●長崎の児童文学散歩●

 清水崑 かっぱの「ぽんたくん」


眼鏡橋近くにある、清水崑のかっぱのぽんたくん
 長崎の中心を流れる中島川にかかる眼鏡橋(1634年築造、写 真下)。川に映る橋の姿を合わせ鏡のように見ると、まるでメガネのように見えることから、こう呼ばれるようになった。
 中島川には、眼鏡橋を含めて十数架の石橋がかかり、川沿いは遊歩道の公園になっている。この中島川公園のはしっこ、袋橋(眼鏡橋の隣の橋)のたもとに、長崎出身の漫画家、清水崑のかっぱ像がある。
 清水崑は、長崎市立商業高校を卒業したのち、洋画家を目指して上京。戦前は岡本一平に師事し、絵本の挿し絵なども多く遺した。戦後、火野葦平の小説「河童」の挿し絵を描いて以来、河童に魅せられ、河童を題材にした漫画、小学生朝日連載「かっぱ川太郎」、週刊朝日連載「かっぱ天国」などを描いた。
 写真の中島川のかっぱ像は、少年かっぱの「ぽんたくん」。
 清水崑といえば、岩波書店の絵本「かにむかし」や「ふしぎなたいこ」が有名。児童文学ファンにとっては、こちらのほうもなじみ深いことと思う。
 南山手にある「祈りの丘・絵本美術館」には、清水崑の絵本「かにむかし」の原画が常設展示されている。
 また、最近長崎市が再建した「中の茶屋」では「かっぱ川太郎」や政治漫画の原画を観ることができる。


清水崑の絵本「かにむかし」(岩波書店)
清水崑の絵本「ふしぎなたいこ」(岩波書店)


眼鏡橋

長崎散歩地図のページに戻る
 ●児童文学散歩ミニガイドの目次に戻る● ●HOME