審査員物語 番外編3 法律の調べ方(その3)

16.03.21

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。但しここで書いていることは、私自身が過去に実際に見聞した現実の出来事を基にしております。

審査員物語とは

前回(その1その2)の続きである。
三木は環境法を把握するとはどういうことかと考え続ける。まずちょっと考えれば、過去から事業をしている企業が、ある日突然、自社が関わる環境法を調べるぞと決心して法律を調べ始めるというのはありそうない。せいぜい考えられるのは、悪いことをした会社が報道されて当社は大丈夫か確認しろと言われたときくらいだろう。そのときでもすべての法律を再点検というのはなさそうだ。
しかしISO14001を認証しようとしたとき、規格要求にあるから環境法を調べる方法を明確にしなければと考えることは現実にある。なぜなら調べる方法・手順を定め、調べた結果を記録にしておかないとまずいと考えたからだ。なにしろ認証が目的なのだから。
だが規格そのものが、改めて環境法を調べることを求めているとも思えない。早い話、企業に関係ない法律を調べたり勉強しても何の得にもならない。おっと損得といっては下品なら、組織の遵法には寄与しないと言おう。
現実的で有効な方法を考えると、企業が業務において関わる法規制を認知した時点で、その規制内容を把握し対応していくということの積み重ねではないのだろうか?

昨日まで三木は数日間審査で出張だったので、今日は会社でそのまとめをしている。報告書をまとめる責任は審査リーダーにあるが、最近はリーダーが三木に下書きをさせることが多い。三木は勉強になるのでありがたくその仕事をしている。
一段落ついてコーヒーでも飲もうかと顔を上げると、入社したとき一緒に研修を受けた島田が見えた。彼は契約審査員なのでめったに出社しないのだ。
三木は立ち上がり手を振って声をかけた。
三木
「島田さーん、」
島田さん
「おやおや、三木さん。ご無沙汰です」
三木
「久しぶりですね。お時間があれば近況を聞かせてくださいよ」
島田さん
「来週、審査が入りましてね、今日はその打ち合わせできたのです。ちょうど終わったところで、知り合いがいないかと見回していたところです」
三木
「それは良かった」
コーヒー
ふたりは給茶機でコーヒーを注いでから、空いている会議室を見つけて入った。
三木
「島田さんは契約審査員だそうですが仕事はどんな塩梅ですか?」
島田さん
「おかげさまで毎月10日くらい仕事がある。技術士事務所なんて看板上げてコンサルをしているけど、この審査員の仕事がないと食っていけないよ」
三木
「コンサルとおっしゃいますとISOのですか?」
島田さん
「もちろんISO認証を支援してくれという依頼もある。だけどそれは最近のことだね。
私は以前機械メーカーの開発者だったんです。なにか資格をと思いまして技術士を目指しました。二三度落ちましたがおかげさまでなんとか合格しました。もう10年ちょっと前、バブル崩壊直前でしたね」
三木
「それは良かったですね」
島田さん
「ところがところが、人間万事塞翁が馬っていいますが、技術士になったとたんバブル崩壊、リストラですよ。当時勤めていた会社は私が立派な資格を持っているのだからそれで食っていけるだろうという理屈でリストラ候補となりました。仕事はちゃんとしていたつもりなんですけどねえ〜」
三木
「それはそれは・・・」
島田さん
「そのとき47でした。仕事を探さなくちゃなりません。大学の先輩で技術士をとられて自営されていた方がいましてね、その方にいろいろ教えていただきまして、自宅に島田技術士事務所と看板を上げました」
三木
「技術士というのはどのような資格でどんなお仕事をするのですか?
すみません、よく知らないもので」
島田さん
「資格にはいろいろあります。まず業務独占資格ってのがありまして、それもお金をもらう仕事では資格がないとだめという有償業務独占資格という例えば弁護士とか弁理士ですね。その他に無償の仕事でも資格がないと仕事ができない医師とか薬剤師なんてのもあります(正確には薬剤師は行為独占資格とされる)。
技術士というのは資格がないと仕事ができない業務独占資格じゃなくて、名称独占資格といいまして、資格がなければ技術士と名のってはいけないというだけです」
三木
「ええと、そうしますと技術士でないとできない仕事というものはないということでしょうか?」
島田さん
「そうです。まあ何も肩書きがないよりは、名刺に技術士と書いてあった方が少しは信頼されるという程度でしょう。とはいえ専門分野以外は特段知識があるわけじゃありません」
三木
「なるほど」
島田さん
「私は元々研削盤の開発をしていましたので、最初は研削のコンサルをしようと思ったのですが、そんな需要まずありません。それで作業改善の指導とか提案制度の仕組み作りとか、できそうな仕事はなんでもやってきました。
そんな中でISO9001の話を聞きまして研修を受けて契約審査員になりました。始めた頃は審査員が足りずに仕事はありました。今は9000も足踏み状態で、昨年三木さんと一緒にISO14001の審査員になりなんとかやっているというわけです」
三木
「それはご謙遜でしょう。私と違い島田さんは技術屋ですし」
島田さん
「アハハハハ、変な話ですがね、私も大企業にいましたんで、そこで使われていた手法とか考え方をかみ砕いて指導するとさすがと言われましたよ。はっきり言って中小企業ではトラブルが起きてもその場しのぎが多く、再発防止なんて考えていませんし、費用対コストとか投資を回収するなんて考えも厳密ではありません。またハードには投資しますが、管理とか人にはお金をかけませんね。他社でうまくやっていると聞くと真似しようという程度です。そのギャップがあるから仕事がいただけるという感じですか」
三木
「聞いた話ですが、中小企業がトヨタやゼロックスなど一流企業と取引したいのは仕事とか手形とかじゃなくて、作業指導を受けられるからという理由が大きいそうですね」
島田さん
「私はとてもそんなレベルじゃないですが、少しでも中小企業のレベルアップに役立つなら本望ですわ」

三木は島田の話を聞いていて法規制のことを思い出した。
三木
「ちょっとお聞きしたいのですが、島田さんはISO認証も指導されていますよね。ISO14001では環境法規制を調べる仕組みを作れというのがあります。島田さんがコンサルされている会社ではどうなんでしょうか?」
島田さん
「どうなんでしょうとおっしゃるのは、それはISO14001認証する前はどうなのかという質問ですか? それともISO認証するときにどのようなことをしたのかということでしょうか?」
三木
「どちらについてもお聞きしたいですね」
島田さん
「当たり前ですが事業をしていればいろいろな法律に関わります。そして気が付いたら無関心というわけにはいきません」
三木
「そうでしょうねえ」
島田さん
「でもどんな法律に関わるのかと積極的に調べているとはあまり聞きません」
三木
「といいますと?」
島田さん
「多くの場合、必要に迫られてから対応します。そして教えてくれる人は結構周りにいるのです」
三木
「どういうことでしょうか?」
島田さん
「例えば下請けを考えましょう、新しい仕事をするとき初めの段階では設備とか副資材とかみな発注元が用意しますね。そして機械設備や薬品使用に関わる手続きとかはほとんどお手伝いしてくれます。発注側としてはしっかりした仕事をしてもらうためには援助してやる他ありません」
三木
「なるほど」
島田さん
「あるいは新しい機械や設備を購入しようとすると、セールスマンは資金の手当ての相談とかリース契約のお手伝いをします。そしてもちろんどんな法規制に関わるか、どんな届が必要かというようなことを説明します。なんせ売る方は買ってもらうために一生懸命ですから」
三木
「はあ? 具体的にはどんな場合にどんなことをするんでしょう?」

島田さん
コンプレッサー
「例えばコンプレッサーを買うとなれば振動とか騒音の届け出をどこに出さなくてはならないのかとか、
もっとも細かいところは土地土地によって異なりますから、概要を説明して詳細はどこそこに相談しろということも多いですね」
三木
「はあ? すみません、条例の違いはあるでしょうけど、行政と相談しなければ分からないこともあるのですか?」
島田さん
「例えば塗装ブースには普通照明を付けますが、ブースの照明が防爆でなくてもいいというとこと、防爆でないといけないとか、危険物保管庫でも細かいところの要求は消防署によって違いますね。微妙な解釈の差というか厳しさの違いというのかなあ〜
また騒音規制法の指定地域は市役所に行かないとわかりませんし」
三木
「なるほど、そういうことは法律を読んだだけではわからないのですね」
島田さん
「条例だけでなく細かい規定もありますし解釈や裁量の差もあるので、最終的には土地の消防署とか市役所に聞かないと分からないことは多いですね」
三木
「セールスマンは必要なことほとんど教えてくれるものですか?」
島田さん
「必要な法的届の手順を説明してくれますし、多くの場合は届出用紙なども準備してくれますよ。例えば機械メーカーなら必要な届とか資格とか、資格を取る方法とか教えてくれますし、塗料屋なら消防署に危険物貯蔵所の設置申請とかね」
三木
「機械を導入するときは法律を調べるとして、それ以降はどうなのですか?」
島田さん
「その時点ではよいでしょうけど・・・法律は時とともに変わりますからねえ〜。
メンテナンス契約をしていれば、法改正とか新しい規制などがあれば情報提供してもらえますが、売りっぱなしですともう代理店とかメーカーと会う機会もありませんから改正情報は入手できないでしょう」
三木
「なるほど、そういう場合どうするのでしょう?」
島田さん
「実際にはなにもしないというところもありますね。ちょっと違いますが、ISO認証しようとして調べたら社長や責任者の交代届けが漏れていたのに気が付いたなんてのも結構ありますよ。違反というほどでもないでしょうけど、廃棄物契約書の記載内容に漏れがあるのは多いです」
三木
「そうしますと届け出漏れは結構あるということでしょうか?」
島田さん
「まあそんなに心配することはありません。例えば私のような者でも技術指導なんてお邪魔したときに手続き漏れに気が付いたらお話しますし、そうことも私に期待されていますしね。
技術系でなくても、税理士の先生も廃棄物のマニフェストや契約書とかあるいはMSDSなど一般的なことはご存じで、指導してます。いまどき税理士といっても税務のことだけでなく経営コンサルを自称されていますしね。彼らも勉強しています」
三木
「市役所などからも通知があるのでしょう」
島田さん
「ああそれもありますね。法改正があると市役所は地元の関係しそうな企業に通知します。
技術的なことでなく届け出とか税法などに関することは商工会議所からも通知がありますね。でもそういうのが来ても、細かく読んだりしないところが多いですね」
三木
「分からないときは市役所などに相談に行くことは可能なのですか?」
島田さん
「もちろんです。昔と違い、今の市役所は親切ですよ。バブルの頃までは市役所に公害の届け出の相談なんていくと上から目線で嫌な思いをしましたけど、今は親切に対応してくれます。
そうだ、三木さんも一度相談に行ってきたらどうです。マニフェストひとつとっても、分からないことってたくさんあるでしょう。疑問をそのままにしておくのではなく、疑問点をリストにして聞きに行けばいいですよ」
参考までに この物語では今2004年です。当時はマニフェストのほとんどが紙マニフェストでした。電子マニフェストを増やそうと環境省は飴とムチを使って推進した甲斐あって、今は電子マニフェストが半分までに増えたようです。
でも年に1回2回しか排出しないオフィスなどでは紙を止めないでしょうね。もう4年くらい前ですが、試算してみると電子マニフェストにするには年間30件以上交付しないとペイしなかったように思います。
電子マニフェストの推移

しかしグラフを見るとマニフェスト交付枚数がものすごく増えてますね。産業廃棄物は過去20年間ほとんど増えていませんから、以前は真面目に交付していなかったのでしょうか?
三木
「環境関係の法律相談は市役所でほとんど間に合うのですか?」
島田さん
「三木さんも公害防止管理者の大気も水質も一種を持ってるじゃないですか。公害関係で市町村が関わるのは騒音と振動だけですよ」

三木は赤面した。そうだ、試験のときだけ暗記しても使えなければ意味がない。
三木
「そうでした。不勉強を恥じます」
島田さん
「公害じゃなくて工場立地法なども県と市町村の切り分けを知っておかなくてはならんです。その他、危険物関係は消防署ですね。貯水槽は保健所も関わりますし。ああ、そういう機関にも相談窓口がありますよ」
三木
「なるほど、すみません話を戻しますと、そういう行政からの通知とか指導だけで間に合うものでしょうか?」
島田さん
「間に合うという意味ですが、実際に仕事をしていくうえでという意味と、ISO認証の際にという意味を三木さんはお考えのようですね」
三木
「そのとおりで」
島田さん
「私は中小企業が仕事をしていくうえでは行政からの通知と先ほど言った設備を導入するときのメーカーや代理店からの情報で間に合うんじゃないかと思っています。正直言ってなにか違反しても即罰というのはめったにありませんし・・」

最近の事例ですが・・2016年1月、不良となった食品を廃棄物として出して、それが転売されたという問題が報道されました。
法律を杓子定規に読めば、この廃棄物の排出者は相当の責任を追及されるはずですが、行政が出した「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための対応について(廃棄物・リサイクル関係)」についてを見ると、排出者に対してとんでもなく甘いと思う。「委託料金が適正であることを要請する」っていう表現を見るとナンダカナーって感じるね。もっとも措置命令なんてはこれからなんだろうか?
三木
「ISO審査という観点からはどうなんでしょう?」
島田さん
「はっきり言って審査員の心証は良くないでしょうね。おっと私も審査員ですが、過去にコンサルした会社ではそういうアプローチはほとんど是正を求められましたね。いやほとんどではなく全部かな。法律の調査は認証前に徹底的にしなければならないようです」
三木
「どうしてでしょう?」
島田さん
「審査員が企業がどの程度環境法規制に関わっているのかという実態を知らないということもあるでしょうし、判定委員会などで十分に法規制を把握しているかどうかを説明できないからだと思うのです。審査をシャンシャンと進めるには、形だけでも理屈が通っていて証拠がよくまとまっていて、納得しやすいものでないと」
三木
「確かに自分も審査をしていて、行政との相談とか業者からの情報という表現では不安になりますね」
島田さん
「とはいえ、環境法についての本を買ってきて、そこに載っている法律の該非を確認しましたなんてほうが、常識で考えれば不安でしょう?」
三木
「そうですねえ〜。確かにそういった本を読んで該非を決めるよりも、市役所や消防署に相談して対応している方が安心ですね」
島田さん
「ここだけの話ですがね、今のような考えの審査によってISO認証が形骸化していくように思います。環境側面も点数が全盛でしょう。点数を付けなくても見りゃわかりますよ。あるいは環境負荷なんてほとんどない事務所に行って、ゴリゴリと著しい環境側面を探そうってのはスターリン時代の共産党のやり口ですよ」
三木
「島田さん、現状の審査は横暴だという意味ですか?」
島田さん
「うん、私は審査を受ける側としてそう感じてます。環境側面の点数法しかり、法規制の調査方法しかり、目的目標の考え方しかり」
三木
「島田さんはコンサル側にもいたわけで、いろいろと大変だったのでしょうね」
島田さん
「今の審査が形式化しているという理由の一つは、審査員が審査しているものについて知らないということがあると思うんですよ。環境側面を点数で決めなくてはいけないというのは、目の前にある設備、機械、薬品、製品そういったものを見て審査員自身が環境側面を見つけることができないから一見客観的そうな点数にしてほしいという気持ちがあるのではないですか。同様に法規制だって、工場を眺めてどんな法規制に関わっているのか認識できないから、企業が一生懸命調べたという記録を見て審査するしかできないのではないかと思います。
本来は自分が認識した環境側面とか法規制を企業が認識しているかという帰納的なアプローチでなければその手順や基準が正当かどうか判定できないんじゃないかと私は考えています。
おっと、今のは聞かなかったことにしてください。認証機関でこんな意見は危険ですから」


1週間ほどのち、三木は休暇をとって都庁に出かけた。外出でも良いかという気もしたが、この会社に入社間もない三木はちょっと遠慮したのだ。
数日前に都庁に電話して自分がISO審査員であることを言った上でマニフェストについて質問したところ、いろいろ疑問があるなら都庁にいらっしゃいと言われた。
電話で伺ったお名前を出すと元気いっぱいという感じの青年が現れた。
職員
「滝本です。三木さんですか?」
三木
「三木です。いろいろとご教示いただきたいと思いましてお邪魔しました」
職員
「どうぞどうぞ、こちらに」
三木はいくつも並んでいるパイプ机とパイプ椅子を隅の方に座った。
三木
「電話でも申し上げましたが私はISO審査員でして、本を読んだり研修を受けたりしたものの、実際に審査の場で契約書やマニフェストを拝見しますと判断がつかないことが多々あります。ご教示願いたく質問リストを作ってきましたので教えていただきたいのです」
職員
「ああそうおっしゃってましたね。確かに教科書通りってのはありませんし、教科書で分かればこんなところまで来ませんものね、どれどれ」
そいじゃ、上から順に
口頭で説明しますから
メモしてください

職員
資料

滝本は三木が渡した質問リストをザッとながめた。
職員
「ああ、簡単ですなんていっちゃまずいかな、口頭で順に説明しますからメモっていただけますか」
三木
「どうぞどうぞ」
職員
「上から行きますね。契約書が1年なのはなぜかということですか、1年でなくてもいいんですがみなさん1年にしていますね。これはね・・・」

マニフェストに押印は必要か、記載事項を修正した時は訂正印が必要か、書き損じた場合の伝票の処置、計量できずに交付するときの記入方法と業者が運搬後に計量した時の追記方法、廃棄物が複数の材料のときの種類の記載方法、マニフェストが10日以内に戻らないときの排出者のすべきことなどなど、
契約書も同じく、処理費用が量や形態で変わるときの記載方法、委託品目を許可証によると記載することの是非などなど、三木が過去の審査で分からなかったものをまとめていたのだ。
滝本は上から順々によどみなく説明していく。さすがプロだと三木は感心した。30分もかからずに三木の疑問はすべて解消された。
三木
「滝本さん、すごいものですね。さすがプロ」
職員
「これが仕事ですからね。とりあえず三木さんの疑問はこれで解消ですか?」
三木
「ありがとうございます。これで自信を持って審査できます」
職員
「廃棄物の問題は多いですからね、審査員の方が正しい方法を指導していただけると助かりますよ」

三木はその言葉は外交辞令100%だと思う。

帰る前に三木は都庁の中の売店で、マニフェスト一冊と建設工事の廃棄物に関する冊子を買った。マニフェストは記入の練習を、冊子は審査で移動するときに勉強しようと思う。
参考までに 東京都環境局は親切で、問い合わせに分からないなんて絶対に言わない。私は過去に電話や訪問して相談したことは多々あったが、行政機関の中で最高の対応をしてくれた。
田舎の関連会社から現地の市役所からいちゃもん付けられたなんてヘルプコールがあると、そこの市役所に電話して問題を確認したり善後策を問い合わせたりということもしたが、廃棄物の法規制を良く知らずに問題でないのを問題だなんて言っていたところもあったし、話をしていると最後にはよくわかりませんなんて逃げてしまうところもあった。どうすりゃいいのよ?
なお環境省に問い合わせたこともあるが、廃棄物関係は都道府県に聞けといって直接の回答は頂けなかった。

辻堂の自宅まで帰る道々考える。
どう考えても環境に関わる法規制を改めて調べようというアプローチは素直な方法ではないのではないだろうか?
機械を入れるときにそれに関わる規制を調べ、新しい薬品を使用するときにそれに関わる法規制を調べるというのが当たり前の方法ではないのだろうか。もちろん規制だけでなく、補助金や免除事項なども見つかればハッピーだ。
ISO規格が求めているのは仕組みだ。法規制及びその他の要求事項で語っているのは、なにも改めて法規制を調べよというのではなく、法規制を調べる仕組みを作れということにすぎないのだから、今までしてきたことをはっきりと明文化すれば良いじゃないか。
そして氷川が言ったように、その手順の範囲も現実に即してできること、していることに限定してよいのではないか。環境方針だって上位組織と摺合せよとあるのだし、法規制を把握する手順も上位組織の意向を踏まえるのは当然だ。
とはいえ、環境側面を特定したり決定する方法も、法規制を把握する手順を考えるのも組織である。三木が自分の主張を言うのはISO17021違反だ。要は自分がルールに基づいて正しい判断ができることが重要なのだ。余計なことをしてはいけないと自戒した。

うそ800 本日の言い訳
細かいことをくどくどと書いているお前は、自分のしっぽを追いかけている犬のようだとおっしゃいますか?
巨人の星
巨人の星になれ
そう言われましても現実の審査では、法規制を調べる手順が適正であるかよりも、いかに一生懸命法律を調べたかということに拘り、そしてまた漏れなく把握しているかよりも、いかに労力を投入したかを審査しているような気がしてなりません。それは環境側面も同じです。
昭和のスポ根もののように、成果よりも過程が目的化しているのでしょうか?
現在はうさぎ跳びはかえって害があると否定されたように、21世紀には見た目ではなく目的を果たすのかという審査をしてほしいですね



名古屋鶏様からお便りを頂きました(2016.03.21)
しかしグラフを見るとマニフェスト交付枚数がものすごく増えてますね
この数値は企業が出しているマニフェスト交付状況報告書が元データになっていると思われます。 うろ覚えですが、この制度は当初「今そんなモノを出されても集計する人員が居ない」という理由で自治体から「待ってくれ」と言われてませんでしたっけ?
それと、年間の発行枚数を紙で1枚づつ集計するのは結構ホネだから「えーい、適当でいいや」もあったかも知れませんね。

なるほど、そういうこともあるのか!
確かに総発行数を把握する方法はなさそうですものね
となると電子マニフェストはマイナンバー並みにプライバシーばればれになりますね、くわばらくわばら

審査員物語番外編にもどる
うそ800の目次にもどる