コンピュータ室運営日誌


1997年

11月上旬のできごと


初めての授業(11月1日)
導入業者のサポート体制8(11月4日)
すべてのデータ消失事件(11月5日)
いまさらバックアップ(11月6日)
最後のパソコン授業(11月7日)
セキュリティ対策(11月8日)
ネットワークに接続できません事件(11月10日)

back
コンピュータ教育の部屋へ



 初めての授業(11月1日)

 11月27日に行われる公開授業の指導計画(指導案)が完成しました。毎度のことですが締め切りぎりぎりでした。

 授業の内容は,「食生活」「将来の夢」「親子関係」など,自分が興味のあるテーマについて,調査,集計,分析し,グラフや図表などを使って発表するものです。

 10時間の学習計画で,内訳は次の通りです。
 ・計画と調査の準備(3時間)
 ・調査の実施と集約(2時間)
 ・発表原稿と資料の作成(3時間)
 ・発表会(2時間)

 子どもたちがコンピュータを操作するのは,発表原稿と資料の作成(3時間)と発表会(2時間)です。このうち発表会の時間を公開することにしました。

 そう言えば,コンピュータの授業を公開するのは今回が初めてです。担任の先生の代わりにコンピュータの授業を行ったことは何度もあるので,私が行う授業の様子は何人もの先生方に見られているのですが,自分のクラスの授業を他の方に見せたことはこれまで一度もありませんでした。

 記念すべき授業です。



 さて,昨日の日誌で書いたパソコン初心者のY先生が,生まれて初めてのパソコン授業を行いました。

 授業を始めるまでは心臓がドキドキして仕方がなかったとのことですが,いざ始めてみると,子どもたちは先生の話をよく聞き,それほど戸惑うこともなく取り組んでくれたそうです。

 授業の内容はワープロ操作で,1時間かかってわずか2行ほどしか入力できなかったそうですが,それでも子どもたちは大喜びだったと嬉しそうに話していました。





 素早い対応で即交換(11月4日)
      −導入業者のサポート体制8−

 調子が悪かった3台のCD-ROM装置(10/28)の修理のため,導入業者さんが来校しました。先週木曜日にお願いしたばかりなので,実に素早い対応です。

 2学期に地元の中学校に最新機種が導入されたため,たった一人で何十校も担当している地元の業者さんはとても忙しいはずです。たかがCD-ROMのことなど,きっと後回しにされるだろうと思っていたので,予想外の早さに大変嬉しく思いました。


 さて,今日来校したのはいつもの地元の業者さんではなく,先々月「サーバーが死んだ」と大騒ぎしたときに調べていただいた本社の業者さんでした。どうやら地元の業者さんは,少々面倒な問題が起こったときは,自分で解決しようとせずに,本社の方に依頼しているようです。それは私たちにとってはとてもありがたいことです。その適切な判断には好感がもてます。


 問題のCD-ROM装置は,修理に持ち帰ることもなく,3台とも即交換していただけました。3台のうち1台は常に調子が悪かったのですが,2台は時々気まぐれに調子が悪くなっていた状態だったので,きちんと対応していただけるか心配でしたが,おそらく業者さんは最初から交換するつもりだったのでしょう。助かりました。

 さらにありがたいことに,3台とも無料にしていただける(内緒かな)とのことです。まあ無料なのは当然だと思いますが,すでに1年以上経過しているので心配でした。


 それにしても,これで21台のうち4台のCD-ROM装置が交換されました。

 私たちの学校にはCD-ROMを使用するソフトは2種類しかなく,その2種類も現在のところあまり使われていません。この1年で平均してせいぜい週1回程度でしょうか。

 それでも4台も壊れてしまうわけですから,NXXが,CD-ROM装置の製造元の某台湾メーカーからカスを掴まされたのではないかとの疑惑はますます強くなりました。




 すべてのデータ消失事件(11月5日)

 パソコンクラブの時間にとんでもないことが起こってしまいました。


 私たちの学校のネットワークシステムには,とても便利な機能があります。授業開始時に教師用パソコンから”クラス名”を入力し,それぞれの児童用パソコンから”番号”を入力することにより,子どもたちが各種アプリケーションで作成したファイルを,サーバー内に個別に保存・管理できるようになっているのです。


 ところが,パソコンクラブの開始時に教師用パソコンから,パソコンクラブ用に使っているクラス名”6年6組”を入力したところ,「パスが見つかりません」とのメッセージが表示され,アクセスが拒否されてしまったのです。

 そこで,「ネットワークコンピュータ」(WIN95の機能)を開いてファイル構成を調べてみたところ,何故か”6年6組フォルダ”だけが表示されません。(汗)

 フォルダの属性が変更されたことによって見えなくなってしまった可能性もあるので,サーバーのファイルマネージャからも調べてみましたが,やはり見つかりません。もちろん下位の個別フォルダもありません。

 どうやらフォルダごと削除されてしまったようです。1学期から制作してきたすべての作品が消えてなくなってしまいました。


 これはおそらくT先生の操作ミスによるものに違いありません。

 T先生には,先日,ディスクトップにクラスのフォルダのショートカットを置いておけば,子どもたちが作ったファイルを簡単に検索できることを紹介したのです。こうすると作品発表会の授業を行うときなどにとても便利なのです。

 クラスのフォルダのショートカットを作成する際に,何かの手違いでうっかり”6年6組フォルダ”を削除してしまったのでしょう。

 そのことを裏付けるように,T先生のクラスのフォルダのショートカットがあちこちに作られていたり,全く関係ないフォルダがT先生のクラスのフォルダ内にコピーされていたりするなど,T先生が試行錯誤した痕跡がいくつも残っています。

 すぐにT先生に連絡して事情を聞いてみたところ,どんな操作をしたのか「全く覚えがない」とのことでした。

 念のため,他の場所に移動していないかと色々さがしてみましたが,結局”6年6組フォルダ”は見つかりませんでした。


 ホームページづくりは,また1からスタートです。

 T先生が大変恐縮して子どもたちに謝ったこともあり,子どもたちがすぐに気を取り直して,また新しく作り始めまたことが救いでした。



 先生方にできるだけ快適に使っていただけるよう,ある程度の知識があり,理解していただける先生には,私が知っている色々なやり方を紹介するようにしているのですが,その分リスクも増えてしまうのですね。




 いまさらバックアップ(11月6日)

 「データ消失事件」から一夜明けた今日は,早速データのバックアップ作業を行いました。

 バックアップの大切さは,過去の日誌でも何度か話題にしてきたのに,やはり,とことん痛い目に遭わないとだめだったようです。

 今度という今度は,ええ,骨身にしみました。

 昨日は思わずT先生を責めてしまいましたが,対策を怠っていた私にも大きな責任があります。

 はっきりいって油断していました。HDの故障等によるデータ消失の可能性は認識していましたが,私たちの学校の先生方の技量から考えて,人為的なミスによってデータを失う危険性など考えもしませんでした。ショートカットの作り方を紹介した時点で,操作ミスを行うとデータを消失してしまう危険性があることに気付かなかったことが悔やまれます。

 それに,子どもたちが作ったデータに対してあまり重要性を感じていませんでした。「たかが子どもの作品」と軽く考えていました。無くなって初めて失ったものの大きさに気付いたしだいです。


 とにかく,データだけはMOにバックアップしておくことにしました。

 バックアップをとったのは学級用フォルダ内の子どもたちが作ったデータと自作Web資料です。


 子どもたちが作ったデータはすでに197メガありました。




 コンピュータ室が利用された時間がのべ100時間を越えました。

 20クラスですから,2学期半ばにして,1クラス平均5時間コンピュータの授業を行っていることになります。





 最後のパソコン授業(11月7日)

 空き時間に4年生のS先生の授業のお手伝いをしました。
S先生は昨年9月に私たちの学校に赴任にしてきた講師の先生です。

 彼女はパソコン初心者で,夕方に残って練習したりするなどとても熱心な方ですが,子どもたちに自信をもって教えることができないとのことなので,私がお手伝いすることになりました。

 実は来週水曜日に講師としての期限が切れ,退職することになっているので,今更パソコンの授業などやらずに済ませることもできるのですが,最後まで手を抜かずにやろうとするところに彼女の人柄が現れています。


 さて,授業のほうは,最近私たちの学校で盛んに行われている,ワープロ文書の中にお絵かきソフトで作成した絵を組み込んだ作品づくりです。とにかく彼女には時間がないので,今日予定している2時間で作品を完成させなければなりません。

 文書はもう出来あがっています。ですから今日行うことは,お絵かきソフトで絵を描かせ,それをワープロ分書中にペーストして作品を完成し,印刷,保存する作業です。


 時間が限られているので大きな失敗は許されません。しかも2時間のうち最初の1時間しか私はお手伝いできません。

 そこで今日はコピー&ペーストのやりかたに早く慣れてもらうため,練習教材を用意しておきました。まず私が実際にやってみせ,次に練習教材で練習させ,練習がきちんとできた子どもから順に本番の作業させました。

 子どもたちは真剣に私の説明を聞いてくれ,あまり戸惑うこともなく練習教材に取り組むことができました。そして全員が本番の作業に取りかかることができたことを見届けて,私はコンピュータ室を後にしました。


 授業後にS先生に様子をたずねたところ,予定していた2時間で何とか作業を終えることが出来たとのことでした。

S先生ご苦労様でした。




 セキュリティ対策(11月8日)

 先日のデータ消失事件について,メール(takaさん,okanoさん)やお客様リスト(いしかわさん,ながちさん)にて,色々アドバイス等いただきましてありがとうございます。

 あの一件が起こってから早速,というか,遅まきながらデータのバックアップをとり,不測の事態に備えることにしたわけですが,バックアップはあくまで事後の回復措置なので,データ消失そのものを予防できる効果的な対策はないかと思案中です。

 私の学校の場合,当然のことながら,悪意により故意にデータが消去される心配はありません。(中学生ならその可能性も心配しなければなりません)

 ですが,セキュリティに関してあまりに無防備な状態であることは確かで,ちょっとした操作ミスによってもデータが消えてしまう状態を改善したいと思い,サーバー(NT3.51)のセキュリテイ機能を色々調べているのですが,なかなか良い方法は思いつきません。

 現在,子どもたちが作ったファイルが保存されているフォルダのアクセス権は,書き込みも読み込みも自由にできる「フルコントロール」にしてあります。

 そのため,その気になれば児童用パソコンからでも,サーバー内のデータを削除することが可能です。先日は子どもたちにネットワークコンピュータの使い方を教え,友達が作った作品を閲覧させたのですが,考えてみるとこれはかなり危険な行為だったような気がします。

 とはいっても,アクセス権に制限をつけると,データの修正・保存ができなくなってしまうわけですから,ファイルサーバーとしての役割を果たせず本末転倒です。

 具体的には,フォルダ内のファイルの読み書きはできても,フォルダそのものは削除できないようにしたいのですが,NT3.51の場合,どうやらその設定は無理なようで困っています。

 また,サーバーをNT4.0にすれば,削除してもゴミ箱に残るそうですが,これも予算的に無理な状況です。


 結局は,「ショートカットの作成」「コピー」「切り取り」「貼り付け」など,基本的なファイル操作の研修を一度きちんと行って,先生方の技量と意識の向上をはかるしか打つ手はないようです。




 ネットワークに接続できません事件(11月10日)

 教室で2時間目の授業を行っていたら,3年生のR先生がやってきました。サーバーを立ち上げようとしたらエラーメッセージが出たので,見にきてほしいとのことです。

 昨年度は授業中に呼び出されたことが何度もありましたが,最近は,「パソコンにトラブルはつきもの」との認識が先生方の間で定着したようで,トラブルが発生しても,とりあえず問題のコンピュータをそのままにしておいて授業を続行し,授業後に連絡していただけるようになりました。

 ですが,サーバーが立ち上がらないのであれば,授業ができないわけですからしかたありません。子どもたちを自習にして早速コンピュータ室に駆けつけました。


 あれあれ。今まで見たことがないエラーメッセージが表示されています。(汗)

 「Microsoft Windows Network:ネットワークパスが見つかりません」

 ものすごく不吉な感じがするメッセージです。

 メッセージの下に「ネットワークを復元する」というボタンがあったので,とりあえずクリックしてみたら,何事もなかったかのようにサーバーが無事立ちあがったので,トラブルの原因はさっぱり分かりませんでしたが,とにかく授業を始めていただくことができました。


 放課後,原因を探るためにサーバーを再起動してみたら,またもや同じメッセージが表示されました。

 じっくり調べてみたら,接続できない「ネットワーク」とは,ネットワークそのもののことではなく,どうやら「ネットワークドライブ」(仮想ドライブ)のことらしいということが分かりました。

 クライアントである教師用パソコンのフォルダが,ネットワークドライブとして設定されていたのですが,サーバーの起動時には,当然のことながらクライアントはまだ立ち上げていないため,接続することができず,エラーとなったようです。


 クライアントのフォルダをネットワークドライブに設定したのは,またもやH先生に違いありません。なぜなら,上記のネットワークドライブの他に,H先生のクラスのデータ保存用フォルダもネットワークドライブとして設定されていましたから。

 そこで,H先生にたずねたところ,昨日,データをコピーするためにサーバーと教師用パソコンの操作をしたが,ネットワークドライブなど作った覚えがないとのことでした。


 いったいどういうことでしょうか。不思議なことです。






back コンピュータ教育の部屋