第3日 4月27日(土) エルパソ到着 ヒューストン:曇り(雨が降りそう) エルパソ:晴れ 4時過ぎに目が覚める。 6時半までぼーっとしているが、なぜか目は冴えている。 7時に食堂で朝食を食べ、7時半にはチェックアウトする。 外は雨が降り出しそうで、暗い。 8時にHertzで車を返却する。走行距離は144マイルだった。 送迎バスでヒューストン国際空港まで送ってもらい、 コンチネンタル航空のカウンタへ向かう。 ところが、チェックインする時の英語が聞き取れない。 - Did you pack your own baggage by yourself? - Did any stranger try to steal your baggage? これだけの英語が聞き取れないとは情けないのだが、 何故こんな質問をするのだろうか、などと余計なことを考えてしまって、 パニックしてしまったようだ。 もう一度聞き直してもよく理解できなかったら、日本語の分かる係員を 探しに行こうとしてくれる。しかし、さすがにそれではあんまりなので、 紙に書いてくれるようにお願いして、やっと要領を得る。やれやれ。 その後、何でこんな質問をしたのか聞き直したら、FAAの 安全保護規定なのだそうで、パスポートで身分確認すれば済む 話だったらしい。 El Paso ← ← ← Houston ○--------------------------○ 9:40にエルパソ行きの飛行機は定刻通りに出発する。9:55に離陸。 エルパソまでは、ほとんど砂漠の上を飛ぶ。 空の上から見ているだけでも暑くなりそうな空気と風景である。 砂と石以外には何もない土地なのに、その上にも、人の痕跡が見える。 白っぽい直線は道らしい。円と四角形は建物の敷地だと思うのだが、 建物らしいものまでは見えない。というか、建物を造って住もうとしたのに、 あきらめて放置したようにも見える。 人の気配とか生活とか言うのとは懸け離れていて、あまり気持ちの よくない景色だ。砂漠と広大な景色を見に来たくせに、 「とんでもない所に来てしまったなぁ、こりゃー1週間楽じゃないなぁ」と 思ってしまう。 一口に砂漠と言ってもいろいろな特徴があるようで、灰色の砂漠、赤い砂漠、 ぽっかりと盛り上がった島のような山地、緑のある所、全然ない所、 水の流れた痕などが、次から次へと見えては消える。 平らな赤い砂漠にぽつぽつと緑が並んだ地域に入った頃、 山岳時間の10:27(中部時間の11:27)にエルパソに到着する。 時計を1時間戻す。 あたり一面赤くて、平らで、もちろん暑い。 エルパソ空港自体は、それほど大きな空港ではない。荷物を取り出して、 baggage claimbの前にあるHertzのカウンタでレンタカーの手続きをする。 ヒューストンの空港では英語が聞き取れなかっので少し心細くなっていたが、 ここでは問題なかった。 メキシコに行くつもりかと聞かれて、すぐにNoと答えたら、 Good!と言われてしまった。 カウンタで車のキーをもらい、駐車場の方に歩いて行って、これから 1週間お世話になる車を見つける。 FordのContour CLというMedium Classの新車である。 まだ2119マイルしか走っていないし、カセットデッキもついている。 タイヤも太い。今まで何回か車を借りた中で一番よい車なので嬉しい。 早速エンジンをスタートし、エアコンを付けて蒸し風呂状態の車内の 温度を下げ、各種の操作方法を点検する。 駐車場から出るときは何のチェックもない。 都市部だとフェンスで囲まれた上に、出入り口には門番とでっかい マキビシが置いてあるのに、おおらかである。 空港を出て、一端エルパソのダウンタウンの方向に進み、 水などを買い込む。 買い物をしてから、来た道を引き返し、US-180号線を東に進んで、 カールスバッド洞窟を目指す。 エルパソの町を出ると、飛行機から見た景色の通りの荒野で何も無い。 道は平らで一直線、ハンドルをほとんど動かす必要がない。 車はほとんどいない。 おまけに猛烈に暑い。ガラスを通して入ってくる日光が痛いほど。 単調な景色と暑さのため、だんだん頭が痛くなってくるし、 眠くなってくる。 Guadalupe ○ Carlsbad Cavarns N.P. El Mountain N.P. | Paso ○空港 → → ○ |Whites City ○----------×----------------+------○---- 検問 US-180 エルパソを出て1時間くらい走った頃、国境警備隊の検問所(Inspection)で 停車する。 道の真ん中にゲートがあって、どの車もチェックを受けるのである。 こんな体験は初めてなのでドキドキしていると、身分証明の提示を 求められたので、パスポートと免許証を見せる。 次に、どこから来て、どこに行くのかという質問に答えると、 通してくれる。 どうもメキシコからの不法入国者を取り締まっているらしく、 メキシコ方面からアメリカに向かう方だけ検問をしている。 メキシコ国境付近をうろうろしていた私は、この後2回検問で 質問されるのである。 途中で給油する。この先60マイルはガソリン・スタンドが無いという 看板があったからである。 途中、白っぽい砂(塩)の部分、Salt Flatを通過する。 14時過ぎに、Guadalupe N.P.の手前のピクニック・エリアで停車し、 雄大な山の景色を写真に撮りながら、少し休憩。 ここから5分ほどでGuadalupe N.P.のVisitor Centerに到着。 ここは、平らな砂漠から突然せり上がっている山で、見た目は 船を斜めに突き刺したような感じである。 ------------------------------------------------------- Guadalupe Mountain National Park ------------------------------------------------------- 料金: 無料? 行き方:エルパソから車でマイル(Km)。 近くの宿:White's Cityに数件のモーテル 見どころ: ------------------------------------------------------- Visitor Centerの前のパネルに、空気が澄んでいる時に見える景色と、 そうでない時を比べた写真が並べてあって、 「さて、今日はどうですか?」と書いてある。 ちょうど中間くらいかな、と思いながら説明を読むと、 見え方が違う原因は、大気汚染だと書いてある。 人なんか住んでいない所なのに大気汚染の影響があるなんて、 とショックを受ける。 さて、外は強い風が吹き続けているし、暑い中を長いこと運転してきて 疲れていたので、Visiter Centerだけ見て、カールスバッド洞窟を目指す。 15時過ぎに、White's Cityに到着。洞窟の玄関口に当たる町である。 「白い町」ではなくて、「ホワイトさんの町」というところが面白い。 ここで昼食を取る。レストランの外をぼーっと眺めていたら、 サボテンの花に大きな蜂が、と思ったらハチドリであった。初めて 実物を見たが、あの羽ばたきは鳥じゃない。 昼食の後、7マイル走ってCarlsbad Caverns N.P.に向かう。 この公園は、海抜1300mのなだらかな山の上にポッカリと穴が開いていて、 その穴を降りていくと信じられないくらい大きな鍾乳洞があるのである。 夏場はコウモリの大群が出入りすることでも有名らしい。 Visitor CenterでPark Rangerの講演をちょっとだけ聴いてから、 さてこの後どうしようかと考える。 洞窟へ入る時間を過ぎていたので、今日は洞窟見学をあきらめる。 Visitor Centerの屋上に上がって、周りの景色を見下ろす。 相変わらず風が強い。 眼下に広がる平らな砂漠は、昔は海底だったらしいのだが、 今は標高が500mはあるらしい。いやはや地球のエネルギーとは すごいものだなぁ、と思う反面、本当かな?とも思ってしまう。 見る物がなくなってしまったので、scenic driveに向かう。 しかし、砂利道の9マイルは退屈で、あまり見所はなかった。 18時過ぎにWhite's Cityに戻り、Best Westernに宿を取る。 お腹は空いていなかったので、夕食を抜き、風呂に入って洗濯をして眠る。