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中盤の5〜7区で奪首に成功!
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(2010.11.15) |
6区で流れが一変!
満を持していた本命がようやく、その姿を露わにしたというべきか。 勝負の流れが一変したのは第6区(4.1075q)だった。
昨年は長野がサプライズ優勝(こんなことをいったら失礼か?)した本大会、エントリーの顔ぶれからみて、今回もかなりの混戦模様とみていた。
事実、前半から首位は変転として定まることがなかった。1区では栃木が突っ走るも2区では神奈川がトップに立ち、3区では2位以下を25秒も引き離して独走態勢にもちこむかと思いきや、4区ではふたたび栃木にトップを奪われ、5区では埼玉が奪首に成功したというありさまである。
6区で埼玉が2位との差(15秒)をさらにひろげれば、流れは一気に埼玉に傾くだろうと思われたが、ここで千葉が台頭してきたのである。
千葉の6区は小崎裕里子(成田高)は3位でタスキをもらうなり。すぐに栃木の川又千聖を交わして2位にあがり、軽快な足どりで埼玉を急追しはじめたのである。
その後も埼玉の背後にひたひたと迫り、とうとう3.5qすぎで一気に埼玉の藤ノ木詩織をとらえて、そのまま一気に抜き去ったのである。
埼玉の藤ノ木も区間3位だから、けっして悪いデキではなかった。だが千葉の小崎にはそれをうわまわる勢いがあった。区間新記録で一気に来られてはなすすべもなかった。かくして流れは一変、以降はレースは千葉を中心にしてまわっていったのである。
5区から追撃した千葉!
千葉の勢いのある高校生の快走は7区もつづいた。同じ成田高の伊藤恵美が埼玉をじりじりと引き離してその差を21秒にひろげてしまった。
埼玉の菊地優子もやはり区間3位だから悪くはなかった。だが伊藤は小崎の勢いにのってしまったというべきか。2位の埼玉との差を21秒としただけでなく、3位の長野以降には52秒の大差をつけてしまった。
勝負はこの時点で決してしまったといっていいだろう。
7区をおわってタイム差では埼玉とマッチアップの様相だったが、8区の中学生区間(3q)さえしのげば9区アンカーには堀江知佳がひかえている。たとえ埼玉に先んじられたとしても、堀江で逆転できるという計算が立っていたはずだからである。
そのようにかんがえてみると6区、7区の成田高コンビの働きは、なるほどおおきいものがあったが、その布石をつくったのは5区の高木千明である。
千葉は前半すこし出遅れていた。1区は15秒おくれの8位、2区では53秒おくれの10位と順位を落とし、3区では48秒おくれの8位、4区でも47秒おくれの7位と低空飛行がつづいていたのである。
テレビにはあまり映らなかったがそんな負の流れを一変させたのが5区の高木千明なのである。テレビカメラは5区でトップを奪った埼玉の後藤奈津子ばかりを追うなかで、7位発進の千葉・高木は東京、新潟、長野、神奈川を次つぎにとらまえ、区間1位をもぎとってしまった。皮肉にもテレビにあまり映らなかったが、トップ埼玉からおくれること22秒差の3位まで順位をあげてきていたのである。
そういう意味で千葉優勝の最高殊勲者をあげれば、高木千明ということになろう。
見ごたえのあった4区の攻防!
混戦模様を象徴するかのように第1区は出入りのはげしいレースになった。1qの入りが3:20とスローな展開、大集団でたんたんと進んだ。山梨の小俣后令がひっぱり、3q手前では神奈川の秋山桃子あたりも顔を出してくる。3q=9:45、栃木の下門美貴などの顔も見える。
3.7qでは山形の五十嵐藍が先頭に立つも集団はくずれない。レースが動いたのは4.5qあたりからだった。栃木の下門が飛び出し、宮城の正井裕子がつづき、神奈川の秋山、山形の五十嵐、福島の中島いづみなども反応したが、昨年優勝の長野の1区・箱山侑香はついてゆけなかった。
注目の1区は終始積極的なレースをしていた栃木の下門が制したが、8位の千葉までは15秒差という大混戦で2区(4q)に突入していった。
2区では3位につけていた神奈川の青山瑠衣が強かった。2qの中間点でははやくもトップに立ち、後続をどんどんと引き離した。2位には東京(藤本知佐)が7人ぬきでやってきて、山梨も田中花歩が区間2位の記録でふんばっていた。4位以降は宮城、新潟、栃木、福島、長野、山形……とつづき、皮肉にも首都圏の千葉、埼玉は10位、11位に沈んでいた。
遅れていた埼玉が眼を覚ましたのは3区だった。3区といえば中学生区間だが、埼玉の小林美貴が7人抜きで11位から一気に4位まで順位をおしあげ、トップ神奈川との差を34秒として新潟(2位)、真柳亜美の快走で3位まであがってきた長野を射程距離におさめてしまう。
4区になると前述のように神奈川中心の展開がくずれ、埼玉の中川文華と栃木の小林 由佳という全日本で覇を競った二人がならんで追い上げ、2.3qで長野、神奈川をかわしてしまう。最後は2.7qでスパートした小林が最後は競り勝ったたが、ともに区間新記録の快走、両者のマッチアップもみどころ十分であった。
地方勢の台頭で白熱のレースを期待!
優勝した千葉は実力ある実業団、高校生がフルに機能したというべきだろう。高木千明、堀江知佳、小崎裕里子、伊藤恵美の4人が区間賞を獲得、とくに中盤から底力を発揮、後半にかけて力でねじ伏せてしまった。
2位の埼玉も順当なところか。今回は昨年のように1区で大きく出遅れることはなかったが、勝負どころで千葉に力負けてしまった。
昨年優勝の長野は3位におわった。今回は1区で出遅れたが、3区では3位にあがり、以降も終始4位以下にはおちることがなかった。昨年の優勝がフロックでないことを印象づけたというべきか。
栃木、新潟の5位、6位も健闘した部類だろう。栃木は1区と4区で区間賞と獲得、前半は主力と互角に渡り合っていた。さらに新潟は昨年12位から大きく順位をあげている。注目すべきは各区間のランナーはすべて3位から8位までにはいっていること。穴のない布陣で堅実な成績をのこしている。実業団をふくめ、確実に強化がすすんでいるとみた。
逆に期待はずれは東京、神奈川の首都圏チームである。最終的には4位におわった東京は中盤が伸びきれなかった。7位の神奈川は前半は優勝争いにからんでいたが、中盤で大きく失速してリズムを失ってしまったようである。
これら長野、栃木、新潟に代表されるように、首都圏いがいのチームも近年は着実に力を付けてきているようである。
かつては福島や群馬などが優勝したころもあるが、その後はいつしか首都圏とそれいがいでは大きな落差ができてしまっていた。それだけに長野、栃木、新潟はもちろん8位の宮城も含めた地方勢の今後に期待したいものである。
毎回のように、白熱のレースがくりひろげられれば、ス
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出場チーム&過去の記録 |
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関 連 サ イ ト |
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