出版社 | ISBN | 初版 | 定価(入手時) | 巻数 |
彩図社 | 978-4-88392-600-8 | 2007年07月 | 1429円 | 全1巻 |
私の仕事は出張が多い。電車や飛行機の中で何をしているかなんてことを
以前書いたことがある。
飛行機でも電車でも窓際に座れれば外を見て暇つぶしになるけれど、横に並んでいる座席の両端にしか窓はないから確率的に窓際でないほうが多い。電車ならまだしも、窓際でないと飛行機では外が見えない。月刊の機内誌を読むにしても、月に何度も乗るわけで、一回読めば二度目以降のフライトでは読む気がしない。というわけで暇をつぶすには本を持ち込んで読むしかない。
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飛行機の中で眠るという手もあるが、私は貧乏人なので機内の飲み物サービスをいただかないと損した気分になる。先日ついうとうとしていたら大好物のマンゴージュースは既に通り過ぎ二度と戻ってこなかった。
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出張に出かける前に東京駅の中の本屋でこの本を買った。タイトルと帯に書かれた「崩壊寸前の韓国経済」という文句が気になった。
「韓国経済って堅調だあ〜堅調だあ〜」「ウォンも上がっているぞ」「日本はまだ失われた10年が終わっていない」と国内のメディアは報道している。
しかしいつも私の考えるスタンス、つまり細かなことでなくインプットとアウトプットをとらえると、どうも計算があわないような気がしていた。
だってIMFは過去の問題としても、カード破産者急増とか大学出ても仕事がないなんてことはよく言われている。ネットでは恐慌状態と大げさに書いているところもある。
そして最近のウォン高は間違いなく韓国の輸出産業にとってボディブローとなっているはずだ。1ドルが360円の時代から会社員をしてきた私は、為替相場の意味と影響を知っているつもりである。単に安く海外旅行にいけていいわねえ〜というような甘いものではない。
だから日本の大手メディアが語っているのと現実はちょっと違うのではないかと以前から思っていた。
この本のタイトルから「韓国経済が危ないよ〜」というようなことが書いてあるのかと思いました。
しかし読みますと、経済問題だけではないようです。
この本は韓国経済についてというより、韓国の国際収支について書いてありますが、そこから見えるのは韓国の経済ではなく、韓国社会の崩壊であるようです。
韓国という国というか価値観というか文化というか、そういったものが崩壊しつつあるようです。
・経済問題が先で社会規範の崩壊が結果なのか?
・文化的・政治的変革が先で経済崩壊が結果なのか?
そのへんはこの本を読んでもよくわかりません。
ともかく韓国が崩壊するといったいどうなるのでしょうか?
韓国が崩壊すると北朝鮮と韓国が合体して巨大な北朝鮮が出現するのかもしれません。
皆が貧乏で独裁者がいて周期的に飢饉が起きて、国民が近隣諸国に逃げ出すという国が・・・
私たちは、韓流ブームとか嫌韓とか、韓国に対する気分や価値観の問題ではなく、韓国が崩壊したときに日本は備えておかなくてはなりません。
正直なことを言いまして、韓国がアフリカあるいは中東にあるならば私は韓国が崩壊しようと難民がでようとあまり気にしないでしょう。非情かも知れませんがあなただってそうに違いない。
昔ブラジルのハイパーインフレやアルゼンチンの財政破綻を心配した一般日本人が多くいたとは思えない。
しかし残念なことに、韓国はすぐ隣にあります。
韓国が崩壊しなくても、韓国の不況が強まれば日本に何百万という難民が押し寄せてくるのでしょうか?
そして何十年かするとそういった難民の子孫が強制連行されたと騒ぎ出すのでしょうか?
そうなると、日本の治安はどうなるのでしょうか?
軍事的バランスや経済的なことより目先の問題として治安悪化が心配です。
しかし不思議というか問題というか、なぜ日本のマスコミは韓国の現実を正しく伝えないのでしょうか?

・日本のマスコミは真の姿を見る力がないのか?
・真の姿を見ないようにしているのか?
・真の姿を日本人に伝えたくないのか?
いずれにしても日本のマスコミはジャーナリズムとは対極にあるようです。
しかし疑問はつきません。
しかし・・
更なる心配がある。そう中国である。中国は韓国より大きい・・当たり前か
中国はいつバブルがはじけるのか? 中国の分裂はいつなのだろうか?

オリンピックまであと1年
北京オリンピックは開催されるのだろうか?
・1940年の東京オリンピックのように中止されるのだろうか?
・1980年のモスクワオリンピックのようにボイコットされるのだろうか?
・あるいは史上初、開催国が消滅するのだろうか?
・それとも予定通り開催されるのだろうか?
オリンピックどころではない。中国経済がいや中国が崩壊したとき、アジアはどのような混乱になるのだろうか?
中国の軍閥は好き勝手に軍事行動を取るに違いない。そのとき海を隔てているとはいえ、日本はどのような攻撃を受けるのだろうか?
核ミサイルが飛んできても困るが、軽武装の数個師団が来る方がもっと大変かもしれない。
心配は尽きない。
もう八百万の神に祈り、神風が吹いてくれんことを願うしかない。
もちろん、どんな本でも見方は偏っている可能性は否定できません。私が取り上げている
「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」とか
「憲法9条を世界遺産に」とか、とにかくすべての本は一方的な見方であり、そういった主張に反論している本もあるし、インターネットで反論を唱えている方もいる。
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もっとも「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」にしても「憲法9条を世界遺産に」にしても、私が賛同しているわけではありません。 反面教師として取り上げております。
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そういえば、昔「買ってはいけない」なんて本があったが、「買ってはいけないは買ってはいけない」なんて反論本もありました。笑います。
私も一方的見方に囚われるのもいやですから、ネットでこの本の書評をだいぶ調べました。しかしこの本には賛意を表すものは多数ありましたが、反論や瑕疵を提起するものは見当たりませんでした。
もちろん出版間もないのでまだ反論がないのかもしれません。
インターネットには外国のメディアが報じるさまざまな、そして日本の報道機関より信頼性の高い情報がたくさんあります。残念なことに英語ですけれど。
わが師の一人、
KABU先生は日本国民がみなTOEIC700点くらいの英語力を持てば、日本のマスコミは崩壊すると語っている。
私の英語力はTOEIC700点はないが、今度から
ファイナンシャルタイムズをウオッチすることにしよう。皆さんもいかがですか?
いつも書いてますが、推薦する本の内容とかあら筋を書くことはご法度です。
興味ある方はぜひ本屋でお買い求めください。1400円は高くはないでしょう。
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