ISO第3世代 84.上西反省する

23.07.03

*この物語はフィクションです。登場する人物や団体は実在するものと一切関係ありません。
但しISO規格の解釈と引用文献や法令名とその内容はすべて事実です。

ISO 3Gとは

前回のあらすじ
岩手工場で改ざんがあるということで大騒ぎになった。しかし調べてみれば岩手工場の塚本課長がいたずらで言ったことが始まりであった。
大事にはなってしまったが、重大なことにはならず良かったと終わるところだが、そう思わない人が一人いた。上西課長である。自分がバカにされたと思ったこと、そして対応に当たっては自分が軽く扱われたことに、憤懣やるかたない。
まずは磯原を追求しようと考えるのだった。


岩手工場の問題は、解決というか決着した。だが上西の表情は苦虫を噛み潰したようで機嫌が悪そうだ。恥をかいた、メンツをつぶされたというところだろうか?


上西課長
俺は機嫌が悪いんだ
そんなわけで環境管理課の面々はいささか神経質になっている。下手なことで怒りを向けられてはたまらない。年配であり一目置かれている坂本や田中は気にしないと思ったが、彼らももめごとは嫌らしく、上西課長のほうを見ないようにしているのがまる分かりだ。
ただ一人、磯原だけがいつもと変わらず対応している。彼の場合は課長代理のようなもので、話をせざるを得ない立場ということもある。


翌日、上西課長は磯原を会議室に呼んで話をする。
上西は山内さんから「山内を呼んで打合せしようとした上西を止める者がいなかったとは、上西が環境管理課で信頼されていないからだ」と言われたのを根に持っているのだ。山内に対してではない、止めなかった者が自分を信頼していないということに、

上西 「岩手工場の件を一昨日に田中さん、坂本さん、磯原君とここで話し合ったね。
あのとき山内さんに話をする前に、私が出張に出すことを決断するように、君がアドバイスしてくれても良かったのではないか」

磯原 「お言葉ですがあのとき私は、課長が調査に行くことを決定すべきと申し上げていますよ。しかし課長は、私の意見を無視して山内さんに電話したのです。お忘れになっては困ります」

上西 「そうは記憶していないが……」(と言いながら目を泳がせる)

磯原 「私に言われたあのときに、そう決断してほしかったですね。
本社の課長は、工場の部長と同等です。私ばかりではないでしょうけど、会社のさまざまな物事について、課長が決裁し命令し対応してほしいと期待していると思います。
なんでもかんでも山内さんにお伺いすべきではありません。自立した行動を期待します」

上西 「具体的に言えばどういうこと?」

磯原 「先日のことで言えば、課長はお忘れのようですが、私が申したのは、どういう方向で調査をするか、誰がいつ何をするのか、関係部門と打ち合わせるなどを、課長が決定し命令を下す。それを山内さんに報告すべきと言いました。そのようにすることでしょうね」

上西 「だけど坂本さんも田中さんも優秀なベテランと聞いていたが、少しもアドバイスがなかった」

磯原 「そんなことありません。当初、課長は慌てていたようでしたが、田中さんや坂本さんが、いきさつを話してくれと言ってから、課長ご自身が改めていきさつを説明したことで状況を把握され、落ち着かれたと思います。効果的ななアドバイスだったと思います」

上西 「だが、何をするかの提案はなかったね」

口論

磯原 「いえありました。田中さんがホワイトボードに、順を追って実施事項を書き記し説明されたでしょう(第82話)。
先輩諸氏が発言されたことをよく聞けば、それを参考に自信をもってデシジョンできたと思います」

上西 「君はあの場の情報だけで対応が決定できたというのか?」

磯原 「決定できるという言葉には二つ意味があります。
ひとつ、決裁権限があれば、情報があろうとなかろうと決定できるでしょう。この問題を担当する責任者は私や田中さんではなく、部長でもなく山内さんでもなく、環境課長であるあなたです。
山内さんは職制上、環境管理課の上長ではありません。環境担当役員である大川専務のスタッフとして環境管理課の面倒を見ているだけです。

またあれだけの情報で対応を決定できたのかという意味であれば、できます。実際問題として多くの場合、責任者は十分な情報がなくても決定しなくてはならない。あのときは、どのみち選択肢は限られています。田中さんが述べたとおりですよ。決定とは採用するかしないかだけです」

上西 「では私が田中さんのアドバイスを聞き漏らしたということか?」

磯原 「そうかどうか私はわかりません。ただ田中さんは何をすべきか、項目をあげ実施の順序まで説明しています。
それにあのとき課長が岩手工場に行きたいとおっしゃった。ということは課長は向こうで何をするのか既に理解していたのではないのですか。

あの時点では、詳細は分からない。詳細を知るために出張に行くか否か、関係部門への連絡と対応策の検討など当面の措置を決定すればよかった。
山内さんに報告するのは、こういう情報が入ったので、とりあえず調査に行きますだけで十分でしょう。

ただ実際には報告ではなく、『どうしましょう』という問いでした。どうしましょうと言われて、山内さんも困ったはずです。
入社したとき先輩に『どうしたら良いのか』とは絶対言うなと言われましたよ。『こう考えているけど、これで良いか』と言えといわれました。
課長ともなれば山内さんに、前提なしで『どうしますか』はないでしょう」

上西 「これまでにしよう」

上西は話を打ち切って、会議室を出てしまった。
磯原は無表情で机上の書類を眺める。何を思うのか。


*****

席に戻った上西は、心中穏やかではない。いや怒り狂っていた。磯原の態度は何だ! 元から生意気というか自信過剰で、越権行為が多くて目障りだった。
上西は、自分より能力が低く、意思が弱い、従順に指示に従う人間が好みだ。

上西は、磯原が自分より知識・経験があることもうれしくないし、磯原が未知のものに気負いなくチャレンジする姿勢も気に入らない。あげくに上西が途方に暮れた問題について、自信をもって対応を示されては部下にしておきたくない。
今までは便利な人間と思っていたが、もう我慢ならんという気持ちでいっぱいだ。

下山さん
人事の下山です
彼をどこかに飛ばしただけでは、環境管理課は動かなくなるのは分かる。上西のいうことを聞くのを二三名引っ張ってこなければ仕事は順調に進まない。どうせこの職場は元から腐っている。俺の代で生産性の高いきれいな職場にしてやる。猪突型の上西は人事に話してみようと思う。
人事には同期の下山がいる。あいつに相談しよう。そして思った瞬間に電話を取っていた。


*****

その日の午後、人事部の小会議室である。上西と人事部の下山がいる。
下山は上西と同期で、人事畑をずっと勤めていた。人事の人間は短ければ1年、長くても3年でどんどんと転勤する。仕事が仕事だから、癒着したり人間関係が悪化したりするのを防ぐためだ。仕事そのものが標準化されていて、どこに行っても同じこともあるだろう。
入社以来21年、上西が2つの工場を経験した期間に、下山は9つの事業所(工場や支社)を動いている。お疲れである。いや彼本人より奥様と子供さんが大変だったろう。

営業や技術系はプラス評価で差がつくが、人事はマイナス評価で差がつく。ちょっとしたミスをしただけでリカバリーが不可能というのも人事屋に特有だ。
人事で新しいプロジェクト、例えば資格制度改革とか退職金制度見直しなんて20年に一度くらいのことであり、人事の仕事で差をつけるとすると成功したか否かでなく、失敗したか否かとなるのは必然のようだ。売上とか特許あるいは新技術導入などのような観点の人事評価はできそうにない。 赤ちょうちん

上西と下山と同期でやはり人事に配属された者が、会社帰りに赤ちょうちんに寄って(酔って)自転車で自損事故転んでケガを起こしたが、それが元で会社を辞めた(注1)
職場が人事でなければ口頭で注意、あるいは問題にもならなかったろう。人事とはそんなとこらしい。

下山さん 「やあ、久しぶりだね。我々も会社人生の半ばを過ぎて、お互いいい年になっちゃった。上西君は順調じゃないか。同期で部長級になったのはまだ10人くらいだろう」

上西 「順調じゃないよ。能力に対して責任の重い仕事でアップアップしている」

下山さん 「上西君の武勇伝は人事でも有名だよ」

上西 「武勇伝? 何それ?」

下山さん 「おっと、上西君の武勇伝ではなく、上西君の周りの武勇伝だったかな、アハハハ
あまり不注意なことをしていると大変だぞ。人事は見ているからね
もう少ししっかりしないと熊本の奥田の二の舞だ。あまり変なことをするな」

上西 「それ、どういうこと?」

下山さん 「オイオイ、自分で気が付いてないのかよ。そりゃ根が深い。
あのさ、何でここに来たのか予想してるけど、部下に恵まれていないと考えているんじゃないの?」

上西 「まさにその通りだよ」

下山さん 「真面目な話だけど、君の行いがいろいろ問題になっているって認識してないの?」

上西 「そんな悪いことをしているつもりはないが」

下山さん 「各職場の女子社員とか派遣とかお昼のおしゃべりはインターネットに劣らず、 耳 情報の宝庫だねえ〜。もちろんお宅のユミちゃんも、収集した情報を上西君に伝えているだろうけど。
スパイじゃないけど、我々も情報源の一つとして耳をそばだてているんだよ」

上西 「申し訳ないが、君の話は宇宙人の言葉のようでまったく理解できない」

下山さん 「うーん、ぶっちゃけて言えば、上西君は考えなしの行動が多い。そのためにいろいろトラブルを起こしている。それを周りが懸命にもみ消している、そういう認識だということ」

上西 「冗談じゃないよ。部下が能無しばかりで僕が参っているんだ」

下山さん 「オイ、素面で言ってるのか? とんだ勘違いだぞ」

上西 「一体全体、僕がどんなトラブルを起こしたと言ってるんだ?」

下山さん 「だいぶ前だが、君が電話しているところを、ユミちゃんがスマホをとりあげて放り投げたってのは有名な話だ。本社中に広まっている。君はあのおかげで命拾いしたんだろう?」

右手 曲線 スマホ 曲線 右手

上西 「ああ、あれか。あんなの大したことじゃない」

下山さん 「いや、大変なことだよ。人事はミスを見つけるのが上手だからな、ハハハ
それだけでなく君が仕事を部下に丸投げするってのも有名だ。丸投げ課長と呼ばれているぞ。そうそう指示待ち課長って呼ぶ人もいたな」

上西 「一体、君は何を言いたいんだ?」

下山さん 「何を言いたいのかっていうと、もっと真剣に仕事をしないと先はないということだ。実を言って、人事内部では君に話しなければと問題になっている。
たまたま今日君から話があったので、この機会に僕が個人的にアドバイスしているつもりだ」

上西 「先がない? 何が悪いんだ?」

下山さん 「真面目100%に切り替えて話をするぞ。我々人事が、人事異動とか査定をするわけじゃない。人事が暗躍しているなんて言う人もいるが、それは間違いだ。基本的に各事業本部が人事異動も査定も昇進も昇格も決める。
人事はその手続きだけだ。もちろん同期とのバランスとか過去の賞罰などの情報提供もするけど。

君は今生産技術本部所属だけど、君を評価するのは所属している部門の上長だけじゃない。君が仕事上関係している他の事業本部とか工場の人たちの評判もあるわけだ。異性に人気があるとかないとかは無縁だが、セクハラまがい・パワハラ手前があったりすればそういうことも考慮される。
正直言ってあちこちから、君は深く考えていないという話が聞こえている」

上西 「僕は何でも熟考しているよ」

下山さん 「そうかな? 会議などで意見や環境課の見解を求められると、同席している部下に丸投げってのが問題視されている。ええと磯原君というのが君の右腕らしいが、彼がいないとからっきしか?」

上西 「彼は右腕じゃない、能無しだよ。彼のおかげで仕事が進まない」

下山さん 「もし心の底からそう考えているなら救いようはないぞ。考えなしだけでなく目も見えないことになる。
君が本社に異動する前2年間、環境課を切り盛りしていたのは彼だからね。おっと君が来てからもか、アハハ
彼は本社の多くの人たち、特に女性からは高く評価されている」

上西 「女性から そんなイケメンではないぞ」

下山さん 「他社並みにと考えたのかどうか知らんが、本社もISO14001なんてのを認証している。これがまたとんでもなく煩わしいわけよ。名刺の再生紙割合を調べたり、文房具のグリーン購買とかしていたわけだ。それだけでなくつまらないことまで手順書を作れという指導で、ごみの分別から照明のON/OFFまでルールを作ったわけだ。ビル管理会社の通知で間に合うんだがね。
誰も喜ばず、手間暇かかってお金もかかってた。それを磯原はあっさり全部止めちゃった。皆ISO審査を心配していたが、彼が審査員に説明して何事もなかった。これに感謝しない人はいない。特に庶務担当の女性の支持はすごい。

それだけではない。総務で廃棄物処理の問題が起きたとき、当時の廃棄物担当がタッチしたくないというので、彼が火中の栗を拾った、いや総務を救ったわけだ。
総務にはキヨちゃんキヨちゃんというスピーカーがいてね、この人がさえずると社内の女性が感化されると言われているんだ。そういうことで磯原の人気はすごい。
間違っても能無しなんて言うなよ。袋叩きにあうぞ」

上西 「つまらないことだな」

下山さん 「じゃあ君にできるのか?
彼は人気取りじゃなくて、問題を解決し仕事を楽にし費用削減してきた。だからみんなに信頼されている。
君が本社に転勤してから半年が過ぎた。君の成果は何だ? 誰かを楽にしたか?
君がいなくても環境課は回るけど、磯原がいなければ君はお手上げだろう。

君は部下にも恵まれているが、上長にも恵まれている。普通の人ならとうに匙を投げてるのに、まだ見守っている山内さんは優しいと陰口されている。意味わかるか?
その代わり君は山内さんの評価を下げている」

上西は山内から過去何度も同じことを注意されていることを思い出した。
次はないと言われながら、いつも次があった。今回も……

上西 「アドバイスをもらえるか? 僕はどうしたらよいのかな?」

下山さん 「まず磯原のすることを観察する、納得できることなら真似をする。
そして彼に限らず周りの人のアドバイスを求めることだ。上長が部下に意見を聞くことは恥でもなく当たり前のことだ。アドバイスや意見は虚心に真面目に聞くことだ。部下の意見を鵜呑みにすることはないが、先入観なしに考える、そして納得できたことならやってみる。
学ぶとは真似ること、習うとは倣うことという。子供になったつもりで真似たら良い。

それと磯原は勉強家だ。本社に来るまでは電気しか知らなかったという。本社に来たら廃棄物で困っている人がいたので廃棄物の勉強をした。ISOが面倒くさいと聴いて手間を省いた。公害担当者がさぼっていたので自分が指導しようと、公害防止管理者の水質1種、大気の1種、騒音振動と資格を取ってしまった。
君は公害の専門家というじゃないか。なら君のスタートラインは彼よりゴールに近いぞ。彼を見習って同じ努力をすれば彼より前に出られる」

上西 「アドバイスありがとう」

下山さん 「はっきり言って君は、入社当時社長候補とか言われた。だけど候補者は何十人もいるわけだ。
社長を一期2年しか務めなかったのは不祥事で引責辞任をした人だけだ。ほとんど2期4年だ。バブル崩壊時の社長は立て直しのために7年社長をした。

ああ、何を言いたいかと言えば、社長候補が4年間に何人いても実際に社長になれるのは1人だということだ。だから仕事でミスしたり成績が上がらなければ、どんどん候補から外れていく。君は本社に来てからはずされた。理由はさっき言った通りだ。
だが今はそれどころじゃなくて、社員でいられるかを心配しなくちゃね

でも社長になれなくても悪いことではない。変にトンガるのでなく、のびのびと仕事をしていればいいじゃないか。既に同期の中ではトップにいるんだから、もって瞑すべしだ」


*****

上西は戻ってくると、マグカップにたっぷりコーヒーを注いで考える。
何も今になって磯原たちに謝るとか、心を入れ替えるなどと言うことはない。日々、仕事に対する姿勢を変えて一生懸命励むことだ。
マグカップ 上西は岡山の検討結果の報告会で、揚げ足取り的な発言したことを思い出した。あれはまずかった。査読じゃないのだから厳密性を追求することはなかった。それに自分のしている仕事も合格レベルじゃない。やっちゃったなあ〜と思う。

「自分の目に梁があるのに、どうして他人の目から塵を取らせて下さいと言えようか(マタイによる福音書7.3.5)」だったかな?
反省せねばならない。
まずは、人の意見を聞くことにしよう。

それから磯原に言われて思い出したことだが、田中さんは岩手工場の改ざん問題のとき、確かに何をすべきかをホワイトボードに書いた。自分は読もうともしなかったから、中身を覚えているわけがない。
なぜ読もうとしなかったかと言えば、どうせ決定は山内さんがするだろうと思っていたからだ。自分が決定するとは思いもしなかった。それほど責任を負っているとは考えていなかったからだ。

そういえば、先日山内さんから言われたな、司会とか板書は責任者がすべきだと。自分の手で書くことで内容が深く理解できると。
確かに発言者は普通SVOCをしっかり考えているわけではない。だから話し言葉は文法上支離滅裂になりやすい。板書する人はそれを聞いて正しい文章にしようと考えねばならない。その過程で論理が理解できる。理解しなければ板書できない。

それは磯原に言われた週報をまとめることも同じことだ。各自の書いたことを理解しなければ、まとめることもできるはずがない。
仕事を理解するには日々入ってくる、各部門からの発信文やメールを理解しなければならない。毎日のメールの処理を田中さんに任せておくのはまずいのだ。他部門からの指示や依頼を、誰かに振り割ってもらっているのと同じだ。それをしなくちゃ管理者ではない。

電子メール 意味は理解できるが、自分が実際にできるのか? 田中さんはメールの処理をするのに初めは昼までかかったという。今は1時間半でできるようになったと自慢していた。これは、できなくてもするしかないだろう。それこそが管理者の仕事だから。

それから今回の改ざんとか熊本の重油漏洩などが起きたときの対応は、どうすべきか。自分は技術的なことを知らない。だから会議を取り仕切ったり、現場で対策の指揮を執る力がない。
だけど自分が知らなくても、現状を分かるように説明させるとか、対策案を提案させることはできるだろう。対策案を考えるのは田中、坂本のベテランがいるじゃないか。彼らが知らなければ、彼らの知り合いを捕まえて対策案を提案させればよい。それは田中、坂本の仕事だ。
そう考えれば自分は板書と決定をすれば良いことになる。もちろんその結果責任は自分が負うわけだが、それは管理者の当然の役割だ。

上西は冷えてしまったコーヒーを飲む。
まず知ったかぶりはやめよう。分からないことは説明してもらう。対策案を提案してもらう。
人の意見を聞くことは恥でもなければ責任逃避でもない。
そう思うと少しは気が楽になった。
とはいえ、それって過去に山内に言われたたびに決心したことではあるのだが……



うそ800  本日の賭け

さあ張った、張った、
上西が頑張る方に賭けるか、コケる方に賭けるか、オッズは五分

サイコロサイコロ


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注1
現在の道路交通法(第65条第1号)では、自転車でも飲酒運転をすると逮捕される可能性はある。ただ飲んでいた・酔っていただけでなく、危険運転などをしなければ逮捕はされないのが普通だ。




ふとし様からお便りを頂きました(2023.07.04)
いつもお世話になっております。ふとしです。
上西が佐為様の経験から生まれた人物だとすると・・・
こんな人間と一緒に仕事をさせられたら堪ったもんじゃないですね。
かなり苦労されたんじゃないでしょうか。

「能無しだよ。彼のおかげで仕事が進まない」
には開いた口が塞がらないですね。
ここまで登場人物を嫌いになったのは、須々木取締役以来です笑

山内さんもさぞ大変でしょうから、もう諦めましょう。
上西は安全部門とか社員用売店部門とかに行ってもらいましょう。

ふとし様 毎度ありがとうございます。
最初、ふとし様からご提案をいただきこのお話を書き始めたのですが、恨みつらみは積もりに積もって、書くことに不足がありません。いや書かねばならぬ、止めて下さるな、妙心殿と走り出したら止まりません。
とはいえ私も70半ば、上西さんを見殺しにもできず、いかに更生させるかと日々悩んでおります(オイオイ)
しばしご覧あれ


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