コンピュータ室運営日誌


1999年

3月前半のできごと


インターネットに接続されたら(3月1日)
頭痛の種(3月2日)
「一太郎VSワード」アンケート結果(3月4日)
来年度の計画(3月6日)
あまりにも勉強不足(3月9日)
なんかちぐはぐ(3月10日)
MSの広告に登場(3月12日)
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 インターネットに接続されたら(3月1日)

 コンピュータ研究委員会の年度末発表会が開かれ,中学校・小学校,それぞれの部会の発表が行なわれました。


 中学校では本年度9月から全校にインターネット及び校内LANが整備されたので,その活用例が報告されました。

 インターネットについては,まだまだ研究段階といった感じで,それほど活発には活用されていませんが,一部の学校ではすでにホームページを公開したり,電子メールをやりとりしたり,あるいは授業でホームページを閲覧したりしているそうです。

 インターネット導入時に大きな問題点として議論された有害情報へのアクセスについては,フィルタリングソフト(WebSENSE3.11)がなかなか効いているようで,子どもたちはずいぶんてこずっている模様です。

 まあ,相手は中学生ですから,もしかしたらこっそり見ているかも知れませんが,少なくとも教師の知る範囲では,学習の場としての教室の風紀は守られているようです。


 LANについては,すべての学校が校内LAN用ホームページを立ち上げ,生徒会の活動報告,作品発表,意見交換の場などとして活用しているそうです。


 さて,小学校では,来年度から全校にインターネットが導入されるので,中学校の活用例を参考に,基本構想が提案されました。

 しかしながら,わずか半年で各中学校がここまで軌道に乗せるには,相当な苦労や試行錯誤があったわけで,家庭を持っている主婦の先生が多い,つまり公私共に忙しく,これまでの知識も,これからの学ぶ時間も乏しい教員が半数以上を占める小学校においては,中学校のように運用していくことはまず無理でしょう。

 果たしてどれだけのことができるか,今から心配になってきます。莫大な費用がかかるだけに,スポンサー(行政)からのプレッシャーはかなりあるでしょうが。(苦笑)

 ただしLANはコンピュータ室内のみで,中学校のように全教室にコンピュータ(NetPC)が導入されるわけではないので,その点は少し安心かな。


 私たちの学校にコンピュータ室ができて3年目。運営管理者としての私の仕事もようやくヒマになってきた(日誌のネタにも事欠く状態(^_^;)というのに,またまた激動の日々が訪れそうです。





 頭痛の種(3月2日)

 来年度から,職員室に,新たに2台の事務用パソコンが導入されることになりました。うち一台(WindowsNT4.0マシン)は,ネットワークサーバーとなる予定です。

 この話を最初に聞いたとき,私は大変嬉しいニュースだと思いました。何しろ現在職員室に導入されているパソコンは,最新のものでも,4年ほど前に導入されたWin3.1マシンなのですから。

 ところが,導入計画の具体的な話を聞いてみると,ずいぶん大きな問題を抱えていることが分かってきたので,頭が痛くなってしまいました。

 大きな問題点は2つあります。


 一つ目の問題点は,”電子メールの活用”です。インターネットに接続されることにより,それに伴い,これまで電話やファックスで行なわれていた事務連絡の一部が電子メールに置き換えられる事になるのです。

 ところが私たちの学校で電子メールが使える教員はわずかに5名なのです。

 大丈夫かなあ。


 それ以上に困った問題は,導入されるアプリケーションがすべてMS製品になることです。10年以上も前から市内の小中学校に導入されてきた「一太郎」は,今回は見送られてしまうのです。それどころか,”使用禁止”になる雰囲気すらあるのです。

 これは私たちの学校だけでなく,市内の多くの教員にとって,とても大きな頭痛の種となりそうです。

 何しろ市内全小中学校の大半の教員(ワープロ専用機使用者を除く)は,これまで10年以上もの間,ずっと「一太郎」を使い続けてきたのです。もちろん個人で所有しているパソコンにも「一太郎」を入れており,あるゆる文書を「一太郎」で作成しているのです。作成されたファイル(文書)の量は膨大です。

 そのすべてのファイルが学校では使えなくなってしまうのです。



 市内コンピュータ委員会の上層部(導入担当者)がMS信者らしいことはうすうす感じていたのですが,まさかここまでやるとは!(怒)

 ...というのは私の偏見だったようです。ごめんなさい。

 導入担当者の話によると,「一太郎」には重大な欠陥があるらしいのです。

 現行の「一太郎」は,今度導入されるコードレスタイプのネットワークプリンタとは,非常に相性が悪いそうなのです。ネットワークプリンタを使って「一太郎」の文書を印刷しようとするとデータのサイズが10倍から100倍(^_^;に膨れ上がるため,作業に大変な支障をきたすとのことなのです。

 このことが,今回導入を見送ることにした最大の原因なのでした。


 うーん,それが事実だとすれば,「一太郎」が導入されないのはやむを得ない措置のようにも思われます。

 ですが,それならばネットワークコンピュータを使うのをやめて,「一太郎」に合ったプリンタを選択することはできないのかな。やはりそのあたりの判断に,導入担当者の個人的な感情(好み)が反映されてはいないかな。


 とにかく困った問題です。


 最も使い勝手の良い,あるいは,使い慣れている文書作成ツールは?

    



 明日は学期に一度の”指定休”です。

 学期末の成績処理に忙しい時期なのですが,ちょっとした臨時収入があったので,○須の電脳街に出かけるつもりです。

 やはり思い切ってミニパソコンを買っちゃおうかな。楽しみです。


 あーまたまた仕事が遅れそうです。<懲りない性格。







 「一太郎VSワード」アンケート結果(3月4日)

 「最も使い勝手の良い,あるいは使い慣れている文書作成ツール」アンケート(3/2)の結果です。

・ワード 11名
・一太郎 11名
・エディタ 25名
・メールソフト 1名
・その他 6名



 ”一太郎VSワード”は引き分けでした。

 プリインストールモデルのパソコンでは,抱き合わせ販売疑惑が報じられている「WORD+EXCEL」モデルが,EXCEL人気に引っ張られて,「一太郎+Lotus1-2-3」モデルより,かなりよく売れているらしいので,一太郎がやや不利かと予想していましたが,意外?にも健闘しています。

 これまでの資産というか,私の周囲には”ワープロ=一太郎”と思っている方も少なからずいます。Ver.7あたりでかなりずっこけてしまったようにも感じましたが,一太郎の人気もなかなか根強いようです。

 それにしてもエディタ派がずいぶん多いです。でもまあ,これほど多いのは,コンピュータ&インターネット関係のお仕事をしている方が多いという,このページの読者の傾向を反映しているからでしょう。

 かくいう私も,過去の資産が生かせる仕事関係の文書は一太郎でやっていますが,毎日の日誌をはじめとして,ちょっとしたメモ程度の文書はエディタで書いています。


 ワード,一太郎,どちらにしても機能にはあまり差異はなく豊富ですが,使わないものばかりですよね。いつでも気軽に使うツールとしては,ずいぶん重いし,ちょっと大げさ過ぎるのかも。





 来年度の計画(3月6日)

 来年度の年間計画が発表されました。それによると,本年度は当初予定でわずか2回だった校内研修会が,来年度は6回も組まれているのです。

 一回研修会を開くのに最低一週間は準備期間が必要なので,私の仕事はかなりきつくなりますが,自分自身の勉強になりますし,とてもやりがいのある仕事なので嬉しいです。

 思わずニンマリです。

 コンピュータ室の利用回数が昨年度に比べて激減したことで,某一番偉い管理職からのプレッシャーが急に強くなったこと,それに,年度末の反省会で,全職員を前にして不満や要望を洗いざらいぶちまけたことがかなり効いているようです。

 こんなことならもっと早くから言いたいことを言っておけば良かったなあ。

 ところで,私は来年度もM小学校に残留するのでしょうか。




 あまりにも勉強不足(3月9日)

 今日は久しぶりにビックリしてしまいました。

 4時間目,音楽の授業をやっている最中に,コンピュータ室で授業を行なっていたT先生が教室に駆け込んできました。

 あーまた何かトラブルが起こったのかな。

 先生方には,「自力では解決不可能なトラブルが起こった際はいつでも連絡して下さい。」と話しているので,こういうことは珍しくありません。


 ところが今日は違ったのです。

 T先生の用件は,

 「ホームページの作り方を教えて欲しいのだけど...。ソフトは何を使えば良いのかな?」

 だったのです。


 どひゃー。ビックリしたなあ。

 「ホームページの作り方を教えて欲しい」って,すでに授業は始まっているのですよ。いきなりそんなこと聞きに来ないで下さいよぅ。

 それに,ホームページの作り方なら職員研修会でもやったじゃないですか。



 どうやらT先生は,子どもたちにホームページを作らせるつもりで,張り切ってコンピュータ室に入ってみたものの,考えてみれば作り方どころか,どのソフトを使うかすらも覚えてなくて,慌てて聞きに来たらしいのです。

 これはトラブルじゃなくて単なる勉強不足,サボリですよね。

 トラブルならいつでも駆けつけますが,サボりの尻拭いをするために自分のクラスの授業を中断するのは嫌です。

 「そんなことすぐには答えられませんよ。せめて基本的な使い方ぐらいは,授業が始まる前に確かめておくのが普通では?」

 冷たく答えてしまったのでした。



 実はT先生,本年度はコンピュータの授業をほとんどやっていないのです。9ヶ月ぶりじゃないかな。

 私が冷たく突き放したことで,ますますやる気を無くしてしまうんだろうなあ。







 
 なんかちぐはぐ(3月10日)

 文部省が先日(3/1)発表した高校の新学習指導要領案によると,2003年度から新科目「情報」が導入され,コンピュータ教育が必修になるとのことです。

 また,それより前に発表された中学校の新学習指導要領では,技術家庭科の授業で,電子メールの送受信やホームページの閲覧が必修になるそうです。

 コンピュータ学習が一つの教科となり,インターネットが正式に授業に取り入れられる時代がいよいよ訪れるのです。時代の進展には驚くばかりです。


 ところが朝日新聞(3/2)によると,私たちの県の高校のパソコン設置率は全国最低です。普通科で生徒用パソコンが一人に一台(計40台)以上設置されている学校はわずか一校しかありませんから,今のままだと,ほとんどの学校でコンピュータの授業ができません。


 それに比べて,私が勤務するM市は財政的にかなり恵まれていて,市内全中学校に一校あたり60台以上のパソコン設置され,校内LANが引かれ,インターネットに接続されていますから,設備の面では大丈夫です。小学校でも来年度からインターネットに接続されることになっています。

 ところが私たちの学校のように,プリンタのインクさえ買えないほど,消耗品費は削られてしまっているのです。

 なんかちぐはぐです。





 MSの広告に登場(3月12日)

 先日の日誌で,来年度から,事務用パソコンにMS「Office」が導入され,10年以上に渡って市内全小中学校の校内文書作成に使われてきた「一太郎」は見送られてしまう予定であることを書きました。

 その理由を私は,市内コンピュータ委員会の上層部(導入担当者)がMS信者だからではないかと邪推していたのですが,実はそうではなく,今度採用されるネットワークプリンタを使って一太郎文書を印刷すると,データサイズが10倍〜100倍に膨れ上がり,作業に大変な支障をきたす恐れがあることが最大の理由なのでした。


 ところが,昨日手元に届いた某コンピュータ教育雑誌を見てビックリです。

 何と!MSの広告ページに導入担当者の先生が写真入りで登場しているのです。見開き2ページに渡ってMS製品(主にネットワークシステム)の”素晴らしさ”についてコメントしています。

 ひゃー,やっぱりMS信者だったのだ。これでは一太郎が導入されるわけありません。



 ところで,一太郎のサポート担当者から入手した情報によると,問題となっている一太郎の印刷時の不具合って,ごく一部の特殊なケースでのみ起こるらしいのです。それもプリンタの設定によって回避できるものだそうです。

 まあ,たとえそうだとしても,そのことを数百名に及ぶ市内全教員に周知することは非常に困難なので,困る話ではありますが。


 また,この話題に関連して気になるのが,小学生向けワープロ「一太郎スマイル」が,私たちの地区の学校に導入されるかどうかです。

 「一太郎スマイル」の制作に当たっては,私の日誌を参考にしていただいており,α版の段階から多少なりともお手伝いさせていただいている私としては非常に気になるところなのです。(私は一太郎信者?)

 もちろんこのことだけが理由ではなく,「学年別辞書」や「ふりがな表示機能」など,他の教育ソフトにはない優れた機能を持つ製品そのものに魅力を感じていることが最大の理由です。


 児童用パソコンのリース替えはおそらく再来年以降なので,それまでに「一太郎スマイル」が一定の評価を得られるところまで順調に育って欲しいものです。



 先日私が冷たく応対したので,ますますやる気を無くしてしまうのではないかと心配していたT先生ですが,大丈夫なようです。

 昨日・今日と連日コンピュータ室で張り切って授業をしています。 

 どうやらホームページ作りは断念したみたいですが,代わりにワープロによる文書作りをしている模様です。





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