7.5.2 作成及び更新

15.04.13

*これはISO14001:2015のDISを基に2015/4/12に書いたものである。
今後、改定や正式版が出れば見直ししたいと思うが、しないかもしれない。そこのところはご了解してお読みいただきたい。

「作成及び更新」といってもそれだけでは何が何だかわからない。これは「文書化した情報」という項番の中の一節のタイトルである。つまり文書化した情報を作成するときや更新するときの必要事項ということである。
ではどんなことが書いてあるかというと

文書化した情報を作成及び更新する際、組織は、次の事項を確実にしなければならない。
  • 適切な識別及び記述(例えば、タイトル、日付、作成者、参照番号)
  • 適切な形式(例えば、言語、ソフトウェアの版、図表)及び媒体(例えば、紙、電子媒体)
  • 適切性及び妥当性に関する、適切なレビュー及び承認
(ISO14001:2015DISより)

話しはちょっと飛ぶ、
紙もなく文字もない時代に、なにごとか出来事とか思いついたことを他人に伝えようとすると、口で話して伝えるしかなかったと思う。それは聞いた瞬間に消えてしまい、内容が正しく伝わったのか伝わらなかったのか定かではない。そんな伝達を5回も繰り返したら、もう聞き漏らし、勘違い、記憶違い、自分の思い(思い込み)が加わる一方で、元のお話とはかけ離れていくだろう。
昔、小学校などで伝言ゲームという遊びをした。各グループ10人くらいに分かれて、最初の人に同じ話をして次々に話を伝えて最後の人が報告に来ると、最初は「4月13日に東京へ行く」というのが「6月2日に札幌に着いた」くらい変化しているのは普通だった。
ともかくお話、それを情報と呼んでも良いが、それを正しく伝えるには文書化が必要である。文書化とは紙に書くことだけでなく、電子データにしても、絵画でも、モニターに映し出されたものでも良い。昔アメリカインディアンは草の結び方で連絡したとか、ポリネシアの人たちは綱に結び目を作って海図にしたとか聞いたことがある。そういうのも文書化の一例であろう。
おっと文書にすれば良いというわけではなく、紙に書くにしても誤解ないように伝えるために具備すべき条件があるはずだ。
もっとも文書化しないときでも同じなんだけどね。

ではこの項番で定めている文書化するとき具備すべき要件はまっとうなのだろうか?
上記この項番で定めている項目が進むにつれて、私の記述がだんだんと(ドンドンと)短くなるのは、玄関で家内が買い物に出かけるよ〜と呼んでいるせいである。

うそ800 本日のうんちく
文書に関する要求は1987年から変わっていません。まあ文書の要件というのは過去数千年にわたる試行錯誤によって決まった形があるので、もうISO規格がわざわざ言うことはないのかもしれません。

うそ800 本日の予言
1996年版や2004年版では「文書が読みやすく」を基に「読みにくいので不適合です」という指摘が多数ありました。ウソだと思うならどの認証機関でも過去の審査報告書をめくってください。いくつも見つかるでしょう。それと同じく、2015年版において「適切な記述」を基に「この文章は適切な記述ではありません」と語る審査員が多数出ることを予想する。
対人地雷 ということでこの「適切な記述」は2015年規格改定の地雷となるでしょう。まあ、この程度では重大な被害は出ないでしょうけど、とばっちりをくらうと面倒です。とすると「適切な記述」は地雷とは言っても、対戦車地雷ではなく対人地雷ですね。でも対人地雷は国際法で禁止されたはずだが・・・



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