「猛毒大国中国を行く」 09.12.30

著者出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
鈴木 譲仁新潮新書4-10-610267-72008年6月20日680円全一巻

昼休み散歩をするのが私の習慣というか、少しでも痩せよう歩こうというけなげな心掛けである。ではあるが、やはり12月は寒い。わざわざコートを着て歩くまでの覚悟はなく、ちょっとオフィスを出て寒いと地下街に入ったり、それどころか同じビルの本屋で時間をつぶすのがおちである。
ということで本屋で立ち読みしていて帰りしなに、手ぶらではすまないと買った新書がこれである。
要するに深い意味はなく、帰りの電車で読むにはちょうどかと思った程度であった。
初版が2008年6月だから、ちょっと古い本である。
毒ギョウザ事件が2008年初めで、当時たくさん出た中国の毒食品、毒野菜をとりあげた書籍のひとつだろう。
ここでもそういった本をいくつか取り上げた。
中国の危ない食品選手も観客も命がけ中国汚染中国欲望大陸など・・

読んでみるとまあ当時の熱気(?)を感じた。中国ってトンデモナイ国がというのが良くわかる。
オフレコであるが出張に行くとお土産を買ってくる習慣はどの職場でもあるだろう。私の職場は出張が多いから大阪や京都に行ってもお土産を買うまではないが、札幌とか沖縄となればちんすこうくらいは買ってくる。
当然海外出張者も多いのだが、中国のお土産は食べるのにいささか勇気がいる。勇気のない人もいる。 
まあ、細かい内容は本を買っていただくしかないが、読んでいろいろなことを感じたが特に次の二点に印象を受けた。

ひとつは漢方薬についての不信である。
漢方薬と言うと、私もそうだが一般の人は安全・安心・副作用がないというイメージを持っているだろうと思う。この本の中ではそういった先入観というか常識(?)を打ち砕く。
中国では漢方薬の効き目を即効にそして確実にするために、現在の薬品つまり抗生物質やその他の薬品をまぜるのだそうだ。そりゃ効果はてきめんだ。 
だから強精剤にはバイアグラ、風邪などには抗生物質を添加しているという。もちろんまっとうなルートのものには入れられないのだろうが、個人輸入などは危ないという。
ところで中国ではそういったものだけでなく、偽薬といってもプラシボではなく売れている薬を真似て作ったコピー薬も量産しているという。まあ、ヴィトンとかロレックスとかホンダの偽物が大量に売られているのだから、バイアグラやタミフルの偽物を作るという発想が特に目新しいとは言えない。
インターネットで売られているバイアグラはほとんどが中国製の偽薬と書いてあった。実を言って私のメールボックスには毎日といっていいくらいバイアグラの公告が何通も来る。ああいったものは多分メイドインチナなのだろう。彼女と楽しもうと飲んだはいいが、そのまんま天国に行っては笑われるだけだ。

この話を漢方薬が大好きな娘にしたら、娘は日本で医薬品として売られている漢方薬は検査しているのでそういうことはないだろうという。個人輸入の漢方薬、あるいはサプリメントとしての漢方薬、医薬品でない怪しげな宣伝のものには近づくなとの仰せである。
娘はこういうのには詳しい。信じて間違いなかろう。
チャイナフリー中国製の危ない食品や食器、衣料品、
医薬品を使わないようにしましょう

第二にであるが、これは私にとっていささかショックなことであった。
三橋貴明をはじめ、多くの人は中国はいまに崩壊すると語る。それは諸外国との競争ではなく、国家内部の格差や制度のまずさによって国家や社会の運営がたち行かなくなるからだと語る。
ところがこの本は、中国は独裁国家として、いや独裁国家だからこそ、そのような矛盾を含めてますます巨大化し、国際社会に悪影響を及ぼし、やがては世界を飲み込むのではないかと語る。なぜかというのはこの本を買って読んでほしい。
それが正しい予測なのか、正しくないのか、そんなことは私は分からない。いや多くの人が崩壊するとか、世界制覇するとか書いているのだから、中国問題の専門家だって分かっていないのだろう。
ところで覇権という言葉も意味も多様である。アメリカ覇権というのは要するにアメリカに有利な国際ルールを強調しただけであって、個人主義を強制したわけでもなく、民主主義を押し付けたわけでもない。アメリカに味方するなら独裁国家でもなんでも良かったのだ。
しかし中国が覇権を持てば中国流の仕組みを押し付けるのだろうと背筋が寒くなる。中国は結局秦の始皇帝の時代から皇帝が支配する恐怖政治以上の政治体制を理解し運用することができなかったのだ。そして民を治めるには宗族というか血族のつながりを利用してというと変だが、個人ではなく人は血縁によって助け合い力を拡大しようとする形態しかとりえないようだ。
我々は韓国の親が犯罪者なら子孫までそしる社会を笑うが、中国が世界制覇すれば世界中にそういう価値観を押し付けるだろう。
ちょっと好きになれない。

この本から得た教訓は、個人生活において中国と距離を置くということだ。これははなはだ難しいことだ。ユニクロにいけば中国製品しかない。この前の休みの日、散歩していたら近所のバイク屋の店頭に並んでいるのは中国製のバイクばかりだ。ちょっと高級なものが台湾製、タイ製であった。
食品売り場に行けば今はほとんど産地表示している。中国と違い、日本では産地を偽装表示していないだろうと信じるしかない。我が家では中国製と書いてあるものはもう買わないことにしている。だいぶ前、にんにくの茎だけは国産がないとしかたなく買っていたが、これも国産のものを見つけた。
../kabu1.jpg 幸い家内の実家は農家で今でもお米や旬の野菜を送ってくれる。ありがたい。間違いない福島産の野菜である。
しかし、お子さんがいる家庭でおもちゃはもう中国製から逃れることはできない。でも中国産デジカメを買うのと、子供の特に低年齢の子供のおもちゃを買うのは意味が違う。まさかデジカメをしゃぶったり飲み込んだりする人はいないだろうが、おもちゃはなめたりかじったりするのは当然だ。鉛、ヒ素、カドミウム・・・およそ子供に与えたくないものばかり。
ところで今、中国ではザリガニ料理が流行っているという。ザリガニは私も子供の頃近くの池で取って遊んだ。仲間にはそれをゆでて食べた子もいた。私は食べる勇気がなかった。しかし同じ池でとれた鯉は食べていたので、ザリガニにだって毒はなかったろうと思う。
中国ではある特別な餌でザリガニを養殖しているという。そのえさが何かを読んで私は中国に行く気は全くなくなった。
みなさん、お気をつけてね ♪


あらま様からお便りを頂きました(09.12.30)
made in japan
佐為さま あらまです
中国製品がヤバイ ! ! ・・・というのは、世界の常識で、当の中国人も自国の製品はなるべく買わないようにしているそうですよ。
そこで、中国では自国の製品に日本語の商標をつけて made in japan と刻するそうです。
中国の製品には、日本の地名、日本人の名前で飾られていて、それが‘商標’として認められているというのですから驚きですね。
でも、そうした偽装は日本人もするのですから、中国人ばかりを責められませんが、それにしても、その程度が並大抵ではないようです。
中国が覇権を広めるということは、何も信じられない社会を広めるということですから、それはイヤですね。
あらま様 今年もありがとうございました。来年もがんばりましょう。
日本の地名とか産地を登録しているという話は新聞でも報道されていましたね!
「青森産」と書いてあるから日本の青森県で採れたものか?と思うと、「青森産」という中国の会社の登録商標なんだそうです。
千葉県産、福島産、みーんなあるらしいです。
確かに北朝鮮からきたハマグリを一晩日本の海に付けるとそこの地で採れたハマグリになると聞きますが、中国は聞きしに勝る・・さすが中国4000年の歴史!
もっとも4000年の間に民族は数回入れ替わっているといいます。日本が中国に飲み込まれても、1000年後は日本人がその中枢に座っているかもしれません。
まあ、そんなことを想像するよりも、ハトポッポ首相を入れ替えて、中国の属国になるのを阻止しなければなりません。

木下様からお便りを頂きました(09.12.31)
ベトナムジーンズ
ユニクロにいけば中国製品しかない。

私のユニクロジーンズはベトナム製です。少なくともそう表示されてます。
もっとも、以前のは中国製ですが。
木下様・・・お許しください
ユニクロなら中国製という先入観で語ってしまいました。
ベトナム製なら中国製より安全と思います。
ご安心してご愛用願います。

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