コンピュータ室運営日誌


1997年

10月前半のできごと


html資料作成部会とパソコンクラブ(10/1)
コンピュータ室利用状況その2(10/2)
ファイルが消えた!事件(10/3)
ユーザーインターフェース(10/4)
グラフ作成その2(10/7)
2学期のパソコンクラブ10(10/8)
ウィンドウの切り替え(10/9)
DOS版ソフト(10/14)

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 html資料作成部会とパソコンクラブ(10月1日)

 先日の日誌で,今日10月1日は,html資料作成部会とパソコンクラブが同じ時間に開催されるため,私はパソコンクラブの子どもたちの面倒をみれないと書きましたが,実は場所も同じだったのでした。つまりもhtml資料作成部会も私の学校のコンピュータ室で行われたのです。

  児童用パソコンを使って子どもたちが自己紹介ホームページ(HP)を作成している中,サーバーと教師用パソコンを使って,私達はhtml資料作成部会の作業を行いました。

 たとえ私がコンピュータ室にいたとしても,今日だけは子どもたちの面倒をみることはできないので,昼休みに子どもたちをコンピュータ室に集めて,先日用意した「自習用ホームページ作成マニュアル」を配布し,簡単な説明をしておきました。


 さて,まずはhtml資料作部会についてですが,事情によりみにてち氏が原稿を作成できなかったため,私とN先生が作ってきた原稿を検討しました。

 2人ともみにてち氏が作った「雛型」に準拠して原稿を作成したのですが,3人の原稿を比べると,文字のサイズや色,センタリングの使い方など,細かいところが微妙に異なっており,全体として一貫性がないものになってしまいました。最終的には3人が作成したページを一つにまとめて,”一冊”の「郷土学習資料集」として完成させる予定なので,それぞれの作者の好みや個性が出てしまってはいけません。

 そこで今日は内容よりも形式的な部分に重点を置いて検討していきました。今後は今日話し合った基準に従って作業を進めていくことになります。



 html資料作成部会の間,クラブの子どもたちのことは,同じ部屋にいたにもかかわらず,あまり気にしていませんでしたが,困っている様子も感じられなかったので順調に進んでいるのだろうと思っていました。

 ところが,部会終了後に子どもたちの作品を開いて見たところ,どうやらあまり進んでいないようです。

 今日は,絵と文章を組み合わせたHPを作る練習をさせようとしたのですが,練習とはいえ,題字や背景の模様などの絵を作る作業に夢中になってしまったようで,作った絵をhtmlに組み込むところまでたどり着けなかったようです。わずか1時間ほどの活動時間なので仕方がないところでしょうか。

 それから,作成した絵をgif形式で保存したり,ファイル名を半角英数で入力するのが今回もあまりできていませんでした。

 一つ一つのことはそれほど難しいことではないと思うのですが,それらすべてを間違えずに作業を進めるのは,子どもたちにとってはかなり難しいようです。

 そして今日配布した「自習用ホームページ作成マニュアル」は,おそらくほとんど読まれていないと思います。やはり子どもたちは見よう見まねで体得する方が得意なようです。


 このままでは,子どもたちの意欲が低下しそうで心配です。クラブの時間は子どもたちにとって楽しい場であってほしいと思うし,パソコンを使うことに苦手意識を持たせたくはありません。


 次回から”本番”の作業を始める予定だったのですが,軌道修正した方が良いかも知れません。





 コンピュータ室利用状況その2(10月2日)

 2学期になってコンピュータ室がよく利用されています。

 10月2日現在,行事などが組まれた日を除いた授業日数17日間で,のべ43時間利用されています。1学期は授業日数70日間で40時間でしたから,1学期の4倍強のペースです。


 体験的な学習を重視する小学校において,むやみやたらにコンピュータを使わせる必要はないとは思っていますが,日々のメンテナンスを行っている私としては,コンピュータ室がよく利用されることはやはり大変うれしいことです。


 現在最も熱心に取り組んでいるのが6年生です。11月にT先生のクラスが研究授業を行うことになっているので,それに備えて学年全体で「ハイパーキューブ」の各機能(ワープロ,ペイント,表計算)の練習を行っています。

 6年生の先生方は,もともと授業でコンピュータを使うことについて否定的な考えの方が多かったのですが,最近は授業後にコンュータ室に集まって機器やソフトの使い方を相談しているようです。


 さて今日は私のクラスでも授業を行いました。

 学習指導用ソフト「スーパーCAI」を使って,理科「植物の成長」の復習をさせることが目的でしたが,「スーパーCAI」を始める前に,まずはいつものように「NetMeeting」のチャット機能を使ってお互いに挨拶をさせました。チャットによる挨拶は,このところ毎時間行わせています。

 以前は,アドレスの入力ミスなどが原因で,接続に失敗することが多く,全員が挨拶を終えるまでに20分もかかっていたのですが,最近は5分程度でできるようになりました。


 小学校の授業は1単位時間45分ですから,作業が早くできるということはとても大事なことです。

 コンピュータを操作する技能というのは,ただ単に機器やソフトの操作ができるかどうかだけでなく,限られた時間の中でどれだけ多くの作業を行うことができるかということも大きな意味を持つのだと最近実感しています。




 ファイルが消えた!事件(10月3日)

 今日は,授業後から8時過ぎまでベ××セの学習指導用ソフト「マ××××ク」のトラブル対策に追われていました。

 4年生のH先生のクラスの授業で,「マ××××ク」を使った作品づくりをしているのですが,とにかくトラブルが頻発するとのことです。

 発生したトラブルは,主にデータの保存・読み込みに関するトラブルです。「マ××××ク」は作成したデータの保存先に,FD,HD,ネットワークを選択できるのですが,どうやらその管理がうまくいっていないようです。

  1. フロッピーディスク(FD)に保存したはずなのに,ファイルが見つからない。
  2. FDに保存しておいたファイルを開いたら,中身が白紙(初期状態)になっている。
  3. FDに保存したはずなのに,なぜかハードディスク(HD)に保存されている。
  4. HDに保存されているデータ(画面上にファイル名が表示されている)をクリックしても,それを開くことができない。
  5. 作業中に時々フリーズする。

  1については,H先生と一緒に,問題が発生したパソコンで保存作業を繰り返したところ,何度めかの操作で,FDに保存したつもりのファイルが消えてしまいました。子どもたちが言ったとおりでした。通常の保存操作をしていて起こってしまうトラブルなので打つ手がありません。

 2については,今日は再現することはできませんでしたが,子どもたちが作成したデータを開いてみたところ,確かに”白紙”になっているものがありました。まだ何も入力していない状態で保存作業をするとは考えにくいので,やはり何かおかしなことが起こっているのでしょうか。

 3については,どうやら子どもたちの操作ミスだったようで,保存時に「複写」と書かれたボタンを押すと,指定した保存先(FD)だけでなく,デスクトップレーダー(HD内)にもデータが保存されるようです。

 4については,私とH先生が保存作業を繰り返しているときにも発生しました。原因不明です。エクスプローラから,データ情報が記されているファイルを見つけだし,それを削除することにより解決しました。このトラブルは,ただ単に幽霊ファイルが表示されているだけなら実質的は問題はないのですが,ファイルを開こうとしてクリックするとフリーズしてしまう場合もあるので,困ってしまいます。

 5については,H先生のクラスだけでなく,他のプラグラムを操作していても時々起こってしまいます。私たちの学校のパソコンのメモリは24メガなので,やはりメモリ不足が原因なのでしょうか。「マ××××ク」はずいぶんメモリを消費するようで,全体的に重い感じがします。


 それにしても,この種のトラブルの対策(あるいは原因究明作業)はとても面倒です。

 条件を一つ一つ変えながら何度も同じ操作を繰り返し,いつ,何をしているときに,どのような問題が発生するかを突き止めなければなりません。

 本当に疲れてしまいます。




 ユーザーインターフェース(10月4日)

 トラブル究明作業を昨日一緒にやっていたH先生と愚痴っていたのですが,教育ソフトを使っていて私たちが一番困るのは,教育ソフトにはWINDOWSの操作体系を無視した独自のユーザーインターフェースを持つソフトが多く,操作方法を覚えにくいことです。

 WINDOWSの操作体系に準拠したごく普通のアプリケーションであれば,起動して,簡単な編集を行い,印刷し,保存し,終了するくらいのことはマニュアルなど見なくてもできると思うのですが,独自のインターフェースを持つ教育ソフトでは,途中で操作のしかたが分からなくなり,頭を抱えてしまうことも少なくありません。

 たとえば昨日トラブッた「マ××××ク」などは,マニュアルを読まなければ,教材プログラムを起動させることすら誰にもできないと思います。

 「子どもが扱いやすいメニューを」ということで,各社それぞれに工夫しているのでしょうが,メーカーさんはとんでもない勘違いをしているように思えます。

 各社がそれぞれにインターフェースを工夫することが,結局は私たちユーザーを混乱させるだけの結果になりかねません。複数のソフトを活用している私たちは,それぞれの操作方法を理解し,覚えなければならず,余計な負担を強いられているのです。

 その点,とてもよくできたソフトもあります。

 スズキ教育ソフトの「ハイパーキューブ」というソフトは,メニュー形式を「キューブ形式」か「ウィンドウズ形式」のどちらかを選択できるようになっており,従来からのユーザーはDOS版と同じインターフェースを持つ「キューブ形式」を,他のソフトとなるべく同じインターフェースにしたい場合は,「ウィンドウズ形式」を選択すれば,違和感なく使えるようになっています。

 またそれぞれのメニューで,「ふつう」「ジュニア」「かんたん」の3つのモードを選択できるようになっており,たとえば「かんたん」モードは小学校低学年のユーザーを想定しており,複雑な編集機能はメニューから省かれています。

 このように,メーカーからの押しつけではなく,ユーザーの好みや目的に応じたインターフェースを選択できるような仕様を,ぜひ他のメーカーさんも採りいれて欲しいと思います。




 グラフ作成その2

 先日作成したグラフの検討会を行いました。

 調べたことを図表やグラフに表して発表する学習を来月行うので,その練習として作らせたグラフです。

 棒グラフ,折れ線グラフ,円グラフなどのうち,どのグラフを使うと最も的確に表現できるかを,子どもたち自身に考えさせながら作成させたので,適切なグラフを選択できたかどうかをみんなで検討していきました。

 グラフ化する内容は自由に決めさせたのですが,子どもたちが選んだ内容は,どれも好きな果物や動物などについてのアンケート結果ばかりだったので,棒グラフを作るのが妥当でした。ところが半分以上の子どもたちが円グラフを作ってしまいました。折れ線グラフにしてしまった子もいました。

 円グラフを選択した理由を聞いてみると,どうやら子どもたちは,表す内容で選んだのではなく,青一色の地味な棒グラフよりも,カラフルで丸い円グラフの方がかっこいいとの理由で選んだようです。

 グラフの学習は,3年生の算数で棒グラフ,4年生で折れ線グラフを学習していますが,円グラフや帯グラフについてはまだ学習していません。ですが,理科や社会科の授業ではグラフを読み取ったりしているので,ある程度は判断できるだろうと考えていたのですが,考えが甘かったようです。

 事前の指導が不十分でした。



 また自習です(10月8日)
    −2学期のパソコンクラブ10−

 私が担当しているパソコンクラブは,遠足と修学旅行のため,今週と来週は行われず,次回は再来週の水曜日に行われるのですが,またもや困った問題が起こっています。

 先週に続いて次回も,出張のため私が不在となり,子どもたちの面倒を見れないのです。もう一人の担当者であるH先生も出張です。

 2学期は,新しい試みとしてホームページづくりに取り組ませているのですが,まだ始めたばかりで,子どもたちの戸惑いも多く,まだ子どもたちだけで取り組める状況ではありません。2回連続で自習になってしまうのは本当に痛いです。

 何か対策を考えなければなりません。困ったなあ。




 ウィンドウの切り替え(10月9日)

 空き時間に,私と同じ5年生のM先生のクラスで授業を行いました。

 M先生は本年度から私たちの学校に赴任された方でパソコン初心者なので,1学期から定期的に私が授業を行っており,私より十歳年上のM先生も”生徒”となって授業を受けています。

 このクラスの授業では,1学期は学習指導用ソフトを使った授業を行い,2学期からはWINDOWSの基本操作を練習させています。


 今日の学習内容は,お絵かきソフト「キューブペイント」で描いた絵をワープロ「キューブワード」の文書に貼り付ける練習です。

 私は,子どもたちにWINDOWSの基本操作を教える際,かなり早い段階から「ウィンドウを切り替えながらのコピー&ペースト」を練習させています。複数のウィンドウ間でのデータのやりとりができることが,WINDOWSパソコンを効果的に使いこなせるかどうか(もちろん子どものレベルで考えてですが)の最大の決め手になると考えているからです。


 さて,子どもたちの様子ですが,今日の内容は,昨年私が担任して受け持った子どもたちはすでに身につけているので,その子たちが中心になって子どもたち同士で教え合いながら取り組み,ほとんどの子ができるようになりました。

 ですが,M先生は失敗してしまいました。

 これは初心者が間違えやすいことだと思うのですが,ウィンドウ間のやりとりをする際,ウインドウを切り替えて操作しなければならないところを,ウィンドウを新たに次から次へと開いてしまい,何が何だか分からなくなってしまったようです。(私が見に行ったときには,「キューブペイント」と「キューブワード」の新規ウィンドウが全部で9つ開いていました。)


授業を終えてのM先生の感想は,

「さっぱり分からへん。コンピュータなんて大嫌い!!!」

でした。

がんばれM先生!
負けるなM先生!



 次回は,表計算ソフトのグラフ機能の使い方を教えるつもりですが,その前にウィンドウを「切り替える」と「新しく開く」との違いを説明しておきたいと思います。




 DOS版ソフト(10月14日)

 3年生のR先生のクラスで,学習指導ソフト「スXXXXXム」の算数教材を使った授業のお手伝いをしました。

 このソフトは,夏休み中にDOS版からWINDOWS版にバージョンアップされたのですが,いくつかの教材データがまだWINDOWSに対応していないため,現在のところDOS版(FDから起動)とWINDOWS版とを併用しています。

 今回使用した教材はDOS版です。かけ算とわり算の演算子が”*”と”/”なのが子どもたちにとっては少々分かりづらいですが,ソフトの操作方法自体はそれほど難しくはありません。

 ですが,一部の先生方にとっては,FDから起動させなければならないことや,WINDOWSのようにメニューバーが画面に表示されていないため,いくつかのキー操作を覚えておかなければならないことに,ずいぶん戸惑いを感じるようです。

 以前の私は,この程度のことで混乱してしまう先生方の様子を見ていて,信じられない思いがしていたのですが,最近は,メニューを見れば何とかなるWINDOWSソフトしか使ったことがない先生方にとっては,起動方法やキー操作を覚えていないと操作できないということが,とても大きな不安材料になりうるということをようやく理解できるようになりました。


 さて,いざ授業を始めてみると,R先生は事前にしっかり練習していたようで,全く心配はありませんでした。

 この時間に起こったトラブルは,1台のパソコンで,FDから起動したにもかかわらず,WINDWSが起動してしまったことだけでした。

 FDをセットする前に電源スイッチを入れてしまったのが原因だと思い,そのパソコンを使っていた子どもにそのことを教えてやりながら再度リセットしたのですが,またWINDOWSが起動してしまいました。

 「あれれ」

 と思ってFDドライブに手をあててみたらカチッと音がしました。

 起動方法の操作ミスではなく,FDをしっかりセットしていなかったことが原因でした。




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