ケーススタディ ヘッドハンティング

12.10.13
ISOケーススタディシリーズとは

ある日の午前である。横山を監査事務局担当に育てると決めてから、山田は監査に出かけることはあまりない。今日は、横山は関西に出張している。藤本と五反田は今後の事業の検討をしている。
山田が工場の担当と話をしているとまた自分の番号に電話がかかってきた。外線の音だ。誰かがとる。話し声が聞こえたが内容は聞き取れなかった。電話を切ると岡田が山田にメモを渡した。

岡田

「山田さん、外線がありました。吉住さんとおっしゃる方からです」


山田はメモを見たが、名前と電話番号しか書いてなかった。吉住? 吉積? そういう人に思い当たりはないが・・・と思いつつ受話器を取り、こちらから電話をする。
山田
「もしもし、鷽八百機械の山田と申します。先ほど電話をいただいた吉住様をお願いしたいのですが」
電話口の向こうから柔らかな男性の声がした。
?
「吉住と申します。山田様とお会いしてお話をしたいのですが、本日、お時間いただけませんか。たいしてお時間は取らせません。30分でもと思います。ご都合はいかがでしょうか?」
また急な話だ。
山田
「すみませんが、どういったお話でしょうか。正直申しまして、マンション投資とか、先物取引などに興味はありません」
?
「いやいや、そういったお金に関わるものではないのです。山田さんのお仕事に関わることでして」
山田
「当社の環境管理に関することですか?」
?
「そうとも言えるかと思います」
山田
「ご用件をお伺いしましょう」
?
「ちょっと電話では」
山田
「いったいどのようなご用件なのでしょうか」
?
「お会いしてお話しませんと趣旨が通じないと思います」
なにか不祥事をネタに、ゆすりに来るのだろうか? 会わないと余計こじらせるかもしれない。山田は腕時計をながめた。電話でらちがあかないなら短時間でも会って決着をつけてしまおう。今は10時半か・・
山田
「吉住様、今日お会いしたいとおっしゃるなら、13時半から14時までにしましょう。弊社においでいただけますか?」
?
「承知いたしました。二人で話ができるようなお部屋を取っていただけないでしょうか?」
いよいよ怪しい。
山田
「分りました。用意しておきます」
電話を切ってから山田は思いめぐらした。話しぶりからすると、投資のお誘いではなさそうだ。当社の環境管理に何か不具合を見つけて、ゆすりに来るのだろうか? あるいは寄付の依頼か?
まあ、いずれにしても即答はできないからとりあえず先方の話を聞いてからにしよう。それに先入観を持って当たってはいけないと自戒した。
山田はイントラネットで応接室を予約した。トラブルと困るが、初めから総務のそれなりの担当者が同席してはかえってまずいだろうと一人で会うことにした。
約束の時間まで山田はちょっと落ち着かない思いである。



1時25分頃、受付から山田に客が見えたと電話が来た。ロビーに通してもらう。
山田はロビーに降りて行った。一人だけ立っている男がいる。この人に違いない。中肉中背の見かけは普通のサラリーマンである。
山田
「山田でございますが、吉住さまでしょうか?」
吉住
「山田様ですか。初めまして、吉住でございます」
山田
「応接室を取っておりますので、こちらにどうぞ」
山田は予約していた応接室に案内した。
山田はホットコーヒーを二つ頼んだ。あとは邪魔は入らない。
吉住と山田は名刺交換した。吉住の名刺には「KYリクルート 部長」とある。リクルート?
山田
「ご用件を伺いましょう」
吉住
「要件は簡単なのです。私どもは一般に転職エージェントと呼ばれております。ある会社から山田さんを引き抜いてほしいと依頼がありまして、山田さんにそれをお伝えすることと、今後のご相談に上がったわけです。転職しませんか?」
なんだ転職斡旋か、山田は拍子抜けした。
山田
「私はそんなたいそうなことができる能力はありませんよ。今私がどんな仕事をしているかご存知ですか?」
吉住
「いや、山田さんの環境管理におけるご高名は鳴り響いていますよ。クライアントから山田さんのことを依頼されてから、当方も調べました。環境監査や、子会社への指導などをされていらっしゃいますが、グループ企業では、大変高い評価をされていることを知りました」
山田
「弊社の子会社にヒアリングしたのですか?」
吉住
「そのへんは、あまり言えませんのでご勘弁を。
しかし口から出まかせではありません。当方はクライアントから依頼されたことをするだけではビジネスにはなりません。その方の実力を調べてクライアントが雇うべきかの評価をします」
山田
「吉住さん、お話を聞いて大変驚きましたよ。正直言いまして、今まで転職することなど考えたこともなく、即答はできません」
吉住
「もちろんです。まずクライアントの説明をしなければなりませんね。山田さんのご意向が決まるまであまり詳細は申し上げられません。概要のみ話しますと、御社とは業種が異なりますが、大手、もちろん東証一部の製造業です。先方は山田さんを環境部の部長候補として考えています。仕事の内容は現在と同様とお考えいただければ良いかと思います。もちろん遵法や事故対応だけではなく、広報や展示会など全体を管理することになると思います。今まで山田さんはそのへんのお仕事はされていないようですが」
今まで山田は公報や展示会などには関わっていない。なるほど、結構調べているようだ。
吉住
「山田さんは現在の環境保護部にいても部長になるのは難しいと思います。現在は廣井さんという方が部長ですね。廣井さんは55歳くらいだと思います。御社では役職定年が57歳ですので、あと2年は廣井さんが部長を務めるでしょう。そのとき山田さんが49歳、御社で環境保護部長というのは事業所長級ですから、環境保護部長に就くにはまだ1年か2年早いですね。しかし廣井さんの後、どなたかが環境保護部長になられますと、その2年後に山田さんが部長になるという可能性はまずありません。とはいえ、御社では環境部門から他の部門に異動するということは社風から考えてないと思われます」
山田は以前、廣井からそんなことを言われたことを思い出した。
そのとき廣井からも言われたが、部長になるには前任者と歳の違いがちょうどしないと昇進の時期を逃してしまう。運不運というのはあるものだ。
山田
「吉住さんは当社のルールや事情は十分お調べになっているようですね」
吉住
「商売ですからね」
山田
「どの会社でも環境管理というものは公害防止時代からしているわけで、人材がいないということはないでしょう。なぜ他所から探すということになったのでしょうか?」
吉住
「ISO14001の内部監査では役に立たず、遵法や事故防止の内部監査、そしてその指導を強化したいということです。そういうノウハウや力量を持った人が社内になく、山田さんのご高名を聞いたということです」
山田は腕組みをして天井を見上げた。部長になりたいかと言われればなりたくないということはない。しかし、今でも廣井から藤本部長や五反田の教育や新事業のことで指導を受けている状態だ。部長である廣井はもっといろいろ複雑な事柄を扱っているのだろう。はっきりいって山田より楽なはずはない。職階が上になるということはそれなりに大変なことなのだ。
それにと、山田は考えた。元々山田は営業で課長になれず、逃げるようにして環境保護部に来たわけだ。それが今では課長どころか部長級である。営業で山田よりも早く課長になった中で今までに部長級になったのは一人か二人しかいない。そして片道切符で子会社に出向した人も何人もいるし、中には課長を解任されて平に戻ったのもいる。そういう現実を考えると、処遇に不満があるわけではない。むしろ今の山田の地位は僥倖ぎょうこうとしか思えない。山田は自分が実力で今の地位に就いたと思うほど自信家ではない。
ふと山田の頭に全く別のことが浮かんだ。だいたいヘッドハンティングなんてリストラするときの常套手段じょうとうしゅだんじゃないか。もし廣井あるいは会社が、山田が不要だと考えたとき、会社を辞めさせる方法でもある。うっかり吉住の提案に乗って、はしごを外される恐れもある。
山田
「吉住様、お話はよく分りました。時間もあれですから、本日はお話を承ったということで少し考えさせてください」
吉住は時計を見た。既に約束の時間を10分過ぎていた。
吉住は立ち上がり
吉住
「山田さん、ご検討願いますよ。決して後悔はしないと思います。会社名は伏せてありますが、企業情報や処遇などこちらに資料を置いていきます」
その他美辞麗句を語って去って行った。



山田は環境保護部に戻ると、そのまま廣井の机に行った。
廣井はなんだという表情の顔をあげた。
山田
「今、私に来てほしいというヘッドハンティングがありました。もし私を辞めさせたいなら、そんな手間をかけずに直接言ってください」
廣井
「おれがそんな面倒なことをするかよ。どの会社からだよ? それで待遇くらい聞いたのか?」
山田
「環境部長候補と言いましたが、賃金を聞くのは忘れてました」
廣井
「いい話ならいいことだとは思うけど・・・
企業に限らず、環境そのものの流行が終わったようだ。企業では環境専門の部署は減っていて、CSRとか製造管理あるいは生産技術などという名称と合わせた会社が多くなっている。大学では、環境の名前が冠されている学部も大学院もどんどん減っている。環境と題した雑誌も整理統合の時期だ。
そういう意味では環境の盛りは過ぎ、もう秋どころか冬かもしれないね」
山田
「それは環境というものが内部化されてきたということでもあるのでしょう」
廣井
「そういう言い方もできるだろうなあ、いずれにしても環境がもてはやされた時代は終わったということだろうね。転職するならそういう背景と長期的視点で見なきゃダメだぞ。環境部長になる前に環境部がなくなる恐れは十分ある」
山田は席に戻るともらってきた資料をながめた。賃金も書いてあった。日本の企業だからとてつもない額ではない。山田の現在の賃金にちょっと色を付けた程度だ。先方は現在の賃金なども調べているのだろう。

数日後、吉住からフォローの電話が来たが、山田はすっぱりと断った。



そんなことがあってから2週間ほどの後のこと、認証機関の村田社長から山田に電話があった。
山田
「これはこれは村田社長、ご無沙汰しております」
村田社長
前回つまらんことでお会いしてからだいぶ経ちますね。ちょっと山田さんとお会いして、お話を伺いたいことがありましてね」
山田
「そうですか、御社に伺いましょうか? それとも社長がこちらにいらっしゃいますか?」
村田社長
「いやいや、飲みながらということでどうでしょうか? 難しい話じゃありません」
結局、二日後に八重洲で飲もうということになった。近いといえ東京駅が変わったのを山田はまだ見ていなかった。早めに会社を出て、丸の内と八重洲の様子を見ていこうと思う。



居酒屋 約束した場所は居酒屋である。山田は割り勘で飲むつもりだったのでそうしたのだ。村田は社長だからカンパニーカードを使うつもりだろうが、そういうところはちゃんとしておかないとまずい。
時間ピッタリに村田は現れた。
二人は早速ビールで乾杯した。
村田社長
「ビールなんて若いときは夏しか飲まなかったね」
山田
「じゃあ、何を飲んだのでしょうか?」
村田社長
「僕らが若いときは日本酒だった。いつのまにかビールが主になったね。ビールといっても生じゃなくて瓶のビールだったけど、
それが焼酎に代わり、今は男もサワーなんて軽いのを飲むのが増えている。悲しいことだ」
山田
「どうして悲しいんですか?」
村田社長
「だってそうだろう。男同志がベロベロに酔って本音を語り合わなくて、なんでお酒を飲むのかという人生観だよ」
山田
「まあ、お気持ちはわかります。私も長いこと営業をしてましたからね。地場の販売店の方などとは飲むのも仕事でしたし、飲まないと相手を理解できませんから。
でも現在は都会では通勤時間が長いし、地方では車通勤が多い。そして今は酔っ払いに対する認識が厳しくなっています。ですから酔うほどに飲めないんですよ、
時代といいますか環境が変わりましたからね」
村田社長
「うーん、その社会の変化と認識の変わりようも悲しいねえ」
村田と山田は最近のISO認証業界の動きとか、ISO審査の問題などを肴にだいぶ飲んだ。
村田社長
「山田さん、実はね、今日は山田さんに当社に来ませんかというお誘いをしたかったんですよ」
山田はギョットした。
山田
「審査員ですか。申し訳ありませんが、お誘いは大変ありがたいのですが今のところ審査員になる気はありません」
村田社長
「いやいや、鷽八百社の部長クラスの方を審査員に来てくれなんて口が裂けても言いませんよ。本音を言えば審査員もしてほしいのですが、当社の改革を進めたいと思っているのです。そういう部門の長をしてほしいと考えています」
山田
「正直なことを言いまして、ISO第三者認証制度というものが長続きするとは思えないのですよ」
村田社長
「山田さんが引退するまであと10数年でしょうけど、それほど続かないと思いますか?」
山田
「ISO認証というのは1980年代末に始まりました。その後登録件数は順調に伸びましたが、認証の評価は下がり続けました。それが2000年改定につながったわけです。世の中の評価が下がっても、登録件数が2006年のピークまで増加したのは国交省の入札条件になったからです。最近また経営審査事項に盛り込まれたとかありますが、登録件数は下がる一方でかってのような影響力はないようですね。
本論ですが、どんな制度も20年間も続けは御の字ではないのでしょうか? ISO認証という法的な裏付けもないものが25年も続いたのですからもう十分でしょう」
村田社長
「UL認定なんて100年も続いていますよ」
山田
「社長、勘違いはされてないと思いますが、UL認定は保険金を払うか払わないかという現実的に重大な判断基準です。ISO認証はそういうごりやくはなく気分的なものに過ぎません」
村田社長
「山田さんは認証機関の体質改善や審査の質向上を図っても、認証ビジネスに将来はないということですか?」
山田
「将来がないというのもニュアンスはいろいろです。これから登録件数が増えていくという意味であれば可能性はまったくないでしょうね。
まず第三者認証というものが何件あれば適正なのかということを考えなければなりません。ちまたには日本の企業の1%も認証していないから将来性があると語る人もいます。なぜ企業が認証を受けるのかを考えないのでしょうか? そういえばJABの元専務理事の井口という人は、ISO9001認証10万件とかISO14001を8万件にしようとか語っていましたね。第三者認証の意味というか意義を理解していないとそんなことを語るようになるのです」
村田社長
「まさかJABの専務理事が第三者認証を理解していないということはないでしょう」
山田
「いや、理解していません。第三者認証とは企業を良くすることじゃありません。商取引において供給者の品質保証を第三者が裏書することなんです。欧州に輸出する企業がISO9000s認証を求められた1990年頃は、まさしくその本来の意図そのものであったのです」
村田社長
「山田さんは創成期から関わっていたというわけですか?」
山田
「ハハハハ、そんなことありません。ちょっとかじれば誰だって理解するはずです。
話を戻すと、そういう需要といいますか、顧客への品質保証要求があった場合のみ認証を受ける意味があるのです。そのときの件数は・・」
村田社長
「その件数は?」
山田
「日本でまだISO認証して企業改革しようという発想が現れる前の1995年頃の登録件数だと思います。その時点の登録件数は2000件弱でした。
参考までにTS 16949は顧客要求そのものです。まあ一部には品質が良いことを示したいとか、かっこいいからと認証している会社もあるようですが。
現時点その認証件数は2000件もありません。つまり、それが日本でのTSのマーケットの規模なんです。ISO9001も2000件程度と考えるべきでしょう」
実はこれ以前、某有名外資系認証機関の取締役と議論した結論である。
村田社長
「ではISO14001のマーケットの大きさはどうでしょうか?」
山田
「ゼロでしょうね。誰もが企業や行政に対して環境に配慮した行動規範を要求していますが、認証を要求している人はいません。厳しいようですが現実はそうです。
ともかく第三者認証を盛り上げるには、マーケットを大きくすること。それは単純にISOを広報するということではなく、ISO認証を商取引の要求にさせることです。そしてそれはほぼ見込みがありません。過去25年の歴史が物語っています。また法的に制約があります。
ではISO認証の需要が少ないなら、供給をそれに見合って絞るしかありません」
村田社長
「撤退とか身売りということですか?」
山田
「それもあるでしょう。このドメインというか認証ビジネスにしがみついて残存者利益を狙うという戦略もあるでしょう。しかしその場合でも費用構造を徹底的に見直すこと、良いサービスを提供すること、デリバリーの向上など改善を図らなければ、シュリンクするマーケットでは泡と消えます」
村田社長
「当社は民族系の大手と認められています。それでこの業界で戦い勝ち残るつもりです」
山田
「グローバルな基準の認証事業において大手も弱小もありません。認証事業というのは一般の製造業と違い、固有技術が標準化されています。そして実際に審査を行う審査員という駒は流動性が高い。つまり誰でも参入できるし、リソースの確保にもハードルは低いんです。だから今日大手であっても明日はないかもしれないし、今日のマイナーな認証機関が明日は大手かもしれません」
村田社長
「ではどうしたらよいのですか?」
山田
「QCD、最近はQCDEかもしれませんが、そういったことを一つずつしっかりとしていくしかありません。審査で規格解釈のトラブルとか・・以前の問題を取り上げるわけではありませんが、審査員の横暴とか、そういうことでは品質が良いとは言えないでしょうね。
コストについていえば、最近は相当下がっていますが、今の金額をバーゲンとか価格破壊とか考えないことです。弁護士の相談料が1時間5千円とか1万円でしょう。それは弁護士本人の人件費だけではなく、その後ろの間接費用も含んでいるわけです。それに比べてISO審査費用が1日13万とか、高いところは18万とか取っていたということ自体、浮世離れしています。どうみても審査員の力量が弁護士以上必要だとは思いませんね。資格要件のレベルが違いますよ。
そもそも人件費だって高すぎです。公認会計士とか弁護士と比較して、ISO審査員のほうが年収が高いという理由がありませんよ。単に元の会社で管理職に就いていたから同程度保証するというような理屈では破綻するのが当たり前です。
またこの業界特有の事情、業界が設立した認証機関が業界傘下の企業から審査員を受け入れるという仕組みでは立ちいかないのは明白です。当たり前のことを当たり前にするということしかないでしょうね。それはISO業界だけではありませんが・・
他の業界ではありえないことがISO業界で行われていたということ自体が異常ですよ」
村田社長
「私もそう思いますね。私は元の会社では環境とは関係なかった。そういう人間を本体で役員になれないからと出資している認証機関に出向させ経営させるという発想自体がおかしいというか異常でしかないですね」
山田
「いや、村田さんは経営のプロでしょう。プロの経営者であるなら、現実をみて実行可能で組織と構成員にとって最良の目標を立て実行するでしょう。
村田さん、こんなことは言いたくないのですが、本音を言いますよ。
御社は認証機関の大手です。でもISO業界の中での大手なんです。御社の売り上げは30億弱というところでしょう。世の中の基準からいえば中小企業です。
世の中を見ればですよ、コンビニ全店舗の平均売り上げは年間2億以上です。御社の売り上げはコンビニ13店舗分です。御社が大手なら弱小認証機関は、コンビニ1店舗とか2店舗くらいの売り上げしかないのです。ISO業界というのはものすごく小さなニッチであるということをまず認識しなければなりません」
それ以降、村田は黙って酒を飲んだ。
山田は村田の様子をみはからっていとました。
うそ800 本日の思い
実はこれ、私の思い出話です。転職のお誘いは何度かありましたが、相手が会社まで来たのは一度だけでした。もっとも私に部長になりませんかと言ってきたのではなく、平の審査員に来ませんかというものでしたが。私も山田と違い部長や課長ではありませんでしたからね。
そして廣井のセリフは当時の上長のセリフそのままです。でもね、本心は私がいらなくて放出しようと考えていたのかも?
当時、私はまだ50代前半、子供はまだ大学でしたし都会に出てきてまもないという状況でしたので、転職して失敗するよりも現状維持という気持ちが強かったですね。定年間近であれば一丁やってみようかという気になりますが、その頃にはお誘いもこなくなりました。
結果論ですが、ISO審査員に転職しなくて良かったと思っています。
このウェブサイトをご覧になっている人から過去に何度か「審査員になれもしないのに」とか、「審査員になってみろ」とかいうお便りがありました。残念ながら私は審査員にもなれたのですが、ならなかったのですよ。

うそ800 本日の言い訳
単にオフィスの日常だけではなく、ISO認証制度の寿命、ビジネスの課題、市場規模など少しはためになったかと・・・

うそ800 本日の予告
次回に続く・・・・


名古屋鶏様からお便りを頂きました(2012/10/13)
同い年の知り合いに脱サラしてコンビニ経営を始めたヤツが居ます。とりあえず開店時に「身体だけはツブすなよ」とエールを送った覚えがあります。何しろ2億といっても本部の取り分が(自主規制)ですから。
鶏はヘッドハントならぬテールハントで現業に就きました。
まぁ人生色々ですわ。

名古屋鶏様 毎度ありがとうございます。
コンビニですか・・・・あれはきついですね、
知り合いってほどでもないのですが、夫婦で始めた人がいまして、それでも2年くらいしたでしょうか、結局辞めたのですが、その時いった言葉
「ホットした」



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