●長崎の児童文学散歩●

 崇福寺


 「唐寺の玉 巻芭蕉肥りけり」
 芥川竜之介は、1919(大正8)年と1922(大正11)年の2回、長崎を訪れている。第2回目の旅について記した作品が「長崎日記」。芥川の第1回目の長崎の旅については「中町カトリック教会」の項を、芥川の「かっぱ屏風」に関しては「花月」の項を、それぞれ参照してください。
 上の「唐寺の〜」の句は、2回目の長崎旅行の際に詠まれた句で、「唐寺」は崇福寺の俗称。真っ赤な竜宮門が印象的なこの寺は、赤寺とも呼ばれている。1629年に中国人によって建立された崇福寺は、長崎のエキゾチシズムを盛り上げる観光名所の1つでもある。多くの文人たちが訪れたこの寺の雰囲気は、作家たちのイマジネーションの源となったに違いない。

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