とぜんそう2002年5月分

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02/05/01

【今日の発見】
朝日新聞のサイトで、記事の中の URL が半角文字になっておりました

えらいえらい、よくできたね、朝日新聞。まるっきり○○というわけでも以下略。

さあ、次は記事の中からリンクだ。


きのうの中日新聞投書欄より 66 歳無職男性のご意見。

正しい日本語/TVは流して
 テレビのバラエティー番組などで、いわゆるタレントと言われる人々の使う言葉が悪過ぎます。それは「全然」について間違った使い方が目立ちます。(略)


このあと投書は子供たちへの影響を憂慮し、下請けプロダクションに委託した番組でもテレビ局がちゃんとチェックするように、と続いています。

まあ全体的にみればお説ごもっともで、私なんぞはそういった連中のしゃべることばを聞くと気分が悪くなるのでその手の番組は見ないことにしているのですが、気になったのは、「全然」について間違った使い方、というやつと「それは」のつかいかた。

思うに「間違った使い方」というのは「全然いい」とか「全然イカす(死語)」というふうに「全然」のあとに肯定が続くというやつでしょうか(でしょうな)。

まだこんなことを言う人がいるんですね。いやさ、いまや正しい日本語がどうのとか美しい日本語はこうのとかいうタイトルの本が書店に所狭しと並んでるご時世、これからもっと増えるかも。

ちなみに『今様こくご辞書』(石山茂利夫、読売新聞社)によれば、うしろに否定を伴わない「全然」の用法は明治・大正ごろの文章にちゃんと登場するそうで、このごろつかわれているのはいわば先祖返り。「全然」は否定的意味合いでつかわなきゃならない、という誤用指摘本のたぐいはたぶんそのあたりを調べないで書いてるんでしょう。

それから「それは」の出てくる文脈。なんか変ですよね。これ、ひょっとして投書に「それに」あるいは「それと」などと書いてあるのを間違って読んだのでは?


【ヌカリの碁】
「最強の囲碁2002」の十三路盤でコンピュータの黒番にどうも勝てないと思ったら、強いのも当たり前、試しにコンピュータの打つ手を天元(盤の中央の星)を中心に 180°反対側へ打ってみたところ、3 目半差で勝ってしまいました。なんと、このソフトは自分自身も勝てないようなすごい手を打っていたんですね。

きょうは「待った」の機能でうまくなかったところまで何度か戻って打ち直してみたのですが、それでも 3 目半の負け。はたして勝てる日は来るのでしょうか。

02/05/05

『差別語からはいる言語学入門』(田中克彦、明石書店)読了。

タイトルからも想像できるように人によっては不快を感じるかもしれないことばも出てきますし、かなりの分量になったこともあって感想は別ファイルにしました。興味のあるかただけお読みください。(こちら


『こんなにヘンだぞ!「空想科学読本」』(山本弘、太田出版)読了。

柳田理科雄の『空想科学読本』シリーズのデータの間違い、計算間違い、科学的間違い、論理の間違い、SF小説・映画・漫画・アニメなどに関する知識のなさ、なによりもこのシリーズが俎上に乗せた作品への愛のなさなどを指摘した本。私自身、一番最初の『空想科学読本』にかなり疑問を感じた口なので、けっこう痛快な思いで読みました。

それにしても柳田理科雄、『機動戦士ガンダム』のコロニー落としについて、スペースコロニーは大気との摩擦ですべて溶けるから地上は安全、とはよく書いたもんです。人工衛星が地球に落ちるときだって大騒ぎなのに。

ところで、山本弘のサイトを探そうと YAHOO!JAPAN で検索した結果がこれ。いやなかなか難しいもんです。

02/05/16

【きょうの訃報・柳家小さん】
小さん師匠が亡くなったそうです。87歳。

もうあの「たぬ賽」を継ぐ芸人は現れないだろうなあ。

ご冥福をお祈りします。


先日読み終えた『差別語からはいる言語学入門』(感想はこちら)はたしかどこかの新聞の書評欄で紹介されてたはずだとメモを調べたら、「1/20 毎日書評欄」とある。ちなみにこんな内容

第八章だけ読んで書評を書いたんじゃなかろうな、この評者。


で、メモを調べていたら途中で「バナナの食い方」という書き付け。

なんだろうと思い起こしてみると、テレビで見た映画の宣伝で、「彼はバナナを皮ごと食べる」とかいうやつ。それがそんなにヘンなのか、と思ってメモしたらしい。

たとえば野生のゴリラやチンパンジーはバナナを皮ごと食べる。人間が教えると初めて皮をむいて食べるようになるという。

だからといって人間がバナナを皮ごと食べるのはゴリラやチンパンジー並かというとそうでもなかろう。誰だって初めて見る食い物は食い方がわからない。外国の人に枝豆を勧めると、莢を剥かずにそのまま口に入れるそうだ。あの固い殻も一緒に。そしておかしな顔をする。日本人はこんなヘンな食べ物を好むのか、と言いたげに。

したがって、以前の私が旅先のホテルのベッドでぴんと張った毛布とシーツの間にずりずりと窮屈な思いをしながら潜り込んでいたことを誰が笑うことができようか。ホテルもそういうことはちゃんとわかりやすく書いておけよ。

02/05/28

『ザ・闇金融道』(夏原武、宝島社文庫)読了。

たとえば、どうしても目先の支払いを済まさないといけないので 10 万円を借りる。返せないでいると借金はどんどんふくらんで 50 日後には総額 120 万円に。繰り返すが自分の手元に届いたのは最初の 10 万円だけ。しかも貸しているのは自治体の登録業者。

こういったことが、借金や手形の支払いなどでどうしてもすぐ現金が必要な人以外にも起こりうる、と警告しているのがこの本。以前出した『踏み倒しの手口』(データハウス)感想はこちら
でもクレジットカードまで含めた「借金」というものに対して注意を促しているけど、今回は借りる側、貸す側のインタビューも含めてさらに踏み込んだ内容で、返す刀で政策や行政の不備・怠慢も指摘しています。

本を読んでいて背筋が寒くなったのは中学時代の『デビルマン』(永井豪)と高校のときの「紙か髪か」(小松左京)ぐらいですが、この本はそれとは比べものにならないぐらい怖い。なにしろ相手は実際にこの世にいて、カモはかからないかと手ぐすね引いているのですから。

冒頭書いた 10 万円が 2 ヶ月足らずで 120 万円になるからくりや、そういった業者の見分け方もちゃんと説明されています。返しきれずに夜逃げした人の話も入っています。ここをごらんになっている皆さんもこの本を読んで、経験者の語る「地獄」に堕ちないように気をつけましょう。


この前、毎日新聞読書欄にあった書評の内容が疑わしい、みたいなことを書きましたけど、先日読んだ落語関連の本のやつは実に愉快でした(まだウェブサイトには収録されていない模様)。

評者は大学の先生らしいのですが、学生から「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」という歌の中の「ずや」とはどういう意味かと尋ねられ、「ずや」というのは与謝野晶子の本名だ、と答えた由。

くだんの学生は意味がわからなかったようですが、読んだこっちは大笑い(理解できないかたはこちらを参照)。

しかし、話題になった漫画でも間違って扱ってるし、自分の周囲でその話をしてもその書評のどこがおもしろいのか誰もわからないというこの現実。英語を公用語にしようとかなんとかいう前に、落語を授業に取り入れるよう提言したくなりました。


妖怪事典は 3 個目で「サラリーマン山田」をゲット。


【ヌカリの碁】
「最強の囲碁2002」はようやく十三路盤互先白番での攻略ルートを発見。十九路盤も六子局までは順調に制し、五子局でもなんとか勝利、四子局で調子がいいと三目負けとか持碁、といったところです。

もっとも、ちょっと気を抜くとぼろ負けするので、ここらあたりでしばらく腰を落ち着けることになりそう。

で、そのていどの腕にもかかわらず、先日電気店でたまたま見つけた「銀星囲碁 3」(シルバースタージャパン)を購入。謳い文句は「初段認定」で、別の囲碁ソフトと自動対局するユーティリティが付属していたので「最強の囲碁2002」と対戦させてみたところ、白番黒番交互に 10 局打たせて勝ったのは

  最強・黒番:半目
  銀星・黒番:19 目半
  最強・黒番:1 目半
  銀星・黒番:8 目半
  最強・黒番:35 目半
  銀星・黒番:8 目半
  銀星・白番:32 目半
  銀星・黒番:14 目半
  最強・黒番:62 目半
  銀星・黒番:27 目半

で、総体的には「銀星囲碁 3」のほうが強そうですがときどきポカもやらかします。しかし、どちらか、あるいは両方とも、黒番の方が強いようですね。


『続 戦国自衛隊(6)』(半村良原案、田辺節雄作画、世界文化社)など。

02/05/30

【きょうのロボット・その一】
釈由美子さんがお酌… バンダイがロボット発売へ

うーん、宴会はともかく、ひとりっきりでこの「ロボット」にお酌してもらうとよけい疲れないか?


【きょうのロボット・その二】
ネットランナー先行者のプラスチックモデルを付録につけるそうです。パッケージからすると 7 月号かな。

これもちょっと疲れそう。精神的に。

ネタ元はスラッシュドットジャパンでした。


ワールドカップ日韓共同開催ということで、文化交流とか何とかいろいろ企画がでているようなので、私もひとつ考えてみました。

いまやかなり日本にも浸透してきた感のある「韓国風お好み焼き」チヂミ。これに日本の山野に自生する野蒜のびるを加えるというのはどうでしょう。

愛称はもちろん「のびチヂミ」。


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庵主:matsumu@mars.dti.ne.jp