憲法を何度も読み返しておりますが、文意が分かりにくいこというまでもありません。
なぜなのでしょうか?
あまりにも格調が高く、私のような無学な田舎者には理解しがたいのでしょうか?
『英語で憲法を読む』という本があります。
憲法を本当に読み取ろうとするなら安いですからぜひお買い求めください。
私、英語の力は中学生レベルですが、日本語より英語のほうが分かりやすいです。
なぜでしょうか?
その理由は簡単です。
主語・述語が明確で単語の意味さえ分かれば意味が理解できないとか、誤解する心配がありません。
一方、日本文(日本国憲法)には主語述語がはっきりしないので要するに意味が分からないのです。
日本国憲法が(あれこれ言おうと)GHQから命令された事実を考えれば、日本語で一生懸命読み、理解しようとするより、英文を読んで理解しようとしたほうが正道のようです。
ということは日本語で理解しようとすることは邪道か(^^)
まず、一番気になるのは主語ですね、
日本国憲法99条にセンテンスが私の数えるところ207ありました。(複文、重文を分けて数えた)
この207の文章の主語は明確でしょうか?

センテンスの約半分は能動態で書かれ、一応主語があります。
約20%の文章は能動態ですが、主語が記されていません。
そして30%の文章は受動態で主語があり、なんと受動態で書かれながら主語のないものもわずかながらあります。
このような文章では読む人によって解釈が異なるのは当たり前でしょう。
受動態であるばあい、真の主語がなければならないでしょうし、形式上の主語さえなければ呪文じゃないですか?
法律を専門に勉強した方のみが憲法を理解できるとしたら、その故をもってこの憲法は欠陥品であると私は断じます。
だって、大多数の国民に理解できない憲法は国家の規範たるを得ませんもんね、
それに勉強した人だけが理解できるということは、憲法原文を理解したのではなく独特の解釈を覚えたということに過ぎないでしょう。
ISO規格では勉強しないと規格が理解できないなんてことはありません。
文章をそのまま読んだことがそのまま規定要求事項(requirement)なのです。
もし憲法を理解するのに○○先生の教えを受けないとならないというならば、
それは○○先生の解釈を鵜呑みにするということと違いますか?
私は法律なんか勉強したことありません。
しかし、各種届出、手順など今までの経験で法律、施行令を日本語として読んで意味が分からなかったことありません。
だって法律ってそういうもんでしょう?
第二の問題ですが、
原文(英文)で使われている『shall』のニュアンスがまったく日本語版に出ていない!
『shall』って、神様あるいは絶対者が『おまえは○○するべし』と命令する表現です。
これはものすごい、絶対的な命令のニュアンスなのです。
逆らったら人間の罰ではなく、神の意向に反するくらいの重みです。
それが日本文では命令形を避けて
奪ってはならない → 奪われない
税金を納めなければならない → 納税の義務を負う(まあ、これくらいは許容範囲か?)
自由を侵してはならない → 侵されない
となり、原文のニュアンスを弱くして意味不明の呪文としているのです。
ちなみに、ISO規格
でも『shall』という単語はたくさん使われています。
日本語の翻訳では『すること』となっており、原文との意味の違いはそれほどなく、あまり誤解はされていません。
今はワードやエクセルがありますから、憲法の和文、英文の電子データをいじっていますといろいろなことに気がつきます。
言葉の検索や類似表現の抽出・比較などあっというまです。
原文の英文Aと英文Bは表現が同じだが、日本文A’と日本文B’の表現はまったく異なるとか能動態、受動態の違いがあるなんてすぐ見つかります。
そしてその違いが、日本語の文章としてより良くなったというより、より分かりにくくなっているような気がします。
暇があればセンテンスレベルじゃなくて単語レベルでその相違や矛盾をじっくり検討したいと思います。
だいぶ昔に聖書全文を電子データ化しコンピュータでさまざまな処理をして矛盾がないか分析されたという話を本で読んだことがあります。
もちろんその結果、まったく破綻がなかったとも聞きました。
憲法の解釈論議の前に、ぜひ一度憲法の文言に矛盾があるかどうかチェックすることをお勧めします。
もっともその時、コンピュータのそばにいるのは危険です。
日本国憲法をインプットされたコンピューターが爆発したり叫んだりするかもしれません(^^)
護憲とおっしゃる方々、
現憲法を本当に語義上間違いなく理解され、運用されるためにも、言葉の表現を全面的に見直さなくてはならないことに同意していただけますでしょうか?
もし、現状のままの呪文ですと、私は憲法の趣旨が誰にも理解されずに化石となってしまうのではないかと懸念いたします。
誰です? 『もともと誰も理解してないよ』 なんておっしゃる方は?
そこで本日のまとめ
正しく日本国憲法を理解するためには、英語版を正とし日本語版は参考用となければならない。
もしそれがいやなら、少なくとも表現だけでも全面的に見直さなくてはなりません。
それとも、
憲法に書いてある内容なんてどうでもよく、護憲!、護憲!と叫んでいればよいのでしょうか?