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「ひでこのアトリエ通信」-3
4月から5月にかけて、「オペラ・その華麗なる世界」展と「日本ホビーショー」を見てきました。オペラの方はファンの多さを反映してか、大変な混雑でしたが、実際に舞台で着用された衣装の数々は、まさに華麗の一語に尽きる見事さでした。デザインということ、見せるということの意味がこれほどの迫力でせまってくる展を久々に見たように思います。
最初は、立派な体格のオペラ歌手が着用したひとつひとつの衣装の量感に圧倒されながら、舞台上のその姿が目に映り歌声が聞こえてくるようで、わくわくしながら眺め、それからそばに寄ってよく見ると、素材の豊富さに様々な技法を駆使した手縫いの縫製、布の質感と色彩
の豊かさ、驚くほど豪華な装身具、それらが一体となって奏でるハーモニーと、どこをとってもヨーロッパの文化の奥深い底力が感じられる素晴らしい展覧会でした。
ホビーショーでは180ものブースに実に様々なホビーが紹介されており、企業関係から個人までとても内容豊富でした。
編み物では糸メーカーの多種多様な糸と作品の展示が面白く参考になったほか、視覚障害者の方の手編みが印象に残りました。作品もたくさん出ていましたが、若い女性の視覚障害者の方が棒針で一針一針丁寧に編んでいる姿がとてもやさしくあたたかく、印象的でした。日頃から手編みの楽しさをもっともっと多くの人に知っていただきたいと思っている私のほうが、またひとつその魅力に出会えた良い日でした。
布関係も絣のキルトから染色や海外のものまで、布独特の味わいを色々見せていただき、お話も伺い、それぞれご自分の世界をもっている方々のハートの一端に触れることができました。
年に一回のこの催しを見て思うのは、ホビーの世界も益々拡がり豊かになってきたということです。今回は個人の出展が増えていたように感じ、好ましい傾向だと思います。長時間見て回ったにも拘わらず疲れを感じない楽しい一日でした。
私の夏物制作もようやく終わり、近日中にギャラリーをリニューアルする予定です。それからもうひとつ、新コーナーもお目見えしますのでどうぞお楽しみに。
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