夢を実現する 2008.10.19

私は貧乏人根性が身にしみているようだ。どこに行ってもただでいただけるものは、なんでもかんでもいただいてしまう。
以前も某大学に行ったとき、行ったついでに就職活動のパンフレットをもらってきたということを書いた。
後で読んだら中身はとんでもないものであったが、それなりに勉強になった。パンフレット侮るべからずである。
なにしろタダより安いものはないと言われていますので、手に入れないともったいない。
私の母は口に入るものは按摩(あんま)の笛でもよいなんて言ってました。意味が分からない方はネットで調べてください。まあ、そんな貧乏人のDNAを受け継いだのが私でございます。

最近、商工会議所というところに行きました。
「何の用で行ったのか?」なんて取調室の刑事のようなことを言っちゃいけません。人にはプライバシーというものがあるのです。 
ま、そんな深刻とか秘密はありませんが、講演会なんてのは商工会議所で開催ってのがけっこうあります。そんな用向きで出かけただけのことです。
../oldman2.gif 開演時間まで少し時間があったのであたりを眺めてますと、通路の両側、壁側と窓際にいろいろなパンフレットがたくさん並んでいます。私は好奇心がバイ満、三倍満どころかあふれてこぼれそうな男ですから、目に入るものはなんでも手にとり何か金目のものがないかと思うのは当然です。
いろいろなものがありました。
場所柄が場所柄ですから、政府とか公的な機関が中小企業向けに作っているパンフレットがほとんどです。内容的には法律の説明書とか中小企業としてどのような改革をすべきかとか、低廉なコンサルの案内などが多いようです。
具体的には個人情報保護法対応には何をすればよいのかとか、改正容器包装リサイクル法への対応、中小企業としていかにインターネットを活用するとか、まあ具体的、即物的なことが多いようです。たくさんありますのでいろいろと手にとって、ためつながめつ・・そういう時間て結構楽しいのですよ。家内が通販のカタログを眺めるのが至福の時間というのがわかるように気がします。
まあ、止める人もいませんでしたので手当たりしだいいただいてきたってのが真相なんですが、その後毎日の通勤電車の中とか会社の昼休みとかちょっとした時間があると取り出して眺めております。
目的だった講演はどうだったのか?なんてお聞きになる? 知りたいですか?
うーん、つまらなくてもう忘却のかなたですわ 

これまた以前法律を勉強するには難しい本を読んだりするのではなく、パンフレットを見るのが一番と申しましたが、いただいてきたパンフレット大変ためになります。
さすが、官公庁が作成しているので関係法令等の裏付けも載っていてしっかりしていますし、内容的には即戦力として役に立ちそうに思います。
さて、いただいてきたパンフレットの中で気に入ったものに「夢を実現する創業」というのがあります。おお!本日のタイトルはそのものズバリではないですか! 

yume.gif 編集・製作は中小企業庁でございますのでれっきとした政府刊行物、我々の税金で作られているわけです。ですから私が商工会議所からだまってパンフレットを頂いてきても「盗人(ぬすっと)だあ!」なんて石川五右衛門とか鼠小僧のように悪しざまに呼んではいけません。
現物をご覧になりないみなさまのためにリンクを載せておきましょう。

パンフレットの内容はOL夢野さくら(28歳)が、パン屋さんを開きたいと思うところから始まります。
私はやまっけといいましょうか、ひと旗あげると言いましょうか、事業を始めようなんて野心はさらさらありません。しかし「社長になりたい!」とか「CEOになりたい!」なんて方もいらっしゃるでしょう。
いやあ、良いことです。人に使われるより人を使う方が価値があるかもしれません。もっとも私の40年の社会人としての経験から、人を使うことは使われる以上に難しく疲れることであろうとは思います。
でも社長になると、ロレックスとアルマーニで身を包みベンツに乗って高級レストランで家族とおいしいお食事ができるかもしれません。
ともかく、起業家というのはめったにいません。あなた、ぜひとも会社を興して、マイクロソフトやアップルのように世界的大企業に育ててください。
韓国では皆が起業家を望み、人の下で働くことを望む人はいないようです。指導者だけでも社会は成り立たず、使われる人だけでも社会は成り立たず・・以前指導者なき追随者と?追随者なき指導者なんてアホみたいなことを語ったこともありました。
しかしガレージでマイコンを作っていたステーブ・ジョブスも、BASICからMS-DOSそしてWindowsとソフトウェアを育てたビル・ゲイツも単にアイデアや特許だけではなにもできません。事業を起こしてそれを成長させるには、やはり会社経営に関わる専門能力と法律の知識がないとだめなんです。
そういうことはもちろん勉強すればよいのですが、今の日本では義務教育でも高校でもちょっと教えていないようです。大学ですと、起業家なんたらという課程があるそうであります。
おっと、パンフレットの話に戻ります。
いやあ、この冊子たった50ページでありますが、法人の登記から、諸届事項、小切手、手形、社会保険などひととおりサワリが書いてあります。もちろん、これだけでは仕事にならないでしょうけど、司法書士とかと話すときの基礎知識くらいはカバーしているような感じです。
別に起業家でなくても、会社とはなんぞやと教えるための高校の教科書として使えそうな気がします。

本日は何を言いたいのか?
あなたそう上段に構えたことをいっちゃいけません。私は越後のちりめん問屋の隠居、いや毛が三本しかないおばQ、難しいことは考えられなのです。
いや、言いたいことは簡単です。私たちはいつも死ぬまで勉強しなくちゃいけませんが、それはお金をかけるとか、時間をかけるなんてことはなく、その辺で配っているパンフレットを読むだけでもいろいろなことを知ることができるということであります。
今度は講演会でなくてもトイレを借りに商工会議所に行って、またパンフレットをいただいてくることにします。

ところで、私に企業家の才能がないのは明らかですが、パンフレットひとつから30分で2500文字を叩きだすという才能は認めていただけないでしょうか? 
定年後、作家として身を立てるという可能性はないものでしょうか?

あらま様からお便りを頂きました(08.10.25)
青雲の志
佐為さま あらまです
「夢をもつ」「夢を実現する」・・・
社会人を数十年やっておりますと現実的になっていて、しかも最近は、モノ忘れが激しいせいか、若い頃に抱いていた夢は忘却の彼方であります。
しかし、若さを保つためには夢を持ち続けることは大切だといわれております。小生も、佐為さまのこの文章を読み、現在、抱いている夢とは何だったんだろうと立ち止まってしまいました。
考えてみますと、今の職業に就いたのも、その職業に就きたくて入ったのではなくて、オイルショックで他に仕事がなかったので、仕方ナシにやっているだけのことでありました。
目標も何も、生活のためで、個人的な希望をいっている場合ではなかったと思います。
そうしてこの歳になり、他のことをしようとしてもなかなかうまく出来ません。50際の手習いといいますが遅々として進まず、結局は、慣れた仕事で生計を立てるしかないようです。
ところで、佐為さまは、30分で 2500字を叩き出せるそうですが、佐為さまよりも十歳ぐらい若い小生でもどうしてもそれはムリです。
弊社の事務の女の子でも、自分で考えを文章化するのに四苦八苦して、600字の作文を叩き出すに一時間は越えてしまいます。
したがって、小生は佐為さまは、天才だと思います。
かのシェークスピアが実は複数の人の集合体ではないか・・・という説があるそうですか、小生は、佐為さまも複数の人の集合体ではないかと思うほどです。

あらま様 毎度ありがとうございます。
おだててもなにも出ませんよ 
正直申しまして、私は成長しない人なのだと思います。
完成しないどころか、決して大人にならないのでいつまでも勉強しないとならないのでしょう。
実はね、定年になったら大学院に行くというのが私の夢でして、あちこちパンフレットを集めたり、インターネットで見比べたりしているのですよ
もちろん修士の次はドクターです。これも真面目です。


のんきなとうさん様からお便りを頂きました(08.10.25)
夢を実現する
いいですねぇ〜。大学への夢
少し前ですがある方の定年後が新聞に紹介されていました。
大学では工学系の学部を卒業し会社もその延長で勤められたそうです。しかしご本人は本当は数学を勉強したかったのだそうです。そこで定年後大学に戻り、大学院、博士コースと進まれ、7年後(?記憶はあいまいです)に博士号を取得されたとのこと。
数学と言えば、前世紀末、実に350年後に「フェルマーの最終定理」が解決(証明)されたというのが話題でした。私もできればその人類史上の世紀の解法を勉強し理解してみたいと思うのですが・・・。夢が適いますかどうか。また、「相対性理論」なども勉強してみたいですね。
「エネルギー(E) = 質量(m)×光速度(c)の2乗」は、
「エネルギー(E) = motivation(m)×concentration(c)の2乗」でもあります。しかし、大学に行くとなりますと、かわいい女子学生が目にちらつきませんか?妄想癖のある私では、とても勉強に集中できそうにありません。

のんきなとうさん様 毎度ありがとうございます。
私の生まれ育った環境は高校に行ければ恩の字という状況でした。ですから中学や高校の友達が都会に就職して夜学に通っているなんて聞くと、羨ましくてしかたありませんでした。
無理をしても子供を大学にやりましたが、馬鹿ではなかったので大学院に進めといったところ行きたくないと言われていささかがっかりしました。
まあ、自分の夢がかなえられなかったから子供に託すというのは、ある意味不純でしょう。やはり自分の夢は自分で実現することに意義があります。
ということでいつの日か還暦の大学院生がまた一人誕生します。応援してください。


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