオブライエン。辛いがもう少し我慢してくれとロムに言う。シスコ大佐もオドーもこのことは何も知らないんですというロム。知らないんだ、もう少しこのことは胸にしまってくれとオブライエンは言う。それじゃ馬鹿みたいですよと言うロムに、悪いが頼む、オドーから何を聞かれてもという。僕はクワークの弟だ、任せてくださいとロムはいった。
コンピューターに残り時間を聞くと、12分22秒だ。
通路を走り、作業に戻るオブライエン。その時後ろで咳をする者がいる。オドーだ。邪魔をしてすみませんが気になることがあるという。ロムがこれだけの破壊工作をやったとは思えない、一人でこれだけのことをやれるはずがないというオドー。そうかな、でもまずこのカスケードフィーダーの周波数を直さないとというオブライエン。オドーは修理日誌を調べてみた、誰かの行動と変動が生じている個所が一致しないところがないと思ってと言う。ところが調べられなかった。昨日マトリックスシステムがダウンしてファイルが消えた、悪いねとオブライエンは言う。最近システムのダウンが多いと思いませんかと聞かれ、最近修理に忙しくてわからないとオブライエンは答える。拘置室の監視チャンネルも修理したんですか、保安オーバライドをかけたでしょう、どこか故障してたんですかと聞くオドー。ファイバーオプティックスがだめだった、アイソロニアチップジャンクションがというオブライエン。言い逃れは結構、後始末が下手でしたねと、なぜですいうオドー。オブライエンは時間がなかった、今もないというと、振り向き様にオドーを殴った。オドーはそのまま気を失い倒れた。許せよというオブライエン。そしてケイコを呼び出し、終わったが早くしないと警備員がかけつけてくる、シャトルパッドCで落ち合おうと伝えた。シャトルがいるってよくわかったわねというケイコに、君の狙いがわかった、心配するなという。聖なる神殿や預言者がどうなろうか知ったことじゃない、ケイコさえ無事ならなというオブライエン。ワームホールまでは俺がシャトルを操縦する、時間を無駄にするのはよそうといった。
発射準備するシャトル。オブライエンはダックスと話している。反動推進エンジンの磁気圧縮装置を試したいんですという。発進を許可します、その前に一つ聞きたいことがあるというダックス。オブライエンを見るケイコ。ダックスは誕生日をちゃんと楽しんだと聞いた。何ていうか、驚きの連続でしたというオブライエン。良かったわ、スリリングでというダックス。
シャトルは発射した。この位置でいいというケイコ。オブライエンはコンピューターに調整プログラム、オブライエン731の始動を命じた。遠隔コムリンクを作動させる。DS9のディフレクターに変化が現れ、エネルギーが流れ始める。警報が鳴り、どうなってるのというダックス。シスコも司令官室から出てきた。
さあ、ワームホールの中心を狙ってというケイコ。照準を設定するオブライエン。神殿を見せて、爆発はほんの一瞬であいつらは何が起こったかわからない内に死ぬと喜ぶケイコ。ワームホールの入り口が開いた。私は何十世紀もの間この瞬間を待っていたとケイコはいう。さっさと終わらせようというオブライエンに、その短気をなおした方がいい、慎重にやってという。シスコがオブライエンに何をしている、ただちにステーションに戻れと命じる。だがオブライエンは答えない。さあやってというケイコ。オブライエンは最後のボタンを押した。同時にステーションからクロノトンビームが発射される。だが命中したのはワームホールではなく、シャトルだった。強烈なビームを浴び苦しむケイコ。あちこちの機械から火花が飛ぶ。恐ろしい断末魔の後、ケイコは倒れた。オブライエンが近づき、ケイコの名を呼ぶ。マイルズというと、ケイコはオブライエンと抱き合った。
エアロックを降りると、シスコ、オドーや保安部員たちが待っていた。ベシアもいる。どういうことか説明してみてくれとシスコはオブライエンにいった。
オブライエンの部屋。コイルで頭の中が締め付けられるような感じだった、見たり聞いたりはちゃんとできるけど自分の意志で動こうとすると砂に足を取られたみたいにすくんじゃってと話すケイコ。彼女の感情も時々わかった、冷たい怒り、憎しみもという。仕事が終わったら私たち2人とも殺す気だったという。嫌なら話さなくてもいいというオブライエンに、話すと気が楽になるというケイコ。それに私のために戦ってくれて嬉しかったといい、抱き合った。
頭を抑えながらクワークの店に入り、モーンの横に座るロム。あくびをし、おはよう兄貴という。その顔どうしたんだ、酷い顔だなというクワーク。深夜の仕事はやめとけ、早死にするぞという。仕事じゃない、深夜勤はやらなくていいというロム。やっぱりな、首になったんだというクワーク。違う、仕事ぶりが認められてチーフが昇進させてくれたんだというロム。昼間の勤務で、エンジニアの才能があるといわれた。じゃあ何で疲れてるんだと聞かれ、同僚のみんなと一晩中お祝いとロムはいう。ほんとかよというクワーク。特にラダーナはいつも話しかけてくれるというロム。クワークはそうか、幸せそうで嬉しいぜという。嘘ばっかり、でもありがとうというロム。今朝の注文もまたチーフスペシャルってやつかとクワークが聞くと、ベーコンが体質に合わなくてやめたとロムはいう。その代わり甘いホットケーキ※21を山ほど食べてみる、バターをたっぷりかけてソーセージ、それからパイナップルという。昼間のスタッフのメンバーはこのメニューを食べているというロム。パイナップルねえといいながらレプリケーターを操作するクワーク。ロムは心から嬉しそうだった。

※20: Koss'moran

※21: pancakes


・感想
話が始まるなり、またも苦悩に巻き込まれるオブライエンでした。乗り移られる設定はTOSやTNGでもよくありましたね。「預言者」にも敵がいて、それを封じ込めていたとはまさに神話。脇役ですが、ロムがいなければ今回の事件は解決しなかったでしょう。下級士官の生活も垣間見れて面白いです。ところでオブライエンが何歳になったか知りたかったんですが…。


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