とぜんそう2000年10月分

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00/10/13

『猪木詩集〜馬鹿になれ〜』(角川書店)、
ビートたけし詩集『僕は馬鹿になった。』(祥伝社)

など……を横目で見ながら、

『「室内」40年』(山本夏彦、文春文庫)、
『メルヘン誕生 向田邦子をさがして』(高島俊男、いそっぷ社)、
『お笑い創価学会 信じるものは救われない』(テリー伊藤、光文社)、
『人はなぜ学歴にこだわるのか』(小田嶋隆、メディアワークス)、
『鉄槌!』(いしかわじゅん、角川書店)、
『「社会調査」のウソ』(谷岡一郎、文春新書)

などを読了。ちと疲れているのでゆっくり感想を書けないけどどれもおもしろい。

『鉄槌!』は、以前紹介した漫画家・いしかわじゅんさんの裁判沙汰を単行本にまとめた、というよりほとんど書き下ろしたもの。ふつうの生活をしている人間にはほとんど縁のないバス会社の内幕やら裁判、弁護士の実体を(ほんの一端なれども)知ることもでき、ファンならずとも読んでおいて損はない一冊。

『「社会調査」のウソ』は、たとえばなにげなく読んでいる新聞や雑誌に出てくる「数字」がいかに疑わしいものであるかを再認識させてくれる本。

そういえば、以前『週刊文春』で「消費税を支持する国会議員は当社調べでは○○%」と書いた新聞記事がやり玉に挙がっておりました。実はこの数字は当時の与党議員の割合そのまんま、わざわざ調べていただかなくたって誰にでも想像のつくものじゃないか、という内容。

なるほど、珊瑚ばかりじゃないわけですね。

00/10/14

ガソリンスタンドで夕刊を眺めてたら、スペースシャトル・チャレンジャーとドッキングした国際宇宙ステーションが肉眼で見えると紹介されてました。で、夕方6時過ぎに北北西の空を見上げてみると金星ぐらいの明るさの光の点が。たぶんあれがそうなのでしょう。(じつは金星だったりして。詳しい情報はこちらで

宇宙も身近になったものです(ちょっと違う)。


『iモード事件』(松永真理、角川書店)読了。

元雑誌編集長とは思えないぐらい時制も説明もいいかげんな文章が続くのが苦痛だし、いろいろ演出っぽいあざとさは目立つものの(などといいつつ、ひょっとすると唯一商業誌に自分の原稿(といっても就職用作文講座への投稿だけど)が載った『就職ジャーナル』(リクルート社)はこの人が編集者時代だったかもしれない)、やはり新しいものを創り出していく過程を描いたものはおもしろい。

とはいえ、いくら自分に話しかけるせりふだからって、真理ちゃん、真理ちゃん、真理さん、真理さん、と何度も自分の名前を出すはやめてほしい。なんか読んでて恥ずかしくなってしまいました。


朋輩から石川賢の「回天」の情報があったと思ったら、今度は下忍さんから学年誌版「ゲッターロボ&G」復刻出版の情報が(おふたかた、ありがとうございます)。

先日『真ゲッターロボ』(双葉社)の完結編も出たし、石川賢はまだまだ読者を楽しませてくれるようです。つぎはぜひ『勝海舟』(月刊少年チャンピオン掲載)を(しつこい)。

00/10/21

『笑う新聞』(新保信長、メディアファクトリー)読了。副題が「1980−2000[なまぬる事件簿]」、帯には「歴史に残らない地味バカニュース20年分!」。殺伐とした紙面の中から思わず苦笑いするような記事を拾ってはあれこれ随想を語るというもの。

たとえば中学校に侵入した大学生が見つかったときに女生徒のくつを持っていた事件で、紙面では「同署は盗みが目的と見ている」とあるのをさして、

 いや、そりゃ違いますぜ、ダンナ。職員室の金庫から修学旅行の積み立て金を盗んだ、とかいうなら話はわかるが、彼が持っていたのは「くつ」である。目的は「盗み」ではなくて「くつ」そのものでしょう。(略)


とか、「いつまでヒラ課長なの」という一言で奥さんを殺してしまった男の事件で、

 しかし、この記事は、そんな気の毒な男性に容赦なく追い打ちをかけている。
「同署によると■■(引用者注:個人名は原則として伏せてある)は、長女(二〇)が小学生のころからずっと課長だった」
 ほっといてやれよ、そんなこと!


など、たのしい事件と評論満載。

屋根の上の新聞読みファンは必見というか読む必要なしというか。


先週末にメールをもらったときにはなにかの間違いだろうと思ったのですが、ほんとに紹介されちゃったんですね>Yahoo! JAPAN「今日のオススメ」

実をいうと私自身Yahoo! JAPANに「オススメ」コーナーがある(トップページの下から3行目あたり)ことを今回初めて知ったし、インターネットを利用している知人何人かに聞いてもだれもその存在を知らなかったのですが、それでも紹介初日にはカウンタが4300と普段の200倍ものカウント。

まあ翌日には250、次の日には115と着実にもとのカウントに戻りつつあるものの、あらためてその影響力を実感した次第です。

しかし、なんでこんな地味な無名個人サイトを紹介する気になったのか不思議。「オススメ」の評判が落ちやしないかと心配しております。

00/10/26

ここは毎度思いこみで書いてるわけですが、またやってしまいました。

先日書いたシドニーオリンピック男子柔道100キロ超級銀メダルの篠原選手の名前の件(竹かんむりに「条」)ですが、『週刊文春』今週号の「お言葉ですが…」(高島俊男)によれば、国際的陰謀ではなくて朝日新聞の野望だそうです。

そ、「外を冒」でおなじみのあの悪名高き朝日文字。

てっきり JIS や unicode に含まれない変わった漢字なのだろうと思っていたのですが、なんのことはない、ただの嘘字なのだそうです。ほかの新聞は軒並み「篠」だとか。人名なんだからまともな字で書いてやってよー(と、自分の思い違いをごまかす)。
新事実によりこの項は間違いと判明しました)


へー、小津安二郎って、私や朋輩の高校の先輩に当たるのか。

00/10/29

柔道の篠原選手の名前が竹冠に「条」なのは朝日新聞独特の活字のせいだと先日書いたところ、福岡ダイエーホークスの篠原選手の字は朝日新聞でも「篠」だという情報をいただきました。

で、ひさかたぶりに「超漢字」パーソナルメディア)を起動して文字検索してみたら、こういうのが見つかりました。

「竹」+「条」
今度図書館で諸橋大漢和でも調べてみることにします。申し訳ありませんがそれまでこの件は保留ということで(中途半端な続報)。
完結編はこちら


Yahoo! JAPANは、検索とニュースとテレビ番組表しか利用してなかったのでよくわからなかったのですが、Yahoo! JAPAN「今日のオススメ」ってのはトップページのタイトル横の「新着情報」からも行けるんだそうで。失礼いたしました。

00/10/31

イラストレーターの真鍋博さんが亡くなったそうです

思えば初めて「SF小説」と呼ばれるものにふれたとき、そこについていた挿し絵は真鍋さんのものでした。

ご冥福をお祈りします。


『続 戦国自衛隊(2)』(田辺節雄、半村良原案、世界文化社)など。

うーん、意外な展開で関ヶ原の戦いに決着が。関ヶ原400年の記念にはちょうどいい作品かも。


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp