ISOかUSOか? 2005.01.07
私は商売が商売ですから、ISOとか14001なんて表題がついている本を見かけると必ず手にとり、かなりの確率で買ってしまいます。そしてかなりの確率で後悔しております。
man2.gif なぜ後悔しているかというとですね・・・・本日はそのようなことを書きたいと思います。
本を書く、あるいは雑誌に論文を載せる、はたまた月刊誌にコラムを持っているということは、まあ、有名人といいますか、権威と思われているのでしょう。
それはそれは結構なことです。人をねたむほど私はいやしくありません。
それは置いといて、そんな本を読みますと、半分どころか数ページあるいは半ページ読んだだけで「こりゃ、だめだ」と放り投げるものがたくさんあるのです。
どんなものかといいますのが本日のテーマであります。

何事も、特にISO14001マネジメントシステムなんかで本を書こうとするならば、そのバックグラウンドといいますか、それに関係することはたくさんあると思います。公害防止に関すること、マネジメントに関すること、ISO規格に関すること、環境問題全般、環境法規制に関すること、生態系に関すること、化学物質に関すること、グリーン調達、その他環境配慮設計とか・・・それはそれはものすごく広いわけです。
それらISO14001の本の著者はISOの審査員かもしれないし、学者あるは一般のジャーナリストかもしれませんが、自分の専門分野以外のことを書く場合に気をつけないといけないのは間違いを書いちゃいけないということです。書き足りないのは許されます。
記述に間違いがあると、そのご本人の専門分野においてもそのレベルが低いとみなされるからです。
なんか以前も同じ事を書きましたね 

具体例をいくつかあげましょう。雑誌にマニフェスト伝票について書いている方がいました。そこではISO14001の審査に行ったならマニフェスト票を発行しているか、回収しているか、期限内かを確認しなければならないとありました。
ご本人の専門はきっと別の分野だと思います。・・・そう信じたい・・・たまたまマニフェスト票というものを見聞きして、それをネタに書いたと思います。
でもね、見聞きしたことだけで書くのではなく、書く前によく法令を調べ、各種通知を見るべきだと思いますよ。マニフェスト票をちゃんと管理しているかを判断するということは実はかなり込み入ったことでありまして、簡単になになにをチェックせよなんて書けるはずがありません。法令以外に沢山の通知が出ており、また自治体によって条例で上乗せ横だしの規制があります。
マニフェストに上乗せも横だしもあるまいって?
甘い甘い、廃棄物の分類は法律で19種類ですが、自治体によってはより細分化してマニフェストに記載させているところもあります。
あるいは記載方法でもこの自治体では許され、この自治体ではだめというのがたくさんあるのです。
 困りましたか?
困りませんよ、勉強すればよいのです。違いますか?
man7.gif ある方が書いたリサイクル推進の本に、不要となったものは自治体や各種リサイクルルートを活用し、リサイクルルートのないものは販売店にお金を払って引き取ってもらおうというのがありました。
本当ですか? そんなことをしたらあなた廃棄物処理法違反ですよ。
そんなことを読みますと、それ以外の部分について不信感を持ちましたね。
イエ、全然信じないわけではありません。どこまで信じたらいいか信じられなくなったのです。 

exp.gif また別な本ですが、著しい環境側面を特定するのにいまだに
「量的な大きさ」×「質的な大きさ」×「発生する頻度」=「評価点」
なんて書いているのがあるんですよね
自分でやって御覧なさい。まず、そんなもん意味ありませんよ。
もちろん、そんなアホらしいことでなくて、まじめなことを書いてある本も多々あります。
私が思うに著者はご自分では環境影響評価なんてしたことないですね、もししていたならば、その結果の正当性を判断できなかったのでしょう。
昔の話ですが(今では3年一昔といいます)、私がシステム構築時に側面評価をしたときのこと。しょうがないのでこの算式で評価式を作りました。
でもね、いくら係数を調整しても、自分たちが考える結果にならんのですよ。
困りましたかって?
困りません、はじめはエクセルのワークシートに算式を入れて自動的に計算させていましたが、面倒くさくなって、手で数値を入れて自分たちが確信する順序になるように数値を合わせたんです。
簡単でしょう?
つまり 3×5×4=60 で都合が悪ければ  3×5×4=50 にしたんです。
そんならはじめから自分たちの理屈で側面を評価したらいいのにとおっしゃいますか?
そのとおりなんですが、ISO14001の審査が始まった頃は、○○流とか□□方式なんていうのでないと審査に合格しない時代があったのですよ・・・嘆かわしいことです。
○○とか□□には審査機関の名前が入るのです。
当時はまだ誰も右も左も知らないのですからやむをえなかったことはわかります。でももう9年も経ちました。
いまだにそのようなことを本に書いているとは、継続は力なり。
いや、継続には力がいるだろうけど頭はいらないようだと・・・
リスク評価で「リスクの大きさ」=「危害の重大性」×「可能性」という算式があるのはおばQでも知っている。
しかし、そのような本の環境側面の評価では「1・2・3とランク付けしましょう。5段階でもいいです」などと書いているのである。
本のタイトルに「認証取得のための」と銘打っているのがあります。
これって気に入りませんね。
man3.gif 「認証取得のため」とは一体なんだ!
ISO規格をおとしめてはいけません。ISO規格はプライズでもなければライセンスでもない。それは会社を良くするためのものではないですか?
そのような本を書いていらっしゃる方は、認証取得のためのマニュアルをつくり、認証取得のためのコンサルはできても、会社をよくするマネジメントシステムを構築する自信がないのか?あるいは法律を知らないので遵法を確実にしますといえないのか?
認証取得という表現をやめて欲しい。いえ辞めてほしい。

全然、別件ですが、
今でも「有事法制反対!」なんて書いているホームページもあります。
いや、頑固もまたよろしいのですが、コスタリカは非武装中立だなんてことをいまだに書いているのです。これは早々に改めたほうがいいですよ。
それを見て、非武装中立も嘘っぱちと思われるとイヤでしょう?
私はどっちにしても嘘っぱちだとは思いますがね 



本日の結論
間違ったISO解説本は、
ISOでもUSOでもない、
それはきっとUFOに違いない!


あっつ、本日は別にカッカしているわけじゃありません。
大枚3000円も払った本がクズだったのでお金が惜しいと悔やんでいるのではありません。
本当はその代わりにお酒を飲んだほうが良かったなんて、思っているのでは決してありません。
信じてください。


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