今度は、家族からつまはじきにされて違和感を感じていた少年が実は別の世界の偉い人だったという話。 国を王を選ぶ麒麟だったのだ。 王を選ぶまでの過程。 選んでしまってから自分は間違ったことをしたのではと悩む姿。成長過程を描いたものだ。 今回も前回同様なじめなかった。
ネットおかまを演じる浪人生。 彼の周りの友人たちは、パソコン通信のことを何一つしゃべらないけれど、 パソコンでもつながっていたとは。 そして、殺人事件の犯人が身近なところにいて、犯人にはどんな過去があったのか? 全然知らない人と気楽に遊んでいるパソコン通信だと思っていても、 どこかに自分を知っている人がいるなんてありえる話だ。
「十二国記はおもしろい」と聞いて、じゃあ最初から読んでみようかと借りて読んでみました。 ファンタジーなのですが、私苦手かもしれない。 十二国記も2回目以降は面白いのかもしれないが、最初と言うこともあり、 わかりにくくて説明の理解に手間取った。 見知らぬ男が高校生の陽子の前に現れ、知らない世界へ連れ去った。 そこで陽子は予想もできない運命をたどる。 次第にたくましくなっていく陽子と、知らない世界での価値観とかは面白いと思った。 次のを読むかどうかは迷うところだ。
元モデル、夫は業界人、専業主婦。 暇だけど、その状態に満足していたはずだった。 だが、心の奥底では違っていたようだ。 隣に住む13歳の少年に恋をして、その結末は・・・。 とりあえずの結末は予想通りかもしれないけど、 新しい世界への一歩という点では、前向きな選択だったと思う。 B級ドラマだけど、きついお話でした。 若い男の子と恋するなんてうらやましいなどと言っていられない。
なるほど、これは問題作だ。内容は、知ってのとおり中学3年生のクラスが殺し合うゲームをするというもの。 このゲームは、この国のプログラムで、逆らうことは許されない。 こんな状況で人々はどう考え行動するのか? 本当にクラスメイトを殺すことができるのか?信じることができるのか? 絶望して自殺してしまうのか?この状況からどうやって抜け出すのか? 私は、この本は面白いと思いました。いろいろ考えさせられたし、結末は映画っぽくてカッコよかったし。 ただ、やはり、大人が読むから面白いのだとも思いました。 子供はこの本をどう読むんだろう...? 配役が気になって調べてみました。七原秋也役は藤原達也。川田役はだれだろう?安藤くんかな?と思ったら、山本太郎くん。 じゃ安藤くんは三村?杉村?と思ったら、なんと桐山役でした。 どう演じたのか、気になります。
夫婦の話がおもしろおかしく書いてある。 アハハと明るく笑えるおかしさではなく、 ひきつった苦笑いになるようなそんなおかしさである。 鋭い視点だ。
14歳の息子が、マンションから飛び降りて自殺した。 一緒に暮らしていながら、息子のことがわからなかった親は、真実を知ろうと友人たちの聞き込みをする。 そのうち、その友人たちも次々に自殺していく。 親は子供の気持ち奥底まではわかり得ないのだろうと思う。 自殺の原因も全く意外なことであり、かといって子供らしい原因でもあって、難しい年頃を象徴していた。。
中居くんドラマ「白い影」原作。 小説の直江より中居くんの直江のほうが好き。 小説の直江は、派手に複数の女性とつきあう器用さを備えているが、 中居くんの直江は不器用そうなところが好き。 倫子は、TVの倫子は笑顔がかわいい女の子だが、小説の倫子はつくすタイプの日本的な女性。 直江がどんなに沢山の女性とつきあっていようと、麻薬を打っていようと、「直江先生についていきます」 と言うようなタイプ。自分からどうしたいとか言うこともしない。 しかし、逆に言えば都合のいい女だ。 直江の遺書の内容も、子供を生んでさえくれれば誰でもよかったというような雰囲気さえ伝わってくる。 男にとって、倫子は理想の女イコール都合のいい女なのかもしれない。
人気作家日高が殺された。犯人は誰か? 第一発見者は、児童文学の作家である野々口。 彼は、日高と中学校が同じ友人。彼の手記から入る。 対する刑事加賀は、教師時代の野々口と同僚だったこともある。 彼の捜査の様子と野々口の手記が交互に続く。 犯人は、すぐにわかるのだが、動機が「これ」と思わせておいて実は違うことが最後にわかる。 ミステリとして、かなりおもしろかった。
知らないで手にとったのですが、これはひょっとして光一くんのドラマの原作なのでしょうか? 数年前土曜9時にやってたドラマ。当時は興味がなく全然見なかったのですが、チェロ演奏家のお話ということは確かです。 あらすじは、脳に障害を持つ由希に東野はチェロを教えることになり、彼女の才能の驚きながらも上達させていく。 そのうち、彼女には音楽的な才能だけではなく、自分に気に入らないことが起こったとき何かを起こす超能力のようなものがあることがわかった。 音楽的な才能が伸びれば伸びるほど、その不思議な能力が伸びて、人を殺めてしまう危険性さえあった。 同時に彼女自身も衰弱していって・・・。 その行き着く先はどこなのか。 というもの。 由希が受け入れたのは東野だけで、東野とのこの先のことも幸せなのかもしれない。 悲しい結末。
話題の本。 ネズミのスニッフとスカリー、小人のヘムとホーがチーズを探している。 二組ともチーズを見つけて安泰かと思いきや、突然チーズはなくなった。 もちろん、それは突然ではないのだが・・・。 スニッフとスカリーは、すぐに別のチーズを探しに出かけた。 ヘムとホーは、チーズがなくなったことを嘆くばかりで、ぐずぐずしていた。 やがてホーは勇気をもって出かけるのだが・・・。 ーーーという、イソップ童話のようなお話で終わればいいのだが、 この物語を語るのがビジネスマンの同窓会という背景があって、これが胡散臭い。 この本がなぜこんなにもうけているのか不思議です。
「ビタミンF」で直木賞をとった重松さんの本。 この「ナイフ」もいじめや家族の関係を描いた作品が並ぶ。 私が一番好きなのは「エビスくん」ボロボロ涙がこぼれました。 重松さんもあとがきでこの作品への思い入れを語っていましたが、私も感動しました。 このエビスくんは転校生、「親友だもんな」という言葉のかくれみので隣の席のぼくをいじめる。 ぼくには入院している妹がいる。妹は「エビスくんは神様の親戚かもしれないから会いたい」と言う。 そしてそれが実現する日がくるのだが・・・。 このエビスくんと悪がきリーダー的存在の浜ちゃんがいい。いじめの意味ってなんだろ?て思った。 好きだからこその意地悪っていうのもあったなあ、と思ったりして、意地悪といじめの境目ってなんだろ? 心にしみました。もうひとつ「ビタースィート・ホーム」 仕事をしていた頃の妻は家事はいいかげんで「なんとかなるさ」が口癖だったのに、 専業主婦になってからは「なんとかするわ」に変わってしまった。 昔は学校の先生をしていたこともあり、娘の担任がやることが気になる。 「感想のない日記なんておかしい」と頭から決めつけ熱心に指導しているつもりでいる。 自分は教師としてしっかりやっているのに親がわからないのがおかしいという考え。 親に振り回されるぐらいなら、専業主婦のほうがいいわ、とさっさと辞表を出してしまう。 教師と、専業主婦におさまってしまった親のそれぞれの思い。 両方とも私の気負いに通じるものがあると感じながら、苦い思いで読みました。
「弟切草」っていうゲームが本当にあったそうですが、もちろん私は知りません。 「狗神」とともに映画になるというんで、読んでみることにしました。 ゲームデザイナーの公平と恋人の奈美はドライブに出かけるが、 なぜか公平の作ったゲーム「弟切草」のシチュエーションと全くいっしょになってしまう。 展開もゲーム通り。なぜゲームと同じになるのか? 前の恋人のアイディアを公平が盗んだから復讐か?前の恋人は自殺した。 奈美が不倫していた大学教授も死んだ。彼の復讐か? もっと恐い展開を予想していたが、複雑な人間関係が原因だった。 登場人物全員の人間関係がおもしろい。こういう仕掛けだったのか。 ただ、タイトルからして弟が鍵になる人物かと思ったら、普通でした。 期待していた分、がっかりかな。
私のツボにはまったお話。「死国」より、おもしろいし恐い。 舞台は、やはり四国の片田舎。そこに住む40過ぎの独身女性、美希が主人公。 村から離れることもなく暮らしていたが、若い青年が現れて恋におちてしまう。 その青年が村にやってきた頃から、おかしなことばかり起こる。 その原因を村人たちは、美希の一族のせいだと噂する。 美希の一族は「狗神筋」と言われ、忌み嫌われていた。 「狗神筋」の意味。美希の過去。若い青年の正体。 狗神の言い伝えのあたりは、映画的。美希と若い男とは、かなり引いてしまうような関係ではあるが、 ある意味ドラマチック。血の恐さです。
自分の記憶を取り戻すため、死んだ父親が内緒で訪れていたであろう家を探る。 沙也加は、自分には幼い頃の記憶がないことと、わが娘に虐待を加えていることを悩んでいた。 そして、幼い頃の沙也加と現在の虐待は無関係ではなかった。 虐待は繰り返されるという悲しい定説がここでも当てはまっていた。 家の中に丁寧に保存されていた記録物や証拠が、伏線となるミステリ。 タイトルの意味は、いっしょにその家を訪れた男は、沙也加の昔の恋人で、 彼もまた複雑な生い立ちがあったことを示しているのだろう。
このシリーズでは第3弾ということですが、他のも読みたくなりました。 平安時代を舞台に、晴明・博雅のコンビがさまざまな怪奇現象を解明、解決していく。 その現象は人間の心奥深くにある欲望とか自覚したくない気持ちがもたらしたりするところが、恐ろしい。 そんな人間的な部分があるところが好き。 それでもって、事件をさらっと片付けてしまうところが気持ちいい。
私の好きな脚本家野沢尚さんのシナリオ創作プロセスの本。 「眠れる森」の作られかたが語られている。 キャラクターの作り方・木村くんが死んだわけまで詳しく載っています。 「眠れる森」ファンならまず楽しめます。シナリオの作り方を知りたい人にも興味深い本です。 私の場合、タレントとドラマの関わり合いがおもしろく読めました。 他のドラマ「氷の世界」などの話もあります。
[Book] [Drama] [Essay] [Favorite] [Outdoor] [Wonder] [Link] [Guestbook] [Volunteer] [Kids] [Profile]