ケーススタディ 監査事務局7

12.05.27
横山は「脛に傷を持つ女」という設定にしておりましたが、あらかじめ傷の中身までこの私が考えているはずがありません(汗)。
私は脛に傷持つ女 何がよろしいだろうかと書きましたところ、名古屋鶏様と外資社員様からアイデアを賜りました。 本日はお二人のアイデアを参考に駄文をひねります。
おっと本題は環境であり、横山は刺身のつま、そして横山のすねの傷はそのアクセサリーにすぎません。もっとも私の文章では、アクセサリーが本文より長いということも多いのですが。


山田は打ち合わせコーナーの机の上に、書類をたくさん広げて作業中である。人間はやはりパソコンのモニターだけでは考えるのが苦手のように思う。私の想像だが、いろいろな情報を比較したり一瞥したりするという行為には、モニターは不向きではないだろうか。それとも紙の時代が長く、まだ人類がモニターに慣れていないのだろうか? あるいは単にモニターが小さく、そこに表示できる情報が少ないからなのだろうか?

私は前のパソコンの時、アダプターを買ってサブモニターをつないで、ひとつのモニターで文章を書き、他のモニターに参考資料を映して書きものをするというのがパターンだった。 最近買ったパソコンは横長モニターなので、作業中のウィンドウと参考用のウィンドウを横に並べることができて、サブのモニターをつなぐ必要はない。横長というと縦に短いという思い込みがあったが、実際に使ってみると横に長くて結構具合がよろしい。
20年も前、MS-DOSでパソコンを使っていた状況から、Windows3.1になって複数のアプリを立ち上げて、お互いの情報というかデータをカットアンドコピーできるようになった時の感動を覚えている人はいるだろうか。まあ、それに匹敵するほどではないが進歩を感じた。
しかし当時のWindows3.1はしょっちゅうハングアップするのには参った。Windowsがまともに使えたのは唯一XPであり、その後のVistaもWindows7も先祖返りしたようだ。


山田は一区切りつくと立ち上がり給茶機からコーヒーを持ってきた。 ../coffee.gif
資料をかき分けてコーヒーカップの置き場所を作る。以前、同じようなことをしていてコーヒーをこぼしてしまったことがあり、すこしは気を使うようになった。
今、山田がしているのは環境監査結果の前年度報告のまとめである。毎年度、鷽八百グループにおける環境監査結果とその効果などをまとめて役員に報告する。
今までは監査基準が徹底されずISO14001規格などに基づいて行っており、報告内容は曖昧模糊で、あまり役に立つ情報ではなかったと思う。昨年半ばに監査基準の見直しを行ったところであり、今回はまだ全面的に遵法とリスク管理に切り替わったわけではないがそれでもそうとうな改革となり、内容が意味のある役に立つものになったと山田は自負している。
コーヒーを一口飲み、レイアウトと内容の概略を書いたものを眺めた。


横山
横山が給茶機でお茶を注いで茶碗を持って山田のところに来た。
「山田さん、なにして〜んの 
山田
「なにって仕事だよ。毎年環境監査結果をまとめて関係部門に報告するんだよ。僕にとっては、初めてだけど、まあ誰にでも初めてってのはあるものさ」
横山
「初めての仕事ってのは、要領がわからないので大変ですけど面白いですね。私にとって環境報告書の編集というのは初めてでしたけど、おもしろかったです。二回目はもうルーチンになってしまうのでしょうね。考えなくても仕事が進むようになることは残念だと思います」
山田
「横山さんも中野さんも、環境報告書でここひと月残業続きでしたね。お疲れ様でした」
横山
「残業をしても面白いとかやりがいがあれば疲れませんよ。今までいた職場では、残業というのは命令されてしても自発的にしても、楽しいとかやりたいとおもって仕事したことってありませんでしたね。ここでは仕事そのものがおもしろいし、プロジェクト、いやルーチン業務でも全体の中で自分が担当している部分がどのような意味があるかを認識していれば、単なる労働ではなくやりがいのある仕事と思えます」
横山にしては珍しくまじめな言い方だ。
山田
「じゃあ、環境保護部に異動してよかったですね。僕も営業では腐ってましたからね・・」
横山
「まあ! 山田さんにも腐るなんてことがあるの? 山田さんは同期の中で一番早く部長級になられたんでしょう?」
山田
3年前の僕を見たら今のぼくを想像できませんよ。ほんとのことだけど、営業にいて同期がみな課長になっていくのに、僕だけが課長になれない。そんなわけで嫌気がさして異動を希望したというのが真相です」
横山
「まあ! 本当? 山田さんの場合は昇進かあ〜」
山田
「僕の場合は昇進かとはどういう意味だい?」
横山
「環境保護部に異動してきた理由よ、私の場合はフリン」
山田
「フリンって、横山さんが不倫してたの? それで居ずらくなったとか?」
横山
「山田さん冗談よ、私の場合は先ほど言ったように残業の問題があったのよ」
山田
「サービス残業させられたとか・・」
横山
「私だってウブなネンネじゃありませんよ。世の中杓子定規に動いているわけじゃないってことは知ってます。個人レベルとか小規模なことではなく、埼玉支社はあまりにもひどい時間外管理だったのね、山田さん、公益通報制度ってご存知でしょう?
当社にもあの法律に基づいて社内の通報受付制度ができて、私はそれに駆け込んだわけ。総合職っていっても男性ほど会社お大事という思いはないし、義憤もあったのよね」

山田
山田がなんとか相槌を入れなければならない雰囲気だ。
「もしかして、それがもとで上司にいじめられたとか?」
横山
「さすがにそんなことはなかったけど、やはり誰が密告したかはわかったんでしょ。時間外の取り扱いについて本社人事の査察が入ってからみなさんよそよそしくなったのよね。それも上司だけでなく、今までお金にならない残業で疲れ果てていて、私の通報によって恩恵を受けた人たちからも」
山田
「なるほど、それで居ずらくなったと・・・」
横山
「山田さんて、本当に第六感が働かないのね。私はそんなか弱い女じゃありません。私は自分が怖くなったの。実をいって私は埼玉支社のほとんどすべてを把握してました。時間外管理がデタラメということだけじゃなく、勤怠の不正申告とか、誰と誰が不倫しているとか、部門費をごまかしているとか、交際費の不正とか、私が知っているのは印紙税法だけじゃないの。
そのときは私の頭が爆発しそうで、みんなばらしちゃうぞって感じだったわ」
山田
「はあー、そうなんですか」
第六感が働かないと言われると、どう相槌を打てばよいのか・・・
横山
「誰に相談してよいか悩んだけど、結局高松支社長に相談したの」
山田
「支社長は信頼できたのですか?」
横山
「高松支社長は昨年異動してきたばかりでそれ以前の諸悪にからんでいないだろうということと、いつも支社長室のドアをあけておいて誰でも相談に来て良いと公言していたし、他に頼る人もいなかったのね」
山田
「なるほど」
横山
「高松支社長は私の話を全部聞いてくれて、最終的には私の気持ちの問題だから、ここにいたいのか、異動したいのかと聞いてきたの」
山田
「それで異動を希望したの?」
横山
「何がしたいかと聞かれたので、私もミーハーでしょ、CSRか環境がいいというと、支社長はその場で廣井さんに電話して一人引き取ってくれと言ってその場で決まりよ。後で知ったのだけど高松さんと廣井さんは同期で親しいんだって」
山田
「それで横山さんは今ハッピーなの?」
横山
「モチロン、私自身あのときは精神状態が異常だったと思う。ここは人の秘密や不正を知って悶々とすることもないし」
山田
「好奇心で聞くんだけど、横山さんは職場の不倫関係とか使い込みなんてどのようにして知ったの?」
横山
「私が第六感とか憶測で発言しないことをご存じでしょ。総務というお仕事をしているとわかっちゃうんです。今はセキュリティの問題から電子メール、書類の持ち出しや廃棄、入退場などを管理というか把握して記録が残ります。ひとつの情報ではおかしなことがなくても、複数の情報を重ね合わせると・・わかりますよね。
総務の課長や部長も気が付くはずだけど、一定レベルまでなら容認していたのか、あるいはつるんでいたのかは、私はわからない」
山田
「わかります。僕も注意しなければなりませんね」
横山
「山田さんはそんな悪事はしてないですよ。せいぜい先月仕事と関係ないISOコンサルタントと食事した費用を交際費で処理したことくらいでしょ。それと先日の監査員の連絡会の食事の会議費請求書の単価と人数が実際と違いました。今は管理職ですけど、3月以前のフレックスの申告が実際の勤務時間とだいぶ違ってましたよ。それから・・」

山田
山田はギョットした。
「待ってください。いやあ、あのうですね、コンサルの件は将来当社のEMS改善に当たって依頼することもあるかもしれないと思ってのことです。
先日の食事については参加者が急に2名減りまして、請求書の金額を合わせてもらったのです。フレックスについては・・」
横山
「山田さんを責めているわけではないです。特別に秘密を探ろうとしなくても、日常目に入ることだけでも考え合わせると不整合が見つかるということを言いたいだけです。
もちろん出張旅費などをごまかした場合、金額が100円でも10万円でも処分は変わりません。ルール違反をしないようにしなければなりませんよ」
山田
「わかりました。今後規則遵守に努めます。横山さんはそのようなことは一切ないのですか?」
横山
「正直に言ってありませんね。潔癖というのではなく体にルールがしみ込んでいるのです。でも単なる保守とは違い、不適切なルールは改めるべきという考えですから革新的だと思っています。
陰口、噂話が大好きって人が多いですよね。しかし私は陰口を言いません。私は事実であれば堂々と言いました。それが私の性格なんでしょ。だから不正を見ると黙っていられないのです。そんなわけで私は山田さんがしている監査というお仕事に興味があるのですよ」
山田
「ほう、私はそのような正義感ではなく、仕事と思って環境監査をしているだけです。
しかし先ほどの横山さんの『ひとつの情報ではおかしなことがなくても、複数の情報を重ね合わせるとおかしなことがが見える』というのは、まさに監査の極意ですね。私もそう思っています。しかし日常見聞きする情報から不倫や使い込みを見つけるほどの力量はありません。横山さんに比べて未熟なのか、才能がないのでしょう」
横山
「山田さん、監査をしているといろいろと不具合、法に反することとか見つけると思いますが、そのときどんなことを考えるのですか?」
山田
「どんなことと言われても、その意味するところが多様ですね。
違反があってそれを文書にすれば社内で認知していたことになります。だからそれ以降は速やかに適切な処置をしなければなりません。さもないと会社ぐるみの問題とみなされます。だから見たことをすべて記録に残すのが良いのかという問題もあります。
とはいえ見逃せば、監査で見ていたのか、監査が機能しているのかという問題になります。いや、言われなくても監査担当としては責任を感じます。
監査を受ける側を考えると、不具合を起こした、あるいは看過した担当者、特に課長クラスにとっては職務怠慢とか能力不足のわけです。もちろん投資がされていない、人がいない、開発や製造などの上流で対策を講じないで環境部門にしわ寄せされたなど、ないないづくしということによる問題もありますが、最終的には環境部門の課長が責任を取ることになります。そして場合によっては刑事事件になることもあり、そりゃ大変です。
横山さんの『そのときどんなことを考えているの?』という質問に対しては、いろいろ考えるわけですが、結論はやはり事実を報告するということに徹するしかありません」
横山
「深刻というか重大な問題もあるのでしょう?」
山田
「正直なことを言いまして、軽微な法違反はありますね。但し、私の知る限り、悪意とか個人的利益のためにしたようなことはありません」
横山
「当社にも違反があるとのことですが、レベルとして他の会社に比べて良いのですか? 悪いのでしょうか?」
山田
「私がこの仕事を担当して1年足らずなので、断定的なことは言えません。
日本で環境犯罪と言われるものは統計上年1万件あります。鷽八百グループの全従業員は8,000人くらいですか。日本の労働人口は6200万ですから、概算で8000分の1とすると、単純計算で警察沙汰になる事件が年に1.2件あって平均ということでしょう。
また事故などで公共河川に有害物質や油が流れ出る水質事故は、毎年1300件くらいあります。比率から類推すれば当社グループで10年間に1.6件発生すれば日本の平均となりますね。私が調べたところ実際には警察沙汰になったことは過去10年間ありませんし、水質事故は過去10年間に1回発生しただけです。だから平均よりは良いのではないでしょうか」
横山
「それは当社の場合、世間より遵法意識が徹底されているからと理解してよいのでしょうか?」
山田
「そもそも環境犯罪で個人の利益を得ることは難しい。環境犯罪で利益を得るのは産業廃棄物処理業者なら可能でしょうけど、企業に勤めていては犯罪を犯しても個人が利益を得るなんてできません。例えば廃棄物で担当者が業者と結託したとしましょう。でも部品や材料購入に比べて金額が二桁小さいですから、業者選定で手心を加えても、業者が出せるお金は部品に比べて二桁少ないのでは悪事をする気が起きません。だから企業の環境犯罪というものは、個人の利益目的ではなく企業の費用を減らそうとするものがほとんどです。
結局、環境に関わる犯罪の多くは、会社のために行って、割を食うのは担当者という構図ではないのでしょうか」
横山
「以前、千葉の製鉄会社で法規制を満たさない廃液を流していた事件がありましたね。あのときは担当者が悪いということだったと思いますが」
山田
「僕も新聞を読んだ程度しか知らないけど・・あの事件でも担当者が利益を得ていたわけではない。結局、設備も十分でなく方法もなく、板挟みになった担当者がそうするしかなかったということと思う。」
横山
「私のように公益通報制度で真実を公表すればいいのに」
山田
「公益通報者保護法は2004年制定で、タイヤも製鉄会社の事件も2002年、いやそんなことには関係なく、一般の人はなかなかそうフン切れないと思いますよ。
ともかく個人の利益とか倫理観ではなく、会社の問題でしょうね。
千葉の製鉄会社では、一人の担当者が長年していて管理者が状況を把握していなかったとありましたが、それはその会社が人に投資しなかったということだろうと思う」
横山
「つまり当社は環境管理の費用をケチっていないから違反が少ないということでしょうか?」
山田
「おっしゃる通り、私はそう考えています。
さっき環境犯罪が年1万件と言いましたが、その9割は廃棄物です。無許可業者に頼んだ、安いところを選んだ、値段を叩いた、その結果不法投棄につながった、あるいは先ほどの話のように自分自身で不法投棄したとして、担当者が儲けるわけではなく、会社が費用削減しただけです。
公害を出しちゃいかん 廃棄物の世間相場を見て、それに応じた予算を確保すればそんな問題は起きません。廃棄物削減に努めることはもちろんですが、現実の廃棄物は処理しなければなりません。
考えてごらんなさい。工場長の異動があったとき、公害防止組織法や水濁法その他の法律に基づく届をサボったとしてどれだけ利益がありますか。なにもありません。手続きが面倒くさいと言えるほどのこともありません。
要するに倫理の問題ではなく、届を怠った根本原因は仕事が忙しいことなどによるわけですよ。それを防止するには仕組みもありますが、やはりそれなりに人を配置することだと思います」
横山
「山田さんのおっしゃるのは、昔ながらの公害防止を対象としているようにとれます。今は環境経営と言われてより広く高度のものが対象となっていると思うのですが・・」
山田
「確かに環境経営なんて言葉もありますが、いったい環境経営ってなんでしょうね?
最近は地球環境問題対策として、いろいろな直接事業と関係ないことまで対象にしているように思います。他の会社の話ですが、ISO教育とか環境教育とか、植林など自然保護をしているとか聞きます。
そんなものをぼくは環境経営とは思いません。環境経営とは、そんなことではなく、公害防止、廃棄物管理、省エネ、安全衛生、製品の環境性能向上といった昔からしていたことをしっかりとすること、そのために「人・物・金」というリソースを確保することだと思います。
ISO14001では経営者の責任として資源を確保しなさいと書いてありますが、ISO認証している会社の何割がそれを確実にしているか、はなはだ疑問ですね」
横山
「山田さんて、私から見てまっとうな人ですね。企業の論理に染まっていないというか、流行に流されないというか、そう言ったら失礼かしら」
山田
「僕は営業の能力がなくて、ここに流れ着いた中年男にすぎませんよ」
横山
「じゃあ私は口が悪くて、ここに流れ着いたアラサーね」
廣井
「おれはそんな連中の処理を請け負っている廃棄物業者だよ」
いつの間にか脇に廣井が立っていて口をはさんだ。
横山と山田はぎょっとして廣井を見上げた。

本日のおことわり
私が今まで働いていた会社では、横山があげたような問題も環境犯罪もないまっとうな会社でした。幸運なことです。

本日の裏話
この駄文を書くに当たりまして、うそと想像では書けませんので、公益通報制度についてパンフレットと公益通報者保護法を読みました。またタイヤを不法投棄した事件や規制基準を満たさない排水の事件のいきさつ、及び環境事故の件数などはネットで調べました。よって所要時間はいつもよりかかり、4時間でした。アホらしいですね 

本日の特別付録
鷽八百社環境保護部のオフィスの見取り図を作りました。物語を読むときのご参考に・・

環境保護部の見取り図


さっそく名古屋鶏様からツッコミが・・・(2012.05.27)
ツマらない茶々をw
怪しげな観葉植物がありましたよね?葉っぱの具合からドラセナの一種とか推察します。だとすると、あまり窓際に置くのは感心しませんね。「緑色」が薄くなってしまいますから、出来るだけ直射日光を避けられた方がよろしいかと存じます(笑)

鶏様 ありがとうございます。
実を言いまして、オフィスレイアウトのテンプレートというのを使いましたが、観葉植物の形がありえないようで・・怪しげと書いたのです。
そうですか、お名前のある植物でしたか。
そういえば、牧野富太郎という学者は「名も無きではない、名も知らぬといいなさい」と言ったとか。
反省いたします。


外資社員様からお便りを頂きました(2012.05.28)
おばQさま 素晴らしい!
「ウブなネンネじゃありませんよ。世の中杓子定規に動いているわけじゃない」しびれるセリフですね。
いやぁ、無理の無い設定と、生々しい雰囲気の会話、小説として読んでも面白いですね。

社内通報制度、鳴物入りで始まりましたが、内部の融和を重視する日本型組織にはあっていないのか上手く機能した話をききませんね。 気の毒なのは、これを信じて通報し報復をもって報われた人々です。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111225/crm11122521130006-n1.htm

考えてみれば、この通報制度は、今に始まったものでもなく、旧軍でも私的制裁は禁じられており、士官が定期的に調査をしていましたが、建前上は何も無い事になっていました。
その一方では、内務班のイジメを書かない軍隊経験記は無いし、イジメが原因(と思われる)自殺で戦艦が爆沈しています。
横山さんは、理解がある上司により転勤、新しい職場で元気に働けてよかったですよ。

アメリカ映画なら、新任の支店長は、じつは前任者や更に上とつるんでいて、事故死に見せかけて殺されたかもしれません...
30年前の中国映画では「造反有理」として部門長になるかもしれませんし、40年前のソビエト映画ならば上司の不正を通報した勇気ある労働英雄になったかもしれません。(笑)

それにしても、総務の実態を活写されております。
私の居た、前の会社でも「庶務さん」を敵に回すなという言葉がありました。
この人達は、職務上 口は堅いですが、実際は 色々な事が判っているのですね。
そして、日々の業務が回っているのも、この人達の力に負う部分が大きいのです。
きっと、審査でも、会議に出てくる立派な人ではなくて、そんな真実を知っている人達を見つけると、まともな組織かは判断できるかもしれません。

外資社員様 毎度ありがとうございます。
現実の経営者であらせられます外資社員様のコメントは重く、その内容に一喜一憂しております。
建前と本音、それが日本のどこにでも蔓延しているように思います。怪我を隠して無災害は続き、時間外を隠して、使い込みも上長ぐるみで隠し、気高い職場、理想の会社があるわけです。ISOのダブルスタンダードもその一例に過ぎないのでしょう。
山本七平ならば、それを日本社会の正常というのではないでしょうか。彼は南米ガイアナ集団自殺のとき「アメリカの異常が噴出した」と書いた新聞を批判して、「アメリカの正常が噴出したもの」と語りました。
日本の様式美、ヤクザの手打ちがシャンシャンと、会議では議論がなく決定され・・あまり関係なかったです。

しかし アメリカ映画なら、新任の支店長は、じつは前任者や更に上とつるんでいて、事故死に見せかけて それってもうミッションインポシブルとかマフィア映画ですよ。
../gun.gif 私は脛に傷持つ女

いくらなんでも、そこまで行ったらうそ八百でしょう。
ところで横山嬢を山田の後釜にしたら森本さんがかわいそうでしょうし、横山の補充もしなければならず・・これからどのように進むのでしょうか??


ケーススタディの目次にもどる