ISO第3世代 9.アメリア戻る

22.08.08

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但し引用文献や書籍名はすべて実在のものです。


ISO 3Gとは

研修生のアメリアは施設管理課に仮配属されたが、着任するとすぐ広報部に行ったきりであった。課長からは、広報部から今年のCSR報告書の発行までアメリアを貸してほしいと言われたと説明があった。
アメリア 向こうでは残業や出張で忙しくしていたようで、施設管理課の人たちはアメリアをめったに見たことがない。それも7月末に脱稿、8月初旬に広報発表をして一段落したようだ。8月中旬から施設管理課に帰ってきた。

たまたま昨日、奥井が福岡に出張して、お土産に「通りもん」を買ってきた。というわけで今日の午後3時は、小会議室に課長を除く施設管理課のメンバーが、アメリアの広報部での活躍を慰労する会を催した。いやいや単なるお茶会である。
なお課長の鈴木は業界団体の会合でお出かけである。鬼の居ぬ間の洗濯は、洗濯機が普及しても不滅である。

環境施設課のメンバー
ご尊顔ご芳名年齢職務
鈴木正信鈴木 正信48歳課長…今回は欠席
山下一郎山下 一郎51歳公害担当
磯原磯原 晋作37歳エネルギー担当
奥井正和奥井 正和35歳廃棄物担当
アメリアアメリア・吉本25歳研修生
柳田ユミ柳田 ユミ41歳庶務担当

アメリア 「グループで目的を共有して、編集企画から始まり、取材、コンテンツの作成……印刷して広報発表までするって、やはりモチベーションが上がりますし仲間意識ができて楽しいですね」

柳田ユミ 「確かに、うちの職場は仲が良いと思うけど、仕事がひとりひとり違うから、共同して何かを成し遂げるということはないわね」

奥井 「広報部って報告書だけでなく、不祥事のお詫び会見もあるだろうし、いろいろ大変だね」

アメリア 「私のいたグループはCSR報告書だけで、そういうのに参加しなかったわ。
おっしゃるようにほかの人たちは、6月の株主総会とか、新製品発表とか、そのほか突発的なことも多かったみたい。
奥井さんのいう不祥事もいろいろよ、環境ばかりじゃないの。私がいた間だけでも、残業時間で労働法違反とか、子会社の脱税疑惑とか、そうそうISO認証の一時停止もあったし、まあ華やかでない仕事のほうが多いようね」

柳田ユミ 「組織変更前、環境部があったときは環境報告書って名称だったけど、今はCSR報告書っていうの?」

山下 「CSRっていうと環境より範囲が広いんだろう。環境情報だけでは今の世の中では不十分ってことなんだろうねえ」

柳田ユミ 「環境以外って何があるの?」

山下 「CSRとは企業の社会的責任の略だから、守備範囲はものすごく広い。企業のガバナンス、人権、労働、消費者問題、コミュニティへの責任とか。
昔ケネディ大統領ってのが消費者の権利を唱えたそうだけど、今じゃ社会的要求は多岐にわたるから大変だよ」

アメリア 「メセナとか」

奥井 「セクハラもありますよね」

山下 「そうそうセクハラとかパワハラとか性差別とか、昔なら考えられないね」

柳田ユミ 「なるほど、そういうことをしっかりやってますよって広報するのがCSR報告書なのか」

奥井 「でもさ、昨年まで環境報告書は株主総会に配布していたけど、今年から株主総会に配るのを止めて、発行を6月から8月にしたから、納期的には楽にはなっただろう」

アメリア 「以前がどうなのか私は知らないけど、3月末までのことを7月末までにまとめるというのは期間が短くて大変よ。もちろん6月発行のときはなおさら大変だったでしょうけど」

山下 「何月に発行したとしても、報告対象の期間を前年4月から今年3月までにこだわることもないように思うけどね」

アメリア 「アメリカ政府の会計年度は10月はじまり9月締めだけど、企業の会計はそれにこだわらない。そして環境報告書の報告期間は会社の会計年度とも違いいろいろ。まして環境報告書の発行は数か月ずれるわけで、バラバラよ。
日本では報告期間は政府の会計年度と合わせて、年度明けすぐに発行するのかしら?」

注:アメリカで会計年度と環境報告書の対象期間についてなにか規制があるのか知りません。私がアメリカ企業の会計年度と環境報告書を見た限りではいろいろでした。

磯原 「日本では廃棄物の報告も電力の報告も、会計年度に合わせているからなあ。習慣だからというだけでなく、1月から12月にしたら数字が行政報告したのと異なるのも好ましくないし…」

奥井 「なるほど、それならきっぱりと、報告書発行を10月くらいにしてしまうほうがいいのかな?」

柳田ユミ 「そんなに遅く発行しているところあるのかしら?」

JQACSR報告書 山下 「ISO認証機関のJQAは認証機関にしては珍しく毎年CSR報告書を発行しているが、発行は10月だったね。
上期中が難しいなら、余裕をもってそれくらいの時期にしたほうが正解かな」

奥井 「10月発行でも対象期間は4月から3月ですか?」

山下 「そうだ。まあ前年度の実績を把握するだけでなく、結果を吟味し対策まで考えるとそんなものかもしれないね」

柳田ユミ 「でもそれっておかしいわよね、私なんてここの部門費の消費状況は常時把握しているわ。年度末からだいぶ経ってからやっと分かるとしたら、管理してないことじゃない」

山下 「そういっちゃそうだが……まあ、毎日帳簿をつけていれば棚卸がいらないわけでもないし、部門費よりは世の中複雑なことが多い」

柳田ユミ 「どこだっけかな? 環境報告書は文字だけにして、エネルギーや廃棄物などの数字は毎月の実績をウェブサイトに表示している会社もあったわね。今の時代はその方がいいのかな?」

アメリア 「発行時期はともかく、日本では環境報告書とかCSR報告書って、どんな使われ方をしているんでしょう?」

磯原 「工場では毎年発行されると職場回覧するんですが、私は見もしませんでしたね」

山下 「俺も読むのは自分担当の公害関係だけだね」

アメリア 「まあそれはちょっと……外部の人はどうなんでしょう?」

柳田ユミ 「まず株主総会で配る、主要な取引先に送る、業界各社に配る、出版社に広報発表をする、そのほかは要求があれば郵送、今はネットにpdfであげるから、送付依頼はだいぶ減ったわね」

アメリア 「欲しいというのはどんな人ですか?」

柳田ユミ 「昨年まで発行部門が環境部だったから、外部から冊子を送ってほしいという依頼は私が受けていたの。9割は大学生でしたね。卒論とかの資料にといってました」

アメリア 「投資とか就職などに活用されていないのでしょうか?」

磯原 「投資? 投資に環境報告書を参考にするのですか? いや参考になるのでしょうか?」

アメリア 「えっ、磯原さん、投資するときその会社の環境活動を調べないの?」

磯原 「株なんて買ったことないですよ」

奥井 「僕もない。ここにいる方で投資なんてされている人います?」

山下 「俺が持ってるのは膝株ひざっかぶだけだ。数年前から退職金に積み立てているのを何に投資するかを各自が決めろなんて時代になったが、全く分からないよ」

奥井 「出たな!東北弁」

注:膝のことを膝株ひざっかぶというのは東北地方の方言だと東京に来て初めて知った。

山下 「俺は妖怪じゃねえぞ」

金の延べ棒 柳田ユミ 「私も株なんて全然、ただ純金積立をしてるわ。金は時代とともに値上がりするから、預金よりは間違いなく良い」

奥井 「うわー、ユミ姐さん、オカネモチー」

山下 「昨年から金相場は大きく下がっているぞ(注1)ユミちゃん大丈夫か?」

柳田ユミ 「だって銀行も郵便局も100万円で1年間の利子が10円。まして休日に引き出しすると手数料1回110円、もうマイナス金利よ。でもタンス貯金は盗難の危険もあるし、だから純金積立のほうがタンス貯金よりは良いと思っているの」

奥井 「投資ではないですが、僕は2010年に結婚しました。当時は民主党政権で1ドル75円とかものすごい円高だったでしょう。そのとき換えたドルが残ったままで、昨年1ドル124円とか125円のときに両替してぼろ儲け、ハハハ」

注:立民支持者様から間違いを指摘されまして修整しました

柳田ユミ 「それを計画的にすれば外貨預金とかトレーダーね」

山下 「リーマンショックのときはボーナスも吹っ飛ぶような時代だったから、今になって儲けてもトータルでどうなんだ」

奥井 「そう言えばそうですが、儲けたのは事実ですから良しとしましょう」

アメリア 「みなさんは株を買ったりしないの?」

磯原 「アメリアさんは株を買うの?」

アメリア 「両親も売買してるし、周りがみんなそうだからね。そのほか住むためでなく貸したり値上がりを見込んで不動産を買ったりしているし、投資は身近なことだわ」

磯原 「なるほどねえ〜、国が違うと当たり前が違うんだ」

山下 「悪いとは言わないが、そういう性向だから、大恐慌とかリーマンショックが起きるんだよね」

アメリア 「確かに……でも低金利というかゼロ金利が何十年も続いたら(注2)貯蓄以外も考えないとならないしょう」

奥井 「経済問題はともかく、アメリアは投資しようとするとき環境報告書を参考にするの?」

アメリア 「そりゃもちろん。その会社が環境に配慮しているかどうかってことは気にするわ。なにしろ遠い国で製品を作るのに年少者を使っていると報道されると、株価どころかボイコットに発展する国ですからね(注3)

磯原 「アメリカの環境報告書の中身も日本とは違いますか?」

アメリア 「記載していることより一番の違いは熱意でしょうね。アメリカの環境報告書を読むと分かるけど、我々はこんなことをしているんだ、知ってほしいという気持ちが、ひしひしと伝わってくるの。
日本の環境報告書は決まった形があって、そこに数字を書き込んだけみたい」

山下 「環境報告書のガイドラインってのがあるのは知ってるでしょう。それにこだわっているんだろうね」

アメリア 「いえいえ私が言うのはそういうのではなく、ええと社内のプレゼンなら注目を集めるように、思いが通じるように、いろいろ工夫して相手の共感を呼ぶ……そうするでしょう。それが感じられないのよね」

磯原 「分かります、分かります。私は英語が得意じゃありませんけど、興味があってときどきIBMなど有名企業の報告書を眺めてます。アメリアさんの言うパッションを感じますよ。言い方を変えると自己顕示欲が強いともいえるけど。
日本じゃ大学生が参考に読む程度だから、盛り込む内容と数字さえあれば、あまり表現にはこだわっていないのかな?
投資とか就職の参考にされるなら文章を書くにも熱意が違うのだろうけど」

アメリア 「他社の報告書をたくさん読んでいて、笑っちゃうことがあったわ」

山下 「そりゃ、なんだろう?」

アメリア 「環境方針の文句がISO規格通りなんですもの。だからA社もB社も中身は同じで、違うのは社名だけ」

磯原 「アハハハ、分かりますよ、あれには笑っちゃいますよね。
私も毎年環境方針カードなんてものを配られ携帯するようにと言われてたけど、あんな文章恥かしくて読みたくもないし見せたくもないですよ」

奥井 「アメリカの会社の環境方針ってどんなものなんですか?」

アメリア 「まずISO認証そのものが少数なのですが、ISO認証している企業でも規格通りの書き方なんてのはありません。
どこの会社だって創業の理念があるわけだし、経営トップやCSOの環境に対する思いもそれぞれ違うでしょう。だから環境方針は会社によって、内容も形式もさまざまですよ」

注:環境担当役員の略語はCSO(Chief Sustinability Officer|最高サステナビリティ責任者)としているのが多いようだ。CEOはChief Executive Officerがあるからダブリだ。

注:ISO認証件数は日本が異常に高いことを認識してほしい。以前の回で掲示したものですが参考までに再掲。

2015年のアメリカと日本のISO認証状況
ISO9001ISO14001
件数人口100万当たり件数人口100万当たり
アメリカ33,0511036,064019
日 本46,96837025,990204

山下 「そういう環境方針ですと、ISO審査でトラブることはないのですかね?」

アメリア 「ああ……日本はISO規格通りでないと審査でノンコンフォ−ミティになると聞きました。それもおかしいですよね」

注:後述するIBM社の環境方針は全世界のIBMを一括でBV社が認証しているから、実際問題として不適合ではないのは間違いない。
正式社名でないなんて語る審査員にIBM社の環境方針を煎じて飲ませたい。効果覿面だろう。

山下 「まあ現実問題として、ISO審査でトラブらないためには、大学の試験と同じく模範解答を書くしかないからね。社長の思いを方針にしても、審査員にいちゃもんつけられるだけだ」

こういうことを書くと、どこぞの審査員から「そんな話は聞いたことがない」とか「私の同僚にはそんなアホはいない」なんて、抗議というかご指導メールが来ることを予想する。いや、過去には何度もそういうメールをいただいた。
一度は以前相まみえた審査員ご本人から抗議メールをいただいたことがある。審査ではご当人から「環境方針の中の組織名が登記された通りでなく、ローマ字の略称であるのが不適合」と言われた。
その環境方針のタイトルに「○○社環境方針」と社名が書いてあったのだが、方針の中に略称が使われたのがまずいそうだ。
手に負えませんなあ〜 罪刑法定主義って知ってるかい? 駄々こねのような不適合を言われても困りますよ。

オイ、審査員、お前がオープニングで使ったパワーポイントには、登記した認証機関の会社名でなくアルファベットの略称が書いてあったじゃねえか(笑)
残念ながらそんな話はザクザクある。


アメリア 「すると環境方針も環境報告書も教科書通りというか形式通りに作るしかないのですか?」

磯原 「ISO規格では様式も形式も要求していません。ですけど審査員が硬直した考えだから、もめるのが嫌な日本人は相手に合わせているのですよ。
最近流行語になった忖度ですよ、忖度(注4)


磯原はいろいろなことが頭に浮かぶ。日本のISO14001対応の環境方針といえば、どこも金太郎飴の紋切型だ。


磯原は思う。日本のISOは確かに変だ、変なのだがどこが変なのか、どうして変になったのか、そしてどうして誰も変だといわないのか?
余計なこと、意味のないことに労力を使い、真に重要でやるべきことをしていないのはどうしてなのか?
まあ審査員にいちゃもんを言われるからというのは回答であろうが、それならなぜ反論しないのかという疑問が起きる。ましていちゃもんが正当な要求でないなら拒否しても良いのではないか。

クエスチョンマーククエスチョンマーククエスチョンマーク
磯原
おっと、それはISOばかりでなく環境報告書も同じだし、それ以前にしている環境活動もおかしい。
工場の近隣の子供たちを集めて環境教育をしたり、工場にビオトープを作ったり、里山保全に参加したりすることが、企業が行う環境活動とは思えない。磯原はメセナとか里山保全にうつつを抜かすなら、その金を環境改善に投資すべきと思う。
磯原が思う環境活動は、工場で事故を起こさないこと、環境に限らず法違反をしないこと、製品の環境負荷低減を推進すること、働く人たちが健康で生きがいを持つことができる職場であること、それで必要十分ではないのか?

注:ISO14001:2015の環境の定義3.2.1では「(前略)人及びそれらの相互関係を含む(後略)」とあるから、人間関係も入ると考えられる。

そもそも…ISO14001の意図は「遵法と汚染の予防」だったはずだ。
メセナ、里山保全、子供たちへの環境教育、それらはどのように「遵法と汚染の予防」につながるのだろう?

もっとも磯原がそう考えられるのは、ISO第一世代の山下たちの苦労を知らず、売り手市場だったISO認証もすでにピークを過ぎ、認証機関と受査企業の力関係が変わったからだとまでは思い至らない。


アメリア 「磯原さん、急に黙り込んでしまいましたけど具合でも悪いですか?」

磯原 「あっ、そうじゃないんです。先ほどISOがおかしいよねって話が出ましたね。私は今まで自分が中心になって活動したことはないのですが、脇で見ていていつもそう感じていました。
本社に来て、本社のISOの担当と工場のISO支援を仰せつかりましたので、今の話を聞いてどうすべきかと考えていました」

アメリア 「私もISOなんて関りがありませんでした。もっともアメリカではISO認証はとてもマイナーですけどね。
でももしISO規格の本来の意味が伝わってないためなら、私が英語を解説しますから一緒に考えませんか」

磯原 「ISO規格は日本語に訳されてJIS規格になっていますが、これが英語以上に難解でして、アハハハ
アメリアさんに原文の真の意味とかニュアンスを教えてもらえばありがたいです」

アメリア 「私も今後アメリカでISO認証を考えようかと思っていたのです。面白そう」

柳田ユミ 「ついでにアメリカ流の環境報告書なるものを社内に教えてくださいよ。それをしなくちゃアメリアさんがこちらに来た甲斐がありません。ついでに投資にどう活用するのかも…」


うそ800 本日の疑問

ISO審査で不適合が多く出る項番はあるが、環境方針の項番もいちゃもんが付きやすかった(注5)それはとても不毛な議論だった。

不毛なのは私です私がおばQだからではない

環境方針の議論は、規格の言葉が盛り込んでないということがほとんどだ。審査員たちはISO規格文言を金科玉条として、一語一句違うことを認めないことに固執していた。想像だが法律も公害防止技術も知らなくても、不適合を出しやすいからだろう。

でもさ「『枠組み』という言葉が方針にない」とか「組織の目的が『組織の状況に対して適切』なことを説明しなさい(注6)なんて私は素面しらふでは恥かしくて言えない。家に帰って奥さんや娘さんに、お父さんはISO審査員というすごい仕事をしているんだと誇りを持って言えるか?
そんなことを語った審査員たちは、真面目にその質問が適切だと考えていたのだろうか?
それとも素面ではなかったのだろうか?

注:固執を「こしゅう」と読むのか「こしつ」と読むのか実は自信がなかった。
ネットとか辞典をみたが、辞典やネットでは大半はどちらもOKであった。明治以前に「こしつ」と読んだ例はなかったと記載があるものもある。NHKでは「こしつ」と読むことにしているそうだ。
固執とは「意見や考えを曲げないこと」なのだから、「こしゅう」と読むのがあるべき姿なのか(笑)

本日のお話を読んで、磯原が迎えるISO審査が楽しみだと思われた方、今しばしお待ちください。

私の意見に異議ある方がいらっしゃいましたら、苦情、抗議をお待ちしております。
ご意見はこちら ⇒ お便りをお願いします


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注1
注2
アメリカの金利の推移を見たら、預金する気がなくなるのは当然だ。
アメリカ政策金利の推移と長期データのダウンロード方法
じゃあ日本ならとなると、もっとひどい!
日本銀行公定歩合の推移
このグラフを見て預金する気はおきないだろう。しかし私が子供時代の1960年頃は先生に、社会に出た1970年頃は上司に、しっかり働いて貯金しろと言われたものだ。そう洗脳された身としては、投資はなんだか怖いのである。

注3
嚆矢となったのは、1997年のナイキの児童労働問題といわれる。このときは同社が製品の製造を委託するインドネシアやベトナムなどの東南アジアの工場で、児童労働や劣悪な環境での長時間労働などが問題視された。その後もブランド品の製造などで抗議行動が起きている。
日本でも高校生アルバイトは、要件を満たさないと年少者労働問題である。下手すると、日本は子供を奴隷にしているなんて言われるかもしれない。李下に冠を正さず、十分注意しよう。

注4
クジラ 忖度が流行語大賞になったのは2017年であり、このお話は2016年であるが、あまり細かいことに目くじらを立ててはいけない。

注5
ISO14001の審査でどの項番が不適合が多いのかをまとめたものを見たことがない。私が現役時代に手当たり次第にデータを集めてまとめたものがこちら
規格改定前だが、環境側面、目的目標、力量、是正処置、内部監査などが多い項番だった。理由は簡単だ。専門知識がなくても文書を見ただけで不適合を見つけやすいからだ。

注6
そもそも「環境方針が組織に対して適切か否か」をどのように評価し判断するのかということは、初版制定時にも2004年改定のときもTC207 SC1で議論になったという。
ISOTC委員が分からないなら、審査員にわかるはずがない。
「ISO14001:2004 要求事項の解説」吉田敬史・寺田博、日本規格協会、2005,p.71



立民支持者様からお便りを頂きました(2022.08.08)
誤りでは?
「投資ではないですが、僕は2010年に結婚して新婚旅行は海外でした。民主党政権のときものすごい円高になったでしょう。そのとき換えたドルが残ったままで、その後2007年1ドル120円だったのが2011年75円ですよ。あのとき両替してぼろ儲け、ハハハ」
大損したのでは??

ーーー いやぁ、おっしゃる通りです。
当時、娘が海外旅行に行って残金を残しておいて儲けたわ💜 と語っていたのを覚えていたのですが、あれは震災前の2010年頃に海外に行って、その後2015年頃に円に両替したということであったか!
ええと、重大な間違いでありますが、つじつまを合わせようとすると奥井さんの結婚を3年遅らせて2010年にして、円に戻したのを2016年にすると、この物語のときとなりますが……奥井さんが29歳の時結婚したことでも年齢的におかしくないか?
以上検討の結果、修整します。
立民支持者様、ありがとうございました。そしてすみませんm(_ _ )m.


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