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今回も最後のひとつで泣き笑い
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(2008.10.21) |
まさにサプライズの連続!
順天堂大学、日本体育大学、東海大学……。あらためて出場校の顔ぶれをみて、なんで予選会なの? と思わずうなってしまった。
順天堂大と日本体育大は箱根で何回も優勝経験がある。東海は近年は優勝候補の常連である。神奈川大と大東文化大学は近年あまりふるわないからいいとしても、順天堂大、日本体育大学、東海大というような箱根の強豪が予選会に出てくるなど、異例といわねばならない。ましてや順天堂大は前々回の優勝チームである。
順天堂と東海は前回、おもわぬアクシデントで完走できなくて、大東文化大とともに途中棄権、今シーズンは屈辱のスタートとなった。
そういういみでは順天堂の小野裕幸、大東文化大の住田直紀にとっては、まさにリベンジのレースになるというわけだが、ともかく二人とも元気な姿をみせてくれた。個人の成績では明暗がわかれたが、ともに予選を突破したのだから、よし……とすべきだろう。
サプライズはまだある。第2は順天堂と東海が苦しみあえぎ、最後まで死闘をくりかえしてやっと出場権をつかんだという思わぬ展開に終始したことである。
さらにサプライズの第3は東海の佐藤悠基、明治の松本昂大といった有力ライナーがともに途中で足をひきずりながら、苦しむというありさま。まさに波乱つづきのレースに終始してしまった。
それにしても佐藤悠基の精彩のなさはどういうことなのか。最初はトップ集団にいたが、ずるずると遅れはじめ、10qでは18位まで落ちてゆき、なにやら右脚がおかしい。あげくに後半の15qすぎからはなんども立ち止まるというしまつである。
出雲も本調子をかいていたが、今回はさらに痛々しいまでの走りであった。箱根では4年連続の区間新記録がかかっている。将来のあるランナーだけに全日本を欠場するぐらいの英断が必要なのではなかろうか。
新鋭・古豪入り乱れての大激戦!
レースは明治の松本昂大、東京農業大学の外丸和輝、東海の佐藤悠基らが先頭をひっぱるというかたちで幕あけた。
4qをすぎてからは松本がひっぱり、日本体育大の出口和也などもからんできたが、佐藤悠基は走りそのものに精彩がなく、しだいに後方におちてゆく。10qすぎからは外丸が先頭にたち、松本がつづくという展開になるが、レースの主導権は完全に外丸の手におちた。
そして15qすぎで外丸がスパートすると、もはや誰もついてゆくものがなかった。前半の主導権をにぎつていた松本は残り1qでケイレンがきたのか。足をひきずる苦悩の走りでなんとか9位でゴールまでたどりついた。
一斉スタートの奇妙な駅伝ゆえに、公式発表があるまで順位はわからない。とりあえずゴールを10人が通過した順位をあげるとつぎのとおりであった。
01.上武大学
02.城西大学
03.東海大学
04.神奈川大学
05.日本体育大学
06.専修大学
07.拓殖大学
08.大東文化大学
09.東京農業大学
10.青山学院大学
11.法政大学
12.順天堂大学
13.國學院大學
14.明治大学
15.国士舘大学
城西と東海の上位はともかく上武大学のトップ、第4のサプライズというべきか。上武大学というのはどこにあるのだろう。あわただしくしらべて、群馬県だとしって、またまあ驚いた。とにかく成績発表をまつまでもなく予選通過は確実というべきで、衆目をあっといわせた。
順天が笑い、法政が泣いた!
予選会の最終的な総合成績(上位10人の合計タイム)はつぎのとおりである。13位の青山学院大学までが出場権を獲得した。
01.城西大学
02.東京農業大学
03.上武大学
04.日本体育大学
05.拓殖大学
06.神奈川大学
07.東海大学
08.専修大学
09.明治大学
10.大東文化大学
11.国士舘大学
12.順天堂大学
13.青山学院大学
14.法政大学
15.國學院大學
上武大が初出場をきめ、青山学院大学は実に33年ぶり、拓大は4年ぶり、明治大は2年ぶりとわらったが、インカレポイントによる下位争いでは明暗がわかれた。昨年わらった法政は皮肉にも今年は泣く結果になった。
おおくのインカレポイントをもつ順天堂大学は合計タイムでは14位ながら12位にハネあがったため、13位の法政が14位はっじきとばされてしまったのである。法政は10年連続出場中だったが、連続出場はここでとぎれてしまった。
本戦に熱い期待! 城西と東農大
今回の戦いぶりをみちて、もっとも安定していたのはyはりトップの城西大と2位の東京農大であった。東京農大は5q、10q通過ではトップをゆき、15qからは城西に先をゆかれたが、終始上位をキープしている。
城西大学はベスト30までに6人もおくりこみ、10番目の選手でさえ118位というのだから堅実そのもの、1位通過は当然といば当然である。毎回、予選会でつよいところをみせるが、本番では予想外にふるわないという傾向がつづいている。 しかし地力は着実に強化されているから、今回あたりはそろそろシード権争いにからんでくるやもしれない。うまく滑りだせば本戦でも好勝負は必至、昨年の中央学院大のような旋風をもたらすやもしれない。
専修、拓殖、日体、東海、明治、神奈川あたりは、終始中ほどにつけて、まあ、よくもなく悪くもないというところか。
大健闘の一番手はやはりあの花田勝彦監督がひきいる上武大学だろう。5qでは14位、10qでも13位ながら、15qでは一気に5位まであがってきた。そして最終的には3位まであがってくるのである。とびぬけた選手こそいないが、チームのまとまりと粘りにかけては驚異的というべきか。
チームのトップが31位ながら、10位の選手は79位と3ケタ順位はなしというから、集団走のお手本のようなもの。かくして創部5年目、群馬県から初めての箱根路である。
逆にあぶなかったのは順天堂大である。5qでは10位10qでは11位、15qでも11位とつねにボーダーをさまよっていた。
近年は実力接近で、予選会あがりのチームでも、優勝はむずかしいだろうが、上位をねらえる風潮になってきているだけに、今回の結果からみて、城西大、東京農大あたりは、本戦でもかなり期待できるだろうとみた。
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出場チーム&過去の記録 |
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