肩書き 2004.04.29
最近、激情に駆られた文章ばかり書いておりますので、本日はキュウリのようにすこしは冷静に「肩書き」について考えたいと思います。
kyuuri.gif
as cool as cucumber
きゅうりがなぜ冷静なのか?実は私はわかりません。たしかにキュウリを使った煮物とか熱いスープというのが食べたことがありません。
熱い料理にキュウリを使わないからキュウリのように冷静にというフレーズができたのか?キュウリは水分が多く持つと冷たく感じるからそう言われるのでしょうか?
これもまた話の種になりそうです。
肩書きとは何かと言いますと、まあ名刺の肩に書くからなのでしょう。
広辞苑によりますと、氏名の右上に書く住所や称号などとあります。なになに・・・犯人・容疑者の前科の意味もある・・・・残念がなら私はどちらのの意味でも肩書きと縁のない衆生であるようです。

さて私は他社を訪問することが多いお仕事です。行けばどこでも名刺交換という儀式を行いますので、1年もすると頂いた名刺が山となります。
改めて眺めて見ますと肩書きのない名刺なんてまずありません。
  • 多いのは職位とか職階を表すものがダントツです。
    • 代表取締役社長・・・お山の大将でありますが、苦労も多いのでしょうねえ、

      日本人よ!誇りをもて

      代表取締役 任田 佐為

      ★★★〒000-0000 東京都千代田区1番1号
      ★★★電話 03-000-0000

      Recycled Paper
    • 副社長・・・会社のナンバーツーであるわけですが、ある会社では副社長という方が10人もいました。
      それじゃ本当のナンバーツーには筆頭副社長とかつけるのでしょうか?
    • 執行役・・・最近多いです。委員会等設置会社といいまして、取締役は会社の監査・監督を行い、会社の運営は執行役がするという形式です。
      これからのサラリーマンの目標は取締役ではなく、執行役となるのでしょうか?
    • 主任・・・平社員も全員名刺に書いている会社もありました。
    • 参事・・・偉いのか偉くないのか?見当がつきません。ある会社では部長職でしたし、ある会社では係長待遇でした。
    • 担当部長・・・これまたおおいに位置づけの分からない名刺で、こっそり聞きますと、部下のない部長だったり、外で使うだけで社内では担当者だったり・・・・電話で「○○部長さんをお願いします」といいますと「○○ちゃん電話〜」なんて声が聞こえたことがありました。
    • 地方公務員の場合は 主事・・主任主事・・副主査・・主査・・副主幹・・副参事・・主幹・・参事・・参与・・・と聞いたことがあります。
      まさに軍隊の階級のようです。 
       上り詰めた時にはもう疲れ果てているのでしょうか?
      私が以前住んでいた『町役場』では職員の名刺には役場と名前だけが印刷してあり、職位はゴム印を押していました。あれはなんだったのでしょう?異動が多いのでしょうか?

  • 次に多いのは、あるいは上記と併用されているのは、資格とか学位です。
      ワシも博士じゃ
    • 博士・・・日本にこれほど博士がいたとは知りませんでした。私の仕事柄お会いする方は工学博士とか理学博士がほとんどです。最近は学術博士というのも拝見します。
    • 技術士・・・これまた多い。ドクターより多いかも?
      中には○○技術士なんて怪しいものもあります。法で定める技術士ではないようです。技術士でないのに技術士を称したら30万の罰金ですよ。(技術士法第五十七条)
    • 薬剤師・・・やくざな医師ではありません。ドラッグストアには必ずいなければなりません。
    • 社会保険労務士・不動産鑑定士・・・こういった名刺は仕事ではなく、囲碁クラブでいただきました。
    • 宅地建物取引主任者・・・不動産屋にいけば必ず・・・・

  • そのほかには趣味というのがありますね、
    • JA○XXX・・・これはアマチュア無線のコールサイン。JAで始まるのはものすごく昔に取得したということでして、そりゃあめずらしい。化石ではありませんか?
    • 囲碁五段・・・なんてのは見たことありません。 
    • 詩吟師範・・・いましたね、私の友人に
    • 俳人・・・俳人というにはなにか資格が要るのでしょうか?
まあ、名刺に書かれた肩書きの検討(?)をいたしましたが、いずれにしても社内あるいは一般社会で認知された条件により記載されているわけです。
平社員が会社に内緒で「課長」なんて肩書きを書いたら懲戒ですし、ドクターでもないのに「博士」なんて書いたら詐欺ですよ。リストラされたり定年退職してから会社の名刺を使うのも詐欺罪、気をつけましょう。
民間の資格でも確固たる信頼性のあるものは多い、ISO審査員のISO9000のJRCA、ISO14001のCEARなどは国家資格ではなく民間資格です。ですから間違っても「審査官」なんて呼びかけてはいけません。「審査員」あるいは「○○さん」と呼びかけるのが正しい作法 
もっとも審査員の中には偉いと勘違いしていて、「○○さん」と呼びかけると応えず、「○○先生」と呼ぶと「ハイハイ」と喜んでいる方もいます。
相方の似顔絵です 髪の毛を切る床屋さんは理容師法に定めるれっきとした国家資格、無資格者が行えば三十万円以下の罰金(理容師法第十五条)
犬の毛を刈る人もちゃんとした民間資格、れっきとした肩書きであります。
たぬきの毛を刈る人は・・・・・知りません。相方の通っている床屋さんに聞いてみようと思います。


さあ、ここまでは実は前ふりでございます。長くとも前ふり、短くとも本文。 
では本日の本論でございます。
今まで述べましたような法律や社会の通念に基づいたれっきとした肩書き以外にも、そういった権威とかに囚われない肩書きというのも実はたくさんあるのです。
そのようなものにはカタカナ語が多いようです。
  • ニュースキャスター・・・・ほう!アナウンサーとは違うのでしょうか?
  • 評論家・・・・これになるには一切資格、経験が要らないようです。
  • 作家・・・・売れなくとも作家と称しても許されるようです。
    私の知人は長年の夢だといって、定年まで何年もあったのですが退職して今では作家を称しています。
    書いたのは自費出版の本一点。
  • 写真家・・・・有名な某ニュースキャスターの息子が写真家を称していますが、写真で賞を取った気配もなく、写真集も見たことがありません。
  • ジャーナリスト・・・・まず定義からして理解不能です。新聞記者、論説委員などをいうのでしょうか?
    櫻井よしこ橋本五郎辛坊治郎あたりまではジャーナリストかなあと思います。
    筑紫哲也、久米ひろしあたりとなるとアジテーターというのでしょうか?
    古館一郎・・・ここまでくると間違ってもジャーナリストではなさそうです。 

quest.gif イラクに絵本を作りに行った少年は、はじめはフリーライターと報道されていました。
フリーライターってなんでしょうか?ただで物を書く人なのでしょうか?100円ライターより安いライターなのでしょうか?
ものの本によると専属でない『フリーランスのライター』ということだそうです。
するとかの少年は専属でなく、どこから依頼されても寄稿するライターなんだそうです。
どんなものを書くのでしょう。
いや、訊くまでもありません。劣化ウランなのでしょう。 


ところがイラクから帰ってきたら少年の肩書きが変わりました。
フリージャーナリストとあります。うーーーん、フリージャーナリストって?
quest.gif これまたカタカナ語辞典によると『特定の報道機関に所属せず個人で活動しているジャーナリスト』謎は深まるばかり
報道もニュース解説もしないのにジャーナリストなの?それとも金にならない(フリー)ジャーナリストなんでしょうか?


そこでひらめき、はっしと膝を打ったのです。
彼はフリーターに違いない。
本論が短すぎですって?
甘い!
あなたは日本人よ!誇りをもてを分かってない



私も今日からボランティアのフリーライターで
フリージャーナリストを名乗らせてもらいます

何かご異議がありますか?



独り言の目次にもどる