「環境史から学ぶ地球温暖化」

12.09.29
著者出版社ISBN初版定価巻数
杉山大志エネルギーフォーラム4-88555-406-32012/5/28900円全一巻

まず、なぜこの本を読んだのかという理由を述べておく。
私は「ISO」とか「環境」とタイトルがついている本をみると必ず手に取ってみるという悪弊がある。「BOOK.OR.JP」で2012年発行の「環境」という言葉がタイトルについている本を検索してながめていたら、この本があり、見たことも触ったこともないことに気が付いた。即、図書館蔵書検索したら私が行っている図書館にあったので借りて読んだ。
というわけでどんな本なのか、著者がどういう人なのか、先入観はまったくなかった。

現在では「地球温暖化」という言葉は広く人々に知れ渡っている。それこそ大人はもちろん、お年よりから児童、子供、赤ちゃんに至るまで知っている。言葉を知っているだけでなく、温暖化とは危険で恐ろしいものというイメージもしっかりと植えつけられている。
危険でなければ温暖化を止めようなんていわないでしょう。恐ろしくなければ地獄だなんて言う人はいないでしょう。
私が子供の頃、悪さをすると周りの人は「そんなことをすると、オマワリサンが来るよ」と言ったものだが、今では「そんなことをすると、温暖化になるよ」とでも言うのだろうか?

ところで地球温暖化ってなんだろう?
なんでもIPCCという団体が「地球は暖かくなってきているぞ」と叫んでいるそうだ。
「IPCCってなんだ?」
ICPOでもなさそうだし、ABCCでもないようだ。
ICPOはルパン三世の銭型警部が所属している国際刑事警察機構である。
ABCCなんて知っている人は60歳以上だろう。ABCストアじゃないよ。

IPCCとは「気候変動に関する政府間パネル」の略で、簡単に言うと国連の機関である「世界気象機関」の下にあって、気候変動を調べているところである。もちろんそのお金は各国からでており、基はと言えば私たちの税金である。

IPCCのいう「地球温暖化」とは、単に地球が暖かくなることではない。
じゃあ、どんなこと?
気候変動枠組条約の定義では、「気候変動」とは「地球の大気の組成を変化させる人間活動に直接又は間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるものをいう」となっている。
つまり、太陽の活動が活発になって地球が暑くなっても、地球の軌道が太陽に近くなって熱くなっても、火山の爆発やエイリアンのマイクロウェーブ攻撃で地球が熱くなっても、それは地球温暖化ではない。あくまでも人間の活動によって地球が暖かくなることを言う。
今地球は暖かくなっているということは間違いないようだが、それが気候変動枠組条約でいうところの「地球温暖化」かどうかは定かではないのだ。

IPCCの主張を教義にした地球温暖化教という新興宗教もあり、その教祖様は山本良一さんという赤ら顔のおじさんである。もちろん山本さん以外にも多くの人が地球温暖化を恐れ、たたりを払う新興宗教を興しており、お互いに俺の宗教が正しく他はニセモノだなんて非難合戦も激しい。そんな人たちは「地球は温まっていて危ないぞ!」「人間は悪いことをしているから総ざんげしろ」という教義を広めている。
いや、アブナイなんてものじゃない、山本叔父さんは温暖化地獄になるという。恐怖をあおって入信を進めるというのは、オウム真理教の手口のようで、脅迫にも詐欺にも該当する犯罪じゃないだろうか?
「地獄ってどんなとこ?」
「地獄ってね、悪いことをした人が行くところでね、血の池があって鬼に鉄の棒で叩かれて、火に焼かれて大変なところなんだよ。このままでは地球全部が地獄になってしまうんだ」
「山本叔父さんは良く知っているようだけど、地獄に行ったことがあるの?」
まあ、そんなお話はどうでもいいのでありますが、山本教祖は懇切丁寧に温暖化地獄の情景を描いてくれています。山本教祖が温暖化地獄を見たことがないのは間違いないでしょうから、既に神がかりであります。

IPCCは「人間の活動によって引き起こされる気候変動の問題を知らしめ、対応策の土台を築いた」との功績でノーベル平和賞をもらいましたが、実は受賞した根拠が真実か否かはさだかではありません。いや、正しいことにしておきましょう。
私も命が惜しいから
ともかくIPCCは地球が単に熱くなっているのではなく、人間の活動によって熱くなっているとのたまわったわけです。
実を言ってIPCCの報告書では断定しておらず、「その可能性が高い」と書いてあります。
例1
1750年以降の人間活動は、世界平均すると温暖化の効果を持ち、その放射強制力は+1.6W/m2であるとの結論の信頼性はかなり高い。(政策決定者向要約p.3)
例2
温室効果ガスの排出が現在以上の割合で増加し続けた場合、21世紀にはさらなる温暖化がもたらされ、世界の気候システムに多くの変化が引き起こされるであろう。その規模は20世紀に観測されたものより大きくなる可能性がかなり高い。(政策決定者向要約p.15)
でもマスコミなど引用した文章のほとんどは「可能性」なんて言葉はなく、断定したように伝えていて、しかもIPCCはそのことに異議をつけていません。ここが大事ですから、押さえておきましょう。期末試験に出るかもしれません。

でもIPCCとは地球温暖化を研究しているわけではありません。
エツ、ご存じなかったですか?
実はIPCCは世界中の研究論文を集めて、それらをまとめて発表しているだけなんであります。
じゃあ、元の研究が間違っていたらどうなるの?
そんなこともありましたね、地球温暖化によって、ヒマラヤの氷河が2035年までになくなってしまうとIPCCは言いました。ところがそれは間違いだったということが判明したのです。まあヒマラヤっていいますと、我らがスーパーヒーロー島崎三歩が遭難するくらい厳しい寒さのところですから、どう考えてもあと10年や20年で氷河が消えることはないと思います。

いやあ、ふざけた文でそろそろ飽きが来たことでしょう。何しろ秋だからって?
じゃあ、本番行きます!

この本の著者はIPCCの「第4次報告書」の統合報告書主著者、「第5次評価報告書」の第3部会総括執筆責任者というエライ人なんだそうです。
実は私、そんな報告書を聞いても、執筆責任者とか聞いても、なにがすごいのかすごくないのかわかりません。
ともかくわき道にそれてばかりで論を進めねば石を投げられそうだ。話を進めよう。
IPCCの報告書が、研究論文の寄せ集め、いや上品に言えばパッチワークであるように、この本も、ものすごく多数の論文や著作物からの引用からなっている。たった200ページの新書であるにも拘らず、末尾には参考文献のリストが11ページも付いている。各章末尾の引用ページの表記は10ページになる。都合あわせて21ページ、全ペ−ジの1割が引用文献の名前と記載箇所の記述とは、よほどIPCCの方針が身についているというか、研究論文のようで一般書籍らしくない。引用文献リストで驚いていてはいけない、引用した文章の量は、この本全体の半分くらいになるのではないだろうか?
いや結論以外はすべて引用かな?
結論も引用かもしれない。
早い話が著者杉山氏自ら研究したこととか、考えたことを書いた本ではないことは間違いない。
とにかくものすごい量の参考文献から、昔は日本もあたたかい時期があったとか、寒いときは飢饉になったとか、過去の文書や言い伝えから気候の変化をとうとうと述べています。
しかしこの方は「環境史」から考えているのではなく、古文書や絵図などから考えているようにしか思えません。それなら「環境史から学ぶ」のではなく「古文書から学ぶ」としたほうが正しいのではないかという気もするが、環境史としたほうがかっこいいとおもったのでしょうか。
ところでこの本では環境史を定義していない。
環境史とはなんだろうとネットでググったが、次の定義があった。
「環境史」とは、過去20万年におよぶ人類史のなかで、人類が自然環境をどう改変し、その結果人類はどのような影響を被ったのかを、時間・空間的に追究する学問領域である。(石 弘之 北海道大学教授)
この本では、人間が環境変化によって受けた影響を論じているが、それは石先生の定義とは違う。どちらが一般的なのか、ネットを見た限りではわからなかった。

日本の植生は時代と共に大きく何度も変わってきているそうです。白砂青松はくしゃせいしょうとは白い砂と青々とした松のある日本の原風景のことです。しかし実は、松の木は本来は日本の森林の主たるものではありませんでした。日本の極相林ではないと言った方が良いのでしょうか。人間が開墾して荒れてしまった土地に生えるの樹木だということです。松林があるということは、そこはやせた土地で使い物にならないと・・
まあ、これは環境に関わっている人にとっては常識でしょうね。
明治神宮を作った人たちには、そんなことあたりまえだったわけで

また杉山さんは江戸時代はエコでもないし、今の人なら住めないようなひどい環境だったという。これも環境に関わっている人には常識でしょうね。
cf.「環境都市の真実:江戸の空になぜ鶴は飛んでいたのか」(2008)根崎光男
 なぜか、この本を引用していない。
温暖化しても病気が蔓延することもないとマラリアを例に挙げて説明している。確か過去マラリアが一番流行っていたのはロシアだったはずだ。
そんなことはこの本に書いてない
そういったものすごく多くの事例をこれでもか、これでもかと積み上げる。いやそれほどたくさんの事例(すべてが事実かどうかは定かではない)を提示するにはわけがある。それは後でわかる。
また当然であるが、過去の気候変動で海面は上がったり下がったりした。日本列島がユーラシア大陸につながったり離れたりしたのは、日本が隆起したり沈降したのではなく、海面が上下したことによる。

なぜ海面が上限するのか?
簡単だ。海の水が減ったり増えたりしたからだ。
え、海の水が増えたり減ったりするの?
海面上昇
こんな絵を描いていると時間がかかります・・・トホホ

寒くなると水はこおる。海の水が凍っても海面は変化しないけど、陸地に雪や氷が蓄積すれば海面はそれだけ下がる。氷河期には今より100メートルくらい低かったというし、温暖な時期は今より10メートルくらい高かったという。
ちなみに孤島には蛇のいる島といない島があるが、氷河期に陸とつながっていた島は蛇が歩いて渡ったからだそうだ。
そんなことはこの本に書いてない

そして人為的な自然破壊も過去からたびたびおこなわれていて、今更騒ぐことはないという。農業が人間が行った最大の環境破壊だとはよく言われる。
さて、これらの情報を基に杉山さんは想像をめぐらす・・・いや論を進めている。
杉山さんは過去から気温が多少上下することはたびたびあった、それによる海面上昇も低下もあった、自然破壊もあった、植生の変化は常にあり、今も変化している。そしてそれでも人間も動物も植物も繁栄しているじゃないかとつなげるのである。

地球温暖化地獄説の人々は、過去にも地球が温暖だった時代はあったが、そのときの温度変化は緩やかで数度変化するのに長期間かかっていた。しかし現在の地球温暖化は人為的によるもので数十年という短期なので、植生の変化が追い付かないのが問題だという。
だが杉山さんはそんなことはない、過去にも温度変化は急激に起きているから植生は十分に対応するだろうから心配ないと語る。もっともこれはフェイガンもそう言っている。

おお、もうここまで書けば、お読みになった方は次にどんなお話が続くのかお分かりになったでしょう?
え、見当がつかないですって!
いけませんねえ、ホームズとか金田一をお読みになったことがないのでしょうか?
もっとも今ではホームズの姪とか金田一の孫の方が有名でしょうけど、まあそういった名探偵の爪の垢でも・・

そうです!
ひとつは、杉山さんは「地球温暖化など怖くない」というのです。
「環境省の報告書には『温暖化によって日本の森林は大きな打撃を受ける』とあるのは言い過ぎ」(p.130)という。
そしてふたつめに、今起きている異常なこと、困ったことのすべてを地球温暖化のせいにしてはいけないというのです。磯焼け、野生動物、シカが増えたりある魚が獲れなくなったり別の魚が獲れるようになったりするのを、温暖化のせいにしてはいけないという。(pp96-98)
更にみっつめに、温暖化する温度も2100年で3度くらい、海面上昇は15センチから25センチだという(p.127)。これはIPCC報告書を読めば新しい情報ではない。報告書では確率範囲で示している。
IPCC第4次評価報告書政策決定者向け要約p.17 表SPM-3参照
杉山氏はどのシナリオかを明示していないが、まあ、そんなものだろう。
過去を振り返ると、1900年から2000年までの100年間の温度上昇は約1度、海面上昇は17センチである。(cf.IPCC第4次評価報告書政策決定者向け要約p.8)
それじゃあ、過去一世紀の変化と今後の一世紀の変化は大した変りはないじゃないか。温度は2度変化が大きいけど海面上昇は変わらない!
なお、温暖化教祖の山本センセイは、温度上昇は6度から8度と語っているし、海面上昇は5メートルという。確かに気温が8度も上がり、海面が5メートル上がったらちょっと困る。
私の姪がよく遊びに行くディズニーランドが海に沈んでしまうじゃないか
山本センセイは何を根拠にしてそう言っているのか、私は以前から不思議に思っている。
少なくても山本説はIPCCとは無関係のようだ?

この本では引用していないが、1,4000年前の最終氷期の終わりには、500年間で気温が5℃、海面が20m上昇したという。またその後の揺り戻し後、11000年前には、一挙に気温が7℃上昇したという。(「気候変動の考古学」(2012)安斎正人、pp31-32)
それまでは種子島も屋久島も九州土地続きであったそうだが、突如として海面上昇が起き島となったという。 私はだから心配することはないというつもりはない。ただ自然の変化はすごいもので人間の影響が地球を動かすほどはないように思う。
よく縄文人は自然と調和した生活をしていたなんて表現を見かけるが、現実にはどの時代も、その環境に応じてというか、従わざるを得ず、限界の生活をしていたのではないかと思う。

そして杉山さんは「温暖化を止めるなんて無理だよ」と言い、そんなことを考えるより温暖化に備えること、温暖化に順応することを考えるべきだという。
あれええ! これってロンボルグとおんなじじゃないか!
いや違った、ロンボルグより10年遅れている
杉山さんがIPCCを代表しているわけではないでしょうけど、まったくIPCCの見解と異なるということはないでしょう。なにしろご自身がIPCCの報告書をまとめたわけだから、
温暖化教の山本教祖はハシゴをはずされてカワイソウ!
いや、山本センセイがIPCC報告書を読み間違えた可能性がはるかに大きい。ひょっとして意図的(わざと)に読み間違えたという可能性もあると推察するのだが・・
意図的であったなら、その意図はなんだろうか?

とここまできて、ちょっとおかしいんじゃないかという気がしませんか?
私はおかしいと思う。
IPCCの報告書をまとめた杉山さんが「地球温暖化しても温暖化地獄にならない」というなら、それは2007年に「第4次報告書」を出した時に言うべきじゃないですか?
当時も今も、マスコミや政治家は、IPCCがいうのだから地球温暖化はもちろん、温暖化するととんでもない事態になると思い、温暖化地獄になるんだと国民を脅迫し、炭酸ガスを出すな、息を止めろと言ったのは事実だ。
正確に言えば、さすがに人間の呼吸を止めろとは言わなかったが、産業から発生する炭酸ガスを減らせということは、とりもなおさず産業を停滞させ、働く人々の息の根を止めることになると私は考えている。
人間が死に絶えれば、人間活動による地球温暖化は止まるのは間違いない。そのときでも自然活動による地球温暖化が進行したら、そりゃ人類史上最大のブラックジョークだね、
そのときIPCCも杉山さんも「報告書をよく読んでください。そんな大げさなことは書いてありません」とすぐにコメントを出さなくてはならんでしょう。だけどIPCCも何もしなかったし、杉山さんもなにも言わなかった。
ハトポッポ 鳩ポッポが国連で「温暖化ガス25%削減します」というできもしないウソをついたのは2009年だ。この本は2012年に発行されている。その間に地球温暖化教という新興宗教がはびこっているとか、政府が大騒ぎしていることに、IPCCの杉山さんは気が付かなかったのでしょう。
おっと、知らなかったとは言わせない
杉山さんは「IPCC内部の幹部に当たる人間が『IPCCによると・・』といった形で権威を利用して、あたかもIPCCが勧告していることであるかのように自分の政治的主張を繰り広げることもままあった(pp45-46)」と書いている。
これはIPCCの一部の人であろうとおかしなことをしたことを認めると同時に、自分はそれに対して何もしなかったことを認める発言である。
そりゃ無責任ではないですか?
過熱した温暖化議論と政治的迷走を放置するのではなく、IPCCははっきりと報告書の位置づけとその内容を分りやすく解説すべきだろうと思う。
ちなみに日本のマスコミは報告書に書かれている可能性や範囲を示すことなく、最大値のみをあたかも既定の事実のように報道しているのである。IPCCが心ある(科学的というべきか)なら、そのような報道に対して訂正を求め一般の人々に報告書の内容を正しく伝えるべきではなかろうか?

杉山さんは地球温暖化という話題はソ連崩壊とか冷戦終結と同時に起きたと語る。はっきりとは言わないが、敵を失った西側世界が次なる敵を求めたのではないかというニュアンスにとれる。つまり、温暖化とは真の危機ではなく、人間は敵が必要で自分が作り出した敵だったのだろうか?
温暖化が真実としても(これはまだ正しいと証明されていない)、それほど脅威でないものをとても恐ろしいものとして売り出したとも考えられる。現在は科学とは金食い虫になっただけでなく、国際政治のツールになったのだ。
しかし現実世界ではわざわざ敵を作り出すまでもなく、次なる敵はいくつも現れた。2001年のWTCテロ、東ヨーロッパ、東アジア、中東危機、そしてそれに続く原理主義、ジャスミン革命、中国の覇権、経済大恐慌、更には中国崩壊の危機、それ故に温暖化は世界の政治における重要課題から滑り落ちたのだろう。
もちろん温暖化をネグレクトするのではなく、その重要性に見合って扱うべきだろうけど・・・

さて、この本の評価であるが、
IPCC関係者でない方が書いたならそれなりに価値があると思う。しかし現実には温暖化教徒によって無視あるいは批判、非難されてポシャッただろう。
「地球温暖化懐疑論批判」という報告書をお読みになったことがありますか?
文部科学省のお金でセンセーショナル、感情的に、地球温暖化懐疑論を批判している。
ちょっと待ってほしい
「地球温暖化否定論」ではないのだよ、「地球温暖化懐疑論」をそのように感情的になって叩くというのは、なにか裏があるのかと私は思う。
誤解なきよう、「地球温暖化」とは人為的原因によるものをいうのだよ。「温暖化は人為的なものじゃないのではないか?」と言っただけで魔女狩りにあい、火あぶりにされるのだ。ジャンヌ・ダルクでもなければ反抗する気が失せるだろう。
IPCCの関係者が2008年頃に出したなら非常に大きな価値があったと思う。
IPCCの関係者が2012年に出したのでは、単なる言い訳のように思える。それに今となっては出し遅れの証文だ。
内容としては、まあ過去の「(人為的原因によらない)気候変動」を知らない人が勉強のために読むには、基本的な情報が盛りだくさんだから読む価値があるかもしれない。でも、この本よりもフェイガンを読んだほうがためになると思う。

過去の気候変動についての多くの著作を読んでいる人は、この本はIPCCのエクスキューズとみなすのではないだろうか。
再確認だが、「地球温暖化」とは単に地球が暖かくなることではなく、人為的原因によって地球が暖かくなることをいうのだよ。


Yosh様からコメントを頂きました(2012.11.21)
茶々です。
氷河期に陸とつながっていた島は蛇が歩いて渡ったからだそうだ。
蛇が歩くのを見たいです。
Yosh師匠 教えてください
英語ではsnake walkという言葉もありますし、日本語でも蛇が歩くと書きます
何か変ですか?
変です。
walkでなくてslitherが適切な詞です。
Yosh様
日本語では正しくは「這う」というようですね
英語でsnake walkというのは正しい言い方ではないのでしょうか?
正しくはないです。




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