コンピュータ室運営日誌


1998年

1月上・中旬のできごと


2人で授業を(1月12日)
先生方の「未知の世界」(1月14日)
インターネットで何ができる(1月16日)
インターネットで何ができる2(1月17日)
ありがとうございます(1月18日)
インターネット初体験(1月20日)

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 2人で授業を(1月12日)

 今日から3学期第2週です。

 学期初めのごたごたも終わり,そろそろコンピュータの授業も本格的に始まります。

 2学期のコンピュータ室は,授業日数75日間(行事等を除く)で,のべ212時間利用され,かなりの盛況ぶりでしたが,3学期はどうなるでしょうか。

 少々慌ただしい学期ではありますが,何とか時間を見つけて継続的にやっていただいた方が,子どもたちにとっても,先生方にとっても長い目で見ればプラスになると思うのですが。


 最近は,今月21日に研究授業を行う3年生の先生方が大忙しです。先週金曜日にも授業後に練習していましたし,今日もコンピュータ室はほぼ貸し切り状態でした。(研究授業とは全校職員が参観する授業です。)

 これまで研究授業を行ったのは,4年生以上で,しかもある程度コンピュータの操作ができる方だったのですが,今回は3年生で,しかも初心者の方ということで,かなり苦しんでます。


 私達の学校の研究授業は,授業を行う先生だけでなく,同じ学年の先生全員で協力して進めていきます。

 例えば3クラスの学年だと,事前に2クラスが”試験的”に授業を行い,指導計画の問題点を修正してから,”本番”のクラスが授業を行います。

 それで今日は1回目の試験授業ということで,O先生が授業を行なったのですが,どうもなかなか大変だったようです。

 私は,その時間は自分のクラスの授業があったので,参観することはできず,授業の直前と直後に様子を見に行きました。

 授業の直前に顔を出したときは,周辺機器の操作手順を間違えたらしく,教師用パソコンがフリーズしてしまっており,パニック状態でした。

 授業の直後に顔を出したときは,3人の先生が顔を突き合わせて相談している真っ最中でした。私が部屋に入るや否や授業をしていたO先生が,「ねえねえ,コンピュータの授業って,2人でやっちゃだめなの?」と声をかけてきました。

 話を伺ってみると,どうやら授業の途中で何が何だか分からなくなってしまい,他の先生と相談しながら授業を行っていたようです。


 確かに大変ですよね。教師用パソコンの操作,周辺機器の操作,子どもたちへの指示,困っている子へのアドバイス,これらすべてを一人でやるのは。

 とりあえず私は,「どうしてもできないのなら,仕方がないですね。2人でもいいです。」と答えてしまいましたが,はたしてそれでよいのでしょうか。


 コンピュータが導入されて1年4ヶ月。

 まだまだ道は険しいです。




 先生方の「未知の世界」(1月14日)

 授業後に2件の相談を受けました。

 一つは3年生の先生からで,「教師が作ったファイルを全員の子どもたちに配布したいのだが,どうすればよいか。」という内容で,もう一つは1年生の先生からで,「キッドピクス(お絵かきソフト)の練習をした際に作ってしまった不要ファイルを削除するにはどうすればよいのか」という内容でした。 

 日頃先生方のコンピュータ研修のお手伝いをしていて,どの先生からも必ず一度は質問されるのは,上記のような,ファイルの「コピー」「移動」「削除」のやり方です。

 初めのうちはどの先生もアプリケーションソフトの操作方法を覚えるだけで精一杯で,作ったファイルの「保存」と「呼び出し」さえできるようになれば授業ができるので,それでよかったのですが,ある程度アプリケーションを使いこなせるようになってくると,「自分が作ったファイルをコピーして配布したい」とか,「いらなくなったファイルを削除したい」とか,そういう欲求が生じてきます。

 それで先生方は,今までの練習の延長線上のつもりで,「削除の仕方を教えて欲しい」と聞いてきます。

 ところが,私達の学校に導入されている教育ソフトは,「保存」や「呼び出し」は,(当然のことながら)アプリケーションのメニュー画面からできますが,「コピー」「移動」「削除」などのファイル操作は,メニュー画面からはできません。つまり,エクスプローラなどのファイル管理ツールを使わなければならないのです。

 ですから,Windowsの基本操作すらできない先生方がにとっては,ファイルの「コピー」「移動」「削除」は,決して今までの操作の”続き”などではなく,”未知の世界”です。

 それでもこれからのことを考えると,覚えていただいた方が先生方のためになると思うので,手順を紹介するのですが,ほとんどの場合,私がディスクトップからエクスプローラを立ち上げた途端に先生方の顔色が変わり,さらに無数のフォルダの中からお目当てのファイルを見つけ出して,コピーしたり削除したりする様子を見ているうちに,ため息が漏れてきます。

 と,ここまでは毎度のことなのですが,最近は先生方の意識も少しずつ変わってきました。

 しばらく前までなら,私が行う操作を見ているうちに,「もういいです。」と投げ出してしまうことが多かったのですが,最近は,何とか操作方法を覚えて自分でできるようにしたい,という雰囲気に確実に変化してきています。


 こうして先生方がファイル操作を自分で行うようになると,以前起こったようなファイル消失事件が今後も頻発する可能性が高くなるわけで,そのためのセキュリティ対策を考えていかなければならないのですが,遅々として進まず,それが私の悩みの種です。




 インターネットで何ができる?(1月16日)

 先日思わぬきっかけから,PHSを使えばコンピュータ室からインターネットができることを発見したので,授業で何かできないかと考えています。

 すでにインターネットを導入している学校で現在行われていることは,

 ・ホームページの閲覧
 ・電子メール
 ・ホームページの公開

 主にこの3つだろうと思います。

 ホームページの閲覧は,社会科や理科の授業などで,ネット上にある関連資料を参照するために行なっているようです。電子メールは,他の地域あるいは外国の方と交流したり,教科の授業で疑問に思ったことを専門的な知識をもった方に質問したりという使い方です。ホームページの公開は,学校や学級の紹介や個人の作品の発表などです。

 この中で,ホームページの公開は今のところ管理職の許可が下りそうにないのでできません。とりあえず私がやれそうなことは,ホームページの閲覧と電子メールです。


 まずは「Yahoo!きっず」あたりから,適当にWebめぐりをしてみようかなあ。


 研究指定を受けているB校では,「プロクシー(?)」なるものを導入して,各パソコンからアクセスできるそうですが,私の場合はもちろん無理です。自分のノートパソコンでインターネットに接続して,その画面をスクリーンに拡大表示してみんなに見せようというのだから,できることは限られています。

 ただ単にホームページを見せてやるだけでは,子どもたちはすぐに飽きてしまうでしょうし,検索させるにしても,多くの場合,百科事典や図鑑で調べさせる方がよっぽど役に立つのは分かっているのですが,それでも,「インターネット」なるものが何であるか,その一端を子どもたちに垣間見させることぐらいはできるのではないかと思うのです。

 その程度のところからスタートしてみようと思います。 




 インターネットで何ができる?その2(1月17日)

 昨日の続きです。

 インターネット初体験の第1回目の授業では,とりあえず”Webめぐり”をするとして,次にやってみたいと考えているのは「遠くの方とのお話」(メールまたはチャット)です。それもぜひリアルタイムでやりたいです。

 私のクラスの子どもたちは,校内LAN,というかコンピュータ室内LANで,「NetMeeting」を使ってチャットをしたり,「IPMessenger」を使ってメールのやりとりをした経験があります。コンピュータ室内のLANですから,話し相手は当然のことながらクラスメートなのですが,それでも子どもたちはとても興味を持ち,楽しんでいました。

 もしインターネットで外部の見知らぬ方と話をすることができたら,子どもたちはきっともっともっと興味を持つことでしょう。そして,インターネットのすばらしさを実感できるのではないかと思います。



 それで図々しいお願いなのですが,どなたかクラスの子どもたちとの会話(メールまたはチャット)の相手をしていただけないでしょうか。

 「平日の昼間に45分もの間,気まぐれな子どもたちとのくだらない会話につきあっていられるヒマと根気がある方」いう条件なので,かなり無理なお願いです。

 それから,子どもたちが話す内容については,私からは一切制限せずに自由にやらせたいと思っているので,会話を通して知り得た個人情報については内緒にしていただける方でないと困ります。


 ずいぶんわがままな条件ですが,それでも,「子どもたちとの会話につきあってやってもいいぞ」という方がもしいましたら,ご一報下さい。



 やはりちょっと無理なお願いですよね。





 ありがとうございます(1月18日)

 「子どもたちとの話し相手募集」について,ご協力ありがとうございます。

 正直言ってちょっと無理なお願いかなと思っていましたので,一週間ぐらいこのページ上で募集して誰もいなかったらあきらめようと思っていました。募集開始初日からありがたいお返事をいただき,感謝感激しています。

 それで複数の方からお返事をいただけるとは思っていなかったものですから,いい加減な決め方ですが,とりあえず先着順ということでお願いしようかなと考えています。

 具体的なことはまだ考えていません。おそらく行き当たりばったりになると思いますがよろしくお願いいたします。

 また,今回お返事いただいた方には,今後もご協力をお願いすることがあるかも知れません。その際もしご都合がよろしければ,ぜひお願いいたします。




 インターネット初体験(1月20日)

 5時間めにインターネットでWebめぐりをしました。

 今までに家庭等でホームページを見たことがある子は2名だけです。ほとんどの子にとっては初めての体験です。

 私達の学校はまだインターネットができる環境が整っていないので,私のノートパソコン+PHSでアクセスし,その画面をスクリーンに拡大表示して子どもたちに見せました。


 第1回目の今日は子どもから言われるままにWebめぐりをすることにして授業(と言えるのか?)に臨みました。起点は子ども向け検索ページ「Yahoo!きっず」です。

 「Yahoo!きっず」のジャンルは,
「世界と社会」「アート」「ゲームとコンピュータ」「エンターテインメント」「学校と勉強」「科学」「趣味とスポーツ」「ニュースとメディア」
 の8つです。

 この中で子どもたちが真っ先に選んだのは「ゲームとコンピュータ」でした。

以下,
「ゲームとコンピュータ」→「テレビゲーム」→「ゲーム会社」→「任天堂」→「ゲームボーイ」→「ポケットモンスター」「ゼルダの伝説 夢を見る島」

「エンターテインメント」→「芸能人」→「KinKi Kids」→「LOVELOVEあいしてる」

「マンガとアニメ」→「映画」→「もののけ姫」→「アニメ」→「テレビ番組」→「中華一番」


 私は全く話題についていけませんでした。(苦笑)


 最後に「日本の学校」へと起点を移して他の学校のホームページを見てみることにしました。

fuku「どこかの学校のホームページのホームページを見てみよう」
A子「M小学校(私達の学校)のホームページが見たい!」
fuku「ないよ」
みんな「えーっ!どうして?」
fuku「つくってないから」
B男「作ってよセンセー!」



fuku「さあ,もう時間がないよ。どこにする?」
C男「S幼稚園」
fuku「えっ,幼稚園が見たいの?でもここは英語で書いてあるみたいだよ」
みんな「きゃー」

 で,結局子どもたちが選んだのは北海道のある小学校でした。

 メニューの一つに「トイレの花子さん」とあったので,クリックしてみたら,学校のトイレの紹介(写真付き)でした。子どもたちの強い要望により全部見てしまいました。

 子どもたちのインターネット初体験がトイレになってしまうとは。でも子どもたちには一番ウケました。


fuku「インターネット面白かった?」
みんな「うん!」
fuku「でも,ゲームのページはソフトの宣伝ばかりで面白くなかったでしょう?それに,雑誌やテレビをみれば済むようなことをインターネットで見ても仕方がないね。今度はインターネットでしか見られないものを見てみようね。」



−授業を終えて−

 途中,2度ほど回線の状態がおかしくなり,つなぎ直さなければなりませんでした。分厚いカーテンで締めきられたコンピュータ室では少々無理があるのでしょうか。

 後で調べてみるとコンピュータ室の中でも位置によって感度が違うようです。

 帰りにディスカウントショップに寄って,以前から目をつけていた携帯電話PHS用内蔵アンテナ補助シール「ニューモシモシ」君を買ってしまいました。

 薄いシール状になっている装置を電話機の裏に貼り付けると受信感度が向上し,雑音・通話の途切れなど,通信の悩みが「一発解消!!」するとのことです。1980円でした。

 以前このショップで見つけたときは,通信エリアや通信障害などの問題はPHSの最大の弱点だから,たかが2000円程度のシール1枚で「一発解消!!」するのならとうの昔にメーカーが対応しているはず,こんなものが役に立つはずがないと思っていたのですが,今日は考えを改めました。

 これで悩みが「一発解消!!」したらうれしいな。





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