うそ800の書き方

12.10.02
このウェブサイトに「うそ800」というものを書き始めてもう10年以上になる。会社勤めしていた時は毎週1回くらい更新していたが、引退してからは週2回から3回のペースで書いている。
よくもそれほどくだらない考えが浮かんでくるものだと思われるかもしれない。
まあ確かに、くだらない考えであり、駄文であることは間違いない。それは自ら認めているところだ。
しかし何を書こうかと悩んだことは一度もない。会社に勤めていた時は、自分自身が、あるいは知り合いなどから相談を受けたり応援を頼まれてISO審査でチャンチャンバラバラをしていたので、その体験を固有名詞を省いて、こんな問題があったとか、おかしな審査の糾弾、そしてその改善提案などを主張するのに事欠かないというと変だが・・・そんな体験でのフラストレーションを解消し、ガスを抜いて腹ふくれないようにするためにウェブで主張していた。
引退してからはそういったドロドロのバトルはなくなったので、過去に経験した人材育成や環境管理での改善提案などを書いている。そして、環境管理をしっかりすることの重要性を伝えたいとか、自分ができなかったことをなんとか実現してもらいたいという殊勝な気持ちも少しはある。

「うそ800」というくらいだから、思いつくまま、激情のまま、キーを叩いているのだろうと思われるかもしれない。しかし、一旦インターネットにアップすれば世界中の人が見ることができるわけで、一応は妥当性を確認している。デザインレビューとか設計検証と段階を踏んでいるわけではないが、ISO規格に照らして、法律に照らして、そして常識に照らして、問題ないか、間違っていないかは確認する。そりゃ当たり前だ。幸いに今まで細かい間違いのご指摘は多々いただいているが、根本的な間違いについてのご指摘はない。
おっと、誰も見ていないよという声もありそうだ。しかしここにアップしたコンテンツは最低500人はご覧になっているようだ。もっとも新しいページの最下段にカウンタを2つつけているが、どちらも同じ人(IP)は1日1回しかカウントしないようにしている。これをみると平日は200人以上、休日でも50人くらいのアクセスがある。

アイデア
ところで、書くことは事欠かないと言っても、なにかトリガ、きっかけになることがなければ文章は始まらない。大気中の水分が多くても、チリなど水滴のタネになる元がなければ雨は降らない。中国でよく雨を降らすのをやっているが、あれは、雨のタネとしてヨウ化銀を空にまいているわけだ。別に中国が人口降雨の技術が進んでいるわけではなく、アメリカでは半世紀も前からそういうことをして雨を降らす商売がある。
今の日本では人工降雨という話は聞かない。しかし日本が遅れているわけではない。終戦直後には渇水対策のために研究されたそうだ。だがダムの整備により農業用水や飲料水が確保されたことと、発電の主役が水力発電から火力発電に移ったことにより、人工降雨が不要になったという。世の中需要がなければ供給はないのだ。

じゃあ、うそ800のタネはどんなものかというと、普段なにかをしていて頭に浮かぶことから始まる。実を言って最近私は記憶力が低下してきたので、そのへんを歩いていたり電車の中でアイデアがひらめくと、携帯電話から自宅のパソコンにアイデアのキーワードをメールする。そういう種がたくさんある。ひとつのアイデアから一つのコンテンツを書くというわけではもちろんない。いくつかのアイデアを組み合わせることもあり、使えないアイデアももちろんある。
具体的にはどんなものかといえば、
「大昔8ビットパソコンでBASICに凝っていた」とか「ブラインドタッチ」というのがある。これから失われた技術ができあがった。「アイエスオーはもともと必要ではなかったのではないか」という疑問からコモディティができた。「レアアースを使った省エネ機器は環境によいのか」から環境経営のセリフがでた。
もちろん前述したように、アイデアが形になったものよりも、使えなかったもののほうがはるかに多い。

アイデア 情報収集
ではアイデアがひらめけば、あとはキーを叩くだけで、どんどんと文章が湧き出てくるかと言えば、そうではない。いや文章はどんどんと湧き出てくるのだが、それだけじゃしょうがない。
例えば先日の「環境経営とはなんぞや」となれば、思い付きだけでは価値がないからそれに関する本を何冊も読むことになる。もちろん関係する本が都合よく自分の本棚にあるわけではないから、市の図書館や大学の図書館で本を探したり、場合によってはアマゾンで買ったりする。たかがウェブサイトに駄文を書くのにわざわざ何冊も本を買って読むのかと思うでしょうけど、それが私自身の勉強になると思えば軽し傘の雪ではないが、まあ疑問には思わない。それに一度読めばその知識はまた別の機会にも使えるだろう。
また、他の人が同じアイデアを書いていたらつまらない。読む人もつまらないだろうが、書いた方としては書いた甲斐がない。だから先行研究というほどではないが、ネットをさまよって、同じあるいは類似アイデアで書いていないかをチェックすることは必要だ。
同じ本について書くにも、ネットにある書評を見て、以前の人が気付かないことを書くとか、見方を変えるとか、一工夫しないとね、

研究論文の必要条件は三つあるという。
 一つは新規性で、それまで他の人が書いていないこと、
 一つは役に立つこと、一般人の生活に役立たなくても科学の進歩に貢献しないといけない。
 一つは、追試できること、あるいは証拠がなければ価値がない。
まあ、ネットの世界ではそれほど厳密ではないだろうが、たんなる小説を書いているつもりはないから、法律やISO規格をチェックして、間違いがないようにしている。
少なくても、間違いないように努力しているつもりではある。

法律だけでなく施行令や省規則、告示、通知を調べたり読んだりするのは、元からしているので苦にならない。しかし雑誌や論文などの検索や内容を読むのは、ちょっと困難だ。というのは会社や大学などではヨミダス聞蔵などと契約しているので、過去の新聞記事や日経の雑誌の検索ができるが、私個人はそんなものと契約していないので裏を取るのが難しい。ネット検索だけでは不十分だ。
CINIIも良く使うが、これも論文を見つけることはできるものの、原文を読むのは図書館、最悪の場合は国会図書館に行かないと読むことができない。あるいはデータダウンロードが有料のこともある。とはいえ、これは活用している。
ただ最近はISOに関する新しい論文そのものが非常に少なくなっていて、何か面白いものはないかという探しても不作どころか凶作状態です。具体的には2011年1月から2012年8月までにアップされたISO9001の論文は84件、ISO14001に関する論文はたったの26件でありました。

アイデア 情報収集 ストーリー
アイデアがあって、裏付け情報を集めて、では書くかとなりますが、ちょっと待ってください。
ジャガイモ、玉ねぎ、にんじんなどの材料を集めても、カレーを作るか、シチューを作るか、それとも何を作ろうかってこともありますし、料理の仕方では美味しくもなり食べられなくなることもあります。
ケーススタディでは全体のストーリーを考えているわけです。面白い話でもその場限りで前後の関係がつながらないというか、全体のストーリーと矛盾するようでは、作者が分裂症と思われるでしょうし、しかも同志からああせいこうせいと茶々も入りますのでその期待にもこたえねばならない・・・いや、大変なんでございます。(林家三平調)
それにしてはいつも不味いものばかりだなんて声が聞こえたような気がする。。

きっかけ、裏付け情報、ストーリーがそろっても、まだ足りません。それは文章力でしょう。
私が働いていた時、上長が私の監査報告書などを見て「君は文才がないね」といいました。正直で有能な上司でしたから、それは間違いないことでしょう。文才がない人が書くのを駄文と言います。文章力のない人が、人間の心理を表す小説とか、架空の指輪とか勇士のファンタジーを書いても、だれも一顧だにしないでしょう。そのために単なるお話ではなく法規制とかISOの解釈などをちとちりばめまして、少しは教訓という調味料も振り掛けて、文才のないところをカバーするという工夫を凝らさないとなりません。
いやはや、うそ800を書くのは、うそとねつ造を書けば済むという中国や韓国あるいは朝卑新聞のように簡単にはいかないのですわ・・

アイデア 情報収集 ストーリー キー入力
さて、ストーリーも決まればキーボードを叩くだけです。
キーボードを叩くといっても、下書きがあるわけじゃありませんから、具体的なセリフを考えたり、法律でしたら条項番号を調べながらですので、機関銃のように連続してキーを叩けるわけじゃありません。バルカン砲は1分間1万発発射するといっても、そんなに撃ったら弾倉に700発あっても4秒で撃ちつくします。それに砲身も過熱してもたないでしょう。現実には連続じゃなくコンマ5秒くらいずつ撃つそうですが、私のキー入力もそんな感じでしょうか。
それでもアイデアは固まっていますから、1時間2000 4000文字は打つでしょう。
どう考えても2000文字ではないようだ。1万4千字の駄文を3時間位で打つので、時間当たり5000字近いのかもしれない。実際に時計で測ったことはない。

本日は晴天なり、明日は雨でしょう
これをみると使うキーって限られていますね。
ローマ字入力のとき使うキーはいくつか?
人によって違いますが、私はQ、L、Cは使いません。
Xは吃音を打つ時に使います。

いつも私がこの駄文は1時間で書きましたなんていうのは、実はこの時間だけなんです。そりゃ駄文であろうと前準備から考えれば結構おおがかりなプロジェクトですわ
アイデアの時点からの時間を計上すれば、小品であろうと10時間はかかっているでしょう。

アイデア 情報収集 ストーリー キー入力 お絵かき
単に文字だけでは面白くないだろうと思います。いや、私が面白くない。
そこで、ちょっと絵を描こうかって気になるわけです。
上に載せたキーボードの絵は、少し前の失われた技術にあった絵と同じと思うでしょう。
あれはhtmの表で書いたものなんですが、ここでは指で押したキーの色を変えようかと思ったわけです。そうするとhtmではできないからgifアニメにしないとならない。htmで描いたキーボードの図形をコピーしてgifにして、文字を入力した順序にしてみました。
こんな絵を描くのにどれくらい時間がかかるかと言いますと、このキーボードの絵で大体15分くらいでした。なにせ私はウィンドウ付属のペイントしかありませんので手軽にはいきません。
こんな絵なんてあってもしょうがないぞと言わないでください。私の遊び心ですよ

アイデア 情報収集 ストーリー キー入力 お絵かき ウェブアップ
テキストを作っても、ウェブに挙げる前にhtmの形にしなければなりません。いつも書いておりますが、私はホームページビルダーなんてありません。メモ帳でシコシコと書くのです。
私は簡単なTAGとちょっとしたスタイルシートしか知りませんから、あまりかっこいいものは作れませんが、その分時間がかからないとも言えます。とはいえ5000字もありますとhtmにするには、やはり15分や20分はかかります。そして、いつも同じスタイルでもつまらないのでちょっとずつ工夫しているつもりです。今回は矢印で項番を示すようにしてみました。まあ、お遊びです。
さて、ほぼ毎週3回くらい更新しているわけですが、アップする日に書いているわけではもちろんなく、かなり在庫を持っております。それで作成日がアップした日とずれてしまうこともあり、日付が間違っているぞとご指摘を受けることもあります。
実を言いまして書いたテーマが、最近のうそ800のコンテンツとつながりがあれば私の気持ちとしては何の支障もなくアップするのですが、まったく異なるテーマの時はちょっと、はばかっちゃうわけです。また季節に関すること、例えばセミとか省エネについて書いたものは8月中にアップしないとアウトブデートですから、先入先出というわけにもいきません。
そんなわけでケーススタディが連続したり、途切れたりするわけです。
、みなさん真剣に読んでいないから気にすることはない? そうですか。


おまけ 本日のため息
いやあ、うそ800の駄文といえども、あるテーマについて、先行事例がなく、事実であり、世の中のためになることを書こうとすると、結構大変なことなんであります。
え! 世の中のためにならないからそこまでして書くことはないですって?
そう言わないでくださいな、これも私の楽しみですから。

おまけ 蛇足 本日予想されるツッコミ
駄文を書いてないでまともな論文でも書けって?
エー何事にも目的があるわけです。
この場合の目的はobjectiveではなくpurposeです。
私は冒頭に申しあげましたように、ISO審査の現状の問題提起、改善提案、環境管理の指導育成という立派な(?)な目的がありますので、それに見合った方法、つまりネットにこのような文を書いているわけです。
修士論文、博士論文の多くは書いた人と査読者しか読まないっていいますよ。それじゃ私の目的を果たしません。いやそういう論文は修士や博士になるためのもので、広く世に伝え人を動かすためのものじゃないんじゃないかな?


名古屋鶏様からお便りを頂きました(2012/10/2)
「文才」とは何なんでしょうね?
同じ推理作家としてタイプこそ全く違うものの、松本清張には松本清張の、赤川次郎には赤川次郎の「文才」があります。何しろ「売れた」のですから。
1日に何百というアクセスを持つ管理人の文章に「文才がない」なんてことはないでしょう。それこそ証明された力量ですわ。

鶏様
お褒めいただきありがとうございます。
監査報告書などは、相手を追い詰めず、決して許さない、正確にという諸条件があります。そういうのをうまく言い表すのが監査報告書を書く上での文才かと思います。
私の場合は・・・・なにしろギリギリと追い詰めるばかりで ハハハハ



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