推薦する本の評価 その2

20.04.16
私は「推薦する本」と題した書評を書いている。中身は感想文というより、本を読んで浮かんだ妄想を書いているだけだ。もちろん高尚なことではなく、市井人の考えることである。
そして3年前、そのとき既に10年以上「推薦する本」を書き連ねていたわけだが、自分が書いたものがいったいどれくらいの人が読んでいるのかという疑問が浮かんだ。
まあ法律に反しない限り何を叫ぼうと書こうと日本は自由である。憲法が保障する言論の自由というやつだ。だがそれは同時に、他人の話を聞くのも聞かないのも・読むのも読まないのも自由ということだ。 本
なぜウェブサイトを作り書いているのかということは、自分の考えを多くの人に聞いてほしい・読んでほしいという欲求であり自己顕示である。だからどれくらいの人が読んでくれているのだろうと知りたいのは人情である。

なんらかの方法というか指標でそれを知りたいと思い、いろいろ考えた。アクセス解析というのはあるが、過去にさかのぼることはできないし、もっと簡単に一時点で全体を把握する方法はないものかと…
その結果、自分が書いた書籍の感想文がGoogle検索で何番目くらいに出てくるのかがひとつの指標になるだろうと思いついた。というのはGoogle検索では、閲覧されるほど検索されたとき順位が上位に来るようになる。もちろんGoogle検索のロジックは簡単ではない。検索を決定するアルゴリズムの基準は200以上あると言われている。
昔のヤフー検索はウェブサイトの数多のコンテンツを人間が評価して、一定以上とみなされると検索に出るようになり、ベターなものが上位に来るようになっていると聞いた。このウェブサイトを開設した20年も前には知り合いから「ヤフーの検索に載りましたね。すごいですね」なんて言われた。今ならウェブサイトを作ればロボットがすぐに拾ってくれるだろう。そして検索順序はともかく自動的に対象になるはずだ。ともかくグーグルは人間に頼る主観的な方法でなく、単純で最強な方法でヤフーを絶滅に追い込んだ。
「私はロボットではありません」なんて表示がたびたびでるほどの回数Google検索をした結果、Google検索の順序というのはデータとしてあるのではなく、どういうプロセスで決まるのかわからないが検索するたびに異なることが分かった。連続しても数番違うこともあり、検索した日が一日違うと5位から10位くらいは異なる。ほかの条件が変わらないなら、そのときそのときのそのウェブサイトのアクセス回数などによるとしか思いつかない、ということで前に戻る。

ともかく自分の書いた「推薦する本」が読まれているかどうかは、書籍名で検索したときに私の書いたものが何番目に出てくるかを代用特性としても間違いではないだろう。という理屈で検索結果の順番をカウントした。
方法としては「書籍名」でGoogle検索して、私のウェブサイトが何番目に出てきたかを数え、100番目までになかったら「選外」とする。その結果を書いたのが3年前の「推薦する本の評価」である。
あれから3年経ったので、いかような変化があったかと再度同じことをした。

その前にちょっと待って

「推薦する本の評価」を書いた後、Google検索はそのパソコンでGoogle検索した傾向のものが優先されるという。IPから情報を得るのか、それともGoogle検索自体がそのパソコンのアクセス履歴から情報を得るのか全く分からない。
つまりあれだ、エッチサイトばかりを眺めているとエッチサイトの宣伝広告が表示されるようになり、私の場合はISO認証機関とかコンサルタントのウェブサイトをめぐるのが日課だから、認証機関やISOコンサルの広告が毎度表示される。それと同じような仕組みがGoogleにあるのだろう。
だから自分が書いたものをしょっちゅうアクセスしたり、それに関連するものを常時検索していると、検索すると自分のものが上位にくるようになるのだろう。
もうひとつもうひとつ

また最近、検索順位チェッカーなるものを見つけた。これはいくつもの検索エンジンでしかもパソコン版とスマホ版の両方を一挙に調べてくれるという。
しかしこの方法で調べた順番と、Google検索で数えた順番はかなり……といっても5ないし6位くらいだが……時間的に連続して行っても違う。
とりあえず今回は過去との連続性という観点で、自分のパソコンで実際にGoogle検索した結果を数えることにした。

ということで、前回のチェック結果が3年後の今どうなったかのチェック結果、そして3年前までと3年前以降に書いたコンテンツの検索順位の比較、及び私のパソコンと他人のパソコンの検索結果を比較してみた。

  1. 2017年に順位を調べたコンテンツの2020年での順位の変化
    2017年に「推薦する本の評価」に書いた172点のコンテンツを2020年に再度Google検索した。つまり同じ書籍の批評の時間的経過による順位の変化である。

    下のグラフの青色線は2017年、橙色線は3年経過した2020年にチェックした結果である。
    Google検索で出た順序
    傾向は似ているが、10位以内のコンテンツは大幅減少し、選外となったものが多くなった。この結果、全体にかなり順位を落としている。選外を仮に100位とすると、172件の平均は25位から35位に落ちている。要するに、Google検索で頻出しなくなったということだ。

    注:そもそも選外を100位とするのも根拠はない。それに算術平均でなく幾何平均のほうがよさそうな気もする。

    個々のデータの変化をみると下図のようになる。
    検索結果

    ずいぶん大きくばらついているように見えるが、相関係数0.72と相関はものすごく強い。
    傾向としては散布図からは上位が減ったとしか見えない。10位以内のコンテンツの3割がは20〜80位へ、酷いものは選外と大きく順位を落としているが、20位以下のコンテンツは前回とあまり変わりはない。
    なぜ上位のアクセス順位が落ちたのかを推察すると、時が経ち読者の関心の変化、あるいは2017年以降に書かれた書評がより時代を反映したとか正鵠を得るようになったのかもしれない。

    なお同じ書籍でも検索結果でてきた検索数は半減している。
    例えば「貨幣進化論」という本は2017年にGoogle検索したときの検索結果は64,100件あったが、2020年は4,160件と当時の7%しかない。この本は2010年発行だが発行から年月が経つほどそれに関わるウェブサイトが減ってきたのではないか?
    更に私が見て内容がおかしいものや、アマゾンなどで叩かれた本はものすごく検索結果でてくる数を減らしている。つまり時の経過はできの悪い本をふるいにかけ良い本だけが残る。という流れで良い本だけが残り、良い書評だけが残っていくのではなかろうか?
    また発行初期には出版社とか書店の宣伝広告が上位に多く出ているが、発行後数年経てばアマゾンなどの通販サイトくらいしか宣伝はなくなる。だからそれを書いたサイトも減っているだろう。
    私の書評が良くても悪くても、書評全体の質が向上していけば、私のコンテンツは順位を落とすのは当然という仮説はどうだろう。なにしろ私は一度書いたら削除しないのだから。

  2. 2017年までのコンテンツとそれ以降のコンテンツの順位の比較
    これは上記1とは違います。1は同じコンテンツの3年間の順位の推移であり、2は作成時期の異なる別のコンテンツの順位の比較です。

    Google検索で出た順序

    「1〜10位」が大きく減少しているが「選外」も減っている。選外を100位として平均すると31位となり2017年の初期値25位より下だが、2017年までの現在の35位よりは上である。
    この違いもまた憶測でしかないが、(1)私の書評のレベルが下がった、(2)他の書評の質が向上している、(3)私が関心のあるものがハウツウ本と違い科学技術に関するものが多く読者の質が高い、そんなところかな?
    順位が落ちているとはいえ、学もない一個人が細々と書いている書評の平均順位が日本全国で35位ならもって瞑すべしであろう。

  3. 普段、特定ジャンルを検索しているパソコンと検索していないパソコンでは、そのジャンルの検索結果が変わるという説があり、私のパソコンと友人のパソコンによる検索結果を比較した。もちろん回線も異なるからIPも違う。
    なお、上記1と2の結果はすべて私のパソコンでの検索結果である。
    私のパソコンと友人のパソコンの実施日時には5日間のずれがある。Google検索では検索するたびに検索順は異なることが分かっており、過去の経験から同日でも順位は数位のゆらぎがあり、3日異なると10位くらい異なるのがふつうである。

    2017年のものは数が多いので、とりあえず2017年以降の書評を対象とした。
    さて検索結果は下図となった。
    Google検索で出た順序

    私のパソコンでの検索結果と友人のパソコンの検索結果を比べると、傾向はほとんど同じであるが、友人のパソコンでは全体に7ないし8番くらい順位が悪化しているのがわかる。全体がずれていることからゆらぎではなく、友人と私が常日頃検索するテーマと好悪に違いが出ているのではないかと思う。
    検索結果から私は自分自身のコンテンツが上位に来ているから、特定のコンテンツを検索したり見たりしていると、その影響が7〜8位上位にくるということなのだろう。常時検索していると検索結果が上位に来るという説は正しいようだ。
    つまり私のコンテンツが世の中一般でみられている状況は、私のパソコンの検索結果より8位くらい低いと考えるべきだろう。私の思想的バイアスというか検索のオフセットである。

ではまとめである。
  1. その1
    前回に比べてGoogle検索結果が悪化しているとはいえ、自分が書いたものの3割が10番目までにでてくることは評価というかできが悪いとは思えない。
    ところでGoogleに限らず検索して2ページ目まで見る人は1割もいない、多くはせいぜい3番目くらいまでしか見ないという。
    もちろん検索結果を1ページにいくつ表示させるかは個人設定できる。Google検索の場合10件がデフォルトだが、その他に20、30、40、50、100件のいずれかに設定できる
    とはいえ多くの人が検索してでてきた20番目とか30番目まで見ることはないだろう。私自身、深く調べるのでなければ上位ふたつみっつが普通で、裏を取るにも10件くらいしかアクセスしない。
    だから自分のコンテンツを可能な限り上位に表示させることは重要だ。
    とはいえ自分のコンテンツをすべて10位以内というのはいくらなんでも欲張りすぎだろう。ましてやビジネスのために、お金をかけてSEO対応をしているわけではない。ものぐさな私だからヘッダーに細工しているわけでもない。

    注:SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンの上位に来るようにウェブページを工夫すること。ウェブサイトを作る業者にとって、SEO対策は必須技術です。
    お金を払って順位を上げる方法はないようです。お金を払えば検索結果の途中に【広告】の表示付きで入れ込むことはできるようですが、それはSEOではありません。

    そんな塩梅だから、今回の結果で私は満足だ。
    3年前よりも悪化しているとか、3年前のコンテンツも当時より今は順位が下がっているなんて小さいことは気にしないことにしよう。気にしてもどうしようもないということもある。

  2. その2
    使うパソコンによって検索結果が異なることについては、良い悪いもないし、自分自身どうしようもない。そもそも自分のパソコンのGoogle検索結果は代用特性じゃなかったのか!


うそ800 本日の感想文
ガンバロー ここはお便りなんてめったに来ない過疎ウェブサイトではあるが、今回の結果を見るとまだ限界ウェブサイトであって、廃村まで至ってはいない。ガンバロー
村おこしならぬウェブサイト起こしでも考えるか 😃


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