環境側面 6たび 08.08.24

ISO14001において環境側面はEMSの骨であり極めて重大なことである。
だからその特定方法、著しい環境側面の決定方法はいろいろと唱えられており、審査においてはその方法が関ヶ原の戦いとなる。
世界史が好きな人のためにはワーテルローと言おう。

不思議なことに審査で環境側面の決定結果が議論になることは少ないというか、ほとんどない。
世の事務局の人に「ISO活動で大変なのはなにか?」「時間を食うのはなにか?」と聞けば、「環境側面である」と答えるだろう。
パフォーマンス向上や遵法点検に投じる時間以上をわけのわからない論理をひねくり回すことに費やしているという事実がある。
経済産業省がパフォーマンス向上を求め、世の中が遵法を求め、企業はパフォーマンスをあげたい、あるいは法をしっかり守りたいのに、ISOのために無駄な労力を投入しなければならず、それが終わったときにはもう力尽きているのではないか。
極論すれば、環境パフォーマンス向上や遵法を確実にするためには、環境側面の段階の負荷を減らさなくてはならない。それこそが日本のISO14001再興の切札だろう 
この珍説を笑う審査員、認証機関があるなら、実態を知らないに過ぎないと私は哂う。

ま、ISOに縁のない人にとってはまったく無意味なことであるが、これで飯を食っている人、あるいは趣味としている人にとってはそりゃきわめて重大なのです。
私は過去より環境側面を正しく理解しよう、適切な方法でやろう、意味のないことを止めようと発言している。実際に指導するときそのように指導し、そうでないものに対しては批判している。
そして自宅でも暇があればネットとか本で新しいアイデアがないだろうかと眺めている。
本日はそんなことから気がついたこと、考えたことを書く。

多くのコンサルタント、ほとんどの事務局は、認証し維持するための環境側面の特定と決定方法を知りつくしている。算式はそのへんの本に書いてあったのを借用し、点数のさじ加減はどこも慣れたものだからサットできるだろうし、審査もスットいくだろう。しかし、その方法と結果がいかなる意義があるのかが問題である。少なくとも私はその意義を理解できない。
多くの場合、企業で環境管理を担当している人は出すべき結論、すなわち著しい側面を以前から知っており、それを上位にするように配点や算式を作る。はじめに結果ありきなのだ。

事務局がホンネで環境側面を決めて、ホンネで審査したらこんなふうになる
審査員
「貴社の環境側面は何ですか?」
組織側
「あれとこれですわ」
審査員
「○○が抜けてませんか」
組織側
「おおっとおっしゃるとおりですね、追加しておきましょう」
審査員
「では環境側面をどのように管理しているかを教えてください」
いや、実に簡単であり、論理的ではないでしょうか。
しかし、現実は違う。
審査員
「貴社の環境側面を決定する手順を教えてください」
組織側
「資源枯渇、汚染、人間の環境・・・について環境影響の度合い、影響する期間、影響する範囲の三要素から点数をつけて掛け算して影響の大きさを評価します。」
審査員
「なるほど結構ですね。おやこの配点はちょっと極端ですね」
組織側
「そうしないと我々が重大と考えている○○が上位にこないのです」
審査員
「わかりました。大変結構です。」
けっこうなはずがないだろう
こんなやりとりで貴重な審査の半日終わってしまうのである。うそだと思う人がいるかもしれない。残念ながら嘘ではない 
私も97年頃こんな応酬をしていた。既に過去のものになったと思っていたら、なんと21世紀の現在でもそのような方法を教えるコンサルがいて審査がされている。
講習会、ウェブサイト、掲示板のQ&Aその他多くを眺めると、点数方式について語っているのは星の数ほどヒットするが、定性的な方法、ロジックゲートなど数えるほどしかない。1対9あるいは5対95くらいではないか?あるいはもっと差が開いているかもしれない

多くの場合、著しい環境側面の決定方法は次のようなパターンになる。
 (1)スコアリング法(点数法、マトリックス法、環境リスク評価法などとも呼ばれる)
 (2)アンケート法
 (3)会議手法
 (4)アルゴリズム法(○×法、ロジックゲート法)
 (5)その他 費用の順に並べて上位を選ぶものなど。
方法はともかく、点数法に批判的な方、ウェブサイトも、「さあ環境側面を特定しましょう、著しい環境側面を決定しましょう」と語っている。
どのような方法であろうと、点数をつけようと計算しようと、該当・非該当を判定しようと、その結果によって、これは管理が必要な環境側面だという論理というかお考えに私はついていけない。私は環境側面とはありてあるものと考えているから。

しかし中には本当に笑ってしまったものもある。
実際にウェブサイトにあったものであるが、引用元を特定されないように若干表現を変えている。別に苦情を言われても困らないが、先方の商売に差しさわりがあってはまずいだろう。
このようなウェブサイト、コンサル、審査機関があふれているのだから、現在のISO14001が有効でないことは間違いないし、有効性が向上することは決してないだろう
ISO14001が制定されて12年たってこの程度なら、規格を使いこなせないと言うことであり、大多数が使いこなせないなら規格が悪いのだろうか?
それとも金儲けに走っておかしなことを広めた、そして今も金儲けを考え妄言を語っている亡者どもが悪いのか?
審査員がいくじなしなのか? 認証機関が無知なのか? 事務局が会社経営というものを理解していないのか? コンサルがお猿さんなのか・・疑問は尽きない。
本日は久しぶりのお休みで若干文字数が多くなりました。最後まで読まれた方に感謝申し上げます。・・誰もいないか・・お呼びでない 


名古屋鶏様からお便りを頂きました(08.08.25)
嗚呼、スコアリング法・・
佐為様、いつも丁寧なお返事を頂き、有難う御座います。
実は正直に白状しますと、私の勤め先でも2年間程は「著しい環境側面」の決定方法として"スコアリング法"を使っておりました。私は事務局として、算出式の策定と配点方法に苦慮したものです。
しかし2年間、スコアリング法を使ってみての感想は「こりゃ、使い物にならん」でした。理由は色々ありますが、運用上での最も大きな問題は「本来の改善対象や重要管理項目に直結しない」というものでした。
そこで昨年からは発想を逆にし、「本来の改善対象や重要管理項目」こそが”著しい環境側面”だという風に見方を変更したのです。
この変更は結構、勇気が要りましたね・・元々、スコアリング法をウチのグループ企業に宣教したのは、ウチのグループ企業全部を審査する某大手認証会社”そのもの”なので、定期審査の際には「基準が不明確だ(教えた通りにしろ)」と言われるのを覚悟してました。無論、こちらも論戦で譲る気はありませんでしたし、資料も準備してありましたが、審査員から返ってきた答えは、
「あぁ、システムを改善されたんですね?いいことですよ。」
でした。もう、拍子抜けもいいとこですよ。しかも続けて、
「アレ(スコアリング法)やってる事業所ってもう、あんまり無いですよ」
と来たもんです。「そりゃぁ無いよ、アンタの所の指導だろ?」って思いましたね。我々メーカーは市場クレームが出たら製造物責任をとって「謝罪の上、リコール」ですよ?不具合を知っていて黙ってたら会社を潰すことにも成りかねないですからね。それと比べれば全く、いい御身分です。
審査会社やコンサルタントなんかの屁理屈なんて、所詮はこの程度のものなんですから、真面目に仕事をしている受審側企業はとっくの昔に見限ってるのかも知れませんね。

名古屋鶏様 毎度ありがとうございます。
私も白状してしまいますが、あのバカバカしい方法を6年もしておりました。
神様、仏様、同僚に合わせる顔がありません 
まったく、なんであんなバカバカしい方法がまかり通っていたのでしょうか?
まさに日本ISOの歴史の汚点と言えるでしょう。
実を言いまして、私はあのバカバカしい方法を広めた張本人を知っており、何度もあっています。この犯行をたくらんだのは一人ではなく複数なのですが、今も彼らはISO審査員とかエコアクションの審査員をしています。いずれも共同正犯として起訴したいところです。
../makoto.gif 池田屋事件は明治維新を数年遅らせたと言われていますが、悪逆な新撰組と同じく、低質な審査員は日本のISOの夜明けを数年どころか10年遅らせたのかもしれません。
いや、10年遅らせたのではなく、日本のISOを壊滅させてしまったのかもしれません。
しかし更なる謎は今なおこのバカバカしい方法を教えている本、ウェブサイト、コンサルタントがいるという事実です。
これだけアホな審査員、だめな審査機関、救いようのないコンサルがいるのですから、審査に期待するのは、北朝鮮の核放棄に期待すると同じく、百年河清を待つようなもの・・・


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(08.08.29)
ISO14001とそれに基づいて「構築」されたEMSなるものは、世の中に様々な功罪をもたらしたことは間違いない。
「罪」に関していえば、「有益な環境側面」がその筆頭格であろう。
「御社もいつまでもカミ・ゴミ・デンキの活動に留まっていないで、それらはもう卒業して“有益な環境側面”への活動に転換しましょう。
“本業への落とし込み”をしましょう」
審査員やコンサルは、まるで口裏を合わせたかのように言う。
事務局側も、「カミ・ゴミ・デンキ」への活動が行き着くところまで行ってしまい、いわゆる乾いた雑巾を絞る状態にまできていて「環境目的・目標のネタ」に困っているところにすれば、まさに渡りに船であるから、喜んでこれに同意する。
典型的な「ISOのためのISO」スパイラルである。

そもそも「有益な環境側面」とはいったい何なのか?
そんな規格要求事項にも載っていない文言を、どう定義して活動に展開するというのか? 私にはサッパリ理解できない。
インターネットで「有益な環境側面」を検索すると、実にいろんな解釈が出てくるが、どれもこれもみなズレている。当たり前である。
「有益な環境側面」という概念の存在自体に矛盾があるのだから。
解釈の具体例を挙げると、あるコンサルは「エアコンのインバータ化は“有益な環境側面”である」という。通常のエアコンに比べてインバータ型エアコンは省エネになるからというのがその理由である。
では、通常型からインバータ型エアコンに入れ換えを進めて電力消費を削減するという環境負荷低減の活動とどこが異なるのか?
言葉を言い換えただけにすぎない。まさしく、朝三暮四である。

そもそも企業活動には、自然破壊と資源の収奪が必然的に伴う。
これを社会経済的に妥当なレベルでコントロールしようというのがISO14001の根本的な考えであり、表現は少し異なるが序文にそう書かれている。
つまり本来は、環境負荷というマイナスを押さえ込むかゼロにまで持っていけばそれで御の字であって、それをプラスにするなどは本末転倒といえる。企業は奉仕団体でも慈善団体でもない。
環境汚染は企業にとってリスクであり、資源消費はコストダウンの対象である。「有益な環境側面」というともっともらしく聞こえるが、「有益なリスク」という言葉に置き換えてみると、それがいかにアホな言葉であるかがよくわかる。
“本業への落とし込み”という言葉もクセモノだ。
本業への落とし込みの例として、省エネ型新製品の開発・販売といったことがよく挙げられる。しかし、わざわざこんなものを“有益な環境側面”として抽出しなくても、競合他社を出し抜き蹴落とすために競争力のある新製品を開発するなんてことは、差別化と称してどこでもやっていることである。当たり前のことを、なぜ取ってつけたように「環境のための活動」と位置づける必要があるのか。それほど「環境」とは特別で崇高な存在なのか。

一方、コンサルにしてみれば「有益な環境側面」は飯のタネなので、最大限にこれを利用しようと考える。これは営業行為であるから誰からも責められるいわれはないのだが、企業側は騙されないようにしなければならない。
「“有益な環境側面”の重要性は認識していても、実際の活動にはうまく展開されていない。それは、“有益な環境側面”をうまく抽出する仕組みがないからである」だとか、「多くの企業で行っている環境側面の抽出は、有害なものしか抽出できない仕組みになってしまっている」などと主張して、「おお、なるほどその通りだ。これではイカン。ぜひこの先生に相談してみよう」と巧みに誘導する。
あわてて電話をする前にちょっと考えた方がいい。
「“有益な環境側面”をうまく抽出する仕組みがない」のは、その必要がないからではないのか?
「有害なものしか抽出できない仕組み」のいったいどこが悪いのか?
そもそも「環境目的・目標のネタ」がないのは、困ったことなのか?
汚染の予防や環境負荷の改善が進んで「ネタ」がなくなることは、喜ぶべきことではあっても悩むことではない。これらがみな日常管理に移行して、大きな経営資源を投じてまで解決しなければならない課題をなくしてしまうことがEMSの活動の使命であろう。
目的のための目的を作り出すのは、愚かである。“有益な環境側面”などという幻想に惑わされてはいけない。

ぶらっくたいがぁ様 いつもご指導ありがとうございます。
「エアコンのインバータ化は“有益な環境側面”である」という論は私も読みました。あれを不思議に思わない人は不思議ですね!
じゃあ、エアコンをすべてインバータ化したら有益な環境側面はなくなってしまうのか?
それともインバータ化ではなくインバータが有益な側面なのでしょうか?
高齢化社会とは65歳以上が全人口の7%以上をいい、高齢社会とは14%以上を言うそうです。とするとインバータエアコンが7%を超えればインバータ化とは言わないのでしょうか? 謎は謎を呼びます。
将来、エネルギーが枯渇すれば部屋の空調をしようということさえ倫理的あるいは法的に悪となるかもしれませんが、その時も有益な環境側面なのでしょうか?
いえそこまで極論しなくても、インバータエアコンよりもっと効率のいいヒートポンプが出現すると、一夜にして有益な側面から有害な側面に格下げされるのでしょうか?
それとも永遠にインバータエアコンは有益な環境側面なのでしょうか?
うーん、田舎者の私には理解できません。

不思議なことがあります。
インターネットで英語で「positive environmental aspect」と検索すると、ザクザクとはいいませんが、10個くらい見つかります。その語っていることは日本語の有益な環境側面と同じで、「リサイクル」「汚染の防止」「植林」なんてことをあげています。
ウェブサイトの管理人は日本人じゃないので、有益な環境側面という発想あるいは言い回しは国際的なものなのでしょうか?

ところでたいがぁ様、ISO14001には「功罪」があると言いながら、「功」についてはお書きになっていないのですが?


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(08.08.30)
その語っていることは日本語の有益な環境側面と同じで、「リサイクル」「汚染の防止」「植林」なんてことをあげています。

リサイクルと汚染の防止については、先にも書いたとおり朝三暮四の類なので、もはや言うことはありません。
植林については、これはオモシロイ見解があります。
インターネットで見たのですが、製紙メーカーが行う植林は原料再生・確保の一環なので“有益な環境側面”にはあたらないが、一般企業が行う場合は“有益な環境側面”であるというのです。
はて、面妖な。自然科学的観点から見れば、誰が植えた樹木であろうが太陽を浴びれば光合成によって二酸化炭素を吸収して酸素を放出します。
いったいどこに違いがあるというのでしょうか。地球規模にも及ぶ環境問題が、誰が植えたとかそんなチンケなことに左右されるとも思えません。
それと、そもそも植林するだけでは片手おちです。
カーボンニュートラルの考え方からすれば、朽ち果てようとする木々は微生物の分解によって二酸化炭素の放出源となるわけですから、腐敗が始まる前に回収しなければなりません。
ところが植林活動を行ったという報道はあっても、倒木を回収してまわったなどという報道は見たことも聞いたこともありません。
成長過程の木々は、夜間は逆に酸素を吸収して二酸化炭素を放出するのですから、どっちを優先するかを考えれば朽ち果てようとする木々を腐敗から守る(=二酸化炭素の大気放出を防止する)方が得策というものです。

ISO14001の「功」については、、、あれれ? 何かあったっけ?

ぶらっくたいがぁ様 いつもご指導ありがとうございます。
複数の人間が理解できないということは、理論が非常に難しく天才だけが理解できて凡人には無理ということなのでしょうか?
あるいは単なるナンセンスということでしょうか?
ISO-TC委員に聞いてみるのが一番でしょう。
植林のことですが、ひとつ参考事例をあげます。
工場立地法という一般企業にとってはかなり厳しい法律があります。厳しいというのは都会に所在する工場ではこの法律で定める緑化率を完全に守ることはかなりきつく、「古くからある工場は緑化率が低くても良い」という特例措置を頼りにしているところが多いのです。
そしてこの法律では雑草が生えていたり、立木があるだけでは緑地とみなされません。良く手入れされていないと緑地ではないのです。
それを考えると、今植林活動がおおはやりですが、単に木を植えるだけでなく、手入れして、伐採して、そしてまた木を植えるという森のライフサイクルをしっかりと守ってほしいですね

ISO14001の「功」のひとつを提案します。
本来なら肩叩きされ会社を去っているはずの人たちに、禄を与えてきたこと
おっと、審査員だけではありません。ISO事務局とかコンサルとかをしている人たちも含みます。
それにISOのために、たくさんの文書を作り、情報交換も発生したことでしょうから、製紙会社、郵便、宅配便の事業発展への貢献、そして使われた紙はごみになったでしょうからリサイクル業者にも貢献したでしょう。


しょうちゃん様からお便りを頂きました(08.08.30)
おばQ様、お世話になります。しょうちゃんです。
そもそも「有益な環境側面」とはいったい何なのか?
私も前々から不思議に思っておりました。面白そうなので参加させてください。

ぶらっくたいがー様:
あるコンサルは「エアコンのインバータ化は“有益な環境側面”である」という。
通常のエアコンに比べてインバータ型エアコンは省エネになるからというのがその理由である。


このコンサルやこの説を支持する方々は、とても頭が良いのだと思います。
頭の悪い私は、そもそも「エアコンのインバータ化」は環境側面か?という所でつまずきました。(T_T)
環境側面とは
「環境と相互に作用する可能性のある、組織の活動又は製品又はサービスの要素」
であるからして、・・・う〜ん、環境側面と言えなくもないですね。

でも「エアコンのインバータ化」は環境側面だというのは、私には結論ありきにしか思えません。ましてやそれの環境影響を考える前に有害なのか有益なのかすら判断できません。

ぶらっくたいがー様も仰っておられますが、「事業所の空調における電力の使用」を環境側面とし、それを改善する活動施策として「エアコンのインバータ化」が候補に挙げられ、検討し、その結果としてメリットがありそうだから実施するというのが私の頭レベルでのロジックです。

とりあえず納得はできませんが、”「エアコンのインバータ化」は環境側面”ということにしてみましょう。

では、何故
「エアコンのインバータ化」は”有益な”環境側面なのでしょうか。
この説を唱える方々は、きっと一瞬にして、あらゆる側面において、環境に対するあらゆる変化を悟る能力をお持ちなのでしょう。

そんな能力の無い私には、いくつかの疑問が沸いて来ます。
  1. 「エアコンのインバータ化」によって「事業所の空調における電力の使用」を減らすことが環境にとって”有益”なのであろうか?
    私には、”有害の緩和”にしか見えないのだが・・・。
  2. インバータエアコン生産・運搬のための資源・エネルギーの使用、
    まだ使用可能な旧タイプのエアコンの廃棄など、使用時の省エネ以外の環境への有害な影響は考慮しているのであろうか?
投資の原則、「費用対効果」のように、2の犠牲を払って1のメリットを享受するには、どのくらいの期間が必要かも考えているのでしょうね、きっと。
そもそも2を考えると、「廃棄物の発生」と「電力使用の削減」はどちらがどの位環境にとって重要なのかを定量的に比較する必要があるのだが(重さと長さを比較するようなもの)、それもクリアしてるんですね、きっと。

あらゆる
・環境側面
・環境影響(有害、有益を問わず)
・改善のための施策とその効果
を一瞬にして把握できる人のみが「有益な環境側面」を語ることが出来るのでしょう。
凡人の私には絶対出来ません。

しょうちゃん様 毎度ありがとうございます。
環境側面といいますと私はアクティブな活動というよりスタティックな窓というイメージを持っています。
もちろん出入りするのは環境影響です。環境影響には良い影響も悪い影響もあるでしょうが、同じ窓から出入りすると考えています。そうしますとしょうちゃん様と同様に、良い窓も悪い窓もなく、良い環境側面も悪い環境側面もないのではないかなあと思います。
エアコンのインバータ化を良い環境側面と語る人がいれば「団扇に比べてインバータエアコンは悪い側面ですか?」と聞いてみることにしましょう。

名古屋鶏様からお便りを頂きました(08.08.30)
佐為様、名古屋鶏です。先日はどうも有難うございましたw

さて、今日は別件なのですが(でもないか)。
以前に知り合いの事務局が「毎回、毎回、審査員が”有益な側面を抽出していない”と煩いのだが」とこぼすので、「んじゃあ、審査員に”あなた方の言われる有益な側面とは、何を以って有益と定義するのですか?”と聞いてみたら」と助言しましたところ、審査員からは何も回答が返ってこなかっただけでなく、その年の審査では有益”有”の字も出てこなかったそうですw

結局、彼等自身にもよく分ってないんですね。
そんな都市伝説みたいもので審査されると、組織側が混乱して堪らないんですが・・

名古屋鶏様! 絶句!
へえ〜、ご自身が知らないのを審査していたのですか、そりゃすごい。
しかしそのときの審査員の顔を見たかったですね!
私も以前「これはUKASが言っていることです」といった審査員に「UKASに聞いたらそんなことはないと言ってましたよ」と言ったときの顔を覚えています。
事務局冥利に尽きると言いましょうか 


ふっくん様からお便りを頂きました(08.09.01)
カーボンニュートラルとは
ぶらっくたいがぁさまのご意見。ごもっともではございますが、木が枯れて微生物が分解後二酸化炭素を出すのは太古の昔からの慣わしでございます。それは木に限らず、地球上の殆ど全ての生物(私たちも含めて)が炭素でできている生き物である以上変わりはありますまい。
広い宇宙には珪素(岩石?)でできている生物もいるかもしれませんが・・・
環境保護を叫ぶ彼らの言うカーボンニュートラルは好意的に解釈すれば人類が作り出した燃料機関・生活物品等から排出される二酸化炭素を減らそう(というかなくそう???)ということではないでしょうか?でも、これは相当の覚悟を意味することは、本ホームページでも書かれている通りです。
それとも全く二酸化炭素をなくそうということなのでしょうか?もし後者であるならば、あな恐ろしき・・・地球上に住む全ての生物の絶滅を意味します。
余りに極論を論じて環境保護を叫ぶのは、微力ながら環境保全の仕事をしてきた私から見たら変な集団にしか思えません。
私が変なのかもしれませんが、それほど皆がカーボンにこだわる理由が今ひとつピンときません。生活を慎ましやかにすれば良いだけの話だと思います。・・・やはり変なのかな?

ふっくん様 お便りありがとうございます。
カーボンニュートラルの定義は人により時により異なり、まあわけがわからないということでおいておいて
ぶらっくたいがぁ様の意図はそんなのねーよというだけと推察します。
まあ、明日になるとたいがぁさんからご意見が来ることでしょう
あまり朽ちるとか腐敗すると二酸化炭素がというと楽しみがなくなります。
地球上のすべての生物の絶滅と言っても、もともと大気中の酸素は生物が作り出したものですし、サンゴ礁は生物による二酸化炭素の固定化ですし、まあ堅いことなしで行きましょう


ぶらっくたいがぁ様からふっくん様としょうちゃん様にご返答を頂きました(08.09.02)
ふっくん様
ご指摘ありがとうございます。
読み返してみると、カーボンニュートラルという文言よりも、カーボンオフセットの方が適切かもしれませんね。
要するに、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素がせっかく「木」という形で炭素として固定化されているのですから、二酸化炭素の削減が本当に地球のためになるのであれば、二酸化炭素に戻るのを阻止する活動があってもいいのではあるまいかという突っ込み的な意見であります。
なお、植林の話は“有益な環境側面”の引き合いとして出しただけで、私自身は、人類起源による二酸化炭素の排出が地球温暖化の主原因であるという通説は、まったく信じておりません。
だいたい、環境問題というものは、原油の消費を抑制するためにレジ袋を削減しようなどというアホな運動が大真面目に行われるぐらい宗教がかったインチキくさいものですから、触らぬ神にタタリなし、自分の会社が儲かる程度の細々とした活動ぐらいがちょうどよいというものです。
あ、そうか。大手スーパーもそうしているだけか。(#^.^#)
しょうちゃん様
私の主張を要約すると、いわゆる「カミ・ゴミ・デンキ」に行き詰ってしまって環境目的・目標のネタがなくて困る、というのがそもそもヘンな話で、ネタがないならないでいいじゃないか。それをムリに“有益な環境側面”だの“本業への落とし込み”だのと大上段に構えることはないんじゃあるまいか。
というものです。
日本語的にみて、インバータ化という「アクション」が環境側面というのはオカシイとは私も思いますが、まあこの場合それはどっちが正解でもかまいません。
ちなみに、ウチのマニュアルには「環境側面」という文言は登場しません。皆が混乱するので、こんなややこしい言葉はやめました。

ところで、「品質側面」という言葉は何でないんでしょうかね?
(#^.^#)

ぶらっくたいがぁ様 毎度ありがとうございます。
横から口をはさんですみませんが、植林は有益な側面の代表ですから、真にそれが有益かを論じるのも有益かと・・

ところで品質側面には私が一度回答しましたが、信用できませんか?


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(08.09.03)
うお、そうでしたね。すっかり忘れておりました。すみません。
私、もしかしてこんな調子で同じことばっかり繰り返し言っているのかもしれません。
アホにつける薬なし。

たいがぁ様 毎度ありがとうございます。
別件ですが、英語で「positive environmental aspect」で出てくるのは半数が末尾が「jp」でした。残りの半数にはUKASとかその他の大企業もあります。
しかし私のつたない英語で読むと、ISO14001の定義の有益な環境側面ではなく、どうも一般語としての「環境に係る積極的な側面」のような気がします。
英語力のある方、ぜひご教示願います。

ふっくん様からお便りを頂きました
(08.09.02)ブラックタイガーさま
私の拙文に、お返事ありがとうございます。
そのとおりですね。もう環境保護はここまで行くと宗教の域かもしれません。クルマの窓からごみを捨てたり、高級車や大画面テレビを見ながら「○○をやっていれば、自分は地球にいいことしている・・・」なんて考える人がいると私のような貧乏人は虫唾が走ります。
まぁ、それはおいときましょう。暗くなるだけですからそれは管理人の意図にも反します。
以下は世間がどうしてカーボンにこだわるのか不思議に思うの理由です。
地球に全く二酸化炭素がなくなった場合、地球の夜の温度は平均でマイナス20度程度になるだろうと考えられています。また火星に人類移住の計画が大真面目に考えられていますが、もちろん火星の温度は地球よりはるかに低いので暖かくするために大量の二酸化炭素を出そうと計画されているらしいです。
物事には相補性があります。一方を否定すれば、他方も成立し得ない相互依存の関係性を抜きにして環境問題始めとして物事は語れないと思います。もちろん私も個人レベルで出来るだけ二酸化炭素をこれ以上増やすまいと慎ましやかな生活をしていますが、必要であればレジ袋ももらいますし、車だって乗り回します。

なんて、堅物みたいなこと書きましたけど私もアホの一員。夜空の星を見ながら、今日も一日楽しくすんだなぁと思っています。
また変な文章になりましたがこれからもよろしくご指導願います。
(2008.09.03)ちょっと反省
昨日の投稿はちょっと書きすぎた面があるかもしれません。CO2がなくなったときの弊害を書いてはみましたが、全くCO2がなくなることは誰も想定はしてますまい。まぁ行き過ぎた(勘違いした)環境保全をやめて、私たちが今は悪者と考えているものも100%悪者ではないのですよ、物事には表と裏があるのだと言いたかっただけです。ちと反省。
昔工場跡地などの土壌浄化をしていて色んな有害物質に汚染された土を見ながら、重金属たちも日本の産業を支えたものの今となっては(一般人には)嫌われ者かと無常を感じました。鉛しかり、PCBしかり、ほか諸々・・・。仕事柄よく汚染土壌の重金属等の弊害を聞かれるのですが、相手の話を聞いてビックリすることもよくあります。これもマスコミの汚染に対する異常なまでの報道姿勢の賜物なのかなぁと妙に感心します。しかしその反面その重金属の恩恵を受けているのも我々だということは今となっては誰も何も言いませんからね。せいぜいレアメタルくらいでしょう。
ま、物事には表と裏、正と悪、本音と建前・・・色々あるということですね。

ふっくん様 毎度ありがとうございます。
環境問題と言っても多種多様です。仮に車の窓からゴミを捨てようが、たばこをスパスパしようと、大局的な観点で地球環境保護に努めているかもしれません。
他方、分別回収、マイ箸などに努めていても、プリウスはガソリンを食わないと必要もないドライブをしているかもしれません。
まあ、いろいろあらあなということで・・・
たいがぁさんからまたご返事が来るでしょう。


ぶらっくたいがぁ様からお便りを頂きました(08.09.04)
ふっくん様
愚考しますに、「世間がカーボンにこだわる」というよりも、二酸化炭素をビジネスとして担いでいる人たちにうまく踊らされているというのが実際のところではないでしょうか。
例えば原発は、「発電段階では」二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーですと盛んにアピールされています。でも、その膨大な廃熱で海水を直接加熱する方がよっぽど地球温暖化に追い討ちをかけているであろうこと、原発の解体技術が未だ確立されていないために、廃炉後も火力や他の原発のエネルギーなどを使って何十年も炉心を冷やし続けなければならないことなどについては、なぜかほとんど触れられません。
LCAで見れば(それが作為のない正当な評価であれば)環境負荷は極めて大きいことは明白なわけですが、二酸化炭素を直接排出しないことだけがアピールされています。
それが論じられることが、都合の悪い人が多いということでしょう。
一方、世間一般の認識はどうなのか。
私は、社員教育のときには受講者に次のような質問をすることにしています。
「産業革命以降、この約200年間で大気中の二酸化炭素の濃度は何%ぐらいに上昇したでしょうか?」
「うーん。8%ぐらいかな?」なんて答えが大半で、中には「約20%」なんて答える人もいます。パーセントレベルではなく、PPMレベルだということを説明すると一様に驚きます。
世間一般の人の認識はこんなものです。騙そうと思えばそれはたやすいことでしょう。(貶めているのではありませんので、念のため)
“有益な環境側面”と同様に、カーボンも飯のタネ。そう考えれば全て合点がゆきます。

ぶらっくたいがぁ様 毎度ありがとうございます。
京都議定書、原発再開、CDM、ホットエア、天候デリバティブ・・・みーんなお金儲けのようです。
ハイブリッド車がいいと語る某大学教授も、リサイクルを良いという先生も、リサイクルを悪いという先生もミーンナどこかの利権とつながっているとしか私には思えません。
天候デリバティブは保険かもしれませんが・・
審査員が思いつきで語っている程度は微罪かもしれません。
企業のISO担当者にしてみれば、そのようなことを言う審査員は、池のカエル(事務局)に遊びで石を投げているようにも思えますが


ふっくん様からお便りを頂きました(08.09.04)
ありがとうございました ぶらっくたいがぁ様
色々とご教授ありがとうございました。
飯のタネですか・・・。確かにそうですね。
まぁ・・・私も管理人さんがいうISO14001の「功」を受けたものですが、人間お飯が食べれなくなると困りますからね。天下りも大学の先生が定年退官後に私立に流れるのも全ては生活のためということですし。
ま、環境問題とはそういうものだと考えて、でも微力ながら生きていこうと改めて思いました。
これからもよろしくお願いいたします

ふっくん様 毎度ありがとうございます。
一言だけ・・・
「微力ながら生きていこうかと・・」
オイオイ、そんな謙遜せずに、堂々と生きていきましょう。
間違ったことを本に書いてお金儲けをしている人とか、おかしな審査をしてお足をいただいている審査員とか、うその指導をしているコン猿もいるのですから、私たちが小さくなっていることはありません。


名古屋鶏様からお便りを頂きました(08.09.07)
佐為様、お世話になります。
以前に、審査の席で審査員から「環境目的は著しい環境側面から選んでいますか?」と聞かれたので「え?どうしてですか?」と聞き返した処、「規格には”著しい環境側面を考慮せよ”と書いてありますから」と言われた事があります。
規格の解釈云々とかの問題は兎も角としても、そういう理屈の立て方で相手が納得すると思っているのか?と私は疑問に思うんですよ。

「規格の文章には○○と書いてあります。その意図する内容はこうです。何故ならマネジメントシステムとは「仕事の仕組み」であり、仕事というものは普通○○するものでしょう?」
と、相互の共通認識を例にとって言われるのであれば、納得のしようもあると思うですが・・
「規格の文章には○○と書いてあります。解釈はこうです。何故なら規格の文章に○○とあるからです」
と言われても、「元に戻っただけじゃん」という話なんですよ。

自分自身がどう解釈しようがそれは勝手ですが、相手を納得させようと思ったら客観的な証拠が必要だと、私は思います。

名古屋鶏様 毎度ありがとうございます。
いろいろな見方があります。
企業が大枚を払って自社のマネジメントシステムを検証してもらおうとしている立場からすると、規格の理解も定かでないおかしなことを語る審査員はお引き取り願いたいところでしょう。
それは商取引、サービス業としての最低限を満たしていないわけで、そう言われても当然ですね。
しかし審査員個人の立場から見た場合どうでしょうか?
企業にいて、肩叩きとかリストラかで審査員になってしまったという方もいるわけで、そういう人が審査員の5日間研修とか多少のOJTを受けたにしろ、環境法規制を知りつくしているわけではなく、環境施設も知らず、環境側面なんて本で読んだだけというケースもあるのではないでしょうか?
「おれには無理じゃあ、いったいどうせいっちゅうんじゃあ!」と内心思っているかもしれません。
何を言いたいかというと、審査員にあまり過大な要求をするのは間違いかもしれません。せいぜい、礼儀正しく人の話を聞き、大人の判断ができることを求めるくらいが関の山かもしれませんよ
私の立場で言えば、環境法規制を知っていてISO規格を知っていて環境施設も知っているけど、礼儀正しく人の話を聞くことも大人の判断もできませんので審査員には向いておりません。


将央様からお便りを頂きました(08.11.11)
有益な環境側面
はじめまして、会社でISOの9001と14001同時取得に取り組んでいます。造園・土木工事業で、社員数は9人(経営層含む)です。今年の7月にキックオフし10月1次審査を終え、11月17日より2次審査を控えております。
1次審査の指摘事項で有益な環境として・・認識されるとよいでしょう(OFI)と指摘されました。「有益な環境側面はない」なんとなく解るのですが、審査員を説得する自信がありません。
「A3.1有害か有益かを問わず・・環境側面から生じる、環境に対する影響を・・」この2行が引っ掛かっています。コンサル代をケッチタためか、コンサルに聞いても解りません。お願いします。文字数を削減するため・・・が多くなりました。直メールをよろしければお教えください。

将央様 お便りありがとうございます。
説得するも何も、考えることはありません。
不適合とするには、証拠と根拠が必要です。どちらか、あるいはどちらもなければ不適合とすることはできません。
だって、不適合とは適合していないことですから「何に」適合していないかをはっきりさせなければ不適合ではありません。これは審査の規格ISO19011で定めています。
つまり不適合とは「規格○では△することと定めているが、△ではなく□であるので不適合です」と書かないと不適合とすることはできません。
有益な側面を決めていないことを不適合とするには、「規格4.3.2では組織は有害な側面だけでなく有益な側面を決定すると要求しているが、著しい環境側面登録表には有害な側面だけしかなく、有益な側面が記載されていない」と書かないと不適合ではありません。
知る限りISO14001には有益な側面という言葉そのものがありませんので、不適合にはなりません。実を言いまして私はISO-TC委員に直接お会いして有益な側面がないことを確認していますから間違いありません。
もし、審査員と議論になったらこのウェブに書いてあることをお見せしていただいても構いません。必要ならため池でもクイーンズタワーでも丸の内でもご同行しましょう。私もそのようなことを語る審査員のお顔を拝見したいと思います。
審査で不適合を出されたからなんて必要ないことをすることは、ISOを貶め崩壊に突き進むだけですから、おかしなことはおかしいと言いましょう。
審査員が納得しないなら、認証機関の幹部・取締役に問い合わせる、それでおかしければJABに問い合わせるといろいろと方法はあります。
ただ「認識されるとよいでしょう」というのは、不適合でなくてアドバイスなのでしょうか?「すると良いでしょう」というのが不適合とは思えません。それならご意見を承りましたといって何もしないという選択肢もあります。


悩める事務局様からお便りを頂きました(08.12.12)
環境側面の洗い出し
初めて投稿させて頂きます。
私は環境の事務局をしていますが、最近、環境活動に行き詰まり、投稿させて頂きました。
当社では品質と環境の両方の認証を取得しており、環境については8年が経過しています。こちらでも話題にあるように当初は「紙、ゴミ、電気」〜「有益な環境側面」等々、ISOとして話題にあがることは何でもと言っていいぐらい取り込んできました。当然、その度、環境マニュアルを改訂し説明会を開き、多くの時間と労力を費やしてきました。(規格の解釈については複数の人間で検討はしています)
しかしその度「これに何の意味があるのだろう」と考えながらも、規格がそうなっているし、外部監査でもそこをつかれると、と思いながら対応をしてきました。また「著しい環境側面」を特定する為に、積算方式をとっていますが、更に先の「有益な環境側面=日常業務(うちではそう解釈しています)」の出現により、環境側面の洗い出しを各部署がおこなう為、その量が半端ではなく、全社で3000件位の項目が出てきます。これらを同一の項目毎に集約し、更に、得点の高い物を著しいものとし、委員会で検討して、実施計画を策帖w)閧オています。更に、各部署では有益な側面から各部署毎に実施計画を作らせて活動もさせています。こちらのHPをみていると、何か無駄な努力をしている気がしてきました。
そこで本題ですが、?著しい環境側面の特定にはどのような方法がいいのか?環境改善活動には全て部門、全ての人が関わらなければいけないのか(こうしないと監査で困ると考えています)の点です。
コンサル料もはらえませんが、ご教授宜しくお願い致します。

悩める事務局様 お便りありがとうございます。
コンサル料はご心配いりません。私は皆様のご質問をいただいて勉強していると考えております。難しいほどためになるとつくづく思います。
さて、本題ですが、まず著しい環境側面の特定と決定をどうするか?でありますが、肩の力を抜くと光明が見えてきますよ。
まず事務局が3000件もの側面候補を集計したり、決定したりする必要はあるのでしょうか?
環境側面を特定し、著しいのを決定せよというのは要求事項ですが、全社をまとめろとかいう言葉はありません。私だったら面倒臭いのは嫌いですから、各部門で勝手に特定し決定してねというかもしれません。
もちろんその特定する方法、決定する基準はあらかじめ決めておきます。そして内部監査かなにかで規定通りしているかを見ることにしますね。
おっと、環境実施計画というのは各部門で勝手に作成しその部門長が決裁し、進捗は定期的に経営者に報告してねとしてもいいじゃないですか?
事務局は昼寝しててもいいですよ(ほんと)
翻って、著しい環境側面というのは各部門で既に知っていることであるはずです。営業ならお客様のグリーン調達に対応すること、資材なら購買先を(環境に限らず)しっかり管理せにゃならんということなどなど・・
再確認してほしいのですが、環境改善活動というのは著しい環境側面になったからするのではありません。
そんなこととうに分かっているのです。職務を遂行するため、あるいは商売をするためにしなくちゃならないことが著しい環境側面なのです。
だったら特定、決定の手順を数値ではなく、言葉で(論理で)記述しても済みますよね。
そしてこれも事務局なんて知る必要もなく、各部門で著しい環境側面を特定し決定し、必要なら手順書を作り、教育訓練をして、監視測定をして・・あとは適当にしなさいでいいんじゃないですか?
すべての部門の管理者は管理するために存在し、その職務を遂行することによって給料をもらっています。
環境側面を特定し決定してそれを管理すること、及び目的目標を定めて改善活動をすることは管理者の本来業務です。そして目的目標というのは環境のために考えるのではなく、もともとしていることを目的目標だと言えば良いのです。会社は環境のために仕事をしているのではありません。仕事を遂行する上で環境にも配慮しなくてはならないというだけです。
事務局が管理者の仕事を代行したり、とりあげたりしたらいけませんよ


悩める事務局様からお便りを頂きました(08.12.19)
環境活動の取り組み
先日は「環境側面の洗い出しに」対し回答頂きありがとうございます。他のサイトでも質問をさせて頂くことがありましたが、これほど早く丁寧に回答を頂いたことがなく、大変うれしく思います。小生顧客ではありませんが、満足度200%であります。さて、悩みは尽きず更なる質問をさせて下さい。
#「環境改善活動というのは著しい環境側面になったからするのではありません。そんなこととうに分かっているのです。職務を遂行するため、あるいは商売をするためにしなくちゃならないことが著しい環境側面なのです。」…ここはよく理解できます。
難しいのはこの「しなくちゃならないこと」=「環境」とうまく繋がらないことにあります。例えば計算をすると言う業務があったとして、精度向上は品質に繋がりますが、環境には繋がりにくいのです。(無理矢理、工数削減⇒電気削減としてはいます)ここが難しいところです。また、全部門での要求はないのですが、外部監査では部門や部署毎におこなわれます。よって実施計画が各署にないと監査に耐えられないのではないでしょうか(これらの取り組みが監査の為のものではないことも承知しています)
#「目的目標というのは環境のために考えるのではなく、もともとしていることを目的目標だと言えば良いのです。」…ごもっともです。品質目標=環境目標としたいのですが、「それがなぜ環境によいのか」を説明できない点が苦慮しているところです。この点についてどう考えれば良いのかをお教え下さい。宜しくお願い致します。

悩める事務局様 毎度ありがとうございます。
私は会社というのは環境のために存在しているわけではなく、事業をしているわけではないと考えております。誤解なきよう、環境を無視して良いのではありません。トリプルボトムラインといわれますが、企業活動の環境的側面、社会的側面、経済的側面の3つの側面とも大事なのです。
そして実際の会社経営においてはこの三つは分離できず、渾然一体として運営されています。
そうでなければ会社経営は破たんします。
ですからISO14001規格の項番順に物事を考えようとすると元々が無理なのです。
じゃあどうするの?と言われれば、簡単です。
会社の活動全てが環境に関わっていると言えば言えますが、関わっていなくてもよいではありませんか。
当社ではこういった活動をしていますよ、環境マネジメント規格のどれがどれに当てはまるかなんてことを考えたことはありませんが、良く見ていただければ十二分に条件を満たしているはずですと言いきればよいのではないかと考えます。
そのような考え方で審査は大丈夫か?という疑問を持たれるでしょう。そのとおりです。
多くの認証機関は「それではだめ」「監査性がない」というかもしれません。しかしそういう考え方で審査をしている大手の認証機関も実際にあります。
ですから悩める事務局様への回答として
  • そういうスタンスで審査してくれるところを選ぶこと
    前述の認証機関を知りたければお教えしますが、私はその認証機関からお金をいただいているわけではありません。
  • 認証機関とよく話し合って、しっかり審査してよと依頼する。
    審査機関のエライサンが了解しても、末端の審査員がその力量があるかはわかりません。私はトップに説明しても実際の審査員がそれを実行できなかった経験があります。
  • 認証機関に合わせて書類を作り、説明する理屈を作り上げる。
    悲しいことですが、認証機関を選ぶことができなければこれしかありません。
期待されるようなすばらしい解はありません。 世の認証機関とはその程度が多いのです。


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