「これでいいのか天声人語」 羽生 輝彦 good

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
文芸社978-4-286-02966-52007/05/151200円全1巻

日本にはたくさんの新聞社がある。新聞社とは事件やできごとを伝える役割だけでなく、特定の考えを持つ人びとの集団らしく、その集団の意思を社説とかカラムをとおして無知な国民を啓蒙し導こうとするものらしい。
いや、私のように学のない無知蒙昧(むちもうまい)の民にとってはありがたいことである。

しかし、ちょっと待てよ、導こうとしている人が知性あふれ、公平性、客観的で、偏っていなければ良いのだが、もし知識があっても知恵がなかったり、特定の思想とか、一部の勢力と組んでいたり、更には新聞社が外国の支配下にあって日本の国民のあるべき姿を示すのではなく、外国の利益になることを私のような無知な人に吹き込んだらどうなるのだろう?
もっとひどいのはありもしない従軍慰安婦とかサンゴ事件をデッチあげて報道することも考えられる。
これは恐ろしいことではないか。
なにしろ「ペンは剣より強い」という。権力が暴力を使って圧制を敷くより、マスコミが報道という手段を使って特定の思想や外国の利益拡大をはかることは一層その影響力が強いであることは間違いなく、そりゃとんでもないことではないか。

はたして、社説やカラムはそのような偏っていることはないのだろうか?
実を言うと、多いに偏っているらしい。
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覆面をかぶり北朝鮮の核爆弾開発を支援する人びとが「市民」のはずがない
更に言えば、社説やカラムだけでなく、記事の書き方、記者のスタンスも公正性客観性が保たれているとはいえないのである。
デモの報道をするときに、ヘルメット覆面をした参加者を市民と報道した例がある。
いったい街の中で生活している市民がヘルメットをかぶっているものだろうか? 町で見る限りヘルメットを着けているのは工事の方だけである。デモに参加するときわざわざ仕事用のヘルメットをつけてきたのだろうか?
冗談は止めておこう。報道機関がサヨクであるというにすぎない。
他方、日の丸をもって行進する足取りもおぼつかない年配者たちを右翼と報道した例もある。マスコミの姿勢が極めて偏っていることは明白である。

社説やカラムだけではない。どの新聞でも雑誌でも、読者の意見とか読んだ歌や川柳などを載せるページがある。
ペントハウスにだってフォーラムというのがあって、そこには読者のすばらしいセックス体験が山盛りである。実を言って本文や写真よりも面白い。 
ペントハウスもそれを承知してか、その中から秀逸なものを編集して「フォーラム」という本にして発行している。
これ英語の勉強にもなります。
アッツならないか、語彙が少ないから

当然であるがそのような偏り、偏向報道といわれるが、好ましいものではない。 すべてのマスコミは公平性客観的でなければならないのは当たり前である。
もちろんマスコミといっても、大新聞から弱小地域紙もある。当然であるが、やはり第一人者から、その公平性客観的が広く社会によってその公平性客観性が検証されなければならないだろう。

トップバッターとして、日本を代表すると自称する朝日新聞は偏っていないのだろうか? と疑問を持つのは当然であろう。
そして現実にそれぞれに対して、公平性客観性を評価しているところは多々ある。

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KABU先生のお写真
社説については、まず競争相手である産経新聞や読売新聞がときたま社説で朝日の社説の欠陥や間違いを提起している。私の読む限り、過去そういった新聞社同士の議論で、朝日の論が正しいと思ったことはない。
また、わが師、KABU先生はめぼしい社説について社説以上の分量の社説以上の学問的な評価をしている。傍から見ると朝日新聞はKABU先生の批判を甘んじて受けるより、KABU先生を論説委員に招聘した方がよいのではないかと愚考する。

「朝日歌壇」というのがある。歌壇といっても芸術的とか日本古来の伝統とはまったく無縁である。
取り上げられる歌もどきはすべてと言っていいくらい思想的なもの、政治主張するものであって、もちろんすべてが左に傾いている。
朝日歌壇については有名な朝日歌壇鑑賞会がある。正直言って、朝日歌壇を読むよりも、朝日歌壇鑑賞会を読んだ方がためになることはまちがいない。

もちろん読者の投稿を載せている「声欄」についても具体的にとりあげて論評しているウェブサイトやブログはたくさんある。実際に声欄に掲載される、読者の意見もまた一方に偏っており、それは新聞社の政治的、外交的スタンスそのままである。読者が偏っているのではなく、投稿されたものを選ぶときに新聞社の思想が働くのだろう。

また時事の話題などがマンガやカットで描かれることもあるが、次のようなものもあった。これは非常に問題ではないだろうか?
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拉致被害者救済ポスター
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06年4月29日朝日新聞より
北朝鮮に誘拐された罪のない人を、笑いものにするようなことは絶対に許されるものではない。
北朝鮮の国家犯罪を糾弾するのが国民を導く新聞社の役割ではないのか?

さて、この本は朝日の看板カラム『天声人語』をとりあげ、その分析をしたものである。
私も過去天声人語をちゃかしたことは何度もある。夏休みの宿題とかカラム考などなど。
しかしこの本の著者はすごい、天声人語を何年にも渡ってじっくりと分析している。そりゃ天声人語を何年も読んでいる人は何十万人もいるだろう。しかし、書かれていることは間違いないか、論理はおかしくないか、文章はSVOCが正しいか・・などなどをじっくりと検討している人はあまりいないだろう。
天声人語を書いているご本人も検討していないに違いない。
なぜなら、いろいろな間違いや文章の論理がおかしいところが多々あるからだ。天声人語を書いている方はぜひこの労作を拳拳服膺し改善に励まなければならない。

話はパット変る。
朝日新聞の「天声人語」は大学入試でもっとも多く取り上げられるカラムであるという。
それは朝日の誇りであり、新聞拡販の宣伝にも使われている。
果たして天声人語はなぜ大学入試に使われるのであろうか? ということを愚考した。

結論から言う。
私は天声人語は内容がないからこそ取り上げられているのだという結論にたどりついた。
文章の内容と文体の組み合わせを考えると下の表のようになる。
 
文体
まじめ
ダジャレ


重 要面白みがない
「産経抄」
遊び心のある人向き
「日本人よ誇りをもて」
無意味womankomatta.gif
入試に最適
「天声人語」
暇つぶし用

大学入試でまじめなこと、真剣に考えさせるのはむずかしいし、その採点も困難だろう。
また格調高い入試であるから、ダジャレの極意を極めた「日本人よ誇りを持て」のような文体ではちょっとまずい・・・かもしれない。
よって消去法によれば天声人語が残ったというに過ぎないのではないだろうか?
ぜひ、この本の著者にこれについての検討もお願いしたいところである。


お断りしておきますが、本の内容、あらすじを書くことは禁じられています。
私が書いているのは、本を読んでボケ始めた頭に浮かんだことを書いているだけです。
もし私の文章を読んで、おもしろそうやなあ〜と感じられましたらぜひお買い求めください。
この本が売れても、私には一銭も入りませんのでぜひともとは言いません 

大国主命様からお便りを頂きました(07.05.14)
どうも、管理人さん。大国主命です。
天声人語も香ばしいこと限りなしですが、中日・東京新聞の「万機総論」には負けますよ。
脳内妄想では、テロ容認発言やら、男性差別、猥褻物頒布罪などなんでもあり、の犯罪すれすれの記事ですから。
あと、思い出しましたが、 「朝日新聞のトンデモ読者投稿」(晋遊舎) 朝南 政昭 をお忘れなく。
朝日が本気だせば、潰れてしまう本屋ですから、今のうちに無理してでも、いや這いつくばってでも購入していただけるといいのですが・・。

大国主命様 ご無沙汰しております。
命のご活躍はかげながら拝見しております。お互いに隊列を組むこともありません。それぞれが己の道を歩んでいけばいつかみんなの希望する社会ができるのではと思います。
「朝日新聞のトンデモ読者投稿」は知りませんでした。早速手配いたしました。
出張の車中で読むに手ごろであろうと期待します。
でも、
あまりのお花畑で、私が発狂する怖れもありそうで・・・コワイワ

tatu99様からお便りを頂きました(07.05.15)
天声人語には疑問だらけ
お説のとおり、だいぶ前から天声人語は受験に有利と喧伝されているのが朝日の二面性の象徴と思います。
受験戦争有名大学志向を批判しながら有名大学合格者出身校ランキングには力を入れる、読者もそれ相応です。
天声人語は現在ではたまにネットで参照する程度です。
個人的に気に食わないところが起承転結の飛躍と論理のアイマイさです、平和と弱者の視点のふりでどのようにも捻じ曲げる姿勢です。
予断と偏見を持って読む一部の読者はともかく、反戦平和・弱者救済を装い高圧的強引な主張で威張り散らす手法には納得いかないところです。
天声人語が入試問題に使われるとすれば(予断と偏見で文章を解釈する)、問題作成者の偏向と不利になる側の受験者救済の為に入試に公平性を求める声も天声人語のテーマになるはずですが、それは一切ありません。

tatu99様 毎度ありがとうございます。
新聞にはいろいろあるわけですし、トンデモという記事も社説もあります。ですから朝日の社説にしても天声人語にしても無視、放置プレイもあるわけですが・・・
受験には最高!とかパワーペーパーなんて自称することは許せませんね。
間違った報道をしても謝罪しない新聞がなにをいうか!という感じです。
まあ、朝日の神話というか、虚像を崩すにがんばりましょう。


羽生輝彦(はぶて虫)様からお便りを頂きました(07.05.25)
はじめまして、羽生輝彦と申します。
たまたま、ネット内を徘徊していて、ここにたどりつきました。
このたびは、私の著書を推薦していただき、ありがとうございました。

私は、プロの作家でも何でもなく、ただのサラリーマンです。
それが、4年前にブログ(レンタル日記)を始めてから、いろいろと思うことを書き記しているうちに、やたらと天声人語を取り上げていることに気が付いたわけです。
皆さんをはじめとして、多くの方が朝日新聞に対して、記事そのものも含めて社説や投稿欄にまで、いろんなツッコミがされているのにもかかわらず、なぜかこの天声人語だけは、野放しになっておりました。
「ならば私が」と思い立って本にしたのが、今回の著書です。
従って、あくまでも素人の駄文ですので、世間の注目を浴びることはないでしょうが、少しでも多くの方に読んでほしいと思っております。
ということで、まずは御礼まで。
これからも、時々寄らせていただきます。

羽生様 お便りありがとうございます。
不肖、おばQ 言いたい放題を書いておりますが、今まで著者ご自身からお便りを頂いたのは「戦後教育で失われたもの」の森口先生と羽生様だけでございます。
正直言いまして、驚きと感動です。
朝日新聞というのはなにか?
と考えるといろいろな見方、捕らえ方があると思います。
しかし過去の偏向報道、誤報を訂正しないという体質はやはり問題です。
私も微力ながら声をからして世の中の人びとに伝えていきたいと思います。
羽生様も刺客にお気をつけてがんばってください。
陰で安全を祈っております。

「朝日新聞のトンデモ読者投稿」  goodbetter

出版社ISBN初版定価(入手時)巻数
晋遊舎978-4-88380-616-42007.05.01952全1巻

不肖わたくしこの本を知らず、大国主命様のご推薦で買った。
手にしてもう爆笑、失笑、激笑である。
笑いすぎて激笑肝炎になるのではと思うほどであった。
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はっきり言って、「これでいいのか天声人語」より面白い。といっても「天声人語」が悪いというわけではない。「天声人語」の方が、真面目というか文章におふざけがないのに対して、「トンデモ投稿」はコメントがダジャレ、オヤジギャクであり、ツッコミがふんだんにあり、私の好みにあっているというだけである。
私は真面目に語ることより、おふざけというか、斜めに論じる方が好きだ。真剣なのは疲れてしまう。
実は、私は朝日新聞の「声」なんか読んだことはない。
だって朝日を購読しているわけではなく、社説や天声人語は毎日インターネットでチェックしているが、声まではインターネットのアサヒコムにアップされていない。
それで、この日本で一番面白いフォーラムを読むことができない。せいぜい、2ちゃんねるで揶揄されるのをみて「ああ、そんなんだ」と想像しているだけだ。
本当を言えば、毎日こんなデンパを読んでいたら、気が狂ってしまうか、洗脳されてしまうか、それとも「新聞を変えろ!」怒鳴るかのいずれしかないように思う。
この本の著者はそういう人間的なリアクションをせずに、ただひたすらネタを集め、分析し、コメントをつけたという常人には耐え難い人間離れした行いをした尊敬に値する。 

しかし、冷静に考えると、「声欄」は非常に偏ったプロパガンダであることは間違いない。
朝日は社説でかっこいいことを言い、天声人語で主婦やサラリーマンに柔らかい言葉で語り、声欄では読者の声を借りて自分たちの目指す方向に読者を誘導する・・なんということだ!

2ちゃんねるというとウソとかデタラメが横行していると思われているようだ。しかし、ちょっとのぞいて御覧なさい。いいかげんなことを書き込むとすぐに「ソースを示せ」というコメントがつく。
ソース(出典・根拠)を提示できないようなものは、ガセネタであり、2ちゃんねるでは相手にしてもらえないのだ。
パワーペーパーを自称し、大学入試に採用されていると誇り、日本を代表する新聞と驕っている新聞が、ソースも示せないガセネタ投稿を採用し、800万部も印刷し全国に配送しているという事実を危ぶむ。
医者になるには「ピポクラテスの誓」を守ることを約束すると聞いたことがある。
ジャーナリズムとしては「珊瑚にKY」の誓いをしてから仕事をするべきだろう。
たとえ投稿欄であっても「珊瑚にKY」の誓いを守り、金田一少年のようにじっちゃんの名にかけて選別すべきではなかろうか?
それがパワーペーパーたるゆえんであろうし、大学入試採用率一番採用される質の裏づけであろうし、日本を代表する新聞のあかしであろう。

しかし、朝日新聞を心配している人は大勢いるということは良くわかる。
社説のぐらつきを心配する人が「読売VS朝日」を書き
天声人語のずさんさを心配する人が「これでいいのか天声人語」を書き
朝日歌壇のデンパを心配する人が「朝日歌壇鑑賞会」で間違いを正してくれる。
ありがたいことではないか。
さすが日本を代表する新聞に過ちがないようにみな心配しているのだ。

ところで、親の心、子知らずという。
大勢の心配をよそに、今日も朝日は肩で風を切って行く。
かっこいいなあ〜



大国主命様からお便りを頂きました(07.06.04)
どうも、管理人さん。大国主命です。
取り上げていただき、感謝します。
そういえば、その本に載せられなかったトンでもデンパがまだまだあります。
たとえば、中国サッカーのときの、「要求額の5倍払って、すがすがしく北京へいこう」とか、獣(ケモノ)医が浮気の薦めを書いていたのもありますよ。
晋遊舎すら載せるのが憚られた、そのすごい内容は、本に載っているものよりも強力です。
あと、思い出しましたが、朝日の21社説を一とおり読んでみました。
危うく脳味噌が腐るところでした。簡単に言えば、幼稚園児のお遊戯会の出し物といったところでしょう。
あと、もう一言追加すれば、朝日は「今まで以上に、日本は中国様、朝鮮様に奉仕しろ、そして感謝しろ」といっているようなものでした。
いや、いつものことでしたか。これまた失礼しました。変わったといえば、特定アジア以外に、「アメリカ様」が追加されたこと、自衛隊をなぜか容認したことでしょうか。
読んでおられる時間がない、と仰られる場合、WILLに西尾先生が投稿されておられるので、読んでみてください。

管理人さん マンガでお勧め本がございます。
日教組について書かれた、『マンガ日狂組の教室』(晋遊舎)大和 撫吉です。
まあ、ネットやっていればもう知り尽くしているはずですが、中々どうして。
新事実も書かれてあります。1000円の漫画は高すぎるような気がしますが、知らずにサイトに迷い込んできた新入りさんには、ちょうどいい本かもしれません。
もし、ご購入されてない場合は、お急ぎを。

大国主命様 毎度ありがとうございます。
何事かを改善あるいは修理しようという場合、コツコツと修理するのが良い場合と、全損で捨てるしかないという場合もあるでしょう。
マージャンだって配牌が悪けりゃ全とっかえしかありません。
マッカーサー憲法は改憲より、廃憲かと思っております。
朝日新聞もあそこが悪い、ここが具合が悪いという程度ではなく、全損交換かもしれませんね。
もっとも我々が心配する以前に、事故崩壊するかもしれません。
なにしろブラックホールですから



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