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日時計 1998年10月 日記

本を読んでいるうち、いつのまにか日が傾いてしまっている・・・なーんて生活いいなア!

<1998年> 9月 10月 11月 12月 <1999年> 1月


981031(土)  
  購入本:   長野まゆみ 『三日月少年漂流記』   河出書房新社
        『カンパネルラ』   河出書房新社
      アンク HTMLタグ辞典   翔泳社
      河西朝雄・雄一  ホームページの制作   技術評論社

 息子が先日キャンプに行くため購入した「キャラバンシューズ」が、いっぺん履いただけで底がはがれ始めてしまったので、ありがたく返品に行く。ただで1回履けたって訳。本格的な山登りだったらさぞかし難儀したことでしょう。この頃はキャラバンと言っても結構なお値段なのに、これではねえ。

 ついでに池袋・東武百貨店の旭屋書店で、長野まゆみの『少年万華鏡』と言うシリーズで先日出された初期作品集『三日月少年漂流記』『カンパネルラ』を購入。先着100名に、11月15日のサイン会の整理券を配布している。まだ、40番台だったのにはちょっと拍子抜けである。1冊ずつ2回レジを通れば2枚もらえたのかなとあとで思ったが、行けるかどうかまだ不明だからいいや、2枚もらっても仕方ない。
 これらの作品は、河出文庫オリジナルで出されているだけで、今回初めてハードカヴァーの出版である。初回限定で箱入り、そのあとはカヴァーになっちゃうんだそうだ。でも結構やわな箱なのであんまり有り難みはないように思う。今のところ私はこの辺の作品がやっぱり好きなので、ハードカヴァーで欲しいなと購入したわけ。熱烈ファンはこぞって買うのだろうね。

 その後娘の塾の三者面談のため水道橋へ(内容マル秘)。終了後家族で食事しようと、水道橋と神保町の間にある台湾料理の店へ寄るつもりであった。面談が終わって、連れ合いと息子一、息子二が一足先に行っているはずのくだんの店へ向かう。すると向こうからたらたらと戻ってくる見慣れた大中小の人影。「どうしたのー?」と尋ねると「ない!」??「なに?」 「燃えちゃった」??「えー?」
 なんと、気に入っていたその店、火事で燃えちゃったのだということ。がっかりー。でも塾のすぐ近くに姉妹店があるのを聞いていたので、急遽そちらに方向転換。そちらの店は始めてだったが、うーん、味は同じかそれ以上だったので、とりあえず許す。香菜(シャンツァイ、コリアンダーの葉)も今日はあったのでよかった。しばしば品切れなのである。でも、神保町の方の店が無くなり残念。
 以前、食べた金額だけ次回(指定日)無料と言うサービスがあって、子どもたちと出かけていったことがある。予想に反し、長蛇の列である。どうしよう、帰ろうか、いやここまで待ったから食べて帰ろう!と待つこと1時間。広くない店内ぎゅうぎゅうである。みんな、相席。お祭りみたいなざわめき。オーダーを取るのも超スピードなら、料理が出てくるのも超速い!もう笑っちゃうような騒ぎで、おいしくて楽しかったァ!もうあれもないのかと思うとがっかりである。

981030(金)  
  購入本:   なし  

 私は先日大事なものを書くのを忘れた。
 10月26日の購入本に、『エンジン・サマー』を入れ忘れたのだ!
 出入りの本屋さんにどうかなあと思いつつ注文をいれておいたところ、来ました来ました!カバー背の出版社名だけベネッセと変わって。中身は同じ、91年の初版だった(売れないのね)。図書館で借りたとき表紙に張ってあったラベルは、神殿風の建物の床に腹這うようにしてひじをついている裸の女の子の、ちょうどおしりのところだったのだと判明。無粋な事をする図書館だこと!この本が自分のものとして手に入って、嬉しい(喜びをかみしめるニム)。

 『新世界』突入しようかナーと思ったけど、やはり『テレヴィジョン・シティ』が先でしょう。『新世界』のはじめだけ少し覗いて、『テレヴィジョン・シティ』(上)を読み始める。
 SFの世界とオーヴァーラップしてるように思うけど、舞台設定だけかな?なんかシニシズムを感じるのだがごく最初なのでまだ何とも言えず。またご報告。

981029(木)  
  購入本:   なし  

 風邪はやはり風邪で、のども相当痛いが、なんか全身疲れちゃったという感じで、気力が出ない。きりの良いところで仕事を切り上げ(来週大変になるのが目に見えてるのだが)、2時間休をとって帰宅。予約本が入ったと連絡があったので、帰りがけに図書館による。あらっ?わたしは『賢治先生』(長野まゆみ)をお願いしたと思っていたら『新世界I』だったわ。勘違いじゃ。そうそう、ここ変な図書館で、『新世界II』から『新世界V』まではあるのに、Iだけ所蔵してないのです。なんと不便なことでしょう。
 帰ってきて家中ばっちいのに我ながらうんざりする。ふだん真夏以外は明るいうちに帰ってくるなんて事はないので、たまに昼間帰宅するとばっちさが目に付くのである。生協の荷物が玄関先に届いているので、それをしかるべきところに押しこみ、その辺をささっと整理しておしまい。それでさっそくページの更新にかかる。これって、もしかして、
ビョーキ?まあ寝るほどの風邪って訳じゃないからストレス解消、気晴らしにいいでしょう。

 そうこうしていると息子が帰宅して、「封神演義11巻出てるの買ってきてあげるからお金ちょうだい。」と言われ、つい「あら、そうなの、頼むね」なんて返事しちゃって、それしかなかった5000円札が去って行く。「美術で使う彫刻刀も買うからね。」ううっ、お釣りはきっちり返せよ!でも新聞の集金が来たらどうしよう、お金ないぞ。「すみません、職場にお財布忘れちゃって!」の手しかないな。

 後刻。彫刻刀は、用途にあったのがなかったそうです。お釣り4千5百なにがし。
 ややあって、ピンポーン!「エイヴォン…」もとい、「新聞の集金でーす」オッオー!

 職場で、前からコンテンツに加えなきゃと心に掛かっていたもののひとつを思い出した。『第七官界彷徨』(尾崎翠)である。美術館友だちに貸したきりなので、ちょっと返してもらわなくてはね。いいよう、これは。近日upの予定。長野まゆみが終わったら。

981028(水)        
  購入本:   林 望   『書藪巡歴』   新潮文庫
      J・L・キャスティ   『ケンブリッジ・クインテット』   新潮社
      R・R・ベーア   『一角獣』   河出書房新社
      石黒陽子   『つるクラフト』   文化出版局

 長野まゆみじゃないの、今日は。おととい本屋に行ったときに、読書週間謝恩価格本というコーナーができており、その中の『一角獣』、前から欲しかった本なので目を付けておいたのだ。「この本は自由な価格で販売いたします」というシールが貼ってあり、この本の場合は定価3500円が本体2718円で売られていた。ということは、他を探せばもっと安いところもあったって事なのかな?

 長野まゆみは『雪花草子』読了。『水迷宮』と時代背景も題材も一緒。三つのストーリーがおさめられており、それぞれ独立している。うーん、もろ少年愛の世界。プチフラワー11月号「黒橡(くろつるばみ)」(竹宮恵子)が、時代背景も題材も(多分、まだ前編だから)同じようだったので、こういう世界って私が知らないだけで結構ひとつのジャンルを形成してるのねと思った。足穂ワールドなんかしか知らないじゃない。まああれとは違うまた独特の世界。長野作品のうちのこの傾向のものを読んでいると、コミックの世界に近いなーと感じる(執筆年が最近になる程)ので、コミックとは結構読者がだぶるんでしょうね。

 『ケンブリッジ・クインテット』は、数学者・エッセイスト(でいいのかな)藤原正彦と奥方の訳なので、面白いんじゃないかな?と。「来るべき知の小説」なんてキャッチ・コピーがくっついているが、これはなくもがな。「哲学、物理学、数学、遺伝学の天才が集まって論争する、人工知能の未来」なんだそうな。で、今をときめく錚々たる科学者がひとつところに集まって喧々囂々と議論を戦わせる…のかと思ったら、違う。だって、この配役は全員、過去の人なんである。物理学者スノウ(1905〜80)、数学者チューリング(1912〜54)、遺伝学者ホールデイン(1892〜1964)、物理学者シュレーディンガー(1887〜1961)そして哲学者ヴィトゲンシュタイン(1889〜1951)というメンバーである。わたしゃ最後の二人の名しか知りませんが。かれらに架空の会合をさせて討論させるという「フィクション」、新しい手法なんだという触れ込みなり。

981027(火)        
  購入本:   なし

 『夜間飛行』読了。切れ切れに読んだのでまとまったイメージがつかみにくいが、なんか寓意があるような気がして、しかしきらきらふわふわ、夢の中のようなイメージと場面転換に惑わされてはっきりそうと意識せずに読み終わった。「素晴らしい風船旅行」を思い浮かべたが、長野まゆみもこれをイメージして書いたのかな?フランス語と英語がごっちゃになっているのがいいような、変なような。今ひとつピンとこないけど。

 カザルスホールに、「林峰男チェロリサイタル」を聴きに行く。「パブロ・カザルスに捧げるチェロ連続リサイタル1998」の全六夜の最終夜である。第一夜は10月22日、すなわちカザルス忌とのこと。何年か前、その頃所属していたアマオケで、峰男さんがソリストに来て下さってドヴォルザークのチェロコンチェルトをやったことがあるが、間近で聴く峰男さんの演奏は素晴らしかったなあ!実に気さくで素朴で、飲んべえの峰男さんだが、演奏となるとすごいのだ。いやはや。二日続きで演奏会だと、ちょっときつい。のどオンリーの風邪をひいてしまったので、のどが痛あい。のど飴とスプレー持参である。でもダイジョウブだった、よかった!
 

981026(月)        
  購入本:   長野まゆみ   『天然理科少年』   角川書店
      西 成彦   『ラフカディオ・ハーンの耳』   岩波・同時代ライブラリー
      橋本 治   『ハシモト式 古典入門』   ごま書房
      K・W・ジーター   『垂直世界の戦士』   ハヤカワ文庫SF

 後先も考えず、本屋で…。ほんとにどうする気、こんなに長野まゆみ集めまくって。でも初期作品集も欲しくなっちゃった。んー。『水迷宮 瀧の巻』終わって、『雪花草子』に突入。
 『水迷宮』のどろどろはどうなってしまうのかと思ったが、もとの旅の若者が引き起こした祟りは、何代にもわたった後、結末にいたってちゃんと終息を迎える。

 夕刻、職場の美術館友だちから、先日来読んだら貸してくれると言っていた『鬼の橋』(伊藤 遊、福音館書店)を借りる。
 なんか題名が怪しいが、1997年の第3回児童文学ファンタジー大賞受賞作品ということである(第1回にはあの『裏庭』が受賞している)。平安時代に実在した小野篁(おののたかむら)の少年時代を描いたものとのことだ。小野篁は、「漢詩文に優れ有能な官僚として4代の帝に仕えた」そうであり、不思議な伝説をたくさん持っている人物という。たとえば、夜な夜な冥府へ通い、閻魔大王の役人として働いたとか。
 そんな人物がモデルということと、ちょうど読み終わった『水迷宮』との時代の符合(多分)が、興味をかきたてるではありませんか。特に、こういう符合って本当に不思議です(そんなことばかり言ってないで『超常現象をなぜ信じるのか』ブルーバックス早く読めってか)。
 終業後、紀尾井ホールの
ポメリウム公演に行くので、荷物になるハードカバーを文庫の『夜間飛行』に持ち替えて車中で読む。

 ポメリウムはアメリカの音楽学者、指揮者のアレクサンダー・ブラッチリーが1972年に、ルネサンスの教会合唱曲を演奏するために結成したとのこと。でも見た感じはあんまりアメリカっぽくはない。今日の編成は女性4と男性8人である。席がすごーく前でしかも舞台と同じ高さだったので臨場感はばっちりである。全体に澄み切ったハイトーンが印象的なグループだ。
 終演後、外に出ると、このホールは出口(終演時にのみロビー奥のガラス扉が開けられる)のすぐ脇に楽屋口があるのだが、そこから三々五々出てくるのは、今歌ったメンバーではないか?おおっ!同行した娘は、舞い上がって、「わー、今の?そう?どうしよー!」というので、「プログラム出して、ほら、サイン、サイン!」で、彼女、ほんとに「サインして〜」と言って寄っていった。
 ちょうど一人たたずんでいたのが、私のもっとも気に入ったテノールの彼氏で(プログラムで顔と名前が対応していないので名前不明)、すすすっと寄っていって、お願いしたんである。実によく通る声の彼の名はTom Baker 様と判明。忘れないわッ。むすめ、「かっこいー!チョーかっこいい!」の連発だ。ちょっとハズカシー。でも私たちを見て筆記用具を取り出した人たちも出現したからいいや。
 11月にはバロックバイオリンのヒロ・クロサキ様がおいでになる。うれぴー!実はクラシック関係の人だって追っかけでも何でもあるのだ。三大テノールの追っかけおばさん方というのが有名だそうで、世界中いろんな所の公演へものすごい着物を着て行って、熱烈大声援を送るのだそうだ。なんかすごそう。私は
ヒロさんの追っかけになりたい!

981025(日)      
  購入本:   長野まゆみ 『兄弟天気図』   河出書房新社
      長野まゆみ 『雪花草子』   河出書房新社
      ナンシー・A・コリンズ 『ブラック・ローズ』   ハヤカワ文庫SF
      季刊 『本とコンピュータ 6』 トランスアート    
      『プチフラワー 11月号』        

 今日こそ寝坊したかったのだが、娘が模擬試験のためいつも通りに起床。ううーん、上天気だったのでまあ許す。
 連れ合いが9時から11時まで近所の区営のテニスコートへ行ってしまったので、おちびと散歩がてらまず図書館へ。記憶通り長野まゆみはあんまりなく、『水迷宮 汪の巻』『水迷宮 瀧の巻』を借りる。むずかしい読み方、『すいめいきゅう うみのまき』『すいめいきゅう たきのまき』である。字面から鏡花の『草迷宮』を想起するけれど、中身は違います。と言えるのも夜中に大半読んじゃったから。『瀧の巻』の1/3ほど残すのみ!
 水の帝の娘が一人の旅の男にたたったのを糸口に、その子孫たちに次々とたたり続ける。平安時代あたりの宮廷の近辺を舞台にしているのだが、その人間関係がまたどろどろ。親子とか、兄妹とかがそのたたりによって否応なく結ばれてしまい、その子がまた…という感じ。系図つきであるが、一言でこの人とこの人が親子とか叔父とかいとことか読み解けないのが大変。
 それぞれ97年6月、7月の出版であるが、最近の作らしく筆致がなめらかである。題材のせいもあってか、すらすらっと読めてしまい、たとえば『魚たちの離宮』とか『野ばら』などのように読むのに集中を要するということがあまりなく、うまくなった分彼女らしさ(と期待するもの)が減ってきた、ないし変化してきたというべきか。
 図書館ではとりあえず『賢治先生』をリクエストし、そのあとあまりにいい天気なのでテニスコートまで足を伸ばす。雲ひとつない上天気である。
 午後、再度おちびと外へ。こんどはのんびり本屋まで。買いそこねた『プチフラワー11月号』、新刊の下につぶされんばかりに1冊だけ残っていました。よかったー。他にめぼしいものもないまま単行本の棚を見ると「水迷宮 姉妹編」という帯のついた『雪花草子』があったので買うことにし、もうひとつ『兄妹天気図』の値段を見て(880円)これも一緒に連れ帰る。

 夕方息子を迎えがてら皆で新宿に。なんか連れ回されてよくわかんないが、ビックカメラでたむらしげるの新しいCD-ROM『クジラの跳躍』を見つけてゲット。三越の地下かなんかの八重洲ブックセンターで『ブラック・ローズ』を買う。ここはだだっ広いのによくわかんない品揃えで、文庫は結構あるのに新書は全然なかった。単行本もすくない。変なとこー。

 夜、『クジラの跳躍』をみるが、きれい、きれい。何枚入っているのかな、ずいぶんたくさんグラッシー・オーシャンの絵が。映画も見たい。
 朝早起きしなくてはならないのに、『綺羅星波止場』読了後、勢いで『水迷宮 汪の巻』もあっというまに読み終わり、『水迷宮 瀧の巻』にさしかかっているところ。高校時代、古文好きだったんだ、私。その世界を思い出しつつどんどん読んじゃった。

981024(土)
 
購入本: なし

 長男がキャンプにゆくため、5時起き。雨のせいか、真っ暗である。当初行く予定の八ヶ岳(天狗岳)が、積雪50p以上になってしまったためやむなく中止となり、代わりにもっと標高の低い場所でのキャンプに変更された。60リットルのザックを担いでの雪中行軍は経験者でもちょっと大変だよなー。
 息子に続いて夫が7時半に出ていってしまったあと、他の二人はすやすや寝ているので、『綺羅星波止場』にとりかかった。短編集である。ちょっと風邪気味でやたらに眠いので、読書も中断しがちな今日のような日には、最適だ。

 いつの間にか10月も下旬になってしまい、今日などかなり気温も低く、寒いという感じである。ページを作り始めた頃は暑かったのに、そろそろトップページも季節感に合わせて模様替えしないといけません。素材を探すのって、面白いけれど、時間がかかって!

 おちびが先日、年長のクラスの芋掘り遠足のおみやげ=おいも1本を頂いてきたので、昼食後、紅玉りんごとおいものお菓子を作成。みんなに評判よく、娘が少し食べて塾に出かけていったあとにおちびがほとんど食べてしまったので、もう1回作った。2度作っても面倒でないくらい簡単なのでお試しあれ(レシピはこちら)。

981023(金)
 
購入本: なし

 先日定期購読している『Herb』最新号を開いたら、何か様子がおかしい。毎月のプレゼントがなかったり、読者のページに「またいつか…」のようなことが書いてある。変だなーと思いつつ読んでいると…。ナニッ!突然の休刊宣言であった。事実上の廃刊ですね。ひどいなあ。やっとほんわか、ピラピラした雰囲気を脱して地に足のついた記事が多くなってきて、よかったよかったと思っていたのに、どうしたことでしょう。
 ハーブを取り上げる雑誌はものすごく多くなったけれど、実生活に役立つ記事が理論から書いてあるのってこの本くらいだと思っていたのに。ちょっと堅すぎたのかなあ。私なんか、もっときちんと書け!たとえばレシピ(料理でなく、マッサージなどのアロマセラピーの)をちゃんとかけとか、栽培の記事で虫よけには何々オイルのなんたら液が効くと書いてあるのにその処方は書いてないからちゃんとしろとか、いろいろ注文はあったけれど、他の雑誌みたいにファッションにとどまらない貴重な雑誌だと大事にしていたのになあ。ぐすん。編集長を出せィ!
イカっているのだ。

981022(木)
 
購入本: 長野まゆみ 『宇宙百貨活劇』 『聖月夜』 
               『テレヴィジョン・シティ(上・下)』 河出文庫文芸コレクション
      椎名誠 『活字博物誌』 岩波新書
      川村則行 『自己治癒力を高める』 講談社ブルーバックス
      金子隆一 『ファースト・コンタクト』 文春新書

 まだ病いはつづいており、これで手持ちの3冊をのぞき、文庫の長野まゆみはあと1冊を残すのみである。おいおい、さいふは大丈夫?
 文春が新書に参入すると言うことであるが、なんでも週刊誌と単行本の間を埋めるのだとか。一挙に10冊も出たようだが、本屋には4種類しか見あたらなかった。
 『天体議会』読了(再読)。議会招集の手紙いわく。

 〜「本日、議会招集。ジュラルミンの天使およびアンタレスの星食観覧。集合時刻は午后五時。場所はいつものとおり、時間厳守のこと。十月二十二日、議長。印」

 星を見るのに、午后五時集合って、いつ頃の事かなあと思いつつ読んでいたが、そう!まさに今日の日付なのである。
 それとアンタレスの星食なんちって、ナルニア(「カスピアン王子のつのぶえ」)を思い出すじゃありませんか。じっさいの午後五時は、相当暗く、水蓮たちが天文台で見る夕焼けはもう少し早い時間かも知れない。…「まだ誰も来ていない。」
 いずれも河岸段丘の二段目に建っていた私の中学と高校から、はるか丘陵とその向こうの山並みに見た夕焼けは本当に素晴らしかった!毎日、毎日、飽かず眺めたものだ。奥多摩の山々と丹沢の山並みがそれぞれ落ち込んでぶつかるちょうど間に富士山のシルエットがそびえる、誂えたような夕焼けの舞台だった。……!

 さて現実の世界である。すぐ近所の区立の体育館に、プールがあり、毎週火・木は貸し切りで、いくつかの民間のスイミング・クラブが水泳指導をしている。その一つに上の二人も通っていたが、末っ子も年齢制限の4歳を過ぎたのでお世話になることにした。今日がその最初の日である。先週、先々週もあったが風邪のためやすみ。保育園に息せき切って迎えにゆく。家に戻ると間に合わないので、その足でコンビニでサンドイッチを買い、体育館のロビーで食べさせていると時間になった。せわしないなあ。顔見知りの先生にお預けした後、2階のちょっとした見学席から見ていたら、なんのことはない、怖がる様子もなく嬉々として水に入っている。「わー、顔を水につけてる、すごいすごい!」「あっ、ちゃんとういてる!」と、親バカモードである。

981021(水)
 
購入本: なし

 今月はじめから、山茶花がちらほら咲き出したのに気づき、いつもより早い気がしないでもないと思っているうちに、もう下旬となり、あちこちの垣根や植え込みで咲き出している。感じとしては11月の花なのだが。お茶の花にどこか似ている。白に紅色がにじんだものが一番好きだ。
 昼、並行読みの
『螺子式少年(レプリカ・キット)』読んじゃった。『天体議会』を読み終わるはずが、おちびを寝かせようと枕に頭をつけたら、死にそうな睡魔!!そのまま、墜落睡眠。

981020(火)
 
購入本: なし

 昨晩、『野ばら』再読了。『魚たちの離宮』読了。『天体議会』再読突入。じえんじえん飽きません。
 『魚たちの離宮』は、
これすごいわ。このひと、どういう人。ほとんど、鏡花の世界のような、幽霊の手が虚空から現れて「おいでおいで」をしている…みたいな感じに近いのだが、そうはならない。じっとりと底の知れない池とそれを擁する奥深い庭を描き、盂蘭盆の時期とて、それらしい小道具もふんだんにでてくるのだが、おどろおどろしいという形容にはならないのである。ううーん、綺羅きらしい世界とどっちが好きか。問われたら悩むぞ。
 『天体議会』は、いわば馴染みの長野ワールドである。
『螺子式少年』もぽちぽち読み出す。

981019(月)
 
購入本: 長野まゆみ 『綺羅星波止場』 『夜間飛行』 『遊覧旅行』 河出文庫文芸コレクション
       小辻梅子訳編 『ケルト魔法民話集』 教養文庫
       コンドラトフ 『ベーリング大陸の謎』 教養文庫
       
科学朝日編 『モンゴロイドの道』 朝日選書

 なんか、病気。今日は午後から娘の学校の保護者会があって休みを取るため、夕方いくらか時間があるので、本当は図書館に行きたかった。ところが朝チャリで通りかかったら第3月曜日のため休館なのである。そのため、ほとんど病気の私は昼休みふらふらと本屋に出向き、長野まゆみ買い占め状態である。ハードカバーはとりあえず図書館に頼るとして、文庫を総なめの予定。1冊1冊は薄くて値段も高くないが、やはりこれだけになると結構な額ではある。ヒュウ〜ッとふきすぎる秋の風。
 近くの棚でもう一つの病気である星野道夫関連のキーワードが、目に入った。ベーリングと言う文字である。1981年の原著(しかもロシア語であやしい気も)なのでちょっと古いなと思ったが、そっち方面の知識が全くない私にはまあいいかと。レジの近くでこの頃ご無沙汰の選書の棚をみていたら、こんどはモンゴロイドと言う字が光った。遙かむかし、モンゴロイドがベーリング海峡を渡った…。こちらは1995年の初版である。文部省科研費「先史モンゴロイド集団の拡散と適応戦略」(1989から92年度)にかかわった人々がこのモンゴロイドのグレイト・ジャーニーを解説した本だそうだ。遺伝学、免疫学、人類学、古生物学、地理学など様々な観点からこの問題に光を当てたもの。なんか、ワクワクしますね!
 長野まゆみにひたりきってしまうと日常生活をまっとうに送るにはちょっとまずいぞ!と言う感じなので、気分転換にはちょうどよいかも。でももっともっとひたってしまいたいのが本音なのである。

981018(日)
 
購入本: 長野まゆみ 『三日月少年漂流記』 河出文庫文芸コレクション
      『夜啼く鳥は夢を見た』  『魚たちの離宮』  『螺子式少年』
      『学校友だち』  『銀木犀』        

 同居人の都合で、行く予定のなかった池袋に行くことになり、「用事は」と訊かれ、即座に「本屋」。すっかり長野まゆみにははまりこんで、と言うより彼女の場合は、ひたりきってと言う方がベターか。
 今日の所の読了本は
『三日月少年漂流記』 『夜啼く鳥は夢を見た』である。『三日月…』のほうは私の印象に残った長野ワールドに一致している。『少年アリス』のあと、何と何を読んだのだろう?『野ばら』と、『天体議会』だけなのかなあ。長野まゆみが好きだなんて、言うだけ恥ずかしい!

981017(土)
 
購入本: 椎名誠 『蚊學ノ書』 集英社文庫
      ジョン・W・キャンベル Jr. 『月は地獄だ!』 ハヤカワ文庫SF
      フィリップ・K・ディック 『高い城の男』 ハヤカワ文庫SF
      ルーディー・ラッカー 『時空ドーナツ』 ハヤカワ文庫SF
      筏 義人 『環境ホルモン』 講談社ブルーバックス
      ネムキ 11月号

 無事『夏期休暇』『夏至祭』読み終わった。
 前者は、海の情景描写がすばらしい。私は現実の海はどうも苦手なのだが、こういう世界は大好きだ。(石井桃子『幻の朱い実』岩波書店に出てきた海も、もちろんこれとは大違いだけれど実によかったなあ。)そうなるんじゃないかと思いつつ読んでいたが、やはりラストはこうきましたか。
 後者は賢治作品の中でも私の気に入りのひとつ『ポラーノの広場』を彷彿とさせるもの。長野まゆみというと、こういう感じだとばかり思っていたので、先日の『銀河電燈譜』にはびっくりしたわけ。でもこの『夏至祭』は若書きだそうだけれど(『野ばら』の前身とのこと)、あらためてよんでみるとちりばめられたイメージがきらきらと鉱物質なだけで、文章は決して硬質ではなくむしろその逆よね。植物や匂いの描写のなまめかしく豊富なこと。きらきらイメージだけが私の中でそれこそ結晶化していたというわけである。さあて、次は…。

 夕方、来週八ヶ岳へゆく長男のため、池袋へ買い物に出た。私のトレッキングシューズを貸してやろうと思っていたが、案に相違して「きつい!」とのご託宣に、仕方なく買い出しに。この頃の子って、どうしてあんなに足がでかいのだろう。小柄な息子の身長は、私より10pも小さいが、足が先に私を越してしまった。最近彼のコンバースをお借りしているのだが、大手を振って「もうきついんでしょ、ママがはいてあげるね!」と言えるってわけだ。成長は望ましいことであるが、連中は金食い虫だ。
 そのついでに、帰宅時間を気にしつつ旭屋に寄る。当然、長野まゆみが第一目的だったが、つい時間を気にするあまり最初にひっかかったハヤカワ文庫と、息子の目指すコミックのところでなんか用が済んだ気になってしまい、帰りの車中で「あー。第一目的が…」と気づくが、時すでに遅し。あした図書館に行こうっと。でも長野まゆみ、図書館にはあまりなかったのよね。
 今日のキャンベルJr.のは、またまた1冊だけ、平台の他の本の上に放り出してあったもの。ふと手にとって、本来そこにあるべきものでないことに気づいたが、何か予期しない発見でもありそうな気もして…薄かったし…連れ帰る。
 『環境ホルモン』は一応職業柄フォローしておかないと、と思って。

981016(金)
 
購入本: Herb 11月号

 この頃金曜日はなんだかせわしなくて。なんとか昼休み『夏期休暇』の続きにひたる。
 後刻、注文しておいたMacの増設メモリが来た。この頃はかなり安いと言うことで、64メガを注文しておいたのだが、12800円とのこと、こんなものなのかな?昨年はこの倍くらいしたようだが。
 帰宅後、おちびの「ママ、一緒に寝よう」にひっかかって10時から寝てしまったので、まゆみワールド進展せずじまい。

981015(木)
 
購入本: 長野まゆみ 『カンパネルラ』 『夏期休暇』 『夏至祭』 河出文庫文芸コレクション
      菊池 聡 『超常現象をなぜ信じるのか』 講談社ブルーバックス

 ハイ、はまりました。本当は、ずっと読みかけだったジョン・クロウリー『ナイチンゲールは夜に歌う』早川書房 の続きを読むつもりだったのだが、お昼を買いに外へ出て本屋さんを通過して(中を、だよ)、外に出てみたら、なんか長野まゆみ本が3冊もついてきてしまったんだな。どれも薄くて字が大きいし、行間はたっぷりあいてふりがなまでついているので、分量的にはたいしたことない。何の言い訳だ?
 ブルーバックスは、近所の大きい方の本屋にある程度そろっていたが、半年ほど前にその店が撤退してしまった。他方の本屋は、それほど小さいわけではないのに全然おいていなかったため、ちょっとご無沙汰していたのである。最近そちらの本屋もようやく心を入れ替えて、ブルーバックスをはじめ、ややマイナーな文庫、新書なども置き始めた。よい傾向である。先日行ったときに『超常現象…』も買いたかったのだが、あいにくと銀行へ寄る前だったので、お財布が「いいよ」と言ってくれなかったのさ。
 でもって、『カンパネルラ』は読了し、『夏期休暇』は半分あたりまでさしかかっている。ううむ、鉱物ワールドではないが、『少年アリス』などの印象と違わないぞ。きのうの『銀河電燈譜』はどういう位置づけになるのだろう。面白いからもう少しはまっていようっと。

981014(水)
 
購入本: なし

 長野まゆみ『銀河電燈譜(デンキフ)』読了。『少年アリス』『天体議会』『鉱石倶楽部』あたりをよんで、賢治&鉱石&古めかしい漢字を多用した独特の透き通った硬質な文章がかなり気に入っていたが、いつのまにかどんどこどんどこ、次々本が出るので、追いかけきれずにそのままになってしまっていた。先日図書館でちょうど目に付く高さにあってぴたっと視線がそこに行ったものだから、「長野まゆみさまのお呼びー」と、素直に借りたわけである。
 1994年の発行なんだが、『少年アリス』からは何年たつのだろう?初期の硬質なものがなくなって、むしろ鏡花を連想するような世界になっていた。変化したというわけでなく、もとからこういう一面もあったのかな?
 近親相姦、兄と妹の逢瀬、いたぶられる美少年…。うう。『銀河電燈譜』とそのサイドストーリー『夏日和』の2編がおさめられており、前者は『銀河鉄道の夜』の道具立てを借り、花巻から上野へ向かう夜汽車に乗った賢治が軸である。病がちな妹トシを気遣いつつ、ひとり故郷を逃げ出すように発ってきた賢治の前に、入れ替わり立ち替わり奇妙な振る舞いの人々が現れる。…そのうちの一人、ずっと乗り合わせている少年は、賢治の知り合いの弟の面差しである。『夏日和』ではその知り合い川島と弟、賢治たちを巡る不思議な交流が描かれる。きのうからの昔モードになんかぴったり合っちゃって、すごーく不思議な気分。
 TRCでは60何冊も検索にひっかかってきた(ダブリあり)ので、フォローしきれないのももっともである。でもなんかこれ、またはまるかもしれないという予感。

981013(火)
 
購入本: レイ・ブラッドベリ 『バビロン行きの夜行列車』 角川春樹事務所
      A.B.ミッドフォード 『英国外交官の見た幕末維新』 講談社学術文庫
      吉田健一 『時間』 講談社文芸文庫
      尾崎一雄 『美しい墓地からの眺め』 講談社文芸文庫
      尾崎一雄 『暢気眼鏡・虫のいろいろ』 岩波文庫

 あーなんとかうちの風邪ひき虫も、きょうは保育園に行けた訳で、おっかさんも自動的に稼ぎに行って来ました。
 きのうのうちに来ていた同僚からのメイルで、ブラッドベリの新刊が手に入ったことを知った。私は情報をよく見もせずにてっきりハルキ文庫だとばかり思ってしまって、先日久しぶりにせっかく池袋に出たときに見当違いの文庫コーナーなんか探しちゃってその日は時間切れになってしまったというおバカだったのだ。
 わたしが、
ないないないないと騒ぐので、慈悲深い同僚がわざわざ日曜に池袋で買ってきてくれたんです。持つべきものは料理の上手な友だちと慈悲深い友だち、なんちって。
 例のごとく昼休みに銀行方面へ、ということは本屋方面へと同義語である。

 むかし、NHKのFMで、朗読の時間というのがあり(今はどうかな)、2,3週間かそれ以上かけて一つの作品を毎日朗読してゆく番組であった。
 『草枕』などの漱石の作品を、今はなき草野大吾(悟?)が読んだのなんてなかなかだった。記憶に残るものの一つに、杉本鉞子(えつこ)
『武士の娘』がある。明治6年に武士の娘として生まれた著者が、後年アメリカで結婚したのち、未亡人となってから英語で著したもので、学生だった私はこれを聞き非常に驚いた。そんなわけで『英国外交官の見た幕末維新』なんて題にはよわいわけ。
 吉田健一はやはり学生の時『東京の昔』を読んで(装丁が気に入って買った)以来、まわりっくどいいわゆる悪文と彼一流のユーモアにはまってしまい、目に付くと読んできた。
 尾崎一雄の2冊は岩波が9月16日、講談社が10月10日の発行だが、なにかこの秋はいわれがあるのか?岩波が15編、講談社が14編それぞれおさめているが、だぶっているのは5編である。なんか今日は昔モードになっちゃった。

981012(月)
 
購入本:Be-pal 11月号 (書くものに事欠いて登場)

 おちびを医者に連れてゆくため、一日休をとる。こいつめ、咳とハナは出るものの、なにやら朝から元気っぽい。明日は休めないから、しょうがないなあ。
 医者に行きがてら、すぐ近所の区立図書館による。
 図書館は近いのに、普段なかなか寄れない。平日の帰りは、保育園のお迎えの時刻という制約があるし、その帰りに子供と一緒となるとやたらに時間がかかるので夕飯の支度に差し支えるでしょ。土日はたまった家事とか、買い出しとか、骨休めとかでなかなか…。で、つい昼休みに近くの本屋に行くとか、注文のメモを所定の場所においておくと持ってきてくれるという便利この上ない職場出入りの本屋さんとかから、購入することになってしまう。買った本の置き場所……(無言)。もっぱら垂直方向、かな。
 今日借りたのは、長野まゆみ『銀河電燈譜
(デンキフ)』河出書房新社。子どもには H.A.レイ & M.W.ブラウン『いぬ おことわり』偕成社、自分で選んだ本。レイは、『ひとまねこざる』のシリーズでおなじみの魅力的な絵を描くひと。ブラウンは『ぼくにげちゃうよ』『おやすみなさいのほん』などの作者だ。

 医者の待合室で子どもがひっぱりだしてくるオーレンジャーやらカクレンジャーやら、ナンタラマン、カンタラマンのたぐいの写真絵本を読んでやるのに飽きて、ふと手に取った家庭画報9月号、目次の『星野道夫の遺産』の字が目に飛び込む。なんでー?と思ったけれど、生前この雑誌で連載を持っていたことを思い出して納得。目新しいことは書いてない(当たり前といえば当たり前)が、星野さんと親交のあった人たちのコメントとか、著書の表紙の写真が出ていたので、受付の方にお願いして「顔パス」でお借りしてきた。
 のぞき込んでいたおちびが、「あー、これ。これこの前あったよ」「この人だ、これ。ほしのさんだ。ごはんつくってるとこ。」と、よく覚えているのにびっくり。またしばし、はまる。

 溝口@書物の帝国氏から、逆リンクを張ってくださったとの連絡。謝々!ところが、『ダブ(エ)ストン街道』の作者、浅暮三文氏のお名前を、ぜーんぶ誤記しているとのご指摘。びええええっ。あせりまくって訂正。大変失礼いたしました。日本語変換のたび「そうかそうか、朝と日暮れなのね。」なんてわざわざ思ったのは、字づらに違和感があったからなのね。ご指摘ありがとうございました。

981011(日)
 
購入本:なし 

 秋晴れの上天気にもかかわらず、おちびの熱(39度近い)が下がらず、「あたまがくらくらするー」などというので、本屋巡りはおろか、ちいとも家から出られない。仕方ないのであきらめておちびが寝ている間に『頭の痛い魔法使い』読了。
 ジョン・トムのスペルシングは、けっこう快調ではないですか。ぶち虎のローズロアはかっこよくて魅力的。やたらに強いからちょっと都合の良い登場人物っていう気もするけど。ドタバタしている割には、このシリーズは構成がきっちりしているので気持ちがよい。「どっちもこっちもの店」、そりゃあ山の腹の中にある巨大な洞窟そのものが店の商品棚(=宝の倉)とくれば、ジンのたぐいが幅をきかしているに決まっているでしょうよ!で、精霊ハルン・アル・ルージンできまり。
 星野道夫『旅をする木』も読了。おかげさまで>おちび。

981010(土)
 
購入本:なし (やっぱりこの項目はずそうかな)

 先日来のおなかの痛いのがやや本格化してきて、ちょっとつらめ。この上天気にもかかわらず、おちびがまた風邪をぶり返し、熱と嘔吐。そんなにひどくはないんだけれど、おんもに買い物というわけにも行かず、またもホームページ遊びをしているうちに夕方である。おお、もしやあの音は、かみなり?やや、すごい雨が降ってきた!(しばし洗濯物取り込み作業)

 きのうのオペラの件。ネローネ(ネロ)が后オッタヴィアを何とか退けて、愛人ポッペーアを后にしちゃおうという筋なんだ。夫であるオットーネの苦悩、理屈をこね回すセネカ、そこに「運命」とか、「愛」「美徳」、乳母たちの思惑や小姓たちのあどけない愛と誘惑。みーんな問題有りの人たちばかり。その中でも、一番自分勝手なネローネとポッペーアが、少年の姿で登場する「愛」の手助けを得てめでたく結ばれちゃう。考えなしの「愛」はオットーネの愛には見向きもしないの。
 で、これがまたバロックオペラと言うから、やっぱりぞろぞろの服を着て、ローマらしい舞台なんだろうなと思ったら、衣装は皆現代の服。ネロと兵士たちは、マフィアの親分と手下って言う感じ。「愛」はTシャツにキャップ、スニーカー。セネカに死の知らせをもたらすメルクーリオはスパッツにマウンテンバイク。みんなおしりの見えそうなミニスカート、胸も露わなスリップドレス、変装のため衣装を取り替えるところでは下着姿もご披露でぱんつまるみえと、もー大変。原作の意図するところをわれわれが実感できるようにと言う演出と思う。
 ディカプリオの「ロミオとジュリエット」では、シェークスピアのせりふをほとんど変えずに舞台を現代として再現された。いかにシェークスピアが普遍性を持つか、だと言われるが、さすがにこのオペラは、ローマの皇帝というはっきりした枠組みがあるだけに、設定をすべて現代にするというわけには行かず、中途半端といえばそうでもある。
 …な話を連れ合いとしていると、最近
封神演義モードのヤツは、私に解説を始めるのである。いわく、このオペラの世界は、封神演義の世界とそっくりなのである。現代ヨーロッパ風にするくらいなら、封神演義風に演出した方がずうっとしっくりくる。すなわち……(以下、次回のお楽しみ)
 上の子供たちが本に鼻をつっこんでいる…と思ったら、何のことはない、封神演義(コミック版)であった。

981009(金)
 
購入本:なし

 四谷・紀尾井ホールで行われたバロックオペラ「ポッペーアの戴冠」にゆく。6時半開演、10時終演ということで、いつも金曜は仕事が6時くらいまでかかりがちなので、今日は何とか早く終わらせようと努力!(やればできるんじゃないか)でもやっぱり目標の5時半には出るというのは無理でした。
 池袋のホームで待っていてふと気がつくとニャニー、埼京線が遅れている?すでに6時を回っている。あきらめて読みかけの『頭の痛い魔法使い』に没頭。やっと新宿に着き、下りホームの人の波にさえぎられ、なかなか階段までたどり着けない。中央線ホームに着くと行ったばかりらしくガラガラである。するとアナウンス、「ただいま中央線15分ほど遅れております」。この時すでに6時15分。ひえー、18000円に遅刻とは…!しかしわたしの、「そんなこと関係ないよ」という態度が功を奏し、意地悪の神様があいそをつかしてくれて、電車はすぐに到着。四谷駅からは小走りに走り、汗とともに滑り込みセェーーーフ!紀尾井ホールっていつもいつも、滑り込みだもんね。駅からあの半分くらいだと許せるんだけれど。
 しかし、なぜか、お目当てのプログラムが売り切れ。なんたるちゃ。こいつめこいつめ、プロモーターの社長(ちょっとだけ顔見知り)に文句垂れなくっちゃネッ。見せてくださった隣のおばさま、ありがとう!

981008(木)
 
購入本:なし

 昨晩はいったん9月でやめたバイトの女の子の歓送会があったのだが、そのせいか夜中眠りが浅くなったときに胃が重い感じで痛かった。それがはじめで、日中ずっと胃が痛・重く、夕方からはちょっと本気で痛くなってしまった。普通のフランス風コース料理だったんだけどなあ。さむがりやのサンタの夏休みみたいな感じかも。クリーム、クリーム、クリーム。ううっ。
 昼休み、『エンジン・サマー』読了(再読)。やっぱり最後で泣いてしまった。誰もいなかったからよかった!大筋として読み間違いはないと思うけれど、大切なところを結構読み落としているのに愕然。ストーリーに身を任せ人間なのでどうもだめだね。でもどうしてこんなに気に入ってしまったのか、自分でも不思議。いとしい、いとしい本だよ。

981007(水)
 
購入本:朝日文芸文庫『この文庫が好き!』ジャンル別1300冊 小説トリッパー編
      串田孫一『山のパンセ』実業之日本社 昭和47年
      ジョイ・チャント『赤い月と黒の山』浅羽莢子訳 評論社 昭和55年
      橋本治『貧乏は正しい』小学館文庫 1998

      ユリイカ1995年4月号増頁特集「ラフカディオ・ハーン」

 久しぶりにたくさん本を買って嬉しいな。なんかこの頃ちっとも本屋に行ってないので購入本という見出しを取ってしまおうかなーと思っていたが、今週はちょっと復活しているので、しばらくこのままにしておこうっと。
 『この文庫が好き!』は職場出入りの本屋さんから。串田孫一以下は、郵便局に行ったついでにその向かいにある古本屋で仕入れた。『山のパンセ』は岩波文庫(多分)で持っているが、これは箱入りソフトカバーっていうのかな、初版で、それほど程度のよいものではないが、なかなか雰囲気があるので迷わずゲット。串田孫一もかなりなご高齢でもあることだし…。そういえばこのところ選集なども出ているようだ。そちらもちょっと心惹かれるが。
『赤い月と黒の山』初めて見たが訳者が浅羽莢子なのでそう変なものでもなかろうと思って。

 つれあいが『封神演義』のコミック版を1〜10まで一そろい買ってきた(伊勢崎スーパーモールって言ってた)。私は原作の方を読んではいないのだけれど、皆さんから一応こんな話って言うのを聞いていたのと、題名がえらそうだったのとで、それなりのイメージがあったところ、ぱっと開いてえーっ、こんな絵だったの!題名とのあまりのギャップにびっくりしてしもうた。だっていかにも少年ジャンプ、というか子供っぽい絵だったんだもんね。少年ジャンプにしてももうすこしシリアスな絵かと想像していた。こういうノリだったんだー。と、妙に納得。こどもたちが「封神演義をとうさんが買ってきた!」と喜んでいた、というのはつまり、知っていたんですね、存在を。娘が、何巻までか読んで面白かったんだよと言っていた。読みたかったんだって。ちょっと負けた気がするぞ。

981006(火)
 
購入本:「母の友」11月号 「こどものとも 年少版」11月号 
      ポール・ホーケン 『フィンドホーンの魔法』 サンマーク文庫

 きのうの晩、というか今朝まで夜更かししてしまったので、ちびを寝かしつけながら9時半から寝てしまった。
 サンマーク出版とはどういう本を出しているのやら?新聞の書評欄で見て「スコットランドのスピリチュアルな共同体云々」というのでつい買ってみたんだが、ちらちらちらっと前書きあとがき(本文はまだ)などに目を通すと、あらちょっと間違ったかなという気がしないでもないが。とりあえずペンディング。

981005(月)
 
購入本:兵藤裕己 『平家物語−<語り>のテクスト』 ちくま新書

 久しぶりに昼休みに本屋にゆくがあまりめぼしいものなし。上記の新書を買う。というのも、近く橋本治の平家物語が出るということなので、予習のつもりなのだ。悲しいかな、祇園精舎のところと壇ノ浦くらいしか記憶にないのだ。源氏はもう少し読んだし、枕もおもしろかったけれど、私は歌物語りとかそのへんのほうがすきだった。古事記、万葉は言うまでもないが。でも橋本治のこれはなんだかわくわくしそうな気がする。買うかどうかは、うーん。ば、場所が。

981004(日)
 
購入本:なし

 上の二人の子の運動会(体育大会)である。あつらえたような素晴らしい天気、今日はとうさんも出動(午前中だけ)するのでせっせとお弁当を作成。私たちの頃と違って生徒たちは教室内で食べるので、なんか張り合いがない。娘は80メートルハードル、息子は1500メートル。友人たちと木陰に陣取って情報交換しながら子どもたちの姿を追う。日頃なかなか学校にも行けないし(行く気も起きないと言いたくなる状況でもあるが)母親同士もそれぞれ仕事を持っている身だから、こんな時でもないといろいろ情報を交換しあう機会がないのである。1500メートルを走っている同級生の男の子、やる気なさそうに3人でつるんで後ろの方を走っている(ふりをしている)。最後の一周にさしかかり、あと半周。やや、いきなり一人でスパートし始めた。手を挙げて見物席にアピール、ひえっ、投げキッスまでしちゃって、なんたる態度、誰に似たんだかとぼやくお父さんであるが、あなたそっくりですよ誰が見ても!
 一日上天気だったので、ずっと座っていた割には疲労感が…。

981003(土)
 
購入本:なし

 きんもくせいがいいにおい。うちのベランダの斜め下にきんもくせいの木があり、風に乗って秋の香りがベランダにやってくる。ちょうど毎年運動会の頃にこの花は咲くのね。
 下の子と散歩がてら近所に買い物に出て、当然本屋によった。特に収穫はなかったが、ハヤカワ文庫の目録をもらってきてざっと目を通したら、想像していたよりずっと生きている本が少ないのに驚き!ひやー、これは大変だ。これからは本当に、
どうしようかなーと迷うようなものはとりあえず買うべしと銘記。どうなっているんだか。溝口@書物の帝国さんのご意見に賛同。
 お昼過ぎまでは暑いけれどなかなか気持ちの良い天気だったのに、いつの間にか曇りになって室内は薄暗くなってしまった。ちびが「ゆうがた?」と何べんも訊きに来る。

981002(金)
 
購入本:なし

 今までアルバイト週3回手伝ってくれていた女の子がいったん9月いっぱいでやめることになったので、新しい非常勤の男性に手順を教えがてら一緒に仕事をした。疲れた。

981001(木)
 
購入本:なし

 朝6時の目覚ましで起きてカーテンを開けると、暗い。「雨だ!」下の子の保育園の運動会なのである。曇りかと期待していたが、てるてる坊主の効き目もなく大雨だ。今年から、雨天時には隣の小学校の体育館で行うようになり、そのための10月1日開催、つまり都民の日なので公立の小中学校は休みのため体育館が借りられる訳だ。パンかなんかをつまみながら並行してお弁当制作の残りの部分を何とか終わらせた。上の二人をどうにか言いくるめてカメラ、ビデオ係として連行するも、途中、息子は業務を放棄して雲隠れ。せっかく娘に持たせたNikonの一眼レフは、露出不足のためピーピー言いっぱなしで結局だめだった。だってとっつあんは仕事でいなくて、フラッシュとか望遠とかどこにあるのかわかんなかったんだもんね。
 室内ながらもそれなりに無事終了して外に出ると、一層の大雨であった。早く終わったら映画でも見に行こうかなーと思っていたけれど、これではもう一度外出する気にならず、ホームページ遊びに専念する。

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ニムの木かげの家
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最終更新2001.02.04 16:50:46