99/08/01 |
とうとう子供のころから期待していたグレゴリウス暦1999年7月が過ぎ去ってしまいました。この先なにを楽しみに生きていけば以下略。
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おっと、プロ野球の判定にビデオを導入する話を書いてましたっけ。失礼>朋輩
ただまああの話は、相撲にビデオ判定を導入しているんだからプロ野球でも導入すれば公正なジャッジが期待できると本気で考えてる人が少なくないようなので書いてみただけです。私はエンタイトルツーベースだって公正とは考えてないので、といえばおわかりいただけましょうか。
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安室奈美恵がファンの主宰するサイトのチャットに参加したところ、本人だとはどうしても信じてもらえなかったそうです。
まあ当然といえば当然か。健全な参加者ばかりでよかったですね。
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ようやく人名の変換についてある程度まとまりましたのでご笑納くださいませ。
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99/08/02 |
うむう、「蘇我蝦夷」「蘇我入鹿」「中臣鎌足」「藤原鎌足」「天智天皇」「大化の/改新」「孝徳天皇」、とここまで変換しておきながらなぜ「なかのおおえのおうじ」が変換できない>WXG4
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ずいぶん前に、アメリカ・オハイオ州の空軍博物館をおとずれた話を書きましたが、そのとき機体に「SaltLake」とか「NAGASKI」とか書かれて「NAGASKI」のところで煙の上がっているイラストのついたB29が展示してあるのを見つけました。
広島にウラン原爆「リトルボーイ」を落としたB29が「エノラ・ゲイ」だというのは『スケバン刑事』(和田慎二)を読んで知っていましたが(おい)、プルトニウム原爆「ファットマン」を落としたほうは残念ながら知りません。ひょっとしたらこれがそうかもしれないとも考えたものの確証がもてず残念な思いをしたものです。英語の解説文を写真に写して解読すればよかったと気づいたのは日本に帰ってからでした。
ところが昨日の朝日新聞社会面を眺めていたら、まさにそのときのB29が長崎に原爆を落とした「ボックス・カー」だと紹介してあるではありませんか。なんとも巡る因果を感じてしまいます。
当然アメリカ空軍は原爆投下は戦争の早期終結のためという立場ですから、これも輝かしきアメリカ航空史を飾るものとしての展示です。複雑な顔して見つめる日本人なんて知ったこっちゃなかったでしょうな。
うーん、なんだか昨日の書き漏らしを集めただけだったりして。
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99/08/09 |
ある日、暑い現場への出張を終えて夕食をとり、入浴前に体脂肪率を量ってみたら15.5%。ばてるはずだなあ。
しかし体重はそう落ちてないのにいくらなんでもこれはまずいかも、とか思っていたら、後日早めに夕食をとって3時間ばかり安静にし(この間に新装版『餓狼伝』(夢枕獏原作、板垣恵介作画、講談社)3〜5巻、文庫版『空手バカ一代』(梶原一騎原作、つのだじろう作画、講談社)1・2巻、『め組の大吾』(曽田正人、小学館)20巻(完結)、『風の伝承者』(若桑一人原作、山本智作画、小学館)7巻(作画が同僚と同姓同名という理由で読んでいる)を読了)、入浴前の体脂肪率を量ると17.5%。どうやら食事後の時間でかなり変わるようです。
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ATOK12 | 女子高生 | 女子校生 |
IME95 | 女子高生 | 女子校生 |
IME2000 | 女子高生 | 女子校制 | 女子校生 |
NECAI | 女子高生 |
書院IME | 女子高生 | 女子校制 |
松茸IME | 女子高生 |
WXG4 | 女子高生 | 女子校生 |
以上はそれぞれのIMEでの「じょしこうせい」を登録順に表示したものです(ただし、後ろに「性」「製」「制」などを機械的につけただけと思われるものは除外)。うーん、どれも健全なのだなあ。
このチェックの意味がわからない方は「みんなで日本語辞書をつくろう!」で「じょしこうせい」を調べてみてください。面倒なら傑作10選に入ってますのでそちらを参照のこと。
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ちょっと前のラジオ番組で、野球中継などで「あわやホームランという当たり」などとするのは間違いだと話しておりました。
「あわや」というのは危険を感じたときなどに「あ、あぶない」といった意味合いでつかう言葉で、転じて「あやうく」。それならば守備側チームにとってはあやうくホームランなんだから「あわや」でいいじゃないかとお思いだろうが、スポーツ中継は中立でなければならないので一方のチームの立場での発言はよろしくない。したがって「あわやホームラン」は間違い。
といった趣旨でした。
じゃあ「これ以上ランナーを出したくないところ」なんてのもいけないわけですけど、こういった表現はふつう「そう思っているであろう選手」という言葉が略されてるもの。それに、オリンピックをはじめとした国際スポーツ大会ではおおむね日本よりの中継をしてるんだから、中立放送がどうのというのもあまりあてにはなりません。選手心理にそった放送のほうが聞くほうは感情移入しやすいし。
ところで、とあるスポーツ新聞系のサイトを見ていたら高校野球の記事のタイトルに「桐生一・正田あわや完全!」。
正田選手が完全試合をやられそうになったのなら「あわや」ですが、やりそうになったんだから話があべこべですね。安易に「あわやホームラン」などという表現をつかっているうちに「あわや」が「あやうく」から「もう少しで」に勘違いされていったものと思われます。
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新JIS 文字集合最終案資料ちうのが公表されてるようです……と書こうと思ったら早くも訂正事項が。
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99/08/10 |
ということで、「黒いチューリップ」シリーズ第5巻『天使の誘惑』(東城和実、新書館)読了。
今回は「最強の敵」と目される沙織が登場。通りすがりに落ちるハンカチがひとしお笑いを誘っておりました。だいたいこの漫画は脇役(特に八巻総帥)が本領を発揮すればするほどおもしろくなるという構造になっていて、主人公の不幸を眺めては楽しむというまあ悪趣味ものなのですが、いや毎度おもしろい。
残念だったのはタイトル当てクイズがなかったことか。まあ一年半後ぐらいの新刊に期待しましょう。
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あなたのPC度チェック!ちうのを試してみました。以下はその結果。
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あなたは 97.65%
コンピュータに汚染されています。
ぎりぎり一般人のレベルに残れるかどうかというところです。
しかし一歩間違えば奈落の底へ落ちていくだけです。
というか、落ちていく可能性の方が高いですね。
ここまできたら無駄なあがきをせずに、どっぷりはまった方が
貴方のために良いかも知れません。
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うーん、もうちょい汚染の度合いが進んでると思ってたのですが、意外。
ただ、並んでいる回答がややというかそうとうに極端で、私みたいな中途半端な人間にちょうどいい選択肢がまったく見当たらない設問がかなりありました。ちょっとウケを狙いすぎかも。
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99/08/11 |
『週刊少年サンデー』(小学館)に石渡治に連載している小学生がロケットを飛ばす漫画(タイトル失念……というより覚える気がない)に対抗してか、あさりよしとおが隔週刊『ヤングアニマル』(白泉社)に小学生がロケットを飛ばす漫画を連載開始(タイトル失念)。
学研の『○年の科学』に「まんがサイエンス」という科学レポート漫画を連載していた(まだ続いてるのだろうか)あさりよしとおだけに、期待度大です。
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『間違いだらけの少年H』(山中恒・山中典子、勁草書房)を200ページぐらい(全体の約四分の一)読み進んだところで講談社文庫版『少年H』(妹尾河童、上下巻)を手に入れ、指摘事項と読み比べてみました(結局こういうことをしてしまうやつであるな)。
200ページ分の指摘が『少年H』上巻の半分ほど(つまり全体の四分の一)にあたるのですが、この間におもな指摘箇所が25。ひとつの指摘は原文がだいたい数行、多いものでも1ページ半ぐらいで、それに対する批評が一箇所当たり単純計算でざっと8ページ。実に執拗な詳しく細かい指摘がその時代背景とともに書かれています。
なるほど、これらの指摘が本当なら(裏は取ってません)、物語としてはともかくも歴史やその時代の風俗の資料としてはちょっとひどいですね。いっそハードカバー版の『少年H』は完全なフィクションとして読んだほうが無難かもしれません。
で、文庫版のほうですが、25箇所の指摘のうち約半分の12箇所で訂正が確認できます。しかし残念ながら肝心の戦後10年もたってから判明した斎藤隆夫代議士辞職の真相はその当時から知られていたことになってますし、昭和十八年から始まったはずの『二宮金次郎さんの出征』は昭和十六年のこととして描かれています。
さて、先は長いけどこの先にどんな指摘が出てくるのかを思えばこれも期待度大。(続き)
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99/08/18 |
あれやこれやの事情で一週間近く実家のほうに帰っておりました。
で、帰った当日がペルセウス座流星群の最も期待できる日。夕方の時点で空一面のうす雲、これはちょっとつらいかと思ったら、見ごろになる夜11時にはすっかり晴れわたってて、ラッキーとばかりに兄弟やその子供たちと一緒にぞろぞろと実家の裏の空き地へ。ちょうど北東方向は光源どころか田圃と林があるばかりの絶好のロケーションです。
おおよそ15分ぐらいのあいだに10個ばかりの流星が観察できました。ちょっと前の獅子座流星群とちがって大当たり、早口言葉を練習しておかなくて残念なぐらいでした。
子供たちになにか願い事はないかとたずねてみたら、9歳になる妹の長女が「あたし、弟か妹が欲しい」。すかさず妹が「○○ちゃん(妹の次女)か△△ちゃん(兄の次男。妹の長女より年下)がもう一人欲しいのね」と具体例をあげて念を押すと、妹の長女、くだんの二人をちらりと眺めてから「……やっぱりいらない」。
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この日は「ニュースステーション」に『少年H』(講談社)の妹尾河童が出演しておりました。たまたま番組のオープニングを見たら、なにやら新聞のコピーを掲げ、「ね、新聞は嘘つきでしょう」と得意満面。
あいにく出番のころには流星群を眺めていたのでどんなことをしゃべってたのかはわかりませんが、まああの冒頭部分を見れば内容は推して知るべしでしょう。
『間違いだらけの少年H』(山中恒・山中典子、勁草書房)のほうは400ページ近くまで進みましたが、いやおもしろい。特に国民学校1年の『ヨミカタ』の教科書の挿絵の部分は傑作。
『少年H』の中で「子供4人と犬一匹」と紹介しているのですが、現物には子供は5人描かれているのです。なんでこんなことになったかと調べてみると、『少年H』がタネ本にした『昭和二万日』という年表の『ヨミカタ』の教科書の写真がうまく広がってなくて、綴じ代に近い部分の子供が一人見えなくなっていたのをそのまま小説にしてしまったというお粗末。
『少年H』の帯には「大人も新聞も嘘つきや」と書いてあるそうですが、『少年H』は自分の記憶だけで書いたものであり、大人になってから仕入れた知識は一切使っていないと公言している作者の妹尾河童も負けず劣らず「嘘つき」のようです。(続き)
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長いような短いような休みも終わり、昨夜は朋輩宅に立ち寄ってから帰宅。どうもおもてなしありがとうございました。
帰り道、伊勢自動車道から東名阪自動車道に入ってしばらく走っていると、なにやら1車線をふさいで作業車が。通りがかりにちらっと見たら普通自動車の横転事故でした。
いえ、べつに後ろめたいことはやってないんですが、いや、まあちょっとはその。ということで、気分を引き締めて家路をたどったのでありました。
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99/08/21 |
テレビで先日、最近の都会の蝉は夜中でも鳴く、と伝えておりました。いわれてみると、実家の方では夕方鳴いていた蝉が日が落ちるとすっかり鳴りを潜めたのに、こっちに戻ってみると近所の明かりの煌煌とついた公園でしょうか、夜の9時になっても10時になっても鳴いております。
しかし、昨夜は昼間に蝉が鳴いて夜にはこおろぎ。いよいよ秋めいてきたようです。今日の昼間にはつくつく法師が鳴いておりましたし。
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昨夜のNHK総合テレビ「ありがとう いい講義です」という太田胃酸のCMのような番組に『日本語練習帳』(岩波新書)の著者・大野晋が出演しておりました。講義のテーマは「今、若者言葉を考える」。
なんでも、たいていの人は20〜30歳ぐらいに身についたことばが正しいことばだと思いがちということで、それ以外のことばを「おかしい」とか「乱れている」と感じるそうな。まー私なんぞは付和雷同の見本みたいなもので、人の話を聞いたり本を読んだりするたびにいまだにあれこれと文章の表現をかえたりしてますけどね。いったいいつになったら落ち着くのやら。
また、源氏物語にでてくることば約41万語のうち8割ほどが基礎単語と呼ばれる1700語ほど、そのわりに登場回数が1回か2回のことばが6000語もあるのだそうで、早い話いわゆる「若者ことば」はそうしたかつ結びかつ消え久しくとどまりたるを知らぬうたかたのごときものであって、数は少なくとも圧倒的な使用頻度を持つ「日本語の本流」からするなら「乱れ」と呼べるほどの流れにはならないのだとか。
そうはおっしゃいますが、今自分のつかっているのが日本語の本流なのか支流なのか、はたまたたまたま氾濫した水が作った沼や水たまりなのか、「本流」に対する位置を自覚することが肝要なのではなかろうかとも思うのですが。まあ本格的に流れが変わりだしたなら所詮だれもとめることはできないんでしょうけど。
しかし、「全然」には否定のことばが続くのがただしいというご意見に対しては、大正や昭和のはじめごろには肯定で使うものだったという資料も残っているようですし、あまり賛同できませんけどね。
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ATOK13機能解説サマリーで紹介されている変換のチェックを、ATOK13発売に先行して一挙大公開(というほどのものでもない)。
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99/08/26 |
ソーテックが「e-one」のデザインで「iMac」を違法に模倣したとして、アップルがソーテックを提訴したそうな。デザインの違法な侵害によって損害を受けたとして賠償を求めているんだそうです。
この場合の「損害」がどうも気になる。アップルはソーテックに対してデザイン料を支払わずに勝手に意匠を使用されたとして提訴したのでしょうか、それとも、似たようなデザインのパソコンで売上を阻害されたとして訴えたのでしょうか。もし後者だとしたら、客は中身に関係なくデザインでパソコンを選ぶとアップルが考えているということになってしまうのですが。
パソコンなんて基本的に性能と機能とコストパフォーマンスだと思うんですけどね。それが大きく違わないなら次に考えるのがメーカのサポートの質。デザインはどう考えても一番最後です。外箱が牛柄かどうかなんて論外のまだ外で以下略。
もっとも、ある同僚の奥さんはパソコンに関してはまったく素人なんですけど、パソコンを買いたいという夫に「これなら買ってもいいわ」といったのが iMac だてんだから、デザイン侮りがたし。最近読んだ新聞記事によれば購買意欲はまず見た目からだとかで、店のイメージや商品展示などの目から入ってくる刺戟できもちが昂ぶってくるんだそうだから、少なくとも商売としては間違っていないのでしょう。
しかし、ワンボードマイコン時代を知ってる身にすれば、筐体でベンチマークの結果がよくなりゃ苦労せんわい、という感想しか出てこないんだけどなあ。あ、ひょっとするとパソコンの正体が基板に並んだ電子部品の集合体だと認識してる人がすでに少数派だったりして。
それはさておき、アップルの提訴の真意やいかに?
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うーん、やはり学習が影響するようです>某氏
ATOK12 |
お茶に/入れ立てが/暑い |
お金があったら、/いろんな/子としてみたい |
IME95 4.0 |
お茶に/入れたてが/暑い |
お金が/あったら、/いろんな/子としてみたい |
MS-IME2000 |
お茶に/入れた/手が/厚い |
お金が/あったら/、/いろんなことしてみたい |
NECAIIME95 2.0 |
お茶に/入れた/手が/熱い |
お金が/あったら/、/いろんな/子としてみたい |
松茸 Ver.4.1 |
お茶に/入れ立てが/暑い |
お金が/会ったら、/異論/名/ことしてみたい |
WXG4.0 |
お茶に/入れ/立てが/暑い |
お/金が/あったら、/いろんな/糊塗して/みたい |
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99/08/28 |
この世にロマンはあるか、人生を彩る愛はあるのか、じゃなくてこの世のロマンを信じていたい向きのためにネス湖の実況中継「Loch Ness Live!」なんてのがありました。
いくつかの角度でネス湖を映し出すカメラからリアルタイムで映像を送っているサイトで、中継画面の下のボタンを押すとその瞬間の画像をキャプチャもできます。私が眺めている間にも古城のあたりを人が歩いたり湖上を船が通ったりしておりました。
何人かの人は数秒間怪しげな波が立っているところを見たそうです。あなたも世紀の瞬間の目撃者になってみては。
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YomiuriーOnlineの記事より。
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◆縄文中期の石面、三内丸山遺跡で出土
青森市の三内丸山遺跡から、縄文時代中期半ば(約四千五百年前)の石製の面が出土した。(略)
縄文期の面に詳しい同センター(引用者註:青森県埋蔵文化財調査センター)の福田友之・調査第二課長は「石製は全国的にもまず例がない。ひもを通す穴がなく、儀式の際には、手で仮面を持って顔を覆ったのでは」と推測する。
(8月28日0:33)
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紐を通す穴がないのは、面の内側から爪のようなものが飛び出てかぶった人の頭に食いつき、かぶった人を超常能力を持った吸血生物に変えてしまうせいかも(『週刊少年ジャンプ』に連載されていた某漫画を読んでない人には意味不明)。
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きのうの朝日新聞に「夏休みの宿題廃止すべきだ」という69歳の主婦からの投書が載ってました。
元教師の夫のところに夏休みの宿題のことを相談に来る人が、最近は親子連れのことが増えてきて、子供ばかりか親にまで負担をかける夏休みの宿題は一体なんのためにあるのか、という疑問から始まり、欧米では大人も一ヶ月も休みをとる、足りないと思えばみずから勉強する子供もいるのだから夏休みの宿題は廃止して子供の主体性にまかせてはどうか、といった内容が三十数行にわたって展開されていて、ここまではなかなか説得力もあります。
で、ここまでだけでも話はちゃんと完結していて一貫性もあるのですが、なぜか最後の5行がこんなふう。
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日の丸、君が代が胸を張って前進する道に、夏休みの宿題廃止は逆行して事故のもとになる、とでも言うのだろうか。
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これ以前に国旗・国歌にはひとことも触れていませんし、日の丸・君が代と夏休みの宿題の関連についてもまったく書かれていません。実に唐突にこの話がでてくるのです。
いったいこの人はなぜ夏休みの宿題廃止が「日の丸、君が代が胸を張って前進する道」に逆行すると考えたのでしょうか。はたまた、だれがそれを根拠に「事故のもとになる」というのでしょうか。そもそも日の丸・君が代と夏休みの宿題は同じ道、同じ思想なのでしょうか。
いえ、実際はつながりがあるのかもしれないのですが、投書の中でその説明がまったくなされていないのです。途中までが至極明快な文章だっただけに、最後の5行が完全に謎のままちゅうぶらりん。
また、なぜいっそ編集者はこの部分を切り捨てなかったのでしょうか。その方がよっぽどすっきりした意見になっていたのに。
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ということで、今日のテーマは「ミステリアス」でした。
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99/08/30 |
YomiuriーOnlineにこんな記事が。
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◆ベストセラー「少年H」巡り史実論争
舞台芸術家の妹尾河童(せのお かっぱ)さん(69)が、戦争の時代を生きた少年の目を通して描いた自伝的小説「少年H」(講談社)を巡り、読者を巻き込んで論争が広がっている。単行本と文庫本を合わせて二百五十五万部の記録的ベストセラーとなったこの本に対し、児童文学作家山中恒さん(68)夫妻が史実誤認などを指摘した「間違いだらけの少年H」(辺境社)を出版したことがきっかけとなったが、論争の背景には、消えゆく戦争の記憶を伝え残したいとの思いものぞいている。
山中さんが今年五月出版した本の中で、史実誤認や時制の誤りなどを指摘したのは約二百か所。妹尾さん側は指摘を受けた個所のうち、これまで約四十か所について、表現を変えたり削除したりした。
(略)
二百五十五万部の大ベストセラーとなった「少年H」に対し、「間違いだらけの少年H」も新聞、雑誌の書評やコラムで取り上げられ、八百四十五ページ、定価五千六百円の研究書としては発行部数も約六千部と、「異例の売れ行き」(出版社側)。
(略)
(8月29日22:41)
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うーん、6000部ですか。名古屋駅の三省堂で平積みになっていたのが奇蹟みたい。
ところで、これってひょっとして講談社側の発表なのでしょうか。ちょっと気になるところがあります。
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例えば、「一九四〇年ごろ神戸市内で回覧板が回った」との記載について、「回覧板は当時、都内でテストケースとして配られていた程度」と指摘され、「連絡」という表現に改められた。少年Hが妹と一緒に帰る途中、歌った「メダカの学校」は、「戦後にできた歌」との指摘から、「お馬の親子」に変えられた。
少年Hが遊んでいるとき、「郵便屋さん」が配達しに来たとした召集令状は、「郵便屋さんは配達しない」と指摘を受け、単に「配達の人」と訂正された。
(略)
一方、妹尾さん側にも「回覧板は妹尾さんが書いたように、当時からあった」「妹尾さんの避難訓練の記述は正しい」などの声が寄せられている。
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このあたりですが、確かに文庫版『少年H』では「回覧板が回ってきた」が「連絡が密かに回ってきた」に訂正されてます。しかし、この部分の指摘はこの当時に回覧板が回ったかどうかが眼目ではなく、回覧板に書かれた内容です。
『少年H』には、近所の青年に召集令状が来て出征したものの「入隊せずに行方をくらまし、脱走した」から「『姿を見たら、直ちに知らせること。もし見つけても知らせなかったら泥棒を匿うより罪が重いから、気をつけること』という回覧板が回ってきた」と書いてありました。
そこで、徴兵忌避は日本男児にあるまじき行為とされていたから「たとえ徴兵忌避で逃亡したことが事実であっても、そんなうわさをしたら、民間人も陸軍刑法第九十九条(略。戦時または事変に際しての造言飛語を禁じている)でやられるか、もしくは刑法の「安寧秩序ニ対スル罪」の第百五乗の三(略。戦時や天災や事変に際しての人心の惑乱などを誘発する虚偽の事実の流布を禁じている)でやられる」、「当時の取り締まる側の内部資料である『特高月報』(内務省警保局保安課)には『不穏言辞』としてその検挙例がしばしば登場するほどである」から「不用心に、この手のうわさをしてはならなかった」し、「ましてやそれを回覧板で回すなどということはいくらなんでも考えられない」と指摘しているのです。
そしてつけ足しのように「それに、その時期、まだ神戸には隣組はできていない。全国に先駆けて東京で隣組が組織されたのは昭和十四(一九三九)年八月で、テストケースとして回覧板が配られている程度なのである」。つまり、回覧板はあっても不思議ではないが、ということ。
それから、現在まで読んだ570ページほどと、それより先をぱらぱらっと読んだ限りでは『間違いだらけの少年H』のなかに少年Hが「メダカの学校」を歌ったという指摘は見当たりません(見落としかもしれませんが)。
そのかわり、少年Hが「お馬の親子は〜」と歌うのに対抗して妹が歌った「勝ち抜く僕等少国民」がいつのまにか「愛馬進軍歌」にさしかわっていた、と紹介されています。無論『間違いだらけの〜』で紹介されているのですから『間違いだらけの〜』出版前であり、山中恒の指摘ではありません。
ひょっとすると、少年Hの歌う「メダカの学校」が戦後の歌だと指摘されて「お馬の親子は〜」に変更したら、今度は妹の歌った「勝ち抜く僕等少国民」も時制が違うと文句がついてさらに「愛馬進軍歌」にしたのかもしれません。
回覧板の件にしても、本当に読者から「回覧板はあった」とだけ情報があったのだとしたら、その読者は『間違いだらけの〜』をきちんと読んでいない可能性があります。あるいは妹尾河童、または講談社の広報が『間違いだらけの〜』をよく読まずにこういったコメントを出したか。
まあ読者がまちがえたのか妹尾河童側がまちがえたのかはわかりませんが、ひとつだけはっきりしているのは、この記事を書いた人が『間違いだらけの〜』をまともに読んではいないということですね。読んでいればこうしてチェックできるのですから。
記事では
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妹尾さんの担当編集者は「『少年H』で書かれているのは、いくつもある歴史の一つ。記述が違っていた部分もあったが、それで戦争体験を語り継ぐという作品の意義が失われるわけではない」と話す。
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と書かれていますが、山中恒が『間違いだらけの〜』を書いた動機がそもそも妹尾河童が、自分はすべて記憶だけでこの小説を書き、友人にも確認したから絶対にまちがいはない、と公言していたからなのですから、担当編集者が間違いを認めちゃまずいのでは。(続き)
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99/08/31 |
ということで、ちょっとチェック。
ATOK12 |
攻防にも/筆の/誤り |
弘法も/筆の/誤り |
IME95 4.0 |
攻防にも/筆の/誤り |
攻防も/筆の/誤り |
MS-IME2000 |
工房にも/筆の/誤り |
工房も/筆の/誤り |
NECAIIME95 2.0 |
引法にも筆の誤り |
興亡も/筆の/誤り |
松茸 Ver.4.1 |
興亡にも/筆の/誤り |
興亡も/筆の/誤り |
WXG4.0 |
弘法にも/筆の/誤り |
弘法も/筆の/誤り |
いちおう「弘法にも筆の誤り」が正しいようですが、「弘法も筆の誤り」が普及してるおかげで「弘法も木から落ちる」という言い回しが楽しめるわけですしねえ。
あ、ATOK12とWXG4とIME2000はしばらく日常使用してたので、普段ほとんど使わない言葉ばかりチェックしているとはいっても学習結果が反映されているおそれはあります。
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SONYに負けじとNECもパーソナルロボットを開発している模様。
女性が声をかけるとその顔を認識、「ママ、ママ、ママ」と首を振り、からだを動かしながらはしゃぐ様子を映像ファイルで見ることができますが、不気味といえば不気味。
ロボットはあまり人間に似ないほうがいいのかもしれません。
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