認証ビジネス2018

19.01.03
毎年書いているこの「認証ビジネス○○年」シリーズはアップ時はもちろんであるが、それだけでなく一年を通して週に数件のアクセスがある。アップ時を除いて年間200回もアクセスがあるなら存在価値はあるだろう。
もう止めようかと思ったが、過去のアクセス状況を鑑みて今年もまた過去1年間をまとめてアップする。
いくつかの指標を取り上げているが、いずれの指標も先行きは暗そうだ。もちろんそれぞれに多様な解釈が可能であり、ご覧になられた方のコメントを頂ければうれしい。

うそ800 認証件数

2018年第二4半期と第三4半期はQMSもEMSも認証件数は増加までにはならなかったが、二度差分を取ったもの(加速度)がプラスになった。
これで減少は収まる方向になるのかなと思ったら、第四4半期はまた加速度はマイナスとなり、最終的に前年同期比でISO9001は1,869件減(5.9%減)、ISO14001は851件減(5.1%減)、結局QMSもEMSも減少率は過去6年間増加、すなわち減り具合が大きくなっている。

ISO認証件数推移

注:
ISO9001のグラフの2012年の凹みはなぜなのかわからない。当時JABが公表した数字をそのままである。その後JAB公表値を変更したが、何かあったのだろうと思い、私は最初の数字を後生大事にしている。

毎年6%減ならまだ16年は大丈夫と思われるかもしれないが、そうはならない。自然現象でも社会現象でも、一定レベルに増減すると、その瞬間にドラスティックに状況が変わる。金属の状態図などと同じく、まさに相(フェーズ)が変わることになる。
ビジネスでは売上ゼロでなく固定費が回収できなくなるときが終息するときであり、実際にはその前に身売りとか撤退する。


うそ800 簡易EMS認証件数

ISO14001認証は減っている。だが中小企業は簡易EMSを認証しているところも多い。
では簡易EMSはどうだろうか?

簡易EMS認証件数推移

種々の資料から得た数値を基にグラフを作成しているので、下記注をご了承ください。
注1:
同じ年であってもある認証制度においては上期、別の認証制度においては年度末などのズレがあること
注2:
数字を公表していない認証制度/年度については講演会や論文などの数字によった。
出所によってはこのグラフでは増加していても、2016年から足踏み状態となっているものもある。真偽はわからない。

KESとエコアクション21は頑張っていると思う。エコステージは減少している。これもISO14001に比べれば微減だから頑張っていると言えるだろう。その頑張りが良いことなのか、意味がないのかは分からないけれど。
簡易EMSが今後伸びるのかどうかは、結局 会社に貢献するかどうかだ。しかし会社を良くしようという運動なら、簡易EMSでなくサークル活動とかグリーン認証などの方が直接的で実効性があると思う。儲けを伸ばそうというならマネジメントシステムではなく、従業員の力量向上とか業務の効率化の方が直接的だ。
実を言って既に簡易EMSはそういう方向に軸足を移しつつある。それはビジネス戦略としては正しい選択だろうが、それなら環境マネジメントシステムと称してほしくない。小集団も改善提案活動もQMSもEMSも担当してきた者としてそう思う。
戦い方や戦場を変えても良いが、名を偽ることはいかんよ、
マツダキャロル
スバル360
矢印
ダイハツミラ
今の軽は昔より大きいけど、
形の違いは分かるでしょう

それといずれの認証規格も根本的なところで間違っている。
軽自動車は小型車を小さくしてもダメ。軽自動車のサイズで最善のパッケージングを考えなければならない。1970年頃は軽自動車と言えば、小型車を小さくしたものだったが、現在は軽自動車の枠を最大に活用するため、エンジンはFF、車輪を四隅に、車体は箱型に進化した。

中小企業用にISO14001を簡易にするのではなく、会社規模に見合ったマネジメントシステムを考えなければならない。私が簡易EMSを設計するなら、項番はまったく違う。そしてISO規格のような呪文ではなく、誰にでもわかりやすく誤読されないことが必要だ。最低、ISO14001を翻訳したときの造語は使っちゃいけない。現行の簡易EMSはこの条件を満たしていない。コンサルとか指導者がいなくても素直に解釈できることと、即効性がなければ世の中に受け入れられることはないだろう。


うそ800 審査員登録数

ISO9001の審査員登録は日本規格協会のマネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA)が行っている。だがここは何年も前に、登録者数などの公表を止めてしまったので、今現在 登録審査員が何名いるかは分からない。いや、正確に言えば審査員登録者に配布される季刊誌JRCAには載っているけどね、

参考までに: JRCAですよ!JRAは日本中央競馬会、JRCは青少年赤十字、JAは農業協同組合、勘違いしないように

ISO14001の審査員登録は産業環境管理協会の環境マネジメントシステム審査員評価登録センター(CEAR)が行っている。ここは過去より審査員登録数を公表している。さすが産環協は立派である。
となると日本規格協会のマネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA)は立派でないということになるが、それでよろしいでしょうか?

EMS審査員登録数推移

注:

さて上図を見ると、いろいろと考えられる。
冒頭のISO認証件数のグラフを見るとISO14001認証件数のピークは2009年である。一方 上図のCEAR登録審査員数は2007年頃がピークで以降減少しているが、面白いことに登録件数が減り始めた2009年に減少する傾きが緩やかになっている。これをどう解釈すればよいのか?
ちなみにISO9001の認証件数が減り始めたのが2006年度、この直後からISO14001審査員補に登録していた人たちが減り始める。これはISO9001認証が減ったので、まもなくISO14001認証も減ると予測して、EMS審査員補に登録しているのは無意味と考えて登録を止めたという可能性はある。しかし実際に14001認証が減り始めた2009年には審査員補の登録数減少が鈍化したということの説明が思いつかない。
ひとつの仮定だが、ISO9001の減少を見てEMS審査員資格がいらないと割り切った人は3年以内に返上し、そのとき踏ん切りがつかなかった人たちがそれ以降少しずつ登録を止めているということだろうか?
審査員を職業にしている人たち、主任審査員と審査員は認証件数の減少に関わらず減っていなかったが、2014年に減少を始め、以降割合は小さいが以降減少し続けている。これは仕事量が減っているからやむを得ないことだろう。

知り合いの審査員から聞いたが、今では契約審査員の仕事は非常に少ない、しかし審査日当は下がっていないという。まあ日当は世間一般の賃金との兼合いがあるだろうし、それだけで食べている人はあまり下がってはやっていけない。となると八方美人的というかみなに等しく発注(依頼)はできず、有能な(使いやすい)人を選別し、それ以外は切るという方向しかないのだろう。


うそ800 ISO認証機関売上推移

2018年認証機関のQMSとEMSの売り上げは、250億ジャストと思われる。
認証機関の売り上げは審査登録料金だけでなく、審査員研修や一般の研修コース、出版などがある。
ISO認証の登録件数は上記のように前年比、QMSが6%減、EMSが5%減であり、審査単価は私が調べたところ前年と変わらず、よって売上は登録件数に比例して減少したと思われる。
審査単価はもうこれ以上は安くできないということなのだろう。

認証機関売上推移
注:
売上高は年表示の前年を示す。2018年の売り上げはグラフの2019年のところである。
2019年に算出したという意味です。

審査料金が下げ止まりというのは、なぜか?
市場規模を拡大できず提供するサービスを差別化できないなら、ビジネス戦略としては費用を安くするしかない。とはいえ価格を下げるのも、審査員の稼働率向上、契約審査員への転換などを策は尽くして、もう値引きも限界なのだろう。
当初はノンジャブのチャレンジを受けて、値下げ競争に走ったが体力が持たず、今度は赤信号みんなで渡ればと横並びになったということか?
固定費削減として所在を家賃の安いところに移すという手もある。それについては下の方にある「認証機関所在地」を参照願いたい。


うそ800 ISO関連書籍出版数

ISO関連本の出版数である。
このグラフは書籍のタイトルにISO9001またはISO9000及びISO14001またはISO14000が付くものをカウントしていたが、昨今はISOMS規格が増えて、内部監査とか統合運用などMS規格に共通する書籍もあるので、特定の規格対応でないものも加えた。
だが、それでも合計は8冊に留まった。共通本を除くと5冊であった。それと環境法規制の本が2冊、毎年定例にアップデートされるから、これを除けば3冊だ。壊滅状態だ。

ISO本出版件数

注1:
データはbook.or.jpに掲載されているものを数えた。
注2:
オレンジの線は近似線(2次曲線)である。

グラフに山がいくつかあるが、左からISO9001の2000年改定、ISO14001の2004年改定、ISO9001の2008年改定、そしてISO9001とISO14001のダブル改定があった2015年である。
いずれの場合も規格改定の年は出版が間に合わず、翌年がピークになっている。
2015年改定から3年が経ち、既に改定に伴う出版ブーム(?)は終わった。
過去、ISO規格改定のたびに数多くのISO書籍が発行された。改定直後は規格の対訳本、解説本がドサッと出版されグラフに山ができるが、改定のたびにその山は低くなり、低下するのも短期間となってきた。2015年は久しぶりの改定であり、かつISO9001とISO14001のダブル改定であったが山は低い。
次期改定がいつになるか現時点では分からないが、そのときは山にならないかもしれない。

だいぶ前のことだが、ISO本の出版に関わっている方から聞いたことだが、ISO本は3000部売れたらベストセラーだという。ISO本は新書も文庫もないから、売値2000円として印税は60万か・・・
200ページ書くのには700時間はかかるだろうから時給860円、コンビニのアルバイトと同じか。私ならウェブサイトで言いたい放題書いている方がいいな。
待てよ、このコンテンツを書くだけでも聞き取り、ネットをググる、調査報告を眺めるなど30〜40時間かかった。本1冊が700時間で書けるとは思わない。
おっと それはベストセラーになったときの話だ。そうでない場合は・・

注:
2016年コンビニの時給は、全国平均892円、関東が一番高く948円、一番安い九州で784円
アルバイトニュース

いやいや、契約審査員で日当2万としても、1時間2,500円だけど、事前勉強をしなければならず、それが審査時間と同じとすれば時給1,250円にしかならない。それでもISO本を著すよりは分がいい。
しかし世の中を眺めてみればどうだろうか?
ちなみに時給の高いアルバイトでは、
家庭教師 2,000円〜 教師の学歴、実績次第
引っ越し 1,800円〜 体力勝負
パチンコ店 1,300円〜 定着率悪し
いやはや、審査員をするには、技術的知識と審査の技術があるだけでなく、仕事への誇りと審査結果に対する責任感がないとまっとうできそうにない。


うそ800 雑誌発行部数

今現在、ISOMSに関わる雑誌となるとアイソス誌のみである。この発行部数は過去4年間6500部となっていて変動がない。ちなみに雑誌は広告代が関わるから発行部数を公表している。

ISO雑誌発行部数

発行部数に全く変動がないというのはほとんどが定期購読だからか?
双方とも6500部というのはそこが損益分岐点なのだろう。この部数が売れないとオシマイか?

環境雑誌も10年前は両手に余るほどあったが、櫛の歯が欠けたように減少し、数年前から日経エコロジー誌のみとなっていた。2018年日経BP社も環境だけではダメだと判断したのか、日経ESG誌と改名した。ESGとはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)の三つの言葉の頭文字を合わせたもので、最近のはやりである。
内容は大きく変わったとも思えないが、エコロジー誌のときよりも、環境投資とか環境ビジネスということに力点が移って、今では環境をネタにいかに金儲けをするかという雑誌となっている。
ところで日経ESG誌としての発行部数は公表されておらず、公告案内には2016年時の日経エコロジー誌の発行部数が載っている。どうしてかは分からない。


うそ800 CINII論文数

毎度のことであるがCINII(国立情報学研究所)に登録されている論文数を数えた。
なおCINIIには科学技術だけでなく文系、例えば古事記や紫式部とか長谷部恭男の憲法の論文も収録されている。

ISO論文CINII登録件数

さてISO9001もISO14001も2018年にCINIIに採録された論文は、数件しかなく過去17年間減少する一方だ。
2000年頃、学部生も院生も大学教員も、ISO14001が素晴らしいという論文(妄想)をジャンジャンと書いていたのはなんだったのか?
しかし2018年12月のエコプロ展でも大学の出展は70校もあった。NPOもいまだに雨後の筍状態である。このように環境への関心がそれほど鈍化していないのに、ISO14001の論文がないというのはどうしてなの? もはやISO14001は当たり前、論文にするような新しいことがないの?
実を言ってISO認証件数が減ってきた考察の論文が昨年にあった。読めば支離滅裂としか思えなかった。それはともかくISO認証の価値あるいは経済的あるいは社会現象としてのISO認証の盛衰のまともな研究論文があっても良いと思うが、そういうものはない。もう誰も興味がないのか? 研究対象じゃないのか?


うそ800 グリーン調達におけるISO14001の扱い

googleで「グリーン+調達」で検索した上位100位までに見つかった2018年に制定・改定されたグリーン調達基準書において、EMS認証を要求した割合とシステム構築を要求したものを数えた。
2017年までの推移は昨年までに調査した数字である。

グリーン調達におけるEMS要求状況
注1:
上記グラフのデータは当該年1〜12月に制定・改定されたグリーン調達基準書におけるEMS要求状況を数えたものであり、その時点で有効ではあるが当該期間に改定されていないものは除く。だからその時点でのEMS要求割合ではなく、当該時期でEMSがいかほど重要と考えられているかが把握できると考えた。
注2:
凡例の「認証要求」とはISO14001だけでなく、エコアクション21、エコステージ、KESなどを含めて外部認証を要求するもの。

明確にISO14001認証を求めている会社はないが、「認証を推奨する」という表現は複数見られた。
過去より要求レベルが2年ないし3年で波打っており、それは企業の調達基準書の見直しがその間隔で行われているからと推察する。
上記グラフでは直感的イメージが持てないので、それぞれに重みを付けて一つのグラフにしたものが下図である。

グリーン調達におけるEMS認証要求状況

注:
重み付けは下表による。配点の根拠は特にない。
「調査のみ」も0点にすべきかもしれない。
重み付け点数
5点ISO認証を要求
4点ISOまたは簡易EMS認証を要求
3点EMS構築を要求
1点EMS認証状況の調査のみ
0点EMSについて要求なし(言及なしと言うべきか)

前の図を含めて2015年から調達基準書でEMS構築要求は下げ止まり、EMSを重要視するようになったとも見えるが、もうすこし長期間データを取らないと何とも言えない。
もっとも認証は求めなくてもシステム構築を求めるのは、購入者として当然のことだ。


うそ800 エコプロ展におけるISO14001

エコプロ展2018でも書いたが、入場者数は伸び悩みというか、減少方向の圧がかかっているといって良い。

エコプロ展入場者数推移

エコプロ展主催者はフリーマーケットとか別の展示会と合わせて開催したり、工夫しているようだ。その甲斐あってか2018年のエコプロ展はわずかだが入場者は増加した。

カエル 残念ながら、エコプロ展に出展していた認定機関、認証機関、審査員研修機関はなかった。唯一、審査員登録機関もしている産業環境管理協会が出展していたが、展示していたのは公害防止管理者試験とその通信教育、及びLCAの通信教育などの案内だけで、ISOとかCEARについての言及はなかった。

っと、ここではエコプロ展の盛衰を語っているのではない。
エコプロ展におけるISO認証の扱いの盛衰を語っているのだ。

出展している企業や大学のいくつかが、ISO14001認証していることを示す審査登録証のコピーを掲示していたところがあった。それが今回のエコプロ展で見たISOに関するもののすべてであった。

10年くらい前はどうだっただろう?
ISO認証機関も認定機関もエコプロ展に出展していた記憶はない。しかし、多くの企業でISO14001認証しましたと掲示していた。そして多くの電機メーカーやソフトハウスが、「ISO対応文書管理ソフト」とか「環境側面決定ソフト」とか「環境法規制検索ソフト」「マニフェスト作成ソフト」なんてものを展示していた。
私の趣旨からすれば環境対応ソフトもISO対応ソフトも存在するはずがないと思うが、それはともかく、ISOの熱気、正確に言えばISOを出汁にして金儲けをしようとする熱気はすごかったのである。
あの熱気は今いずこ・・・

注:
私はISOのための仕事というものが存在するはずがないと考えている。会社の仕事はすべて企業活動のためである。
節電は費用削減であり、廃棄物の分別は遵法と安全のため、コピーの削減は費用削減だ。それを説得できずにISOのためというなら、嘘つきの卑怯者だ。
故にISOのためにしなくちゃならないと騙る人は、嘘つきか詐欺師にしか見えない。
ISOのための仕事なら、実施してはいけない。それは背任行為だ。
お断りするが、現役時代の私は遵法と無駄廃止には人一倍努力したつもりである。


うそ800 認証機関、研修機関の数の推移

認証機関や審査員研修機関の増減はどうだろうか?

認証機関・審査員研修機関

注:
残念ながら、2005年以前の認証機関と2011年以前の審査員研修機関のデータを持っていない。

日本適合性認定協会から認定を受けている認証機関の数はそう増減はない。認定された認証機関が事業終了や合併(身売り)をすることは過去より何度かあったが、ノンジャブだったものがJABの認定を受けたりして、JAB認定の認証機関の増減はほとんどない。

グラフには審査員研修機関もあるが、現在では審査員研修機関の増減と認証制度の盛衰とは無関係だ。というのはISO17021が2011年に改定されてから、ISOMS規格の審査員は認証機関が力量ありと認めれば審査員をできるようになり、審査員登録は必須でなくなり、そしてまた審査員研修機関修了も必要条件でなくなった。当時、「審査員は資格ではなく力量である」なんて言われたと記憶している。
とはいえ多くの認証機関は審査員研修機関修了して審査員登録機関に登録することを求めている。そのほうが対外的に説得力があるのか、それとも審査員の基本的知識(なものがあるのかどうかは不明)を身に付けているからか、どうなのだろう。
ただ毎年の審査員登録費用もバカにはならないと、審査員登録を止めたり、登録料の安い審査員登録機関にした認証機関もあるようだ。

2018年末にCEARに承認されている審査員研修機関は三つであり、2018年度に開催する研修は合計37回である。
10年前の2008年頃はこの3社で年間60回以上のEMS審査員研修を開催していた。当時からこの3社は大手だったが、そのときは10社審査員研修機関があったから、ものすごい数のEMS審査員補が量産されていたはずだ。

ところで、2018年末の審査員補を含む審査員登録数は4549名で、今現在300人/年の割合で登録審査員は減少している。
 となると 300=引退者−新規登録者 であるから、
 300名は登録者の6.9%だから引退者はそれ以上いることになる。
引退者が登録者の10%と仮定すると455名、
 すると 300=455−新規登録者 ⇒ 新規登録者=155
これを研修会37回で割ると 155÷37=4.2名
しかし研修は3名以上20名以下というしばりがある。
(CEAR「環境マネジメントシステム審査員研修コース承認基準 TE1100-14版」(2018.05.01)による)
今時は審査員になろうという人は少ないだろうが、開催するには受講者が5・6名いなければ固定費を回収できないだろう。
 仮に1回6名とすると、 37回×6名=222名
 95%が合格修了として 222名×0.95=211名
 75%が審査員登録として 211名×0.75=158名
仮定を重ねたが、そんなところだろう。
このときの審査員研修の売り上げは 人数×研修受講料=6名×20万=120万
これで場所代、広告費、審査員研修コース承認料、JATA会員、講師料などを考えるとお先真っ暗という感じだ。JATAの方、CEARの方、いかがなものでしょうか?
もし受講者がCEARの最低基準である受講者が3名しか集まらなかったと心配することはない。そのとき研修会は中止になる。そういう例は稀ではない。

どうでもいい話ですが: JATAとは審査員研修機関連絡協議会の略、同じJATAで日本旅行業協会もあります。
JEITAは電子情報技術産業協会、スペルは違うけど耳で聞くと共に「ジェイタ」なので区別できません。現役時代間違えたことがありました。同僚は「自衛隊」と間違えましたっけ(遠い目)



うそ800 認証機関所在地

一般に一流企業は丸の内、港区と言ったところに本社を構えていると思うだろう。実際にも東証一部上場企業の本社所在地は、千代田区、港区、中央区の順で、それだけで上場企業2100社の内620社、全体の3割を占めているそうです。東京都内に本社のある上場企業だけとらえると6割以上だそうです。

では認証機関はどんなところに所在しているのでしょうか?
下図は2011年と2018年のJAB認定の認証機関の所在地です。関東以外に本社がある認証機関は除いた。横浜にある認証機関は図の下部に●印をつけた。
認証機関所在地2011
認証機関所在地2011
矢印認証機関所在地2018
認証機関所在地2018
注:
Windows付属のペイントで図を書きましたから多少のズレはご勘弁願います。
所在地が変わらなくても数ミリずれがあります。
定年退職者はお絵かきソフトを買う金がありませぬ

凡 例
 財団法人系の認証機関
 業界団体系認証機関
 船級検査などから発祥した老舗認証機関
 上記以外

荒川より北と隅田川より東にないというのがハッキリしています。印の色が分かりにくいですが、神田界隈に新興の認証機関が集まっていること、新橋周辺に財団法人系と業界団体系の認証機関が集まっていることが分かります。横浜にはLRQAとかBVなど老舗があります。
なお左図から右図に移動したわけではありません。JQAはこの間に赤坂⇒丸の内⇒神田と引っ越しています。他も複数回引っ越しているかもしれません。

8年の間に都心に移転が進む一方、丸の内などの一等地にいた会社はなくなりました。都心はビジネスに便利、有利ということでしょう。そして丸の内や中央区あたりは家賃が高いからでしょうか。神田となれば千代田区といえどオフィスの家賃は丸の内と大違いですからね。もっとも業界団体系は業界のからみから引っ越せないところもあります。地図を見ているだけでいろいろと頭に浮かび面白いです。


うそ800 本日のまとめ

毎度バカバカしいお話を 長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日ごろISOのお仕事に集中されているでしょう。でもお正月くらいはISOといっても規格を忘れて、認証をビジネス・商売と見て、認証機関の売上や所在から動向を考えるのも面白いでしょう。
お正月開けたらまたお仕事を頑張ってください。

どうでもいいことですが、いつもの駄文と違い、これを書くためにデータを調べるのに実働30時間以上かかりました。ときどき甘酒やコーヒーを持ってきてくれた家内も呆れてました。私自身も呆れてますけど




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