熊本藩士の横井平四郎(小楠)は、若いころから開明的な思想家だったが、保守的な熊本ではかえって敬遠された。活躍の舞台があたえられるのは越前・福井藩主の松平慶永にまねかれた50歳のときだった。慶永とともに江戸にのぼって、幕政改革のプランナーとして中心的な役割を果たした。福井にあっては産業振興と海外貿易で藩財政を再建、江戸では参勤交代の緩和を実現させた。その裏側には、国家を私物化する徳川中心の幕政への強い怒りがあった。幕臣の勝海舟や坂本龍馬など志士たちにも大きな影響をあたえ、幕末にあって近代日本を描ききったひとりの思想家の物語。

 
単 行 本 と し て 刊 行 !


 長編小説「おれは天の寵児 小説 横井小楠」は、2001年7月10日に竹内書店新社より単行本として刊行されました。(タイトルは『舌剣奔る 小説 横井小楠』)それにともない「第1章」のみを「立ち読み」部分として残し、あとは本サイトから削除させていただきます。あしからずご了承ください。

 本作品は「ネット書きおろし連載小説」として1997年6月にスタートしました。HomePage「福本武久の小説工房」は、ある意味で、そのためにオープンしたといえます。連載は順調に突っ走り、翌1998/8月、48回をもって完結いたししました。最終的には原稿用紙に換算して、ざっと1,000枚におよぶ長編作品となりました。

 連載終了後、細部に手を入れた完成稿を2年あまり、本サイトにアップロードしてまいりました。歴史長編などネットの世界になじまないだろう。文字ばかりの長ったらしい作品ですから、ほとんど読まれることはないだろうと思い、あまり期待はしていませんでしたが、意外に多くの方からご感想メールをもらいました。

 今回、単行本になる第3稿は、ネット読者のみなさんからのご感想やご意見、ご指摘点などに誘発されて、再び細部に手をいれて出来上がったものです。単行本の『舌剣奔る』は、NETバージョンと似て非なる新しい作品となりましたが、それはある意味で、ネット読者のみなさんとともに創りあげた作品といえましょう。作品の出来、不出来は別にして、大変貴重な体験でした。

 もし興味がありましたら、書店で手にとってください。
 
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第1章 僻物・平四郎 横書(63KB) 縦書(89KB)
第2章 越前の賓師 横書(60KB) 縦書(86KB)
第3章 富国への道 横書(67KB) 縦書(96KB)
第4章 天下の政治顧問 横書(62KB) 縦書(89KB)
弟5章 栄光と挫折 横書(68KB) 縦書(97KB)
第6章 奇策・挙藩上洛 横書(57KB) 縦書(81KB)
第7章 維新の馬験 横書(49KB) 縦書(72KB)
第8章 寵児の最期 横書(57KB) 縦書(83KB)

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