コンピュータ室運営日誌


1997年

11月下旬のできごと


非常事態に備えて(11月22日)
学校の予算(11月23日)
リンクがつながらない事件(11月25日)
公開授業前日&パソコンクラブ(11月26日)
授業直前の大トラブル(11月27日)
見せる授業と見せない授業(11月29日)

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 非常事態に備えて(11月22日)

 来週木曜日の公開授業に向け準備を進めています。

 子どもたちによるプレゼンテーションを中心とした授業を行うのですが,今週中に「ハイパーキューブ」(子ども向け多機能ソフト)を使った資料づくりが終わったので,この3連休を利用して子どもたちは発表原稿を作成しています。というか,作成しているはずです。(自信なし)

 私の他にH先生とT先生もパソコン授業を公開するのですが,T先生はデータ消失やコンピュータの故障などの非常事態に備えて,OHPを作成しておくとのことです。

 そうでした。大事なことを忘れていました。

 1学期の授業参観のときには,保存作業のミスによりファイルがなくなってしまったし,先日は,ファイル操作のミスにより,パソコンクラブのデータがすべてなくなってしまったにもかかわらず,私は何も考えていませんでした。

 うーん,そういえば,先々週から始めたデータのバックアップ作業もさぼっています。(苦笑)

 何か対策を立てておかねばなりません。

 データ消失については,バックアップをとっておけば防げるとして,機器が壊れてしまった場合はどうしましょうか。

 T先生のようにOHPを作成しておくのも有効な手段ですが,コンピュータ室でやる授業なのにコンピュータを使わないのもちと情けないです。せっかくパソコンが21台あるのでパソコンを利用した方法を考えておきたいです。

 子どもたちがパソコンで作成したプレゼン資料を,ビデオプロジェクタに出力して発表する授業なのですが,考えられるトラブルとしては,サーバーが故障した場合,ビデオプロジェクタに接続しているクライアントが故障した場合,ビデオプロジェクタが故障した場合の3通りが考えられます。

 サーバーが故障した場合
 今回の授業では,サーバーの機能は特に必要はありません。ただし,子どもたちが作成したデータはすべてサーバーに保存してあります。ですから,授業で使うデータを他のメディアにバックアップしておく必要があります。

 クライアントが故障した場合
 今回の授業では,ビデオプロジェクタに接続されている教師用パソコンをプレゼン提示用に使います。ですから教師用パソコンが故障した場合は,他のパソコンにビデオプロジェクタを接続すればOKです。

 ビデオプロジェクタが故障した場合
 これが一番厄介です。ビデオプロジェクタが故障してしまうと,スクリーンに投影することができません。やはりOHPを作っておくべきでしょうか。
 そういえば,私たちの学校にはもう一台ビデオプロジェクタがあります。それがすんなりパソコンと接続できれば問題ありません。明日にでも試しておきたいです。
 他の方法としては,図書室に28型の大画面ディスプレイがあるので,それをコンピュータ室に持ち込んでおく方法もあります。そうすればスクリーンよりは小さいですが,何とかクラス全員が見ることはできそうです。


 滅多にないこととはいえ,万が一のことを考えると色々面倒です。




 学校の予算(11月23日)

 コンピュータ室のパソコン用品購入のため,地元のパソコンショップで買い物をし,その後学校に行って作業をしました。

 コンピュータ室を管理運営していると,当然のことながら色々とお金がかかります。先週金曜日に消耗品等をチェックした際に,補充(及び購入)しておきたいと考えたものは,印刷用紙,インク,OHPシート,FD,MO,OAクリーナー,それから「ハイパーキューブ」(子ども向け多機能ソフト)のバージョンアップです。

 最も消耗の激しい印刷用紙は職員室用のコピー用紙を流用していますが,他の用品はすべて会計主任(仮称)や管理職の先生に直訴して購入許可を得なければなりません。

 学校の予算には,自治体から分配される公費と学校独自で調達した私費があり,どのお金を使うかで会計処理の方法が異なるので少々面倒です。

 インクは公費で15本ほど購入することになりました。公費を使う場合は自治体の指定業者から購入しなければならず,そうすると地元のパソコンショップより1割以上高くなってしまう(問題発言か)ので,ちょっと割りきれない思いがします。

 OHPシート,FD,MO,OAクリーナーは,私費で購入することになったので,地元のパソコンショップで購入しました。

 以上の消耗品については,公費私費の指定はあるものの,必要物品ということですんなり購入許可が下りたのですが,「ハイパーキューブ」のバージョンアップについては,強く要望したにもかかわらず,「特に必要なものではない」との理由で見送りになってしまいました。

 今度の「ハイパーキューブ」は,HTML書き出し機能と電子メール機能と掲示版機能が加わり,バージョンアップ料金も22ライセンスで63000円なので,お買い得だと思っていただけに残念です。

 どうやらネットワーク関連機能は,まだまだ管理職の方にとっては得体の知れないものであるらしく,購入を承知させる決め手には成り得ないようです。


 さて,コンピュータ室では,まず初めに最近サボっていたデータのバックアップ作業を行いました。所要時間は約30分でした。前回は230メガのMO1枚で済んだのですが,2週間あまり過ぎた今回は400メガを越えてしまいました。とにかくこれで一安心です。

 ところで,バックアップの最中に一つ大発見をしました。

 何と,11月の初めに消失したパソコンクラブのデータが見つかったのです。

 他のクラスのフォルダの下に,こっそり丸ごとぶら下がっていたのでした。(笑)

 今さら見つかってももはや手遅れですが,とりあえずすっきりしました。

 それから,来週の公開授業に向け,室内の整理整頓をしたり,掲示物を作成したりして今日の作業を終えました。




 リンクがつながらない事件(11月25日)

 公開授業を明後日に控えています。

 子どもたちによるプレゼンテーションを中心とした授業を行うのですが,今日は発表原稿の読み合わせと「ハイパーキューブ」(子ども向け多機能ソフト)で作ったプレゼン資料の見直しと修正を行いました。

 発表原稿は,授業時間内に書くことができなかったので,連休中にぜひ完成させておくようにと言っておいたのですが,何と!全員がきちんと書いてきました。びっくりしました。

 ちょっと面倒な宿題を出すといつも5〜10名ほどがサボってしまう我がクラスです。実に不思議です。

 そんなに恐い顔して言った覚えはありませんが...。

 とにかく子どもたちの頑張りにより原稿も資料も無事完成したので,今日の授業は予定通り順調に進めることができました。


 ところで,プレゼンテーションとはいっても,専用のソフトを使うのではなく,ワープロ画面をそのままスクリーンに映すだけなのですが,実は少々困っていることがあります。

 それは,複数の画面(ページ)を連続して表示させることができないことです。

 そう言えば前回の「ミニ新聞」のときは一人一画面だったので問題はなかったのですが,今回はグループ作業で複数の画面を連続表示しなければならないのでした。


 初めは,プレゼンに使用するファイルのショートカットをディスクトップに置いておいて,それらを次々にすばやく起動終了させることにより連続表示させようと考えていたのですが,メモリ24メガのパソコンでは再起動にもそれなりに時間がかかってしまいますし,ダブルクリックにもたつく子もいるので,どうも面白くありません。

 そこで,必要なファイルをあらかじめすべて読み込んでおいて,すばやくウィンドウを切り替えさせることにより連続表示させようとも考えたのですが,これもちょっと面倒ですし芸がなさ過ぎるように思いました。

 それで最後に考えたのがOLE機能を活用する方法です。

 OLE機能とはいわゆるリンク機能のことなのですが,htmlのリンク機能ようにファイルを指定をするのではなく,画面上にオブジェクト(今回の場合はファイルのショートカット)を配置することによってリンクさせる機能です。

 表示させたいファイルのショートカットを,一つ前のファイルの画面上に配置しておけば,ページをめくるようにファイルを開くことができます。

 休み時間のうちに子どもたちが作った資料を表示させる順にリンクさせておいたのですが,授業が始まって子どもたちに操作させてみたら,「プログラムが起動できません」とのエラーメッセージが表示され,次のページに進むことができなかったのです。(泣)

 どうやら,ネットワーク上のファイルをリンクさせたことが原因だったらしく,教師用パソコン上でリンク作業を行ったファイルは,教師用パソコン上ではリンク機能が働くのですが,児童用パソコン上では働かないのです。

 何故だめなのかさっぱり分かりませんが,とにかくだめでした。

 それで結局,休み時間にせっせと組み込んだリンクをすべて解除し,子どもたちのパソコン上でリンクをはり直したら今度はどうやらうまくいきました。

 ですが,授業でうまくいくかどうかは疑問です。

 OLEを使ったリンクはメモリを大量に使うらしく,リンクをはる作業をしたり,閲覧したりしている最中にフリーズしてしまうことが何度も起こってしまったのです。

 ピンチです。

 今日はもう寝ます。




 公開授業前日&パソコンクラブ(11月26日)

 10日間にわたって準備を進めてきたパソコン公開授業がいよいよ明日行われます。

 今日は,明日の授業のプレゼンテーションの場面のリハーサルを行いました。

 リハーサルとはいっても,子どもたち同士で発表し合う授業なので,本番同様にやって,お互いの発表内容が分かってしまっては面白味が無くなります。ですから今日は,発表グループごとに分かれて,発表者の話とプレゼン資料の提示のタイミングとをピッタリ合わせることなどを目標にして,自己評価をさせながら練習させました。


 うーん。やはり「ハイパーキューブ」のリンク機能はどうも調子が悪いようで,リンク機能を使ってプレゼン資料を連続表示させている最中に,強制終了またはシステムエラーが発生してしまったグループがありました。
 
 明日の本番では,いったいどうなる事やらずいぶん不安な状況ですが,もはや運を天に任せるしかありません。



 午後からはパソコンクラブがありました。

 ホームページづくりを始めてもうすぐ3ヶ月になります。ちょっと飽きてきたのでもうそろそろ終わりにしようかなという感じです。

 それで,ホームページづくりの次には何をやろうかと,もう一人のクラブ顧問であるH先生と相談したのですが,H先生の意見は,「何かプログラミングのようなものをやらせてみてはどうか」とのことでした。

 H先生が言うには,「たとえどんなに簡単なものであっても,自分がプログラミングしたものが思い通りに動いたら,それは子どもたちにとってとても嬉しいことであり,きっとコンピュータの楽しさを味わわせることができるにちがいない」とのことです。

 なるほどです。

 確かにそうかも知れません。

 私は,自分自身が「BASIC」や「VisualBasic」を少々かじったことがあるので,プログラミングなど小学生には所詮無理だと思い,考えもしなかったのですが,確かにH先生の言うとおりかも知れません。


 日頃の授業の中ではそういった活動はできませんが,クラブだからこそ思い切ったこともできます。

 もしかしたらどこかに,子ども向けのプログラミングツールなんてものがあるかも知れません。

 探してみようと思います。





 授業直前の大トラブル(11月27日)

 今日は公開授業当日です。私を含めて3人がコンピュータを活用した授業を行う予定になっています。

 公開授業は3時間目から始まるので,念のため,機器やソフト,子どもたち作ったプレゼン資料などの最終点検を行おうと思い,2時間目にコンピュータ室に行きました。

 部屋に入ると,1時間目にコンピュータ室を使っていたT先生から,どうもPC-SEMI(教育用ネットワークシステム)の具合がおかしいとの報告を受けました。

 私の授業では,ワープロ画面をスクリーンに拡大表示させてプレゼンテーションを行います。スクリーンに拡大表示するためのビデオプロジェクタはパソコンから直接接続されているのではなく,PC-SEMIを経由しているので,PC-SEMIが使えないと一大事です。

 早速,PC-SEMIを起動ボタンをクリックしてみたところ,

 PC-SEMIは起動しませんでした。

 コンピュータとPC-SEMIをリセットして,2度,3度と試みましたが,PC-SEMIはまったく反応しません。どうやらPC-SEMIが壊れてしまったようです。

 もう半泣き状態でした。


 残された時間はわずか1時間足らずしかありません。1時間以内に回復しなければ,プレゼンテーション授業ができないのです。


 そういえば,昨日はT先生が夕方3時間ほどコンピュータ室にこもって作業をしていました。そこでT先生に昨日行った作業の内容をたずねたところ,コピーと移動などのファイル操作をしたり,デジカメで撮った写真をパソコンに取り込むためにシリアルケーブルを接続するなどの作業をしたとのことでした。

 そうすると,考えられる原因として,PC-SEMIのソフトウェア上のトラブルやPC-SEMI本体の故障の他に,配線をめぐるトラブルの可能性もあります。

 そこで,藁にもすがる思いで,教卓のカバーを外し,配線を調べてみたところ,教師用パソコンとPC-SEMIをつないでいたコードが,ほんの少しだけ緩んでいました。

 ああっ!もしかしたらこれが原因かもしれません。

 緩んでいた部分をしっかりと接続し直して,もう一度コンピュータとPC-SEMIを立ち上げてみたところ,

 PC-SEMIは無事回復しました。

 ほんの少しだけ緩んでしまった配線のために,本当に胃が痛む思いでした。


 さて,授業の方は,司会進行も子どもたちに任せましたが,スムーズに進められました。教師用パソコンを操作して,プレゼン資料を提示していた子どもたちが少しミスをしてしまいましたが,全体的にはまずまずのできばえでした。

 最後に,「IP Messenger」(LAN用メッセージ送受信ソフト)を使って感想メールを送らせたのですが,プレゼンが少々長引いてしまい,時間が足りなくなってしまったのが残念でした。


 今日はもう疲れてしまいました。





 見せる授業と見せない授業(11月29日)

 子どもたちによるプレゼンテーションの授業の続きを行ないました。

 クラス37名がテーマ別に10のグループに分かれて取り組み,一昨日の公開授業で5つのグループが発表し,今日は残りの5つのグループが発表しました。


 一昨日の授業については,重圧から開放されたうれしさのあまり,酔いも手伝って,日誌ではちょっとばかり誉めすぎてしまったのですが,実は今日発表したグループの方が断然上手でした。

 コンピュータを使ったプレゼンテーションは,子どもたちにとってはこれまでほとんど経験がなかったことなので,1回目に発表したグループよりは,2回目の方が上手なのは当たり前ですが,今日発表したグループの方が上手だった理由はそれだけではないようです。

 今回の発表会は,時間の都合により,”お客様”に見ていただく授業とそうでない授業の2回に分けて行なうことになったので,公開授業で発表するか,今日発表するかは,子どもたちの希望によって決めました。

 そうすることで,発表内容に自信があるグループが公開授業での発表を選択し,自信がないグループがクラス内のみでの発表を選択すると考えていました。

 ところが今から考えると,どうやら子どもたちの選択基準に自信があるなしなどほとんど関係なかったようです。ただ単にお祭り好きの子が主導権を握っているグループが1日目を選び,こつこつ慎重派が主導権を握るグループが時間的に余裕がある2日目を選んだだけのことだったようです。

 今回は,綿密に計画を立て,調査し,分析し,考察を加えた内容を発表する授業だっただけに,計画性がなく思いつきで行動していたグループには少々荷が重かったようで,またそういうグループに限ってお祭り好きだった事が少々残念な結果につながってしまいました。

 やはり”見せる授業”であることを考えて,私が決めるべきだったかと少し後悔しています。

 ちょうど授業参観で,あまりにも張り切って「ハイ!ハイ!」と手を挙げるので,指名してみたら,実は何も考えておらず立ちつくしたままで,本人よりもこちらの方が焦ってしまった感じに似ています。


  そもそも見せる授業と見せない授業を区別するなんて,大人の勝手な都合ですから,もちろんこれは私の心の中にしまってある思いです。公開授業で発表した子どもたちも今日発表した子どもたちも,10日間におよぶ取り組みの成果を発表できたことでそれなりに満足しています。


 子どもたちに対して辛口の批評をしてしまいましたが,ええ,もちろん,すべては私の指導力の乏しさに起因するものであることは自覚しています。




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